Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●ドロナワとオトモダチ大優遇問題:「検察庁や裁判所も公務員であり、人事権が官邸にあるという弱点」

2017年06月25日 00時00分03秒 | Weblog

[※ 日刊ゲンダイ(2017年3月4日)↑]



日刊スポーツのコラム【文科省追加調査に独立した司法組織必要/政界地獄耳】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1838927.html)。

 《文書では文科省に指示した側である内閣府にもメスを入れるべき人事権が官邸にある中、大臣や役人に命じても、それらが独立性をもって臨めなければ中立性は担保できずお手盛り感はぬぐえない》。

   『●「有権者はすぐに忘れてしまうとたかをくくって」いるアベ様ら…
                    第三の森友問題を前に御優しい有権者


 泥棒に縄をなわせても意味が無いですよ、泥縄ドロナワしても。アベ様の《徹底的な調査を速やかに実施するよう指示》の内心を忖度した上での泥縄。ア(安)ベシン(晋)ゾウな「安普請」で、お粗末な再調査。それに、《文科省に指示した側である内閣府にもメスを入れるべき》。
 《米国では、司法省が政権から独立した特別独立検察官任命制度》があるそうですが、デンデン王国ニッポンにも導入できないものでしょうか。三権分立権力分立無きニッポン…アベ様や自公お維の好き勝手が一体いつまで続くのでしょうか…。

   『●日本は泥縄で溢れている
   『●泥縄: 「安全神話」に次ぐ「規制(委)神話」の創造
   『●泥縄の果て ~一旦拡散してしまった放射性汚染物質を
                      環境から移染することは可能か?~

   『●東京電力原発人災対策へのお金を「ケチ」ったあげくに、
                        致命的欠陥対策にドブ金か?

    「…当時から遮水壁建設に取り組んで
     いれば、今頃、汚染水であわてることはなかった……無責任東電
     泥縄安倍政権に任せていても、どうにもならない」

   『●「もはや犯罪というしかない」
     ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
    《福島第1原発 汚染水タンク350個が全滅危機…
     東電の安普請・ドロナワ作業で最悪事態》

   『●泥棒に縄(政治資金規正法やあっせん利得処罰法)を
         なわせても…「不適切だが違法でない」が続くだけ
    《首都のが二代続けて「政治とカネ」の問題で辞職した。
     政治資金に関連する法律の抜本的な改正を
     政治家が自ら進めるべきだ》
    「泥棒に縄をなわせても…「不適切だが違法でない」が続くだけで、
     政治資金規正法や、甘い利が明らかな方さえ不起訴となるような
     あっせん利得処罰法が機能する法律に変わるとは思えません。
     《第三者に調査権限を》の「第三者」なるものにも、今回の吸「血税」氏の
     件で大いなる疑問。「不適切だが違法でない」をただ繰り返すだけの
     「第三者」って、都民の皆さんにとって、一体何の役に立つの?」

   『●「人生の歯車は狂ったまま」:
     東京新聞・桐山桂一さん「冤罪とは犯罪よりも罪深い刑罰」
   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
    「東京新聞の記事【隠し撮り問題、被害届提出 大分県警「適正に捜査」】
     …でも、「泥縄」「ドロナワ」させても無理なのではないでしょうか、
     「盗撮」「監視」の真相解明なんて?」

==================================================================================
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1838927.html

2017年6月12日10時14分
文科省追加調査に独立した司法組織必要/政界地獄耳

 ★テレビの討論番組でも、与党は「文科省は追加調査を速やかにせよ」とはいうものの、追加調査という名の再調査はいつ終わるのかわからないと、文科省の役人と同じことを繰り返す。つまり再調査も、その発表のタイミングも、すべて官邸任せ官邸の采配ですべてが動くという、官邸を守るためのしもべでしかない。本来首相・安倍晋三が「徹底的な調査を速やかに実施するよう指示」というのならば、文書では文科省に指示した側である内閣府にもメスを入れるべきである。

 ★約1年前、東京都知事・舛添要一の公私混同などさまざまな疑惑に対して、舛添は公平中立な第三者に調査させると自らが探してきた弁護士に調査を依頼問題はないという結果をもって調査を終わらせた。しかし、公平中立な第三者とは、当事者たる舛添の管理の及ばないものを指す。その意味では、自分で雇った弁護士を中立な第三者とは言わない。その意味でも人事権が官邸にある中、大臣や役人に命じても、それらが独立性をもって臨めなければ中立性は担保できずお手盛り感はぬぐえない

 ★日本の三権分立の中で司法が弱いと感じるのは、独立性が高いといわれる検察庁や裁判所も公務員であり人事権が官邸にあるという弱点がある。今までそこまで問われることがなかったのは、マスコミが明確にその補完をしていたということと、野党や世論を無視して事を構える政権が少なかったからだ。しかしメディアが政権のチェックを怠り、野党が体たらく、共謀罪によって一般人を対象に監視国家になれば声を上げていた人も潜めざるを得ない。米国では、司法省が政権から独立した特別独立検察官任命制度がある。日本も、その程度の組織が必要な国家になったといえる。同時に検察審査会だけでなく、憲法裁判所など司法のチェックができる制度も急務だ。(K)※敬称略
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●既に「「一般の方々」のプライバシーに踏み込み、権利を侵害する捜査が、現に各地で行われている」のに…

2017年06月21日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 東京新聞(2017年3月8日)↑]



アサヒコムの【(社説)「共謀罪」審議 国内外の懸念に応えよ】(http://www.asahi.com/articles/DA3S12962383.html?iref=comtop_shasetsu_01)。
東京新聞の生島章弘記者による記事【国連特別報告者への対応 批判、叙勲…「二重基準」の声】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017053102000116.html)。

 《大阪府警は盗みの疑いをかけた男性の車に、裁判所の令状をとらずにGPS装置を装着し、半年以上監視…大分県警は昨年の参院選のとき、労働組合の事務所などが入る建物の前に無断でカメラを設置した。出入りする多くの市民の姿がそこには映っていた…岐阜県警は、風力発電の建設に疑問をもって勉強会を開いた住民の動きを監視し、活動にかかわっていない人も含め、病歴などのさまざまな情報を電力会社側に複数回伝えた――》。
 《特別報告者を軽視するような政府の対応は過去にもある。言論および表現の自由の保護を担当するデービッド・ケイ氏は二〇一五年十二月に予定した特定秘密保護法の運用状況を調べるための来日が、外務省の要請で延期になった》。

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                              ・・・冷たい国だ
   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
       「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には 
     全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
   『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
     人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…
   『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
     夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ
   『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
      日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」

 既に、《「一般の方々」のプライバシーに踏み込み、権利を侵害する捜査が、現に各地で行われている》。暴走する超管理・監視・密告社会へGO! 与党・自公、「癒」党・お維の議員やその支持者は、そんな社会を目指しているの? 既に、悍ましい社会になってしまっているのに、何も感じないらしい。

 一方、世界に恥をさらし、国際社会からも訝しがられるデンデン王国「裸の王様」アベ様による人治主義国家。
 国連の特別報告者を無思慮に非難する始末…。アベ様や「最低の官房長官」は《independent…「国連とは別の個人の資格」》とでも嘯くつもり?

   『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
     国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」
    《…〈…特別報告者による報告書に関し、特別報告者は
     人権委員会に直接報告する、独立した専門家であると語った。〉
     …independent…この「独立した」は……何者にも干渉されない存在
     であることを説明するもの。それを「国連とは別の個人の資格
     と訳するのは明らかにインチキだ》

 《金田法相は…治安維持法の認識を問われ、「適法だった」「謝罪の必要はないと言い切った》…何か既に恐ろしい段階に進んでしまっているようですよ。次は、《治安維持法は適法》を閣議決定かな? 滅茶苦茶な国だ…。「平成の治安維持法」の《適用範囲は底が抜けた状態になる》に決まっています。なのに、やすやすと「平成の治安維持法」が成立! あまりに、御人好しな…。
 リテラの記事【安倍政権はやっぱり共謀罪を治安維持法にするつもりだ! 金田法相が「治安維持法は適法」と明言、処罰対象も次々拡大】(http://lite-ra.com/2017/06/post-3223.html)によると、《しかし、驚いたことに、安倍政権はそもそも、治安維持法を悪いものとはとらえてないことが明らかになった。金田法相は、2日の衆院法務委員会で、共産党の畑野君枝議員から治安維持法の認識を問われ、「適法だった」「謝罪の必要はないと言い切ったのである。…そもそも治安維持法は…念頭にあったのは共産主義や社会主義の運動だったが、適用範囲の拡大を繰り返して、共産主義とは無関係の市民まで弾圧するようなった経緯がある適用範囲は底が抜けた状態になる》。

