一時期養殖のハマチには大量の抗生物質が与えられているというニュースが流れて、以来養殖ハマチを食べることがなくなったのですが、現在抗生物質を与えられていないものはないのではないか、と思われるようになっています。養鶏場の鶏しかり、養豚場の豚、牧場の牛ほとんどが飼料に抗生物質を加えられています。抗生物質は感染症を抑えるだけではなく、成長も早めるのだそうです。そして、その糞から作られた有機肥料にも抗生物質は残留し、野菜などに吸収されます。海にも流れきっと天然ものの魚にも吸収されている可能性があります。残留抗生物質は耐性菌を作ることにもなりますし、せっかく感染症とおさらばしたと思われるヒトはこれからまた、新たな闘いを強いられるのかもしれません。
とはいえ、我々ができることは、体を自然の態勢にしておくこと、特に第二の臓器と言われている1000兆の細菌とその440万個のDNA、マイクロバイオータ(腸内常在菌)をいい状態に保つこと、どうしたらいいかを考えなくてはならないのです。赤ん坊の時代にマイクロバイオータの多様性に至らなかったばあい、21世紀病といわれる自己免疫疾患系の病気になる可能性がとても大きいらしいです。自閉症やうつ病もその一つに数えられるとか。いい食事をしなくてはなりませんね。
「あなたの体は9割が細菌」アランナ・コリン 河出書房新社