Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
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DPCデータを使った日本からの研究

2015年05月27日 | データベース・JIPAD
最近、本当によく見かけるようになった。しかもほとんどの場合で知り合いが絡んでいる。
先週見かけた二つを紹介。

Sasabuchi Y, Yasunaga H, Matsui H, et al.
The Volume-Outcome Relationship in Critically Ill Patients in Relation to the ICU-to-Hospital Bed Ratio.
Crit Care Med. 2015 Jun;43(6):1239-45. PMID: 25756414.


日本の477の病院に入院した約60万例のICU患者さん。病院を、年間症例数と全病床数に占めるICUベッド数の比率とで、3x3の9通りに分類。その結果、年間症例数が多いほうが死亡率は低かったけど、その傾向はICUのベッド比率が高い施設でのみ認められた。

Iwagami M, Yasunaga H, Noiri E, et al.
Current state of continuous renal replacement therapy for acute kidney injury in Japanese intensive care units in 2011: analysis of a national administrative database.
Nephrol Dial Transplant. 2015 Jun;30(6):988-95. PMID: 25795153.


2011年にICUに3日以上在室した約16万例。そのうち3.9%にAKIに対してCRRTが施行され、その死亡率は50.6%だった。

両方とも結果はもちろん興味深いのだけど、日本のICUの疫学データとして見ても面白い。例えば、人工呼吸を要するのはICU症例全体の約30%くらいとか。
ちなみに、敗血症でCRRTを必要とした患者さんの6割でドーパミンが使用されている。ちょっと残念な気持になる。うーん、それは言い過ぎか。いや、残念に思うのは自由だな。
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