   『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」自公お維
                        …「平成の治安維持法」参議院突破
   『●「有権者はすぐに忘れてしまうとたかをくくって」いるアベ様ら…
                    第三の森友問題を前に御優しい有権者


==================================================================================
http://www.asahi.com/articles/DA3S12962383.html?iref=comtop_shasetsu_01

(社説)「共謀罪」審議 国内外の懸念に応えよ
2017年5月30日05時00分

 大阪府警は盗みの疑いをかけた男性の車に、裁判所の令状をとらずにGPS装置を装着し、半年以上監視した。事件とは無関係の知人が使う車にも取りつけた警視庁が捜査した別のケースでは、GPSを使った事実が外部にわからないよう、捜査資料の記載を細工した

 大分県警は昨年の参院選のとき、労働組合の事務所などが入る建物の前に無断でカメラを設置した出入りする多くの市民の姿がそこには映っていた

 岐阜県警は、風力発電の建設に疑問をもって勉強会を開いた住民の動きを監視し、活動にかかわっていない人も含め、病歴などのさまざまな情報を電力会社側に複数回伝えた――。

 参院で「共謀罪」法案の審議が始まった。277の犯罪について計画の段階から処罰できるようにする法案だ。政府は、捜査当局が法を恣意(しい)的・政治的に運用することはありえず、一般の方々」が捜査対象になることはないと繰り返している。

 しかし、「一般の方々」のプライバシーに踏み込み、権利を侵害する捜査が、現に各地で行われている発覚しても、「正当な警察業務」として処理される例がほとんどだ

 共謀罪が包括的に導入されれば、監視や情報収集を正当化する根拠となり、その範囲がさらに広がるのではないか。

 そう考えるのはごく自然なことだ。ところが衆院の審議では多くの人が納得できる説明はなく、捜査にブレーキをかける具体策も示されなかった。

 法案の修正協議が行われ、共謀罪の疑いで逮捕した後の取り調べの様子の録音・録画が、付則に盛り込まれはした。しかしそれは、制度のあり方について今後「可及的速やかに検討を加える」というものに過ぎず、むろん任意段階の捜査への歯止めにもなり得ない。

 各国のプライバシー保護状況を調査・監視する国連の特別報告者が、法案への懸念を書いた手紙を安倍首相に送った。摘発の要件とされる「組織的犯罪集団」などの定義があいまいで、このままでは市民の自由や権利が侵害されるおそれがあるという、もっともな指摘だ。

 政府はこれを「一方的で不適切」と切り捨てた批判を受けつけず、議論を拒む政権の姿勢がここにも見てとれる

 法案をめぐる疑念は解消にほど遠く、未消化の論点もたくさん残る。憲法はなぜ、二院制を採用しているのか。その意義が問われる参院審議となる。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017053102000116.html

国連特別報告者への対応 批判、叙勲…「二重基準」の声
2017年5月31日 朝刊

 安倍晋三首相が「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案に懸念を示した国連の特別報告者への批判を強めている個人の資格で活動していると主張することで、国連の見解とは別だと印象付けたい考えだ。ただ、政府が北朝鮮の人権問題を調べた特別報告者を叙勲受章者に選んだこともあり、野党からは、ダブルスタンダード(二重基準)ではないかとの見方が出ている。

 「共謀罪」法案がプライバシー権を侵害する可能性を指摘した特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏に対し、首相は「著しくバランスを欠く」と非難。三十日の参院法務委員会でも「必ずしも国連の総意を反映するものではない」と語った。

 特別報告者を軽視するような政府の対応は過去にもある。言論および表現の自由の保護を担当するデービッド・ケイ氏は二〇一五年十二月に予定した特定秘密保護法の運用状況を調べるための来日が、外務省の要請で延期になった。

 同じ特別報告者でも、北朝鮮による日本人拉致問題に取り組んだマルズキ・ダルスマン氏には先月、旭日重光章を授与。扱っているテーマに応じて「都合の良いように取り扱いを変えている」(民進党の逢坂誠二衆院議員の質問主意書)という声も上がる。

 菅義偉官房長官は三十日の記者会見で「叙勲はわが国に貢献をした方から選んでいる。二重基準では全くない」と反論。ケナタッチ氏の調査には「報告が正しい理解の下でされるよう協力していく」と説明した。 (生島章弘
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」

2017年06月05日 00時00分09秒 | Weblog

[※ 東京新聞(2017年3月8日)↑]



東京新聞の二つの記事【「共謀罪で監視が日常に」 元CIAのスノーデン氏が警鐘】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000125.html)と、
【「監視システムを日米共有」 スノーデン氏との一問一答】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000138.html)。

 《持ち出して暴露した文書は全て「本物」と述べ、NSAが極秘の情報監視システムを日本側に供与していたことを強調…「日本における(一般人も対象とする)大量監視の始まり日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」…NSAは「XKEYSCORE(エックスキースコア)と呼ばれるメールや通話などの大規模監視システムを日本側に供与》。
 《私も使っていた。あらゆる人物の私生活の完璧な記録を作ることができる。通話でもメールでもクレジットカード情報でも、監視対象の過去の記録まで引き出すことができる『タイムマシン』のようなものだ》。


 青木理さん《もっと物証が欲しい。「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引」と…》。でも、ソレは既に彼らの手中にあり。《大量監視の始まり。日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに》…超管理社会・監視社会。それは必ず、超密告社会へと変貌する。悍ましい社会。「平成の治安維持法」によって、《過去の共謀罪にはなかった新たな危険性…集積されたビッグデータを使えば、捜査対象となった個人の行動を過去に遡って詳細に収集、把握することも可能だ》。
 スノーデン氏のインタビュー記事、よ~く読むべき。

   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
    「東京新聞の記事【隠し撮り問題、被害届提出 大分県警「適正に捜査」】
     (…)によると、《大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に
     無断で隠しカメラを設置していた問題で、…。県警刑事企画課は
     「法と証拠に基づいて適正に捜査する」としている。建物には
     社民党支援団体の別府地区平和運動センターや、
     連合大分東部地域協議会が入っており、参院選公示後の6月24日まで
     1週間近くカメラが設置された》そうだ。
     …でも、「泥縄」「ドロナワ」させても無理なのではないでしょうか、
     「盗撮」「監視」の真相解明なんて?」

   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
       「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
    《《政治や社会の矛盾に声を上げる人が疑われる社会は健全か。》
     …犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに
     頼っては冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい
     「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と考えるだろう》
    《斎藤貴男…法務大臣も答弁で認めてからね。同意どころか、
     LINEだったら既読スルーしただけでも逮捕される可能性がある。
     それと、共謀罪の処罰対象を「組織的犯罪集団」に限定するなんて
     言ってるけど、それを決めるのも捜査機関でしょう。解釈次第で
     どうにでもなる。事実、法務省は2人以上で団体とみなされる…
     市民団体や労組なども捜査機関が“性質を変えた”と言えば、
     いつでも「組織的犯罪集団」として共謀罪が適用されるということ。
     …で、「デモはテロ」と考える人たちなんだから、沖縄の
     基地反対運動や安保法制デモに参加した人が逮捕されない方が
     おかしいことになる」…》

   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には
     全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
    《情報問題や警察の捜査活動に詳しい清水勉弁護士は、
     今回の共謀罪には過去の共謀罪にはなかった新たな危険性が
     含まれていると指摘する。それは情報技術の急激な進歩に
     起因するものだ
       今や誰もがスマホなどの情報端末を利用するようになり、
     巷には監視カメラなど個人の行動をモニターする機器が溢れている。
     映像から個人を識別する顔面認識カメラも、導入が間近だ
     と言われている。
       共謀罪が導入され、犯行の事実がなくても逮捕、訴追が
     可能になれば、警察の裁量で誰もが捜査対象になり得る
     集積されたビッグデータを使えば、捜査対象となった個人の行動を
     過去に遡って詳細に収集、把握することも可能だ。それはまるで
     全ての国民が24時間公安警察に見張られているような状態
     と言っても過言ではない》

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000125.html

「共謀罪で監視が日常に」 元CIAのスノーデン氏が警鐘
2017年6月2日 朝刊

     (スノーデン氏=共同)

 米国家安全保障局(NSA)による大規模な個人情報収集を告発し、ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン元職員(33)が一日までにモスクワで共同通信と単独会見した。元職員は持ち出して暴露した文書は全て「本物」と述べ、NSAが極秘の情報監視システムを日本側に供与していたことを強調した。

