“Leyendas Costarricenses" (レジェンダス・コスタリセンセス、「コスタリカの昔話」)という本を読んでいる。Elías Zeledón(エリーアス・セレドン、1953-2014)という人による編纂(compilación)である。
この中に “el árbol matasano”という言葉が出てきた。 árbol は「木」なので、何かの木ではあるのだが、何の木かよくわからない。
辞書(小学館『西和中辞典』)を調べてみた。matasanos という見出しはあるが、matasano はない。
matasanos は単複同形で「やぶ医者、へぼ医者」という意味の俗語である。これは「 matar(殺す)+ sano(健康な)」が語源だろうということは容易に推測できる。
そうすると、“árbol matasano”は有毒の実がなる木かとも思う。辞書を見てもしようがないので、ネットで調べてみた。
学名は “Casimiroa edulis”というそうで、俗に “ zapote blanco”(サポテ・ブランコ、「白いサポテ」)というらしい。この別名が matasano とのこと。スペイン語版ウィキペディア “Casimiroa edulis”によると、やはり毒があるようである。猛毒ではないようだが、toxicidad (毒性)についての記述がある。
【http://luirig.altervista.org/pics/index5.php?recn=35481&page=1】
【https://www.youtube.com/watch?v=Ci6Mt3Rb8eY】
blanco ではない普通の zapote はコスタリカでもおなじみで、食用になる。大文字で Zapote とやると、地名(サンホセ市の郊外)にもなる。闘牛場(牛から逃げ回るだけで、殺さない)があった(今でもあると思うが)。見た目は似ているが、zapote と zapote blanco は全然別物である。毒があるので、matasano といったほうが親切であろう。
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スペイン語とともに考える英語のラテン語彙の世界 (開拓社言語・文化選書)
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学名は “Casimiroa edulis”というそうで、俗に “ zapote blanco”(サポテ・ブランコ、「白いサポテ」)というらしい。この別名が matasano とのこと。スペイン語版ウィキペディア “Casimiroa edulis”によると、やはり毒があるようである。猛毒ではないようだが、toxicidad (毒性)についての記述がある。
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