その黒髪の少女は、
標高四千メートルの世界に生まれ、住んでいました。
富士山よりも高い世界。
酸素も薄く、高い木も育たない世界。
周囲を見渡すと、
岩に覆われた高い山々の峰が天に向かい並び立っていて、
その山肌にはいつも白く美しい雪が積もっています。
雪は夏でも溶けず、
太陽の光の元で白銀色に輝き、
まるで鋭い剣のようにも見えます。
少女の住む地もまた、
一年の殆どが雪に覆われてしまう、そんな世界。
そんな世界を包む空気は常に清廉で冷涼。
夜、輝く星々も手を伸ばせばスグに届いてしまいそうなくらい
近くにあります。
天(アマ)降るような星空。
そこは、
山麓の平地に住む人々からは
「神々が住む地」
と謳われているところ。
少女はそんな世界で咲く、
一輪の小さな華のようでした。
少女の家は遊牧を営んでいて、沢山の羊や、
ほんの少しの牛達をそんな自然のままの山間の原野に放ち、
慎ましく、一切の無駄が無い、
自然の呼吸と同化しているような生活を営んでいました。
住んでいる家も、ちょうどモンゴルのゲルの様なもので。
動物の皮と布で覆われた円錐形のテントのような家は、また、
ネイティブ・アメリカンの家のようでもあって。
その簡素な作りは、
草地を求めていつでも土地を移動できるようにもなっています。
そんな少女の家族に大切に育てられる「羊」の乳は、
美味しい、贅沢な飲み物で。
発酵させればヨーグルトともなり。
必要な分だけ最小限に屠られる肉は大切な食料であり。
皮は家の壁となり、家族の服となり。
暖かな体毛もまた、
少女達を包む衣服とも、家の断熱材ともなり。
屠られる時に流れ出る真っ赤な血液は、しかし、
大地に一粒もこぼされることは無く。
スグに皮製の容器に入れられ、飲まれ。
時に煎じられ、薬ともなり。ゼリーともなり。
骨は道具となり、家を補強する用材ともなり、
飼い犬の餌ともなります。
削いで湯茶に入れれば大切なカルシウム源ともなります。
少女の住む世界では何一つ捨てられるものなどなく。
何一つ役に立たないものはなく。
全てが大切なものとして存在していました。
少女に不足はありませんでした。
いえ、
正確には、
少女は不足という言葉の意味を
あまり良く理解してはいませんでした。
少女はそんな家の後を継ぎ、
私も立派な遊牧の民になるのだと。
そんなふうに、物心ついた時から思っていました。
少女が14歳になったある日。
少女の住む村に大きなバッグパックを背負った、
二十歳ぐらいの、
若い大柄な白人の女性旅行者がふらり......と、
訪ね入ってきました。
その若い女性は金髪で端正な顔つき。
スタイルも良くモデルのような印象も抱かせます。
どうやら彼女はヨーロッパの大きな都市から
はるばるやって来たキャンパーの様でした。
彼女は自分が生まれ育った世界とは全く違う、
黒髪の少女の住むこの世界を一目見たくて、
都会の息詰まる日常から少し開放されたくて、
この地に来たようでした。
彼女は広く美しい平原の中で
野営をするのに程よい場所を見つけ、荷を降ろし。
小慣れた手つきで小さなテントを張り。
ホッ......と、一息つきました。
そして、バッグの中から持ってきた
アウトドア用のコンパクトなガスバーナーを取り出すと、
おもむろに火を付け。
次いで取り出した小さなヤカンに水を入れ、湯を沸かし。
大好きなコーヒーの粉を簡易型のドリッパーにセットし、
大きめのマグカップに淹れ注ぎました。
それは彼女にとって最高にくつろげるひと時のようで、
しばらく満たされた表情で時を過ごしていました。
フト、彼女は、
コーヒーカップから立ち上る湯気の向こうに、
コチラに走り寄って来る1頭の羊の影を見つけます。
よく見ると、
その羊の後ろには羊を追って走ってくる
小さな少女の姿も見えました。
追いかける少女を無視するかのように走り寄ってくる羊。
どうやらその羊は、
コーヒーを飲んでいる彼女に向かってきているようです。
群れから外れてしまったのか?