 日本政府が個人のメールや通話などの大量監視を行える状態にあることを指摘する証言。元職員は、参院で審議中の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、個人情報の大規模収集を公認することになると警鐘を鳴らした。

 元職員によると、NSAは「XKEYSCORE(エックスキースコア)と呼ばれるメールや通話などの大規模監視システムを日本側に供与。同システムは、国内だけでなく世界中のほぼ全ての通信情報を収集できる。米ネットメディア「インターセプト」は四月、元職員の暴露文書として、日本に供与した「エックスキースコア」を使って、NSA要員が日本での訓練実施を上層部に求めた二〇一三年四月八日付の文書を公開した。

 元職員は共謀罪について「日本における(一般人も対象とする)大量監視の始まり日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」と指摘。法案に懸念を表明した国連特別報告者に「同意する」と述べた。 (モスクワ・共同)
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201706/CK2017060202000138.html

「監視システムを日米共有」 スノーデン氏との一問一答
2017年6月2日 朝刊

     (米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン元職員)

 -エックスキースコアは何ができるのか。

 「私も使っていた。あらゆる人物の私生活の完璧な記録を作ることができる。通話でもメールでもクレジットカード情報でも、監視対象の過去の記録まで引き出すことができる『イムマシン』のようなものだ」

 「エックスキースコアを国家安全保障局(NSA)と日本は共有した。(供与を示す)機密文書は本物だ。米政府も(漏えい文書は)本物と認めている。日本政府だけが認めないのは、ばかげている


 -日本の共謀罪法案については。

 「(法案に)懸念を表明した国連特別報告者同意する。法案がなぜ必要なのか、明確な根拠が示されていない。新たな監視方法を公認することになる」

 「大量監視の始まりであり、日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる


 -大量監視は何をもたらすか。

 「『あなたに何も隠すものがないなら、何も恐れることはない』とも言われるが、これはナチス・ドイツのプロパガンダが起源だ。プライバシーとは『隠すため』のものではない。開かれ、人々が多様でいられ、自分の考えを持つことができる社会を守ることだかつて自由と呼ばれていたものがプライバシーだ

 「隠すことは何もないからプライバシーなどどうでもいいと言うのは『言論の自由はどうでもいい、なぜなら何も言いたいことがないからと言うのと同じだ反社会的で、自由に反する恥ずべき考え方だ


 -大量監視で国家と市民の関係は変わるか。

 「民主主義において、国家と市民は本来一体であるべきだ。だが、監視社会は政府と一般人との力関係を、支配者と家臣のような関係に近づける。これは危険だ

 「(対テロ戦争後に成立した)愛国者法の説明で、米政府は現在の日本政府と同じことを言った。『これは一般人を対象にしていない。テロリストを見つけ出すためだ』と。だが法成立後、米政府はこの愛国者法を米国内だけでなく世界中の通話記録収集などに活用した


 -テロ対策に情報収集は不可欠との声もある。

 「十年間続いた大量監視は、一件のテロも予防できなかったとする米国の独立委員会の報告書もある」

 「当局の監視には、議会と司法の監督が有効だ。特に司法は、個別のケースについてチェックする必要がある」


 -日本の横田基地(東京)勤務時代の仕事は。

 「アジア各地に散らばる米国のスパイ通信網を構築する技術者として働いていた。私が暴露した文書には、横田基地で二〇〇四年に新たな施設を建設した際の費用六百六十万ドルのほとんどを本政府が負担したことを示す文書が含まれている。これは事実だ。米軍駐留経費の肩代わりは、米軍が駐留する国に共通する新たな植民地主義だ

 「米国による日本の官庁への盗聴が暴露された際、日本の法を破ったにもかかわらずなぜ日本側は抗議しなかったのか。少なくとも文句を言い、やめるよう伝えるべきだったのではないか」


 -機密情報を暴露するに至った理由は。

 「重要なのは事実だ。死ぬほど怖いことだが、価値はある。私は政府が各国の人々の権利を侵害しているという事実を暴露したことで、違法とされた。倫理に沿う決断をするためには法律を破るしかない場合がある。歴史的にも、完全に合法だが完全に倫理に反しているという政策や決定はあった。法律は守るべきだが、社会、国民、将来のためになるという限りにおいてだ」


 -亡命生活について。

 「もちろん米国の家に帰りたい。ロシアに住むことを望んだわけではない。もし、日本が私を迎えてくれるなら幸せだ。ただ、インターネットを通じて私は世界を仮想訪問している。私はネットの中で生きている」 (モスクワ・共同)


<エドワード・スノーデン氏> 1983年6月21日、米ノースカロライナ州生まれ。2004年に陸軍特殊部隊員を目指したが、その後CIAに雇われた。09年に民間会社社員として在日米軍横田基地内の国家安全保障局(NSA)に勤務。13年6月、NSAによる米国や世界規模での大量監視の実態を英ガーディアン紙などに暴露した。同月ロシアに渡り政治亡命。米当局はスパイ活動取締法違反などの疑いで訴追。一方、監視社会の実態を警告した「内部告発者」として評価する声も高い。 (共同)
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」

2017年05月31日 00時00分34秒 | Weblog


アサヒコムのインタビュー記事【際限ない捜査、警察は求める 「共謀罪」青木理氏に聞く】(http://www.asahi.com/articles/ASK514JHNK51UTIL01W.html?iref=comtop_list_pol_n01)。

 《《政治や社会の矛盾に声を上げる人が疑われる社会は健全か。》…犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに頼っては冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい。「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と考えるだろう》。


 斎藤貴男さん曰く…:

 「斎藤 法務大臣も答弁で認めてからね。同意どころか、LINEだったら既読スルーしただけでも逮捕される可能性がある。それと、共謀罪の処罰対象を「組織的犯罪集団」に限定するなんて言ってるけど、それを決めるのも捜査機関でしょう。解釈次第でどうにでもなる。事実、法務省は2人以上で団体とみなされると言ってるし、最近、国会では処罰対象について、「普通の団体」が“性質を変えた場合”「組織的犯罪集団になりうる」という政府統一見解を示した。これって、市民団体や労組なども捜査機関が“性質を変えた”と言えば、いつでも「組織的犯罪集団」として共謀罪が適用されるということ。実際、彼らの立場ならそれはそうでしょ。テロを起こす前から、わざわざ「我々はショッカーです」とか、「黒い(ブラック)幽霊団」ですとかの看板を掲げる奴は珍しいわけで。で、「デモはテロ」と考える人たちなんだから、沖縄の基地反対運動や安保法制デモに参加した人が逮捕されない方がおかしいことになる」…。

 (リテラの対談記事【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第3回ゲスト 斎藤貴男/室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」】(http://lite-ra.com/2017/03/post-2963.html))
 (『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」』)


 このリテラの記事の中でも斎藤貴男さんや室井佑月さんが、以下のような、既に監視社会が深く進行している恐ろしい現実を指摘。

   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
    「東京新聞の記事【隠し撮り問題、被害届提出 大分県警「適正に捜査」】
     (…)によると、《大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に
     無断で隠しカメラを設置していた問題で、…。県警刑事企画課は
     「法と証拠に基づいて適正に捜査する」としている。建物には
     社民党支援団体の別府地区平和運動センターや、
     連合大分東部地域協議会が入っており、参院選公示後の6月24日まで
     1週間近くカメラが設置された》そうだ。
     …でも、「泥縄」「ドロナワ」させても無理なのではないでしょうか、
     「盗撮」「監視」の真相解明なんて?」

 さて、《真面目な警察官であれば何を考えるか》? デンデン王国「裸の王様」アベ様の御好きな超管理社会・監視社会・密告社会です。自公お維の議員の皆さん、支持者の皆さん、無関心派「眠り猫」の皆さん、本当にそんな社会を目指しているのですか? あまりに悍ましいと思うのですが…。《政治や社会の矛盾に声を上げる人が疑われる社会は健全か》? 「平成の治安維持法」があるような社会は健全ですか? 青木さんは《社会に異議申し立てする人が片端から捜査対象になる社会は、断じていい社会ではない》と。

   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや斎藤貴男さん
          「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
       斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「政治的修文」ではなく、法案の目的や「その他」に
        『平成の治安維持法』「内心処罰」という文言追加を
   『●当局の解釈次第で恣意的に内心を罰し、
     お互いを監視・密告しあう社会…「平成の治安維持法」の完成
   『●金平茂紀さん「僕らの国の司法にはかつて
      「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた」
   『●森達也さん「人は誘惑に負けることもあるが反省もする。
              …それをも許さない」「平成の治安維持法」
   『●「恣意的な廃棄は無い」!、って一体どの口が…
       「特定秘密」「公文書が、秘密指定期間中でも廃棄」可能
   『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
       国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」
   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
      《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》

