咲とその夫

 定年退職後、「咲」と共に第二の人生を謳歌しながら、趣味のグラウンド・ゴルフに没頭。
 週末にちょこっと競馬も。
 

最高傑作・・・「カエルの楽園」

2016-05-31 22:10:10 | レビュー

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 先般、チョコッと書き込んでいた「カエルの楽園」(著:百田尚樹)という本。
 遠方にいる息子が送ってくれた。
 この手の本が大好きらしいから、まともな生き方をしているようである。
 以前に送ってくれた「ぼくらの祖国」(著:青山繁晴)も、とてもいい本だった。

 池波正太郎狂の時代小説ファンの当方、それでも面白い本、読みやすい本ならどれでも読める。
 この本に関する知識もなしに一気に読み終えた。
 あまりにも面白く、余りにも滑稽な日本人たちがいること、そのことが赤裸々に綴られている。
  
 もっとも、この本には、人間は1人たりとも出てこない。
 出てくるのは、「アマガエル」、「ダルマガエル」、「ツチガエル」、「ウシガエル」、「鷲」などである。
 
 主人公は、アマガエルの“ソクラテス”。
 舞台をローマ時代になぞらえた物語であるが、実際はもっと違った視点にある。
 すべてを読み終えると、現実に起きている日本が投影されてくる。
 
 進歩的と呼ばれる人々(どこが進歩的なのか当方には皆目分からないけど)、護憲派の人々、戦後教育を誤らせてきた日教組。
 左翼系のメディアや政党に所属する人たちには、面白くもなんともない本かも知れない。

 ここに書かれているものは、すべて詭弁だ、詭弁であるという人たちには読みたくないだろう。
 つまり、「詭弁」という言葉の好きな人々には、頭の痛い本かも知れない。
 何でもこれらの人たちを信奉する本屋さんでは、この「カエルの楽園」を取り扱っていないか、極端に部数を減らしているらしい。

 この本の主人公・アマガエルの“ソクラテス”の暮らしている国が、凶暴なダルマガエルに占領されて国が滅んでしまった。
 “ソクラテス”の考え方に賛同する仲間が、祖国を捨て平和を求める旅に出る。

 途中で様々な苦難を得て、やっとたどり着いたのは、心根の優しいツチガエルの暮らす「ナパージュ(NAPAJ)」と呼ばれる平和な国。
 仲間たちが次々と殺され、ソクラテスと友のロベルトの2人(おっと、2匹)が、「カエルの楽園」のナパージュにたどり着いたのだった。
 どうして、この国は平和でそこで暮らすツチガエルたちは、呑気で敵に襲われないのか。
 疑問を呈していると・・・。
 ツチガエルたちが口々に、それは「三戒のおかげだよ」といっていた。

 三戒とは、「カエルを信じろ、カエルと争うな、争うための力を持つな」だった。
 どこかで、聞いたような文言、話である。
 はっ、は~ん、なるほど。

 さらに「謝りソング」なる唄も歌われており、外交的にまずは謝ることからはじめ、そして話し合いを進めてきたから、これまで平和な楽園が保たれていたと・・・。
 すべては、「三戒」と「謝りソング」のおかげである。
 このように「ディブレイク」なるツチガエルが、大衆を集めて定期的に演説をしていた。

 本当のところは、「三戒」のおかげではなくて、スチームボートという鷲が、崖の上から睨みを聞かせているからなのだが・・・。
 隣国のウシガエルが、隙あらば南の壁をよじ登り、ナパージュに入り込もうとしていた。
 そのような場合でも、「三戒」を遵守するべきだ・・と、ツチガエルのディブレイクが国民(楽園のツチガエルたち)を煽っている。
 元老院の元老のガルディアンも同様な考え方である。

 一方、意見を異にする元老のプロメテウスは、万一のために可能な限りの備えをすべきであり、「三戒」残って国滅ぶ、国滅びて命をなくすようなことがあってはならないと主張。

 どこかで聞いたような話。
 なるほど、なるほど。
 かなり面白い話、読み始めたらやめられない。

 そして、この話の結末は、何とも想像を絶するものであり、さもありなんと思わざるを得なかった。
 我が国の現実を垣間見る思いだった。
 この本は、多くの人たちに読んでほしい本である。(咲・夫)

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