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バティストーニ指揮の「カルミナ・ブラーナ}

2024-03-14 13:59:53 | 音楽
3月13日(水)の夜に東京オペラシティのコンサートホールで、「カルミナ・ブラーナ」を聴く。アンドレア・バティスティーニ指揮の東京フィル。新国立合唱団と世田谷ジュニア合唱団。ソプラノとバリトンはイタリア人で、カウンターテナーが彌勒忠史。オーケストラはコントラバス8本でのフル編成なので、90人ぐらいの編成。合唱団は総勢70人近い大編成。これだけの編成だと、舞台に乗りきらないので、合唱は2階席の舞台側に陣取っていた。観客の年齢層は結構若く、ほぼ満席だった。

サントリーホールは2000名ぐらいだが、オペラシティは1500名と一回り小さいので、大編成のオケと合唱はすさまじい迫力だった。7時開演で、最初にレスピーギのリュートのための古風な舞曲とアリア第2組曲が20分ほどあり、20分の休憩を挟み、後半はオルフの世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」を65分間通しで演奏。終演は8時50分頃だった。

バティストーニはこれだけ長い曲を暗譜で指揮したので、すごいものだと感心。「カルミナ・ブラーナ」は最初から合唱が入り、エネルギー全開といった感じで、迫力ある演奏を楽しめた。世俗カンタータとは言え、大半はラテン語の歌詞なので、無料で配られた歌詞対訳を事前にゼット読み、どんなことが歌われるのか頭に入れて聞いたが、やはりオペラと同じように字幕が出て欲しいと思った。

世俗という通り、歌われるのは宗教的な内容ではなく、恋の話や酒場での男たちの話。運命の女神が狂言回しとなって話が運ばれる。解説によると、初演はナチスドイツ下のフランクフルトで1937年。時代の雰囲気を反映してか、大仰な響きの曲調だが、聴くと結構面白い。

児童合唱が入っていたが、声を聴くとソプラノの声域ではあるが透明感に富んだ児童特有の響きがあり、確かに大人では出せない声なのだと思った。バティストーニは踊るような指揮ぶりで、時には合唱隊に身振りまで指示して大活躍。大規模な曲なのでなかなかやらないが、面白いなあと堪能した。

帰りがけに中華屋で軽い食事。5年物の紹興酒を飲みながら、干し豆腐とパクチーの和え物、小籠包、揚げ春巻き、アスパラガスと長芋、銀杏などの炒め物を食べた。

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