オートミール


D810 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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オートミールは美味しくないと書いた。
ほとんど味がないのだ。
しかも見た目が、まるで鳥の餌のようだ。
子供の頃ボーイスカウトの隊長の家が小鳥屋で、遊びに行くとオートミールにそっくりな餌がビニール袋に詰めて積んであった。
ついあれを思い浮かべてしまう。

しかし調べてみると、昭和天皇もオートミールを食べられていたという。
終戦の日の朝食もオートミールだったというのだ。
あのような美味しくないものを、もしかすると陛下は我慢されて食されていたのではなかろうか。

やはり終戦後の話であるが、親戚の家に行くと大叔母が毎朝食べていたという。
母親が子供の頃、その家に遊びに行くたびにオートミールを牛乳で溶いて食べるのを見たそうだ。
柄の付いた小さい鍋に入れて、火で温めて粥状にするのだ。

その家は外交官の家庭で、某国の総領事をしていたほどの家である。
外国暮らしの長い大叔母の朝食は、オートミールと決まっていた。
母親は牛乳が嫌いだったので、あんなものを食べるのかと驚いたそうだが、砂糖と塩で味付けもしていたようだ。
もっとも他の家族はオートミールは嫌だと言ってパンを食べていたという。

栄養士の資格を持つ叔母に聞いたところ、昔大学の先生がやはりオートミールを朝食にしていたという。
朝研究室に行くと、自分でオートミールを鍋で温めていたそうだ。
その先生は某企業の有名なふりかけを開発された方で、その方が好んで食べたということは、恐らくオートミールの栄養バランスが論理的に優れていたのだろう。

時代的には50年から80年も前の話で、その頃からオートミールは日本で食べられていたことがわかる。
しかも食べているのはかなり階級の上の方々である。
鳥の餌なんて呼ぶのは、失礼なことであるとわかってきた。
好きで食べるというより、ある種のしきたりで食べていたのかもしれない。
味が気に入らないから食べたくない・・なんていう我が儘な振る舞いは、許されない世界の話なのだろう。

ホテルに泊まると、朝食にオートミールが用意されていることが多い。
根強いオートミール派がいるのだろう。
僕も毎朝のオートミールで一流の仲間入りか(笑)
今度リゾートホテルに行った時には、シェフの作った本格的なオートミールの味を試してみようと考えている。
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