このコラムは
筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、3年11ヶ月目となります。実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。
なお、前号をご覧になっている方は間を飛ばして
<4.運用実績>からご覧ください。また、
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■前号:http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=394
<1.運用方針>
1.
毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.
目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、
「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、今や全額投資状態になっていますのでポートフォリオ重視になりました。どちらかというと「上がったら売り」ですかね。
5.投資比率は、リスクが低めの債券を少なくとも1/3くらいは維持しようと思います。
<2.計算方法>
1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで
元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.
2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。
<3.現在の運用割合>
普通預金もわずかとなり、全額投資=フルインベストメントに到達しています。今後は必要があればリバランスを中心に資産を組み替えていこうと思います。ただ、全体のバランスとしてはほぼ申し分ないかなぁと思いますので、今のところ積極的に何かを変更する気はありません。
商品別の投資方針ですが、ある程度の安全性を確保する観点から
債券ものは一定の割合を維持しようと考えています。
株ものについては、日本株は高配当株と新興市場株に投資しています。
日本株についてはそれほど強気ではないものの、長期的には日本債券よりはましなパフォーマンスを期待できることから、現状2割くらいのシェアで保有しています。今のところ、その期待は裏切られていますが・・・。
海外株は中国(香港)、アジア、ロシア・東欧などの新興国を中心に投資してきました。新興国の株価の上昇に合わせて結構なシェアとなりましたので、一部売却してきましたが、株価も大幅に下がり大体いい感じ(?)に収まってきましたね。現状、新興国は約1/4くらいです。
ちなみに
インド・ブラジルは投資のタイミングを逸しましたので投資先には加えておりません。今なら投資をしてもいいタイミングかもしれませんが・・・投資できる資金がありません(笑)。
また海外株の方でも
高配当株を加えています。新興国に偏っているポートフォリオを調整するのが狙いです。こちらは積極的に投資したいと思います。・・・って、こちらも資金はありませんけれど。何かを売却したら追加購入したいと思います。
それ以外には、
REIT(不動産投信)を加えています。インフレに強い資産のはず、です。今のところガタガタですが・・・。
<4.運用実績>
まずは運用実績の前月との比較です。今月は前月比
▲8万円減少しましたね。内訳を見ると全般的に
仲良く下落していますね。先月に比べて上昇しているのは
海外債券/新興国くらいなもので、それ以外は全て下落しています。下落している理由を探ってみると・・・
(30分経過)
はいはい、調べてきました(笑)。最近、どうもマーケットの動きに疎くていけません。気持ちとしては「
何だかんだ言ってあと数年は株価は上昇しつづけるはず」と、超楽観的なので、余計、関心が薄まってしまうのでしょうね。バブルの時の雰囲気を1人で再現してしまっていると思えば、何かみなさんの参考になるかもしれません(?)。
さて、この1ヶ月で株価が下落した主な要因は
・アメリカ:金融規制案の余波
・中国:金融引き締め観測
・ユーロ:ギリシャ問題
と、主にこの3つのようですね。
アメリカの新しい金融規制案の話は、すでに何回か取り上げていますが、銀行が行う高リスクの投資や融資を規制するもので、特に高いレバレッジで投資を行うヘッジファンドなどへの融資を制限しようとするものですね。個人的には実効性はよく分かりませんが、
方向性は正しいことだと思います。
高レバレッジの投資やヘッジファンドなどの活動が、経済全体に対してプラスの貢献をしているのかマイナスの貢献をしているのか筆者はよく知りませんが、今までの世界の有り余るマネーが積み上げてきた「
信用バブル」はどうにかして、身の丈にあったものまで取り崩していく必要があります。