   『●「誰が見ても安倍政権による政治的弾圧」…
      山城博治さん「沖縄の大衆運動を潰す政府の方策」
   『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
                「政治判断」しかできない司法の悲劇
   『●「平成の治安維持法」…「一般人がこの国からいなくなり
          嫌な世の中になるのは時間の問題」(政界地獄耳)
   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には全く役に立たない 
              共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
   『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、人権を著しく
         侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…

==================================================================================
http://www.asahi.com/articles/ASK514JHNK51UTIL01W.html?iref=comtop_list_pol_n01

際限ない捜査、警察は求める 「共謀罪」青木理氏に聞く
聞き手・後藤遼太 2017年5月15日07時06分

     (青木理さん)

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。

 長く公安警察を取材してきたジャーナリストの青木理さんは、あえて捜査する側の視点に立って、法案の問題点を指摘する。


 《政治や社会の矛盾に声を上げる人が疑われる社会は健全か。

 公安警察を長く取材してきた。警察官の立場から「共謀罪」を見てみよう。

 「共謀罪ができればテロを防止できる」と政府が言う。真面目な警察官であれば何を考えるか。犯罪が起きる前だから、供述が立証の柱になる。それだけに頼っては冤罪(えんざい)だらけになる。もっと物証が欲しい

 「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引」と考えるだろう。テロリストが重要な話し合いをメールや電話だけで済ませるとは思えない。アジトなどの室内を盗聴する「密室盗聴」もさせてほしいとなる。真面目に捜査しようと思えば思うほど、「もっと武器をくださいとなる

 日常的に捜査当局が「こいつは罪を犯す可能性がある」と見なす個人や団体を監視しなければならなくなる。事前に取り締まろうとすれば、そうせざるを得ないからだ。

 本来は「一般市民が対象になるから危険だ」という議論はしたくない「普通の人」だろうが、そうでない人だろうが罪を犯してもいない段階で取り締まるということ自体が異常だからだ。お上にまったく盾突かない、政権に無害無臭な人は対象にならないかもしれない。しかし、社会に異議申し立てする人が片端から捜査対象になる社会は、断じていい社会ではない

 2010年に、警視庁公安部の内部資料と見られる情報がインターネット上に流出した。国内に住むイスラム教徒が捜査対象になっていたイスラム教徒というだけであらゆる情報が吸い上げられていた

 警察がモスク前で24時間態勢で監視し、出入りする人を片端から尾行。電話番号や銀行口座記録から接触した人や家族の交友関係まで調査していた。そのような手法を、ある公安警察幹部は「点が線になり、線が面になる」と説明してくれた。

 治安組織とは古今東西、社会体制の左右問わずそういうものだ。アメリカの国家安全保障局(NSA)はわずか10年で世界中の電話や通信を盗聴するような化け物に育ってしまった

 警察は全国津々浦々に30万人の人員を配置し最強の情報力を持った強大な実力組織だ。仮に秘密法や共謀罪のような武器を与えるなら、何かあったときに暴走しない仕組みをきちんと作るのが政治の役目だ。警察という実力装置の怖さに政治が無自覚であるということは政治の劣化だ。

 共謀罪を導入しても、テロが起きる可能性はある。そのときが怖い。社会がファナチック(狂信的)になり、メディアや社会も一緒になって「もっと捕まえろ」「もっと取り締まれ」と暴走するのではないか。オウム事件を取材していた時を思い出す。警察はあらゆる法令を駆使して信者を根こそぎ捕まえた。当時、幹部が「非常時だから、国民の皆様も納得してくれる」と話していた。

 公安警察的な捜査対象が際限なく広がる。誰だって安心して暮らしたいが、日本人1億数千万人を24時間徹底的に監視すればいいのか。安全安心を究極的に追い求めれば自由やプライバシーは死滅する。果たしてそれでいいのだろうか。(聞き手・後藤遼太)

     ◇

 〈あおき・おさむ〉 共同通信記者を経てフリーに。公安警察の取材が長く、著書に「日本の公安警察」「ルポ 国家権力」など。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「平成の治安維持法」…「一般人がこの国からいなくなり嫌な世の中になるのは時間の問題」(政界地獄耳)

2017年05月13日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 東京新聞(2017年3月8日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/どこからどこまでがテロなのか】(http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1816201.html)。

 《★…どの事例もテロリスト対策ではなく、国民の心に踏み込み疑心暗鬼にさせて、互いに監視する監視社会を作り上げることによる抑止力を期待するもので、一般人がこの国からいなくなり嫌な世の中になるのは時間の問題だ》。

 「平成の治安維持法」が完成することで、「国家ぐるみで個人を監視」(岸井成格さん)し、社会を委縮させる。超監視社会・密告社会=《嫌な世の中》だとは感じないらしい与党・自公や「癒」党・お維の支持者の皆さん。

   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
   『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
     「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
      刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
      警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
   『●教員について密告させ、労組を監視する=
       =自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
    《『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の
     水井多賀子氏による記事【自民党が密告フォームで集めた
     反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…
     自民党=警察一体の監視社会に】
     (http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html)》

   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                      ・・・冷たい国だ
   『●アベ様のデンデン王国ニッポンこそ、
      既にオーウェルが描いた『一九八四年』の「世界」へと
   『●「平成の治安維持法」、その目的は明確…
     「国家ぐるみで個人を監視」(岸井成格さん)し、社会を委縮

 詐称「法治主義国家」。その実情は、デンデン王国「裸の王様」やその酷い取巻き連中が望む悪法を次々に強行採決していく「人治主義国家」。「言論の府」は死に絶え、「憲法の番人」は司法判断することなく、政治判断を乱発…アベ様が「裸の王様」として「三権の長」を気取り、「三権分立」はもはや死語。その上、「平成の治安維持法」を呉れてやろうというのだから、本当にオメデタイ・ニッポン。

   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや斎藤貴男さん
          「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
       斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「政治的修文」ではなく、法案の目的や「その他」に
        『平成の治安維持法』「内心処罰」という文言追加を
   『●当局の解釈次第で恣意的に内心を罰し、
     お互いを監視・密告しあう社会…「平成の治安維持法」の完成
   『●金平茂紀さん「僕らの国の司法にはかつて
      「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた」
   『●森達也さん「人は誘惑に負けることもあるが反省もする。
              …それをも許さない」「平成の治安維持法」
   『●「恣意的な廃棄は無い」!、って一体どの口が…
       「特定秘密」「公文書が、秘密指定期間中でも廃棄」可能
   『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
       国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」
   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
      《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》

   『●「誰が見ても安倍政権による政治的弾圧」…
      山城博治さん「沖縄の大衆運動を潰す政府の方策」
   『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
                「政治判断」しかできない司法の悲劇

==================================================================================
http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1816201.html

政界地獄耳
2017年5月1日9時54分
どこからどこまでがテロなのか

 ★衆院法務委員会は28日の理事会で、5月2日に法務委員会を開くことを同委員長・鈴木淳司の職権で決めた。連休中だが共謀罪の審議はこの間も行われる。同日の同委員会では、法務省刑事局長・林真琴が共謀罪の適用について「携帯品や外形的事情で区別される」と判断基準を説明。法相・金田勝年は「花見であればビールや弁当を持っているのに対し下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っているという外形的事情がありうる」と具体的な判断を述べた。野党は「外形上区別がつかず内心を処罰されることにつながる」と反発を強めた。

 ★法務省のホームページにはテロ等準備罪処罰法案についてのQ&Aが掲載されているが「テロ等準備罪により一般国民が処罰されるおそれはないのですか」の問いに「テロ等準備罪には法律の明文により厳格な要件が定められています。テロリズム集団による組織的なテロ事案、暴力団による組織的な殺傷事案などの、組織的犯罪集団が関与する重大な犯罪の計画とそれに基づく実行準備行為が行われた場合に限り処罰することとされています」との回答が記されている。この“厳格な要件と花見の持ち物とが、どうしてもリンクしない。

