【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「魔笛」:錦糸堀バス停付近の会話

2007-07-21 | ★東20系統(東京駅~錦糸町駅)
ここは江東楽天地といって、かつては劇場やキャバレーもある娯楽の殿堂だった。
いつごろの話?
うーん、俺たちの親くらいの世代かな。
じゃあ、「魔笛」を観にきていた世代と同じくらいね。
そういえば、この映画の観客はシニア割引の世代ばっかりだったような気がするな。
モーツァルトのオペラの映画化なんて、若い世代には興味ないのかしら。
俺も興味ないけどな。
半分眠ってたもんね。
でも、イビキはかいてなかったよな?
映画館の中でイビキなんて、携帯電話よりたち悪いもんね。そんなことしたら、鼻の穴に手つっこんで追い出すわよ。
こわっ。「魔笛」に出てきた魔女より恐ろしい。
で、半分眠りながらどう思った、ケネス・ブラナー監督の「魔笛」?
シェークスピア劇で有名な監督だろ。「から騒ぎ」なんてカメラワークも流麗で堪能したけど、シェークスピアはやっぱり話がちゃんとしてるからな。「魔笛」はオペラだから話より音楽が前に出てて、オペラファンにはいいかもしれないけど、映画ファンにとってはどうなんだろうな。
オープニングはケネス・ブラナー一流の流れるようなカメラワークでつかみはオッケー、あとはモーツァルトにのせて映像を展開していってみました、って感じで観てるぶんには結構楽しめたんじゃない?
しかし、舞台を第一次大戦に変えてたけど、ああいうリアルなできごとを背景にして「魔笛」のようなファンタジーを語るってどうなのよ。ミスマッチすぎて座りが悪かったんじゃないのか。
あら、いいかげんに観ていたあなたにしては固いこと言うのね。そこが映画らしい工夫で、「考えましたね、ブラナーさん」てところなんだけど。
リアルなのかファンタジーなのかはっきりしてくれ、ってことだよ。ミュージカル映画なら話がしっかりしているから背景がリアルでも観ていられるけど、オペラ映画の場合、物語自体がファンタジーなのに背景だけがリアルっていうのは、俺の明晰な頭脳が拒否してついまぶたが閉じてしまった。
オペラの素養のないあなたにとってはつまらなかったってだけでしょ。
素養ねえ。まあ、それも否定はしないけど、寝ても夢の中、起きても夢の中みたいで落ち着かなかった。
なんかそれって、映画を観る態度じゃないわよねえ。2時間20分は長いっていうのはわかるけど。
いや、全然長くはなかった。1時間くらいの映画かと思ったほどだ。
残りの時間はほんとに寝てたってこと?
まあ、それも否定はしないけど。でも寝てても起きてても同じような印象のシーンが続くだけだったぜ。
クラシックは何聞いても同じに聞こえるあなただけのことでしょ。
いや、若い映画ファンなら誰だってそう思うって。
教養のない映画ファンならそう思うってだけのことよ。
あー、差別してる!そういう上からものを言うような表現やめてくれる?
何をいまさら。映画観ながら寝てるくせに。
まあ、それも否定はしないけど・・・。


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錦糸堀バス停
※上りのみ停車



ふたりが乗ったのは、都バス<東20系統>
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