さもないと、2008年のような金融危機が何度も頻発するようになりますね。そのたびに世界で
何百兆円も国債を刷っていたら、今度は
財政危機が起こり誰もお金を信用しなくなります。物々交換の時代に逆戻りですね。そうなると本当に世界は混乱してしまうでしょうから、やはり実体経済の黒子であるはずの金融だけがどんどん成長していくようなバブルは早い目に芽を摘む必要があります。
そういう意味ではアメリカの金融規制は必要なものだと思いますが、とは言いつつアメリカは引き続き世界の経済の中心ですからね。アメリカが何かをすると、それが津波のように世界の市場に影響を及ぼします。その影響力は絶対、軽視しない方がいいですね。末永い世界経済の成長を望むのであれば、
やむをえない痛みだとは思いますが。
2点目の
中国の金融引き締め観測については、これまた中国の景気が過熱気味だから引き締めるわけで、とても
正しいことだと思います。新聞なんかでも「中国はバブル」という論調が目立ってきましたね。まぁ、新聞の言う事はあまりあてになりませんし(笑)、1年半前まで「世界恐慌」の可能性が色濃くあったことを思えば、バブルという響き自体、やや
牧歌的な感覚もしなくもないですが、とはいえ中国経済の長期的な成長を望むのであれば、今からある程度引き締めを試みていくにはいいことなのではないでしょうか。
ただ中国は、投資家心理の最後の拠り所みたいなところがありますからね。仮にこれで短期的に中国経済が失速するようなことになれば、実際のインパクト以上に
心理的なインパクトがあるかもしれませんが、それも再度金融を緩和すればいいだけと言えば、それだけのことかもしれません。
3点目の
ギリシャ問題については、筆者は引き続き楽観的ですが、とはいえ仮にギリシャが財政破綻をし、国債の保有者が傷みを被った場合、他の財政危機の国への影響は必至ですね。その連想として、スペインなども注目されているようですし、日本もまた財政危機の国ですから、他人事ではないですね。
ただしこれもまた、2008年の金融危機時に緩んだ
財政規律に警鐘を鳴らすという意味では、正しい動きのような気がします。ギリシャの方には申し訳ないですが、世界経済のためには、そして日本のためにも、もう少しこの問題が長引いた方がいいのかもしれませんね・・・。
ということで、今回株価が下落したいずれの理由も、ベースとしては「ポスト金融危機」というか、
金融危機の出口で起こる問題を象徴している気がしますね。いやー、本当に
世界恐慌が起こる雰囲気がありましたからね、1年前まで。それが今や「金融引き締め」が話題になるくらいですから、去年と
雲泥の差ですね。バーナンキ氏にはノーベル平和賞をあげたいくらいです(笑)。
ちなみに直近の株価の動きはこんな感じですね。
■日経平均株価(3ヶ月)
■日本を除く、世界の先進国の平均株価(3ヶ月)
■世界の新興国の平均株価(3ヶ月)
リバウンド中にも見えますが、チャート的に「半値戻し」というのはよくあることですので、どうなるでしょうね??
ただ少なくとも上記3つの問題は、繰り返しになりますが本質的には
景気回復にともない起こっている問題ですので、短期的にはともかく、
中長期的にはあまり心配しなくていいと思います。
先月に引き続き、通算成績はまだ悲惨な状態を維持しています。
海外株式/中国(香港)株以外、全部赤字ですね。もうしばらく時間がかかりそうです。
こちらは損益推移です。2008年の9月→11月でガツン×ガツン×ガツンと3連発で大損となりましたが、ようやく半値くらいまで戻してきましたね。
しかし、これも「半値戻し」と思えば見事な「半値戻し」のチャートですな・・・。バブルが崩壊すると概ねこんなチャートになるのですが、ぜひまた浮上していってほしいものです。
目標としては毎年25万円の利益。ということで5年目を迎える
今年の4月には100万円の黒字を目指すということにしておりますが、先はまだまだ長いですね・・・。
<5.今月の追加投資/売却>
今月は普通預金もありませんし、追加の投資も売却もありません。
<6.他ファンドとの比較>
筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。
・3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
・グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)
そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが緑、グロソブがピンクです。
筆者のポートフォリオと3分法ファンドの差は少し開いて、その差は
11万円。なかなか差が縮まらないですね・・・。
では次回も来月のこの頃に更新予定です。黒字復活にご期待ください・・・いつのことやら!?
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