 ★法相は「一般人は100%、捜査の対象にはならない」とするものの、法務副大臣・盛山正仁は「嫌疑がかからないような行動をしている方であればまったく嫌疑がかからないわけだから何らかあった段階でそういう人たちは一般の方ではない」と、疑われた段階で一般人とは言わなくなるという「新しい解釈」を示した。結局、法務省がどんな事例集を出してきても「誰がいつの段階で犯罪と決めるかがあいまいなこと、どの事例もテロリスト対策ではなく、国民の心に踏み込み疑心暗鬼にさせて、互いに監視する監視社会を作り上げることによる抑止力を期待するもので、一般人がこの国からいなくなり嫌な世の中になるのは時間の問題だ。(K)※敬称略
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「平成の治安維持法」、その目的は明確…「国家ぐるみで個人を監視」(岸井成格さん)し、社会を委縮

2017年05月12日 00時00分38秒 | Weblog

[※ 東京新聞(2017年3月8日)↑]



『マガジン9』の対談記事【マガ9対談 矛盾だらけの国会議論と、「テロ等準備罪」という印象操作│保坂展人さん×鈴木耕さん】(http://www.magazine9.jp/article/taidan/33141/)。

 《新しくつくらなければいけないと言いますが、重大な犯罪に関してはすでに20以上もの共謀罪、陰謀罪があるのです》。

   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
   『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
     「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
      刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
      警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
   『●教員について密告させ、労組を監視する=
       =自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
    《『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の
     水井多賀子氏による記事【自民党が密告フォームで集めた
     反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…
     自民党=警察一体の監視社会に】
     (http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html)》

   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                              ・・・冷たい国だ
   『●アベ様のデンデン王国ニッポンこそ、
      既にオーウェルが描いた『一九八四年』の「世界」へと

 3度廃案となった共謀罪。いくら看板を掛け替えても、内心を罰し、アベ様らに逆らう者を委縮させ、超監視社会密告社会へと導く「平成の治安維持法」。人治主義国家・デンデン王国「裸の王様」やその酷い取り巻き連中が好き勝手に社会をコントロールするなんて、真っ平御免。矜持あるジャーナリストが排除され、最「低」裁を頂点とした司法も役に立たない状況。「三権分立」はもはや死語。

 「平成の治安維持法」、その目的は明らかなのに、平気で自公お維を支持してしまう…。それって、あまりに御人好し過ぎはしまいか。ニッポンのSNSの情報もすべてアメリカにビッグデートとして蓄積…「国家ぐるみで個人の監視」(岸井成格さん、『サンデーモーニング』2017年4月30日)、悍ましい社会だというのに。

   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国
   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや斎藤貴男さん
          「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
       斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●「政治的修文」ではなく、法案の目的や「その他」に
        『平成の治安維持法』「内心処罰」という文言追加を
   『●当局の解釈次第で恣意的に内心を罰し、
     お互いを監視・密告しあう社会…「平成の治安維持法」の完成
   『●金平茂紀さん「僕らの国の司法にはかつて
      「予防拘禁」という仕組みが合法的制度として存在していた」
   『●森達也さん「人は誘惑に負けることもあるが反省もする。
              …それをも許さない」「平成の治安維持法」
   『●「恣意的な廃棄は無い」!、って一体どの口が…
       「特定秘密」「公文書が、秘密指定期間中でも廃棄」可能
   『●「沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく
       国策捜査だと思う」…山城博治さん「予防拘禁、プレ共謀罪」
   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
      《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》

   『●「誰が見ても安倍政権による政治的弾圧」…
      山城博治さん「沖縄の大衆運動を潰す政府の方策」
   『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」…
                        「政治判断」しかできない司法の悲劇

==================================================================================
http://www.magazine9.jp/article/taidan/33141/

2017年4月26日up
マガ9対談 矛盾だらけの国会議論と、「テロ等準備罪」という印象操作
保坂展人
さん(世田谷区長)×鈴木耕さん(編集者・ライター)

「テロ等準備罪」(共謀罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案、その実質審議が衆議院法務委員会で行われています。共謀罪は、これまで3度にわたって国会で審議されながら廃案となってきました。政府は「テロ等準備罪」との名称を用いて「共謀罪とは違う」と主張していますが、本当にそうでしょうか。2005年~2006年、衆議院法務委員会で「共謀罪」に反対して国会論戦を担った保坂展人さんに、連載コラム「風塵だより」でおなじみの鈴木耕さんが伺いました。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------
保坂展人(ほさか・のぶと) 1955年宮城県生まれ。教育ジャーナリストを経て衆議院議員を3期。その後、2011年に東京都世田谷区長に当選、現在2期目。著書に『相模原事件とヘイトクライム』『共謀罪とは何か』(共に岩波ブックレット)、『闘う区長』(集英社新書)、共著に『「共謀罪」なんていらない!? これってホントにテロ対策?』(合同出版)他多数。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
鈴木耕(すずき・こう) 1945年秋田県生まれ。集英社に入社後、「月刊明星」「月刊PLAYBOY」「週刊プレイボーイ」などを経て、「集英社文庫」「週刊プレイボーイ」「イミダス」などの編集長を務める。集英社新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書は『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『原発から見えたこの国のかたち』(同)他。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------


過去3回も廃案に
そもそも「共謀罪」とは何か

鈴木
 保坂さんは、世田谷区長になる以前に衆議院議員を3期務めていましたが、廃案となった共謀罪について非常に詳しく勉強して質問なさっていました。当時、「国会の質問王」と言われていた保坂さんに、過去に廃案となった共謀罪と今回の法案にどういう違いがあるのか、なぜ今また共謀罪が議論の的になっているのかをお聞きしたいと思います。最初に、「そもそも共謀罪とは何か」について簡単にお話しいただけますか?
保坂 12年前、2005年の郵政解散で自民党が圧勝した後、小泉純一郎首相の時代にも共謀罪が出てきました。「共に謀議する」という日常会話では使わない言葉ですが、「共謀」とは何なのか? これがなかなか知られていません。
 犯罪というのは、殺人であれば人を殺めたり、傷害であれば人を傷つけたり、あるいは窃盗にしても、何らかの「結果」があります。その結果に対して処罰するのが刑法の体系です。しかし、結果を出していなくても「2人以上が話し合って犯罪プランが成立した」というところで、それを「犯罪」だとするのが共謀罪の考え方です。
 現在の法体系でも、殺人など重大なものに関しては、しようとしてできなかった「殺人未遂」とか、あるいは殺人のために武器をもって現場に行こうとした「殺人予備罪」というのが例外的にあります。さらに例外なのが陰謀罪で、これは共謀罪とほとんど同じ意味です。
 たとえば、「爆発物取締罰則」(※)というものがありますが、これはテロ行為とも関係ありますよね。ここにも共謀罪と同じものがあります。新しくつくらなければいけないと言いますが、重大な犯罪に関してはすでに20以上もの共謀罪、陰謀罪があるのです。

(※)治安を妨げ、人の身体・財産を侵害する目的による爆発物の使用等を処罰する刑法のひとつ。爆発物の使用に限らず、共謀するだけで刑事罰が科せられる。

鈴木 簡単に言ってしまうと、考えただけで、実際に犯罪が実行されていなくても取り締まれるのが「共謀罪」ということですね。
保坂 2名以上の、法務省の言葉によれば「組織的犯罪」をやろうとしたときに、共謀罪が成立します。
 じゃあ居酒屋で「うちの社長はどうしようもないから、少し痛めつけてやろう」「そうだ、そうだ」と言ったら、みんなが逮捕されるのかという心配が出てきますよね。12年前もそういう声がありました。それに対して、「厳格に、誰がお金を出す、誰が車を運転する、誰が武器を調達する、などの役割分担やプランがあって、その犯罪がそこでスタートする条件が整ったら、そこで『共謀』になるので、居酒屋で気焔をあげてもなりませんよ」というのが法務省の説明でした。
 ところが、「組織的犯罪集団」ということでいえば、「言葉で厳密に共謀する必要はない」という最高裁の判例が確定しているのです。これは、暴力団の組長の前後にいた組員が拳銃を所持していた事件で、組長が拳銃を持たせていたとして捕まりました。弁護士は、組長は「持っていけよ」という指示を言葉でしたわけではないのに、犯罪に問われるのは不本意だと言いました。しかし、これに対する最高裁の判断は、「暴力団の組長であれば、自分が移動するときに護衛が武器を携行するということに対して言葉はいらない」というものでした。これは「暗黙の共謀」とか、「黙示の共謀」といいます。具体的な謀議をしなくても刑が確定しています。

