(対策レッスン1位作品 現役生)
(対策レッスン2位作品 浪人生)
(通常レッスン作品 浪人生)
(通常レッスン作品 浪人生2名)
本日は毎年秋の恒例になっている画材の話です。
今回は例年よりさらに詳しく記載していますので、特に基礎生やネット生は参考にして画材をしっかり揃えるようにしてください。アトリエ伊丹では美大受験で使用する全ての画材を定価よりもお安く販売しています。
◇画用紙◇
当校では主に「画箋堂」、「笹部画材」、「世界堂」などのオンラインショップで購入した画用紙を使用しています。画用紙は月に1200枚以上消費されています。年間では1万5000枚ほどです。(画用紙の定価は1枚45円〜150円ほど)なお授業で使用する分は基本無料で支給しています。
①四切画用紙・・・描写で使用する画用紙としては、広く流通しているもので当校の年間使用量も断トツです。裏表で表情が異なり表がザラザラ、裏がツルツルしています。
②サンフラワーM画・・・純白色で、中目の紙肌を持つ柔軟性に富んだ画学紙です。A画とM画があり、当校では厚みがあり波打ちしにくいM画のみを使用しています。裏表でエンボス加工による凹凸差があり、関東や地方の美大入試に対応できる画用紙です。
③TMKポスター・・・ナチュラルホワイト色でほんの少しの荒さを残した画用紙です。嵯峨美や成安造形の特待生実技試験で使用されている画用紙で、受験対策用として使用します。
④ケント紙・・・平滑性が高く、適度な弾力性と厚みを持っており、鉛筆や絵の具など多くの画材と相性がよく、消しゴムを使った時に紙面の毛羽立ちが少ないのが特長です。描写だけでなく立体にもよく使用します。当校ではピーチケント紙とバロンケント紙の2種類(特厚口)を使用しています。
⑤白象紙・・・白色度が高い画用紙でエンボスもほとんどないので、繊細な描き込みができる画用紙です。主に着彩や石膏像デッサンに使用します。
⑥100均の画用紙・・・授業では使用しませんが、自宅練習用として意外とお勧めなのが100均の画用紙です。質が悪くボロボロになりやすいので、自分の欠点が如実に出るのが特徴です。
◇絵の具◇
当校では画材店の仕入れ値に送料分だけを上乗せして、利益無しで販売しています。新品はどのメーカーも一律280円、わずかに使用した9割以上の残量のある中古を一律180円。絵の具の販売数は月間約500本ですが、受験前になるとその3倍は売れます。教室では販売用として常に6000本以上の絵の具(中古は2000本)をストックしています。
①ターナーアクリルガッシュ・・・当校で一番販売数の多い絵の具です。ムラなく均一にマットに仕上がる点、乾きが速い点、安価な点などトータルで最も人気があります。
②ゴールデン・・・鮮烈な発色が特徴で、顔料の色合いに深みと迫力があり、薄めるとと色ガラスのような透明感のある色彩が出来る絵の具です。一昨年にゴールデン絵の具は廃版となったため、現在の在庫で販売終了となります。
③U-35・・・ターナーから2020年12月から販売されている新しい絵の具で、発色や透明性、描き心地などターナーの中でも最高ランクの品質です。ガッシュではないので、透明、半透明、不透明があります。
④リキテックス・・・レギュラー、ソフト、ガッシュタイプが販売されており、用途によって異なる使用が可能です。20mlチューブで1本1000円以上する色も販売されておりますが、(当校では高価なリキテックスが全て280円で販売されているので、めちゃくちゃお買い得です。)、高価なため、プロ作家向きの絵の具とも言えます。
⑤ニーカーデザイナーズカラー・・・デザイナースカラーの一番の特徴は、光を放って見えるほど鮮やかな発色です。 にごりのない美しい色です。発色面で優れた絵の具で他のメーカーと一線を画しています。配色のアクセントとして必ず持っておきたい絵の具です。
⑥ホルベインアクリラガッシュ・・・ターナーと同じくガッシュ(不透明)のみの絵の具でマットで均一に仕上がるため、特に平面構成課題の時に重宝する絵の具です。当校の販売数もターナーについで2番目に多い絵の具です。
◇絵筆 ◇
絵筆は下記メーカーを中心に当校では定価の4割引で販売しています。在庫限りが多数のため安く購入したい方はお早めに。(在庫が残り1000本ほどです。)受験生は実技試験までに30本以上は揃えてください。またフラット(平筆)、フィルバード(丸平筆)、ブライト(短平筆)、ラウンド(丸筆)、ファン(扇型筆)、刷毛など全ての種類を購入するようにしましょう。
①ホルベイン・・・プロの愛用者も多く品質の良さで言えば間違いないです。「迷ったらこれ」と言えるほど、絵筆の中では有名なメーカーです。特にリセーブルは、ホルベイン独自の特殊加工がされたやや硬めのナイロンで、まとまりや弾力に優れているお勧めな筆です。
