ああ失敗


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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このクリームだと失敗することがない・・
靴クリームの推薦文に、そう書かれているのを読んだことがある。
一流のプロの方なので、逆に、これほどの人でも失敗することがあるのか・・と思った。

実は僕も昨年の暮れ、大失敗をやらかした。
自分なりに考えて、実験的な磨き方を試していた。
別の色のクリームを塗ってみたり、何種類かのクリームを重ね塗りしたり・・といった方法だ。
目の前には、様々な会社の様々な色のクリームのビンが積んである。

靴クリームの中には、塗ってからあまり時間をおかずに拭き取ったほうがいいものもある。
そのため、左右の靴を交互に磨くことは難しい。
一方の靴をあるところまで仕上げて、それからもう一方に移るしかない場合があるのだ。

その方法でやっていて失敗した。
途中まで磨いて、これは思ったような仕上がりにならないな・・と気付いた。
もう一方の、手をかける前の靴の状態のほうがずっといいのだ。

慌ててクリームやワックスを拭き取って、元に戻そうとした。
ところが、ワックスの食いつきが良くて、簡単には落ちない。
もう一方の靴と、輝きや色の感じが、かなり違っている。

水溶性のクリーナーで落そうとしたが、ほとんど効果が無いので、やむなく溶剤系の強力なクリーナーを使用した。
すると革の艶が無くなり、ボソボソになってしまった。
栄養を与えて復活させようとしたが、いくらクリームを塗っても、元の状態に戻らない。

完全に左右の靴が別のものになってしまった。
不用意に実験を始めてしまったものだから、取り返しがつかない事態に陥った。
実験前は、何日もかけて磨き上げており、抜群にいい状態だったのだ。

しかもその時の状態が、残されたもう一方の靴で確認できてしまうところが辛い。
靴を揃えると、実験前と実験後の状態が一目瞭然になる。
お前がこうしてしまったのだと責められているような気分である。
ましてや、左右が揃っていないのを極端に嫌う僕であるから、精神的な打撃は大きい(泣)

先日その靴を持って、靴の仕上げで有名な方のお店に行った。
事情を説明したところ、何の仕上げ剤を使ったかなど、詳しく聞かれた。
やはりプロでも直すのは手間のかかる作業らしく、出来るかどうか時間をかけてチェックしてみるという。
まだ見積りが出ていないが、普通の磨きの何倍かかかるようだ。
まあ、自分の失敗だから仕方が無い。

実に美しいバーガンディのもう一方の靴を見たお店の方が、いい色出てますねえ・・と感心していた。
何度もクリームを塗ってやっと出した色である。
残念であるが、補修するにあたり、左右を揃える為に、その色も落とさざるを得ないだろう。
まだ一度しか履いていないのに・・・と涙目になった。
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