鈴木 厳密な指示がなくても、「共謀した」とみなされる


目くばせ」で罪が成立!?
話題になった12年前の答弁

保坂 たとえば銀行強盗を企画して、お金を出したり、武器を出したりしても、強盗の実行そのものには参加しなかった人がいたとして、それでも主犯、正犯としてその事件に連座するということはよくあります。これを「共謀共同正犯」(※)と言います。これはかなり広く認められています。この「共謀」と共謀罪の「共謀」については同じものかと12年前に国会で質問したところ、法務省は同じだと答えました。
 そうだとすれば、暴力団グループなどが、何らかの犯罪に類することをする下地ができていたときに、もしリーダーが「時は来た、今だ」というような顔で立ち上がって目くばせ(サイン)をしたら共謀が成立する場合はあるのかと聞いたんです。そうしたら、当時の法務省の大林宏法務省刑事局長は「そういう条件であれば、成立する場合もあるかと思います」という風に言ったんですね。つまり、「具体的な犯罪計画がないと、そうめったやたらに共謀罪は適用されない」と説明していたのに、実際には目くばせでも謀議にあたってしまう可能性がある

(※)2人以上が協力して犯罪を計画し、そのうちの一部の者が共同の意思に基づいて犯行を行った場合に、実行行為には直接手を染めなかった者も同じ罪に問えるという考え方。

鈴木 当時、保坂さんの質問で有名になった「目くばせも共謀にあたる」というものですが、これはいろいろなところで話題になりました。
保坂 私があらためて、当時の南野知恵子法務大臣に「目くばせで共謀は成立しますか」と聞いたら、本当にニコニコ笑ってね、「目くばせでも共謀罪が成立する場合があります」と非常に軽やかに仰った。それが日曜の昼の報道番組で流れて、有識者の方々が大変びっくりしたんです。


共謀罪がなくても、
日本はTOC条約を批准できる

鈴木 なるほど。この共謀罪をつくることの大前提として、政府は国際組織犯罪防止条約の批准に必要なんだと説明していましたよね。
保坂 これは、TOC条約、パレルモ条約とも呼ばれているものです。いわゆるマネーロンダリングとかを防ぐ目的のもので、テロ対策の条約ではありません。テロ対策の条約には日本も10以上批准しています。このTOC条約に日本が入るために、12年前は619の共謀罪を創設する必要があると言っていました。今回も、当初は676という相当数の犯罪名を出していました。

鈴木 それを今度は、300以下に減らした。
保坂 277(※)にまで減らしています。しかし、たとえば刑法体系が非常に日本とよく似ている韓国では、日本のような広範な共謀罪を創設することなく、同じ条約に入っています。フランスは共謀罪をつくりましたけど、非常に限定的です。

(※)政府は対象犯罪の数字を「277」と説明しているが、衆院事務局の調査では「316」に上る。金田勝年法務大臣は4月17日の衆院決算行政監視委員会で、「数え方に一定のルールはない」との見解を示している。

鈴木 海外の事例を調べても、国際組織犯罪防止条約を結ぶために新たに広範な共謀罪を創設するというケースはあまり見当たらないですよね。
保坂 そうですね。あれから11年以上もほったらかしておいて「今、やらなくてはいけない」というのは非常に不自然です。国際組織犯罪防止条約に、いま日本はこの状態で加入できるはずです。もし、テロ対策についてみなさんが不安に思うような穴があるのであれば、そこは個別立法をちゃんとやってフタをすればいい

鈴木 この国際組織犯罪防止条約をテロと結びつけるのは、本来の条約の趣旨から外れていると思いますね。


「テロ等準備罪」の
“等”に含まれるもの

保坂
 今回は「テロ等準備罪」と言っていますが、12年前は、法務省や外務省も自ら「共謀罪」と呼んでいました。しかし、この法案のどこを読んでも「テロ等準備罪」という犯罪があるわけではない。これは単なるニックネームなんですよ

鈴木 「テロ」という言葉が全然出てこないと言われています。
保坂 じゃあ、「」とはなにかというと、テロを除くすべての組織的犯罪だというわけです。「等」のところが非常に多い。外務省は「テロ等準備罪」という言葉を使わないんですよ。「計画罪」という言い方をしています。これはあまりにも、矛盾があるからですね。ここには、印象操作があると思います。
 「テロ等準備罪」と聞くと、多くの人は一本の法律ができるんだと勘違いします。「テロを共謀の段階で取り締まる一本の法律」というイメージです。実際には、爆弾や生物化学兵器などのテロに対しての共謀罪とか予備罪は、すでに日本にはある。そのことをちゃんと理解する必要があります。
 あと、これも大事なのですが、犯罪をやろうと共謀が成立したあとに、状況が変わって「やっぱり自分はやりたくない、やめましょう」と言ったら、この共謀は未遂になるのかと僕が国会で聞いたら、それはできないと言われました。つまり、共謀の中止や未遂はあり得ないんです

鈴木 唯一できるのは、共謀を密告することですね。
保坂 「こういう連中が共謀しています。私もその場にいました」と言えば、刑が減免される。2006年時の自民・公明党の案では、この自首減免というのを削っていたんです。そこには「密告社会を招くという批判につながる懸念を払しょくしたい」と書いてあります。いまの国会に提案している共謀罪は、このときの自民党・公明党の修正案よりも、はるかにゆるくしたものです。

鈴木 たとえばこの時代、LINEとかTwitterみたいなものがたくさんあるじゃないですか。そこで、多少でも「やろうぜ」みたいな話があったとしたら、それも証拠になるんでしょうか?
保坂 金田勝年法務大臣というのは、答弁で言いよどむことが多いのですが、例外的に鮮明に言い切るときがあります。その言い切る答弁で、LINEの中でたとえば絵文字とかスタンプとかで、「ニコッ」とか「イエス」みたいな表示が共謀罪の成立になるかという質問に対して「どんな手段であれ意思が形成されることに例外は設けません」と明確に言っています。こういうところだけ力がこもっている。

鈴木 犯罪をするつもりでなくても、ちょっとした物の弾みで若い子が書いちゃうこともありますよね。
保坂 これまでの事件でもLINEが有力な証拠になる場合がありますが、そのグループが犯罪グループなのか周辺なのか、第三者なのかはグレーゾーンなところです。また、そのメッセージに返信をしていなくても、「既読」になった場合にはどうなのか。そういう解釈も問題になってくると思いますね。


「国会の議論はめちゃくちゃ」
引用された判決の矛盾

鈴木
 277の対象犯罪をよく見ていくと、テロ等準備罪といってもテロとは無関係としか思えない犯罪もたくさん入っています。
保坂 さっき言ったように、「テロ等準備罪」という罪名はないんです。政府が当初用意した法文のなかには、「テロ」とどこにも書いていかなった。そこで、組織的犯罪集団の前に「テロリズム集団その他の」とちょっと挿入した。それは気休めみたいなもの。これが入ったからといって条文構成は変わらないと政府は言っている。
 もうひとつ面白いのは、誰がこの「テロ等準備罪」という名前をつけたのかと民進党の法務部会のヒアリングで聞いたら、法務省の幹部が「私たちも分からない」と言っていました。いつの間にか決まっていた。つまり、法務省以外のところで決まったということですよね。

鈴木 想像で物を言ってはいけませんが、官邸筋からかな……と考えてしまいます。
保坂 「277にまで減らした」といいますが、私の手元には、平成19年の自由民主党政務調査会の条約刑法に関する小委員会第2回会合の資料があります。ここでは、123~155程度にまで減らしているんです。それより現在のほうが多いわけです。当時、野党側の言い分も聞きながら決めたこういう案を全部捨てて、元の共謀罪に戻しているのが今回の内容です。

鈴木 そういう意味では、非常に復古的な内容になっているわけですよね。そこが現代の治安維持法になりかねないと批判されるひとつの大きな要因だと思います。
保坂 国会の議論は大変めちゃくちゃです。この議論のなかで、いまこの法律がないとダメな理由、現行法では対応できない例として法務省が出したうちのひとつが、テロ組織が複数の飛行機を乗っ取って高層ビルに突撃する計画で航空券を予約した場合でした。これを取り締まるためには、共謀罪が必要なんだと説明しました。
 でも実は、ハイジャック防止法というのがあり、この中に予備罪があって、チケットを予約・購入する場合には適用できるんです。1970年5月の参院法務委員会での法務省刑事局長答弁や、刑法のコンメンタール(逐条解説書)でもそうなっています。ところが、そういったことにまったく触れないで、金田法務大臣は、「昭和42年東京高裁判決」(1967年)というのを出してきて、「予備罪というのは相当慎重に定義をしなければ使えない」というところを引用して読みました。これは安倍総理も引用しています。予備罪は簡単に適用できないから、共謀罪が必要なんだと。
 ところが調べてみると、これは「三無事件」という、クーデター未遂事件の判決なんです。この事件では22名が一網打尽に逮捕されました。その主たる被告は、実は陰謀罪(=共謀罪)で有罪になっているんですよ。

鈴木 予備罪が使えないから共謀罪をつくらないと大変だという説明で出した判例なのに……。
保坂 実際には、その昭和42年判決は共謀罪で有罪になっている。このクーデターは、非常に計画がずさんだったために、実際に実行できたかどうかは疑わしいとされた。クーデターをやろうとしていたことは事実なので陰謀罪だけれども、予備罪というには計画がずさんすぎる。だから、そう簡単に予備罪をあてはめるべきではないという判決なんです。この中身を報道機関がちゃんと解説すれば、「一体、政府は何を言っているんだ?」となりますよね。


「一般人は関係ない」は本当か?