どうして?なのか。
羊の好奇心なのか?
いつもの家族と間違えているのか?
羊はそのまま彼女の前まで来て、急にピタリ!
と足を止めました。
その羊は、ふと我に返ったように、
何事もなかったかの如くうつむき、
彼女のそばにある草を食べ出しました。
羊の後を追って来た少女は、やはりそのまま、
コーヒーを飲んでいた白人の彼女の前に来てしまいました。
金髪の彼女は、その時、
その少女の可愛らしさに感心し、
そして、とても自然に声をかけました。
「こんにちわ(^_^)」
キョトン、とする少女。
少女には彼女の言葉がわかりません。
そして、なぜだかとても恥ずかしい思いがこみ上げて来て、
少女は何とは無しに、うつむいてしまいました。
その姿を見た彼女は、
この地に来るまでに勉強して来た少女の国の言葉で、
もう一度話しかけます。
「こんにちわ(^_^)」
少女は、
その見知らぬ白人女性の言葉に少し驚きながら、
うつむいたまま、
しどろもどろになりながら小さな声で答えました。
「こ、こんにち、わ、、」
「あなたの羊さん?」
「......」
「元気な羊さんね(^_^)」
「......」
「ここに住んでるの?」
少女は黙って、うつむいたまま、
自分が走って来た方向を指さしました。
「あっち、、なんだ(^_^)そう。
あそこに住んでるんだ」
少女は少し顔を上げ、
白人女性にわずかに頷いて見せました。
「そう(^_^)イイところね。
私好きよ。ここ」
少女はまた少し顔を上げ、
今度は女性の目を見つめながら頷きます。
「うん。。」
「羊を飼ってるのね(^_^)」
「うん。。」
「へぇー。すごいね。こんなところで(^_^)
羊、好き?」
「......」
「君は幾つ?」
「......14歳」
「そう。可愛いわね(^_^)お口とか。特に。
まだお化粧とかはしないんだ?」
「......」
「あ、ね、これ、私の口紅だけど......(^_^)」
白人の女性はカタコトの言葉でそう言うと、
持っていたバッグからスタイリッシュなデザインの、
高価そうな美しい口紅を取り出しました。
「あなたも持ってる?」
少女はその時、初めて口紅というものを見ました。
母親も持っていないようなもの。
キラキラと太陽の光に当たって輝く、
長細くて小さいその物体は、
少女の目にはまるで未知の宝物のようにも見えました。
少女は思わず、
その物体に小さな手を伸ばしたくなる衝動に襲われます。
しかし少女は、その強い衝動をぐっ、と押さえ込み。
でも、ジッと、
その初めて見る美しい、
不思議なモノを見つめていました。
「......ナニ?......それ......」
「そっかぁ。知らないんだぁ(^_^)
これね、
私の住んでるところの女の子はみんな持ってるものなのよ。
口紅っていうの。
こうしてね、唇に塗るものなの。
ちょっと見てて、、」
そう言って、
白人の彼女はポケットからスマートフォンを取り出し、
その画面を鏡代わりにして、
自分の唇にその口紅を軽く引きました。
細い綺麗な筒からニョキニョキと出て来た赤い塊が
少女にはやけに鮮やかに見えて、
血のようだな......とも思いましたが、
それを塗られたその白人女性の顔は、なんだか、
さっきまでとは全く違った人に......
いつも両親に聞かされていた神様のようにも......
女神様のようにも......
見えました。
少女は少しの間、時を忘れ、
その金髪の女性の顔をジッ......と眺めていました。
「どう?綺麗かな?(^_^)」
我を忘れて彼女の顔に見入っていた少女は、
その言葉でフッ、と我に返り、
慌てて彼女から目をそらしました。
「あなたもつけてみようよ(^_^)」
少女はその言葉にとても戸惑いながらも、
少し考えてみました。
でも、それは本能では特におかしなことではなく思えていて。
それに、目の前の彼女はとても信頼出来る人だとも思えている。
それで、少し間を置いてから、
少女は黙ってうなずきました。
「じゃぁ、やってあげるね(^_^)」
白人の女性は少女の小さな唇にその鮮やかな赤色をした口紅を、
優しく、そっと塗ってあげました。
そして、
今度はテントの中から化粧用の小さな鏡を取り出して来て、
その鏡で紅を塗った少女の顔を写して見せました。
「......」
少女はナニも言いませんでした。
言葉が出なかった……という方が正しいでしょうか。
目の前に映る自分の顔は、
自分でも自分ではないくらい別人に見えて。
そして、綺麗、と、彼女はそう思いました。
自分で自分をキレイと思う。
そんなこと、今まで一度でもあったろうか?
