赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

日経新聞の印象操作

2023-03-20 00:00:00 | 政治見解



日経新聞の印象操作 :230320情報

日経新聞が2月28日から3月3日にかけて掲載した台湾に関する連載記事が物議を醸しています。その原因は、『台湾、知られざる素顔』という4本の記事にあります。

とくに1本目の記事では匿名の人物のコメントを引用する形で「台湾軍幹部の9割が退役後に中国に渡り、情報提供の見返りに金銭を得るなど腐敗が蔓延している」と報道しました。

台湾で広がる抗議や反発を受けて、日経新聞は3月7日の朝刊で連載1本目の記事に関する「お知らせ」を掲載。記事中のコメントは日経の見解でなく、あくまで「取材対象者の見解や意見を紹介したもの」として、「混乱を招いたことは遺憾」と釈明しています。

この問題について、当ブログでお馴染みの台湾独立運動家の方は、以下のように解説しています。



「迫真 台湾、知られざる素顔」という連載が始まったのですが、その内容には明らかに印象操作ととれるおかしな内容がありました。日本では大きく取り上げられていませんが、この記事の内容に台湾では騒然としています。

日本経済新聞は2023年2月28日から台湾に関する、シリーズ記事を連載開始しました。2面に掲載されたタイトルシリーズは「台湾、知られざる素顔」でした。そして、初回の見出しには「それでも中国が好きだ」と書かれていました。

記事の内容について詳しく見ていきます。

さきほどのコメントは、実は一人の台湾人男性の口から出たと書かれています。彼は、今は50代で元台湾の軍幹部にいたという人間でした。なんとこの男は台湾軍の情報を中国に流して生活していたのです。しかし軍を離れ、中国に提供できる情報がなくなってくるとビジネスもうまくいかなくなったそうです。

彼の経営するレストランは中国当局の嫌がらせで閉鎖に追い込まれてしまいました。しかし、この男性は「それでも中国が好きだ。恨みはない」と発言したとのこと。

台湾軍の情報を売って生活していた人間の言った言葉をあたかも台湾全体の意見かのように伝えることが責任あるメディアの仕事なのでしょうか。


■台湾人の本当の声とは?

では実際にいくつかの調査会社が発表しているデータを見てみます。

2020年5月12日の世界有数の調査会社ピュー・リサーチ・センターの発表によると、61%の台湾人が「中国が嫌い」と回答しました。

さらにもっと直近の2023年2月25日、台湾国内の調査(中華亞太菁英交流協會)によると、69%の台湾人が「中国は脅威だ」と感じると答えています。

日経新聞は一個人の意見、それも仮名にもかかわらず、あたかも台湾全体の意見のように紹介しているのです。これは読者の知的レベルを侮辱しているようなものです。また軍事専門家の見解を紹介しても、実際その軍事専門家とは誰なのかも明らかにしていません。


■記事の真相とは

なぜ、このような記事を出すのでしょうか? 本当に自社の名誉が傷つくような記事を出しておいて全く意図がないとは考えにくいです。恐らくこれは、台湾有事が起こっても日本が動かないようにするための印象操作ではないかと考えられます。

先日公表された、米国シンクタンクCSISの中国の台湾進攻のシミュレーション(2026)というレポートでも、24回行われたシミュレーションの中で、中国が台湾を侵略して成功したのは1回だけでした。その1回とは、他国が台湾を支援しなかった時だけなのです。

中国が戦争準備をする際に、認知戦を仕掛けるのと同様に、もしかしたら日経新聞は何らかの形で中国の影響を受けているのではないか。そう考えられる連載が始まりました。


(明日に続く)   



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