鈴木
 あと心配されるのは、ある組織が普通に平和的にやってきたのに、突然「その性格が一変」した場合に、テロリズム集団になるんだという説明があります。この「性格が一変」ということが非常にわかりにくい。
保坂 これも金田法務大臣の滑舌がよくなる部分ですね。普通の会社であっても、団体であっても、その性質が犯罪の実現にすり替わったときには組織的犯罪集団ということになるわけでございます、とこう言っている。
 「一般の人には関係ありませんよ」も印象操作のひとつです。組織的犯罪集団と聞くと、たとえば振り込め詐欺グループなどを想定していると思いがちですよね。悪いことをしてやろう、お金をとってやろうと集まった組織みたいなイメージですが、そうではない。
 実は、2015年の最高裁に、この「組織が一変する」ことを、よく示している判例があります。ある会社の経営者が、経営が傾いていずれは破たんすることを認識しているのに、会員制リゾート権を売り続け、これが組織的犯罪として問われました。単純な詐欺よりも、組織的詐欺のほうが罪は重い。罪を問われたほうは、これは単純な詐欺だとして争いました。
 しかし、その部下たちが事情を知らずに、これまでと同じように電話営業をしていただけだとしても、それは組織的詐欺と言えると最高裁は書いています。経営者がもうこれは破たん必至だと分かっていながら売る段階で、それまでの「経済行為」が「詐欺」に転換する。そう考えると、どんな会社や団体、市民グループも含めて「うちは対象外です」とはならない。


沖縄で起きていることは、
「共謀罪」の先取りでは……

鈴木
 テロ等準備罪、共謀罪のこわさ、ずさんさがよくわかります。最近僕がいちばん心配だと思っているのは、たとえば沖縄の辺野古の基地建設反対運動とかでリーダーの山城博治さんが、辺野古のゲート前でブロックを積んだなどの微罪で逮捕されて、約5カ月におよぶ長期勾留をされたことです。
 東京新聞(2017年4月16日付)に載っていた山城さんのインタビューによれば、警察は山城さんの共犯者の立証で、山城さんの演説に拍手をしたことや座り込みが続く辺野古のゲート前に来ていたことを根拠に共謀を認定したとありました。山城さんが「共謀罪が発動した時の準備がされたのだと感じた」という内容です。僕は、これはまさに共謀罪の先取りじゃないかという感じがするんです。
保坂 いま言われているのは、共謀共同正犯の共謀だと思いますが、これは法律にあるわけでなく、判例が重ねられてきたものです。最初は「黙って示す」なんてものは共謀じゃなかったのですが、段々と解釈が広がってきています。
 ブロックを積み上げるような行為が、これだけの長期勾留になるのは世界的にも非常におかしいし、人権侵害も甚だしいと思います。共謀罪がなくても微罪あるいは意外な容疑で長期にわたって運動の中心人物が勾留されるということがこれまでも起こっているわけです。
 しかし、共謀罪が成立した場合には、ブロックを積んでいなくても「ブロックを積もうか」という話から問題になる。これははるかに幅が広い。ブロックを積もうかという話を、実際どこでどう決めるのか、証拠としてとらえようがないわけです。とすれば、なるべく監視していこう、証拠を集めていこうとなる。いわば「監視社会」につながるの恐れがたぶんにあるのではないでしょうか。

鈴木 先ほどのインタビューでは、警察は、山城さんの演説への拍手が「賛同」、説明を受けたことが「協議」であると……。
保坂 それは、限りなく治安維持法に近づいていきますね。

鈴木 近いですよね。
保坂 日本の法律は、内心の自由を侵さないのが原則です。かつての「治安維持法」は国体の変革という危険思想をもった人物、ないしそれに賛同する人間に対して容赦なく襲い掛かっていき、キリスト教も創価学会も市民サークルに至るまで、「あまり戦争は好きじゃない」とか「平和がいいよね」という人たちも含めて適用されていきましたよね。それに対する反省があって、考え方・思想の部分に対して国家権力は踏み込まないんだという原則にしてきたわけです。
 誰かの演説に拍手するのは、「心」ですよね。それが今回の共謀罪で処罰の対象になるとすれば、心の中しか調べようがない。実際、犯罪計画書を細かく書き残すなんてあり得ないわけですから。そうすると、そのときに誰が賛同していたのか、リードしていたのか、早く自首すれば減免されるわけですから、お互いが相手に罪をなすりつけるようなことになりかねない。

鈴木 いわゆる司法取引ですよね。実際にやられると、密告社会になる。
保坂 「これは、テロ対策なんだ」と聞かされているけれども、金田法務大臣が言い切っているのは、「幅広にやりますよ」ということ。テロ等準備罪の「等」の部分です。彼が言い切るところがいちばん本質で大事なところ。金田法務大臣は何もわからずに答弁しているようにも見えるけれど、意外と自分の役割をわかっているんじゃないかというようにも思います。


共謀罪があれば、テロは起きないか?

鈴木
 ずっと聞いてきましたが、共謀罪、テロ等準備罪の成立というものが、戦前の治安維持法の再来、二の舞になるんじゃないかという恐れがどうしても消えません。これは廃案に追い込むべきではないでしょうか。
保坂 考えたこと、話し合ったこと、あるいはLINEでまわし合ったことが、対象犯罪として摘発される「かもしれない」。この共謀罪が成立すると、「我々は共謀罪にならないかな?」ということを冗談であれ、少し意識して話すようになったりするわけですね。そういう意味では、言論・表現の自由にもかかわってきます。また、山城さんの話も出ましたが、今でさえ力ずくで辺野古や高江の工事が進められている状況で、そこにこの法律が加わるわけです。
 話を戻しますと、やはり国際組織犯罪防止条約には早く入って、多くの人が心配しているテロについては、もしいまの法律に穴があるならふさげばいいと思います。でも実は、穴はほぼないんです。今回の共謀罪は、「やっていないことが処罰される」のがポイントですが、重大犯罪においては、いま日本にもすでにあるんです。これを忘れないでください。
 この法律がなければ、テロが起きるのでしょうか? ヨーロッパでテロが起きている国のほとんどに、共謀罪や参加罪(※)があります。つまり、この共謀罪があるからテロが起きないという構図にはなっていないということです。

(※)組織的犯罪集団への参加を罰する罪

鈴木 「私には関係ない」と言っている一般の人が、実はどこでひっかかるかわからない恐ろしさをもった法律でもあります。これからも共謀罪については、我々もしっかりウォッチしていきたいと思っています。保坂さんもどうぞ頑張ってください。ありがとうございました。
保坂 ありがとうございます。

(写真・構成/マガジン9編集部)
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」

2017年03月08日 00時00分31秒 | Weblog


リテラの対談記事【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第3回ゲスト 斎藤貴男/室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」】(http://lite-ra.com/2017/03/post-2963.html)。

 《●共謀罪が成立したら、室井佑月も摘発対象になる?》。

 まず、この対談シリーズの第1回目と第2回目は、以下の通り。

   【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第1回ゲスト 金子勝(前編)
    室井佑月が経済学者・金子勝に訊く! このまま安倍政権が続いたら
    何が起きるのか、その恐怖のシナリオとは?】
     (http://lite-ra.com/2017/01/post-2849.html

   【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第1回ゲスト 金子勝(後編)
    右傾化するテレビで孤立、室井佑月が金子勝に弱音!
    「どんどん仲間がいなくなる」「右のやつらが羨ましい」】
     (http://lite-ra.com/2017/01/post-2850.html

   【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第2回ゲスト 山口二郎
    室井佑月が野党共闘を支える政治学者・山口二郎に
    「ワイドショーが野党を取り上げたくなる過激作戦」を提案】
     (http://lite-ra.com/2017/02/post-2907.html

