赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

米地銀の取付け騒ぎ

2023-03-14 00:00:00 | 政治見解



米地銀の取付け騒ぎ:230314情報

もう50年も前のことですが、めったに行かなかった大学に、どうしたことか会社法の授業を受けに行ったことがあります。教授は開口一番「自分よりも総会屋の方が会社法がくわしい」と自嘲気味に語っていたことを思い出しました。

総会屋とは、日本において株式会社の株式を若干数保有し株主としての権利行使を濫用することで会社等から不当に金品を収受、または要求する者および組織を指し、いまでは死語になっていると思います。

この発展形が経済ヤクザなのかもしれませんが、金を稼ぐという点では超一流のプロ集団と言えると思います。

今回は、元経済ヤクザで投資家、作家としても活躍する「猫組長」こと菅原潮氏が率いるNEKO ADVISORIESの公開ニュースから「シリコンバレー銀行破綻の影響」と「太陽光発電」の問題について記事を引用いたします。



猫組長:カリフォルニア州・シリコンバレーを中心に銀行業を営む銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価が上場来最大の急落は主要銀行の株価下落を引き起こします。

――日経新聞速報:13日の東京株式市場で日経平均株価は続落か。米中堅金融SVBファイナンシャル・グループ傘下銀行の経営破綻を受け、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。外国為替市場で円相場が10日夕から円高・ドル安に振れているのも日本株相場の重荷となる。日経平均(前週末終値2万8143円)は、25日移動平均のある2万7700円程度が下値メドとして意識されそうだ。――

NEKO ADVISORIES です。9日、米シリコンバレーを中心に事業を展開する銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価が上場来で最大の下落を記録しました。この下落に引きずられるように主要銀行の株価も5%前後下落しました。

シリコンバレー銀行(SVB)は米新興企業を支える金融機関のひとつです。2022年に上場を果たし、ベンチャーキャピタル(VC)の支援を受ける新興企業のほぼ半数と提携を行なっています。テック企業の事業縮小の影響を受けているのでしょうか。事態はもう少し複雑です。やはり金利の上昇が鍵を握っています。

SVBは米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を含むポートフォリオでおよそ18億ドルの多大なる損失を計上しました。これは同行の2021年度の利益に匹敵します。これを受けてSVBは売却可能なすべての有価証券210億ドルを売り払うとともに、普通株と転換可能な優先株などで総額22億5000万ドル(約3060億円)の増資を実施すると発表しました。必死で資金をかき集めようとしています。

米国債やMBSの価格は、金利によって変動します。金利が上昇すると、債券価格は下がります。2022年10月下旬には4.2%台半ばまで上昇していた長期金利は今年1月には3.3%台まで低下していました。そして、2月入ってからは反転し、3月に入って4.1%近くにまで上昇しました。同様に、短期金利も5%台で推移します。

また、同行の顧客の多くが事業環境が悪化している新興企業でした。レイオフに伴い手元資金を引き出す必要のある企業も多くあったことでしょう。景気減速に伴い顧客企業の現金消費が加速したことで、予想以上の預金残高減少が発生しました。拍車をかけるように、いくつかのVCがSVBから資金を引き出すよう新興企業に声をかけたという背景もあったようです。(ブルームバーグ)


預金の偏りがリスクに、金利動向を注視


債券を中心とした運用ポートフォリオであるならば、多くの金融機関も同じ状況に陥るはずですが、そういうことはありません。ビジネスモデル上の問題点が浮き彫りになります。ここでは米銀行持ち株会社シルバーゲート・キャピタルにも触れながら考えてみましょう。

シルバーゲート・キャピタル傘下のシルバーゲート銀行は仮想通貨交換業大手FTXトレーディングの経営破綻後に預金が急減。資金流出に対応するために行なった資産売却で損失が膨らみました。8日、同行は銀行業務を終了し、任意清算に向けて歩みを進めることを発表しています。同行は2013年から暗号資産企業に銀行サービスを提供をはじめ、2018年11月に新規株式公開(IPO)を申請した際、500社近い暗号資産企業を顧客に持っていました。

シリコンバレー銀行もシルバーゲート銀行も預金の多くを特定の業界に依存していたといえます。預金者の状況が悪化したときに想定以上の預金の引き出しが行われ、現金不足に陥り、必要資金の確保のために資産の切り売りを行うというパターンがみてとれます。

国債や住宅ローン債券のような有価証券は満期が来るまで保有していれば損失はありません。しかしながら、満期前に有価証券を売る必要が発生したなら、損失が生まれます。連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げとアフターコロナの通常と異なる経済環境を背景にお金の動きが変わっています。米国銀行業界は第4四半期(10-12月期)時点で約6200億ドル(約84兆円)の有価証券の含み損を抱えています。そして、銀行預金流出はさらに加速することも予想されます。



ある引用禁止のサイトには「まさにこの下げ方は、2008年に発生したリーマン・ショックの始まり方と似ています」との警告もあります。

当ブログでは、いつも引用させていただく専門家からの情報が入り次第、今後の経済展望をお伝えします。



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