スパニッシュ・オデッセイ

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バッティング(bateo, batazo)とピッチング(lanzamiento)

2018-07-21 11:42:11 | スペイン語
 広島東洋カープのバティスタ選手(Xavier Alexander Batista)の姓 Batista は動詞 batir (打つ)とは無関係のようだったが、語源に関係なく、どんどん打ってほしいものである。
 野球で「打つ」は英語では beat ではなく、bat だが、スペイン語では batir ではなく、batear である。英語の名詞 bat はスペイン語では bate というが、これは英語から入った語である。「打者」batter はスペイン語では bateador という。「バッティング」はスペイン語では bateo になるようだが、小学館『西和中辞典』には掲載されていない。
  1980年ごろ、コスタリカでメジャーリーグの中継を見ていたとき、「ナイス・バッティング」の意味で“buen batazo”といっていたような記憶があるが、前述の辞書には batazo(または bataso)という語は出ていない。“Spanish Central”というサイトで調べてみると、batazo の英訳として hit (in baseball)と記されていた。やはり記憶は正しかったのである。
 前述の辞書には batazo はなかったが、batatazo という語ならある。ラテンアメリカで使われる言葉のようで、「(競馬で番狂わせの)勝利、大穴」という意味で、batazo の語は batatazo からの連想もあるのかもしれない。
 さて、batir と batear(英語では beat と bat)は形と意味が似ているが、関連語なのかどうかは不明である。
 スペイン語の batir は英語の battle(西 batalla)、combat(西 combate、動詞形は combatir) の関連語であると、『西和中辞典』には明記されている。
 ついでに投手関係の用語にも少々触れておく。
 「投手」はスペイン語では lanzador という。これは動詞 lanzar(投げる)に人を表す -dor がついた語である。「投球」は lanzamiento である。これらの語のおおもとになった語は lanza(槍:英 lance)である。ということで、lanzador は本来「槍投げ選手」のイメージだが、「槍」の代わりに「ボール」を投げれば、ピッチャーということになる。
 そうすると、「ナイス・ピッチング」は“buen lanzamiento”とでもいうのだろうが、1980年ごろのコスタリカでの記憶はどうだったか。“buen pichazo”といっていたような気もするが、こちらの方は定かではない。英語 pitch から来た言葉のような気がするが、『西和中辞典』には載っていない。“Spanish Central”にも載っていない。
 pichazo から語末の zo を取った言葉なら聞いたことがある。和訳するのがはばかられる語である。「♂」の部分を表す語で、「♂の部分が元気すぎる」ことを pichazo から語末の zo を取った言葉のあとに loca (クレイジーな)をつけて表現する。
 何だが、話がピッチングではなく、バッティング(?)に戻ってしまった。 
 

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