この気持ちって、なんだろう?
これはいったい、なんなのだろう.......
この時から少女の中には「口紅」というモノが住み着きました。
それは、異国から来た美しい女性が
少女の住む地を去ってから後も忘れられなくて。
思い出すと、不思議と甘美で嬉しい気持ちが溢れても来て。
忘れたくても忘れられない、
そして、いつか、もう一度、あの口紅を塗ってみたい、と。
少女の心にはそんな気持ちが華の種のように植えられました。
この種は、
いつか芽を出すのでしょうか......
いつか華を咲かすのでしょうか......
1つだけハッキリしていることは、
少女の住む世界は昨日までとは全く変わってしまったということ。
口紅が無かった世界は、今や、もう、
少女の中には存在しませんでした。
少女の住む世界は口紅のある世界。
そんなものがこの世界のどこかに在る......という世界。
少女は、いつか口紅を手に入れに.......
高原を降りる......
のでしょうか......
少女が見上げた高原の空は、どことなく、
以前と違っているように......
見えました......
オーストラリア。
世界遺産の熱帯雨林高原「キュランダ=Kuranda」。
その村で一番美味しい!と言われているジェラート屋さん。
イチロー!とか、
オッパッピー!とか話しかけてこない方のお店!さん。
このおいちさわ、やめられまへんな!ヾ( ̄∇ ̄=ノ
可愛いカンガルーの子供さんも
「ジェラートのない世界なんて、もう考えられまちぇーん!」
などと!?言ってるのでやんす。( ̄∇ ̄)ええ。
イケマセンな。ええ。ええ。
標高四千メートルの世界に生まれ、住んでいました。
富士山よりも高い世界。
酸素も薄く、高い木も育たない世界。
周囲を見渡すと、
岩に覆われた高い山々の峰が天に向かい並び立っていて、
その山肌にはいつも白く美しい雪が積もっています。
雪は夏でも溶けず、
太陽の光の元で白銀色に輝き、
まるで鋭い剣のようにも見えます。
少女の住む地もまた、
一年の殆どが雪に覆われてしまう、そんな世界。
そんな世界を包む空気は常に清廉で冷涼。
夜、輝く星々も手を伸ばせばスグに届いてしまいそうなくらい
近くにあります。
天(アマ)降るような星空。
そこは、
山麓の平地に住む人々からは
「神々が住む地」
と謳われているところ。
少女はそんな世界で咲く、
一輪の小さな華のようでした。
少女の家は遊牧を営んでいて、沢山の羊や、
ほんの少しの牛達をそんな自然のままの山間の原野に放ち、
慎ましく、一切の無駄が無い、
自然の呼吸と同化しているような生活を営んでいました。
住んでいる家も、ちょうどモンゴルのゲルの様なもので。
動物の皮と布で覆われた円錐形のテントのような家は、また、
ネイティブ・アメリカンの家のようでもあって。
その簡素な作りは、
草地を求めていつでも土地を移動できるようにもなっています。
そんな少女の家族に大切に育てられる「羊」の乳は、
美味しい、贅沢な飲み物で。
発酵させればヨーグルトともなり。
必要な分だけ最小限に屠られる肉は大切な食料であり。
皮は家の壁となり、家族の服となり。
暖かな体毛もまた、
少女達を包む衣服とも、家の断熱材ともなり。
屠られる時に流れ出る真っ赤な血液は、しかし、
大地に一粒もこぼされることは無く。
スグに皮製の容器に入れられ、飲まれ。
時に煎じられ、薬ともなり。ゼリーともなり。
骨は道具となり、家を補強する用材ともなり、
飼い犬の餌ともなります。
削いで湯茶に入れれば大切なカルシウム源ともなります。
少女の住む世界では何一つ捨てられるものなどなく。
何一つ役に立たないものはなく。
全てが大切なものとして存在していました。
少女に不足はありませんでした。
いえ、
正確には、
少女は不足という言葉の意味を
あまり良く理解してはいませんでした。
少女はそんな家の後を継ぎ、
私も立派な遊牧の民になるのだと。
そんなふうに、物心ついた時から思っていました。
