とびものカメラ


D810 + Carl Zeiss Otus 1.4/55 ZF.2

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K師匠がニコンのD500を買われた。
多くの人がD5を買っているのに、あえてD500の方を選んだ。
その理由は、いわゆる「とびもの」を撮る場合は、D500の方が優れているのではないかという直感である。
K師匠とのお付き合いは長いが、論理と経験の面は完璧に近い方であが、実は直感力も極めて優れていると僕は知っている。

案の定「とびもの」(主に飛行中の鳥)を撮影するD500は、異次元の性能を示してくれたようだ。
今までのカメラとは別もので、一気に何世代か進んだような印象を受けたという。
一度ピントが合った被写体に喰らいついていく度合いが、驚くほど改善されているようだ。
もう旧世代のD3やD4は使えなくなってしまったという。

もっとも最初の設定が重要で、これに数日かかる。
今まで多くの人が敬遠していたピント優先の機能を生かすのがコツのようだ。
その設定さえ適切であれば、以降は驚くべき性能を発揮するという。

今まで合焦の成功率10%だった飛行中の鳥のの撮影が、何と一気に90%にまで上がったという。
最初にしっかり合焦させれば、後はカメラが追いかけてくれて、ピントが合ったところでシャッターが切れる。
連続200枚からの撮影が可能であり、XQDカードにストレスなく記録されていく。
止まる事のない連写音に周囲の人が驚くという。
しかもその大半が「成功」写真なのである。

D5と比べて劣る点は、当然のことながらDレンジの面で不利なことと連写の速度。
連写枚数はカタログ上のスペック競争になりやすいが、何しろピントの合焦率が大幅に上がっているので、そんなにたくさん撮る必要がなくなってしまった。
サーボモーターによるミラーの上下も、動きに工夫がなされたようで、連写中もきれいに画像が見られるようになった。
あとは耐久性であるが、アマチュアの場合、本体が壊れるほど使うには数年かかり、その頃には新型が出ている。

逆にD500の方がいい点は、DXフォーマットの倍率で画像がファインダー全面に大きく見られることだ。
D5でクロップ撮影した状態と比較すると、D500の方が解像度も高い。
レンズを見かけ上1.5倍で使えることで、被写界震度の面でも有利で使いやすくなる。
価格以外で有利な点はその程度であるが、「とびもの」には非常に重要なポイントである。

スナップ中心の僕の場合はあまり関係ないのだが、「とびもの」を撮影する限り、かなり面白いカメラらしい。
だがこれだけ撮影の成功率が上がると、今まで難しいとされた写真も、多くの人が撮影可能になってしまう。
今後、飛行中の鳥にぴったりピントが合っていても、それほど価値のある写真とはみなされなくなる可能性はある。
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