【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「レミーのおいしいレストラン」:錦糸町駅前バス停付近の会話

2007-07-25 | ★東20系統(東京駅~錦糸町駅)

さかな、さかな、さかな~、さかなをたべると、あたま、あたま、あたま、あたまがよくなる~
なに、気持ちよさそうに歌ってるのよ、「おさかな天国」なんか。
あそこに見える魚寅って店、このあたりじゃちょっと名の知れた魚屋なんだぜ。
じゃあ、今夜は魚料理にでもしようか。
ネズミのレミーに料理してもらってな。
かわいいのよねえ、「レミーのおいしいレストラン」の主人公の青いネズミ
レミーって、料理研究家の平野レミからもらった名前らしいぜ。
ウソ!?
うそ。単なる想像。
ン、もう。やめてよ、一瞬信じちゃったじゃない。
でも、あのネズミのふさふさの毛。触ったらやたら気持ちよさそうで、ああいう質感は、「モンスターズ・インク」に劣るとも優らない出来だ。
それをいうなら、優るとも劣らない、でしょ。
いや、小さなネズミだけに量的には劣ってた。
でも、触りたいくらいかわいい。きっとまたキャラクターグッズがいっぱい出来てくるんでしょうね。レミーが使った調理道具とか、しっぽがひもになっている携帯ストラップとか。
ミッキーマウスとはまったく違ったネズミキャラクターの誕生だ。
シェフになるのを夢見るネズミのレミーが料理の下手な人間の見習いシェフ、リングイニと知り合い、二人三脚でレストランを盛り上げていくっていう話。
いつものように、アニメらしい悪役が出てきたり、リングイニに突然恋する女性が出てきたり、すったもんだがあって予定調和のハッピーエンド。安心して観ていられる話だから、あとはレミーの表情とか仕草とか、つくる料理がどれくらいおいしそうに見えるかとかをじっくり楽しめばいい。
とにかく、動きや表情のひとつひとつがチャーミングで、あれはもうアニメじゃなきゃ出ないかわいさよね。
しっかり計算が行き届いてる。すばらしい。
料理がまた、ピクサーらしい完璧主義で表現されているから、ツヤといい色といい、実においしそうに見えること。
ピクサーのアニメって、ほんと技術的にはもう言うことないな。
CGアニメもここまでくると、「白雪姫」とか「シンデレラ」とかの昔の2次元アニメがちょっと懐かしくなっちゃうくらいね。
大丈夫だ。2次元アニメは、宮崎駿を始めとする日本のアニメ作家がしっかり引き継いでる。
なるほど。アニメの世界も世界的な役割分担が出来始めているってことかしら。
レミーとリングイニみたいにな。
でも、考えてみると、料理はレミーがつくるばかりでリングイニは彼に頼りきり。
そうだな、最後はリングイニもとうとう自分で料理をつくれるようになってハッピーエンドっていうほうが、成長感があってよかったかもな。
レミーも失敗を繰り返して料理がじょうずになっていくんじゃなくて、最初から腕がいいんだもんね。映画を通して料理の腕があがっていくって感じじゃなかったわね。
まあ、料理をつくるってことじゃなくてレミーは自分に与えられた力を生かしてシェフになるってことが夢だったんだからな。そういう意味では成長しているって解釈しておくか。
そうそう。料理の腕が成長すればいいってことじゃないのよね。
いや、お前の場合は料理の腕も成長したほうがいいと思うぜ。
わかった、わかった、きょうは魚料理ね。
いや、この映画の話をしてたら急にラタテューユが食べたくなった。
オッケー、きょうはラタテューユにしよう。
でも、お前、ラタテューユって何だか知ってるの?
知らないけど何とかなるって。この映画でも言ってるじゃない、「真の情熱さえあれば誰でもシェフになれる」って。
うーん、そういう意味じゃないと思うけど。


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錦糸町駅前バス停



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