少女が14歳になったある日。
少女の住む村に大きなバッグパックを背負った、
二十歳ぐらいの、
若い大柄な白人の女性旅行者がふらり......と、
訪ね入ってきました。
その若い女性は金髪で端正な顔つき。
スタイルも良くモデルのような印象も抱かせます。
どうやら彼女はヨーロッパの大きな都市から
はるばるやって来たキャンパーの様でした。
彼女は自分が生まれ育った世界とは全く違う、
黒髪の少女の住むこの世界を一目見たくて、
都会の息詰まる日常から少し開放されたくて、
この地に来たようでした。
彼女は広く美しい平原の中で
野営をするのに程よい場所を見つけ、荷を降ろし。
小慣れた手つきで小さなテントを張り。
ホッ......と、一息つきました。
そして、バッグの中から持ってきた
アウトドア用のコンパクトなガスバーナーを取り出すと、
おもむろに火を付け。
次いで取り出した小さなヤカンに水を入れ、湯を沸かし。
大好きなコーヒーの粉を簡易型のドリッパーにセットし、
大きめのマグカップに淹れ注ぎました。
それは彼女にとって最高にくつろげるひと時のようで、
しばらく満たされた表情で時を過ごしていました。
フト、彼女は、
コーヒーカップから立ち上る湯気の向こうに、
コチラに走り寄って来る1頭の羊の影を見つけます。
よく見ると、
その羊の後ろには羊を追って走ってくる
小さな少女の姿も見えました。
追いかける少女を無視するかのように走り寄ってくる羊。
どうやらその羊は、
コーヒーを飲んでいる彼女に向かってきているようです。
群れから外れてしまったのか?
どうして?なのか。
羊の好奇心なのか?
いつもの家族と間違えているのか?
羊はそのまま彼女の前まで来て、急にピタリ!
と足を止めました。
その羊は、ふと我に返ったように、
何事もなかったかの如くうつむき、
彼女のそばにある草を食べ出しました。
羊の後を追って来た少女は、やはりそのまま、
コーヒーを飲んでいた白人の彼女の前に来てしまいました。
金髪の彼女は、その時、
その少女の可愛らしさに感心し、
そして、とても自然に声をかけました。
「こんにちわ(^_^)」
キョトン、とする少女。
少女には彼女の言葉がわかりません。
そして、なぜだかとても恥ずかしい思いがこみ上げて来て、
少女は何とは無しに、うつむいてしまいました。
その姿を見た彼女は、
この地に来るまでに勉強して来た少女の国の言葉で、
もう一度話しかけます。
「こんにちわ(^_^)」
少女は、
その見知らぬ白人女性の言葉に少し驚きながら、
うつむいたまま、
しどろもどろになりながら小さな声で答えました。
「こ、こんにち、わ、、」
「あなたの羊さん?」
「......」
「元気な羊さんね(^_^)」
「......」
「ここに住んでるの?」
少女は黙って、うつむいたまま、
自分が走って来た方向を指さしました。
「あっち、、なんだ(^_^)そう。
あそこに住んでるんだ」
少女は少し顔を上げ、
白人女性にわずかに頷いて見せました。
「そう(^_^)イイところね。
私好きよ。ここ」
少女はまた少し顔を上げ、
今度は女性の目を見つめながら頷きます。
「うん。。」
「羊を飼ってるのね(^_^)」
「うん。。」
「へぇー。すごいね。こんなところで(^_^)
羊、好き?」
「......」
「君は幾つ?」
「......14歳」
「そう。可愛いわね(^_^)お口とか。特に。
まだお化粧とかはしないんだ?」
「......」
「あ、ね、これ、私の口紅だけど......(^_^)」
白人の女性はカタコトの言葉でそう言うと、
持っていたバッグからスタイリッシュなデザインの、
高価そうな美しい口紅を取り出しました。
「あなたも持ってる?」
少女はその時、初めて口紅というものを見ました。
母親も持っていないようなもの。
キラキラと太陽の光に当たって輝く、
長細くて小さいその物体は、
少女の目にはまるで未知の宝物のようにも見えました。
少女は思わず、