②キャムロンプロ・・・特殊なナイロン加工して水含みやコシの強さを実現した筆です。コシが強く弾力がある筆です。とてもコントロールがききやすく塗りやすいのが特徴です。また水の含み方も均等なので、ムラになりにくいです。品質と価格面で学生に一番人気の筆です。
③ナムラ・・・水彩、デザイン筆など種類も豊富で、伝統ある高級品質なメーカーです。当校では特にNORMEシリーズが人気です。毛の表面を特殊加工しまとまりや水含みをよくした新開発のナイロン筆です。弾力があり、戻りが良くやや硬めなのが特徴です。細部描写にはイタチの毛でコシと弾力があるビューライナーもお勧めです。
③オリジナル筆・・・Amazon等で安価で販売されている筆はお勧めしませんが、世界堂や笹部画材などの各画材店のオリジナルブランドは使いやすい筆も多数販売されています。その中でコリンスキーと呼ばれる主にチョウセンイタチの毛で出来た筆は、穂先のまとまりと弾力、しなかやさに優れている高価な筆です。
④トールペイント筆・・・弾力があり、水を良く含むことが特徴のナイロン毛の筆です。安価でアクリル画にも使用出来ますが、元々陶器、木材などに描くために作られているため、軸が短めのものが多いです。
◇パレット◇
①紙パレット・・・F6サイズで1枚あたり35円と非常に高価なパレットですが、使いやすさは抜群です。受験生は特に紙パレット+絵具皿で本試験に臨むのが基本なので、今のうちに慣れておくようにしてください。
②プラスチックパレット・・・プラスチックパレットの上にラップや、アルミホイルを敷いて使用している生徒も多いと思いますが、これは洗う手間を省くのが目的です。ただ色が見えずらかったり使い勝手が悪いため、受験生になる頃にはペーパーパレットに変更しましょう。
③アルミパレット・・・透明水彩絵具を固めて使います。日本画志望や明石高校受験の生徒が主に使用する着彩用のパレットです。
④発泡スチロールトレイ・・・これは本試験では使えませんが、練習ではとても使いやすくお勧めです。スーパー等で安価で手に入りますし、大作を描くときにも重宝します。僕が公募展の100号作品を描いた時もこれを使用していました。
◇鉛筆 ◇
僕の受験時代は他にもスタビロ、ファーバーカステル、ダーウェント、トンボなども人気でしたが、今は下記3大メーカーが主流になっています。当校での月間販売数は500本ほどです。ユニ90円、ハイユニ140円、ステッドラー150円で販売しています。
①ユニ・・・デッサン用鉛筆では当校で最も販売数の多い定番メーカーで、安価で良質なのは勿論魅力ですが、折れやすいなどの欠点もあるため受験生になる頃にはハイユニも持っておきましょう。
②ハイユニ・・・ユニよりもさらに上位の鉛筆です。描き味が滑らかで芯の摩耗も非常に少ないのが特徴です。但し高価な鉛筆のため初心者にはお勧めしません。ある程度枚数を描いてから使いましょう。
③ステッドラー・・・関東美大の主流といえば、このメーカーです。関東と関西では画用紙に違いがあり、芯が硬めに作られているステッドラーが関東向けの定番となっていますが、京芸志望者にも一度は試して欲しい鉛筆です。
◇練り消し◇
どこのメーカーでも同じじゃないの?と思っている人も多い練り消しですが、デッサンは黒く描く時間が8割、白く描く時間(消す)2割と言われるほど重要な画材です。(関東ではこれに擦る技術も必要になります。)当校では100〜300円ほどで約10種類の練り消しを販売しています。人気順は④→③→②で、月に50個ほど売れます。
①ヌーベル・・・現在流通している中で最も安価で、初心者向けの練り消しです。硬めで少しパサパサした印象です。
②文房堂・・・大きめなタイプの練り消しのため、消費が早い方に合った製品です。コシのある硬めの練り消しでさらっとした使い心地です。ハイライトにも適しています。
③イージークリーナー・・・柔らかく粘り気のある練り消しで、しっかりと消せるのが特徴です。僕個人としては最も使いやすく重宝している練り消しですが、硬めな他のメーカーの練り消しと並行して使うことをお勧めします。
④ホルベイン・・・さらさらした粘り気の少ない練り消しです。白抜きやハイライトなどの表現に特化しています。ちょうどいい硬さの練り消しです。当校では100円で販売しています。一番人気の練り消しです。
⑤ステッドラー・・・良く消えてとても滑らかな練り消しです。柔らかいため変形して細かな部分を消しずらいです。また元々灰色のため、白い練り消しが段々灰色に変わっていく過程はわかりずらいという特徴もあります。全体的な調子を整えるのに向いた練り消しです。
(高校3年生Tさんの絵の具ケース。基礎生もこのぐらいの量は準備しましょう。)
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