その物体に小さな手を伸ばしたくなる衝動に襲われます。
しかし少女は、その強い衝動をぐっ、と押さえ込み。
でも、ジッと、
その初めて見る美しい、
不思議なモノを見つめていました。
「......ナニ?......それ......」
「そっかぁ。知らないんだぁ(^_^)
これね、
私の住んでるところの女の子はみんな持ってるものなのよ。
口紅っていうの。
こうしてね、唇に塗るものなの。
ちょっと見てて、、」
そう言って、
白人の彼女はポケットからスマートフォンを取り出し、
その画面を鏡代わりにして、
自分の唇にその口紅を軽く引きました。
細い綺麗な筒からニョキニョキと出て来た赤い塊が
少女にはやけに鮮やかに見えて、
血のようだな......とも思いましたが、
それを塗られたその白人女性の顔は、なんだか、
さっきまでとは全く違った人に......
いつも両親に聞かされていた神様のようにも......
女神様のようにも......
見えました。
少女は少しの間、時を忘れ、
その金髪の女性の顔をジッ......と眺めていました。
「どう?綺麗かな?(^_^)」
我を忘れて彼女の顔に見入っていた少女は、
その言葉でフッ、と我に返り、
慌てて彼女から目をそらしました。
「あなたもつけてみようよ(^_^)」
少女はその言葉にとても戸惑いながらも、
少し考えてみました。
でも、それは本能では特におかしなことではなく思えていて。
それに、目の前の彼女はとても信頼出来る人だとも思えている。
それで、少し間を置いてから、
少女は黙ってうなずきました。
「じゃぁ、やってあげるね(^_^)」
白人の女性は少女の小さな唇にその鮮やかな赤色をした口紅を、
優しく、そっと塗ってあげました。
そして、
今度はテントの中から化粧用の小さな鏡を取り出して来て、
その鏡で紅を塗った少女の顔を写して見せました。
「......」
少女はナニも言いませんでした。
言葉が出なかった……という方が正しいでしょうか。
目の前に映る自分の顔は、
自分でも自分ではないくらい別人に見えて。
そして、綺麗、と、彼女はそう思いました。
自分で自分をキレイと思う。
そんなこと、今まで一度でもあったろうか?
この気持ちって、なんだろう?
これはいったい、なんなのだろう.......
この時から少女の中には「口紅」というモノが住み着きました。
それは、異国から来た美しい女性が
少女の住む地を去ってから後も忘れられなくて。
思い出すと、不思議と甘美で嬉しい気持ちが溢れても来て。
忘れたくても忘れられない、
そして、いつか、もう一度、あの口紅を塗ってみたい、と。
少女の心にはそんな気持ちが華の種のように植えられました。
この種は、
いつか芽を出すのでしょうか......
いつか華を咲かすのでしょうか......
1つだけハッキリしていることは、
少女の住む世界は昨日までとは全く変わってしまったということ。
口紅が無かった世界は、今や、もう、
少女の中には存在しませんでした。
少女の住む世界は口紅のある世界。
そんなものがこの世界のどこかに在る......という世界。
少女は、いつか口紅を手に入れに.......
高原を降りる......
のでしょうか......
少女が見上げた高原の空は、どことなく、
以前と違っているように......
見えました......
オーストラリア。
世界遺産の熱帯雨林高原「キュランダ=Kuranda」。
その村で一番美味しい!と言われているジェラート屋さん。
イチロー!とか、
オッパッピー!とか話しかけてこない方のお店!さん。
このおいちさわ、やめられまへんな!ヾ( ̄∇ ̄=ノ
可愛いカンガルーの子供さんも
「ジェラートのない世界なんて、もう考えられまちぇーん!」
などと!?言ってるのでやんす。( ̄∇ ̄)ええ。
イケマセンな。ええ。ええ。
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