 「平成の治安維持法」なんて要らいない。「テロ等準備罪 必要46%」というような法案なのか?」…という異常な状況。(室井佑月さん)「なんで2週間余りの祭りのために、大切な人権を蔑ろにされなきゃならないの?」、それに尽きる。
 《私と斎藤さんが異常なわけじゃないんですね》!? 当たり前です。アッチが「異常」。

   『●室井佑月さん、「なんで2週間余りの祭りのために、
           大切な人権を蔑ろにされなきゃならないの?」
   『●ダークな五輪のために「大切な人権を蔑ろに」!? 
       …なぜならニッポンは人治主義国家、アベ様王国だから
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「閣僚の適格性に関わる重要問題」連発…
      そもそも「テロ等準備罪 必要46%」というような法案なのか?
   『●「瑞穂の國記念参院予算委員会」は酷かった…
       「平成の治安維持法」を目指す「裸の王様」の取り巻きの醜さ

==================================================================================
http://lite-ra.com/2017/03/post-2963.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第3回ゲスト 斎藤貴男
室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」
2017.03.04

 東京新聞の「大波小波」でも取り上げられるなど、各方面で大きな反響を呼んでいるこの連載対談。ところが、そのことを当の室井佑月に報告しようと電話したらいきなりこんな苛立った声が返ってきた。

   「反響があったとか喜んでる場合じゃないって! そんなことより
    共謀罪やばいよ、なんとか止めなきゃ!」「次は、共謀罪の恐ろしさを
    みんなにわかりやすく伝える対談やるよ!」

 そう、室井はあいかわらず本気なのである。ということで、今回は、共謀罪が初めて法案提出されたときから、その危険性を訴えてきたジャーナリスト斎藤貴男氏をゲストに迎え、安倍政権が今国会で成立をもくろむ共謀罪の問題点を、一から検証することにした。
 対談では、共謀罪がいかに危険で不要なものであるかはもちろん、その背景にある安倍政権の意図やマスコミの現状に対する鋭い指摘も飛び出した。今回もぜひ刮目して読んでいただきたい! 

(編集部)
……………………………………………………………………………


●共謀罪が成立したら、室井佑月も摘発対象になる?

室井 あたし、安倍政権に対しては怒りだらけなんだけど、いまはやっぱり共謀罪のことが一番心配なんですよ。共謀罪はこれまで合計3回も法案が国会に提出され、その度に廃案になっているけど、今回は提出するのが安倍政権でしょ。国民を騙して強引に成立させかねない。政府は法案の名前を「テロ等組織犯罪準備罪」に変えるなどと言ってましたけど、基本は共謀罪と同じなんでしょう。

斎藤 同じというか、共謀罪そのものです。共謀罪は犯罪を犯す以前の、相談や計画、準備段階で処罰可能という法律で、何の犯罪も犯していないどころか、その危険性がなくても適用できる。捜査当局が恣意的に運用すれば、極端な話、誰でも自由に逮捕できるとんでもないシロモノなんです。最近になって、対象の犯罪を原案の676から277に絞り込む方針を打ち出したけど、完全に目くらまし。しかも当初は“テロ”を前面に押し出していたけど、その後明らかになった条文案では“テロ”と表記がなくなっている。本質はまったく変わっていません。国民をバカにするのにも程があります。

室井 『東京新聞』がすっぱ抜いた条文案ですね。それによれば、テロの文言がまったくないどころか、テロ以外の犯罪が6割もあるってことも分かった。結局、安倍さんはテロという言葉を最大限に利用しただけだし、普通の市民や企業も対象になる可能性はますます高まってきましたよね。斎藤さんの本『「共謀罪なんていらない?!」──これってホントにテロ対策?』(共著/合同出版)に書いてありましたけど、共謀罪って“心の中を取り締まる法律”、憲法の思想・良心の自由をふみにじるものですよね。でも、具体的には、どんなことが起こるんだろう?

斎藤 たとえば、この対談のタイトルって「アベを倒したい」でしょ。極端な話、共謀罪が成立したら、それだけでも“テロリスト”扱いされて室井さんも僕も逮捕される可能性があるということです。権力側が「こいつら、批判ばかりしていて気に食わない」と思ったら、この法律を使えば簡単に犯罪者にできちゃう。なにしろ防衛大臣だった石破茂さんが「デモはテロ」と公言できてしまう政権なんだから。

室井 マジか。まあ、政府は「一般人は対象にならない」と言ってたけど、きっと私や斎藤さんなんて、最初から一般人扱いされないだろうしな(笑)。

斎藤 その「一般人は対象にならない」というのが最大のインチキなんだよね。多くの国民がこれに騙されて、共謀罪に関心を払わなくなっている。だから弁護士さんたちた僕はよくこんなたとえを出して警告しています。「飲み屋で上司の悪口をみんなで言っていて、『ぶっ殺してやろうか』という話になればそれも対象になるかもしれない」と。

室井 え〜、それはいくらなんでもリアリティがないよ。みんな「まさか〜」と笑って終わりになっちゃいますよ。だったら、沖縄高江のヘリパッド反対運動の例とか出したほうがいいんじゃないですか。この運動の中心的な役割を担ってきた山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)は逮捕されて、微罪なのにもう4カ月以上も不当勾留されているでしょ。いまでもそんなことが起きてるのに、もし共謀罪が成立すれば、高江の反対運動にかかわっている人たちは全員、“犯罪集団”“テロ集団”ってことにされて逮捕されてしまう。そういう権力の恐ろしさを伝えたほうが説得力があると思う。

斎藤 そうも思わないでもないけど、逆なんじゃないかな。いまの状況だと、沖縄の基地反対の例をもち出しても、誰も自分事とはとらえてくれない。本土の人間の多くは沖縄の基地問題を“特殊な例”として片付けてしまってるから。悲しいことだけど、でも、これは共謀罪についても同様で、国民の多くは権力に批判的な“特殊な人”だけが対象で、“普通に生活していれば逮捕されない”と思っている。でも、そんなことはないんだよ。さっきも言ったように、共謀罪の対象となる犯罪は絞り込んだいまも300近くあって、そのなかには、薬物とか詐欺とか偽証とか通貨偽造とか、テロとなんの関係もない犯罪が6割もある。最初は限定的に運用されたとしても、一旦成立したら、いくらでも広げていくことができる。誰もが摘発の対象になり得るんです。ハードルは可変的なのだから、それを訴えないと。第一、世の中はこれからもずっと続くんだよ。いまの安倍さんみたいな総理大臣が、独裁的な権力を振るう時代がくるなんて、たとえば30年前に誰が本気で予想した? で、今は確かに安倍さんが戦後最悪ではあるけど、これからもっともっとトンでもないのが出てこない保証はひとつもない。国家権力というのは必要悪だと思うけど、どこまでも暴力装置なのだから、よほど厳しく縛りをかけておかないと。それが立憲主義の精神です。

室井 法律名に「テロ等」って「」がついてるから、拡大解釈する気満々だとは思ってたけど、いろんな犯罪が対象になるんでしょ? そういえば、LINEやメールで同意しただだけでも、共謀罪が適用されるという話も出てましたけど、本当なんですか。たとえば、過激な友人が「こうなったら官邸に突撃しよう」とかいうLINEやメールを送ってきて、つい「いいね」と返事しちゃったら、つかまっちゃうとか。

斎藤 法務大臣も答弁で認めてからね。同意どころか、LINEだったら既読スルーしただけでも逮捕される可能性がある。それと、共謀罪の処罰対象を「組織的犯罪集団」に限定するなんて言ってるけど、それを決めるのも捜査機関でしょう。解釈次第でどうにでもなる。事実、法務省は2人以上で団体とみなされると言ってるし、最近、国会では処罰対象について、「普通の団体」が“性質を変えた場合”「組織的犯罪集団になりうる」という政府統一見解を示した。これって、市民団体や労組なども捜査機関が“性質を変えた”と言えば、いつでも「組織的犯罪集団」として共謀罪が適用されるということ。実際、彼らの立場ならそれはそうでしょ。テロを起こす前から、わざわざ「我々はショッカーです」とか、「黒い(ブラック)幽霊団」ですとかの看板を掲げる奴は珍しいわけで。で、「デモはテロ」と考える人たちなんだから、沖縄の基地反対運動や安保法制デモに参加した人が逮捕されない方がおかしいことになる

室井 しかも、一旦、捜査対象になったら、盗聴もやりたい放題になるんでしょ? 気に入らない人間をとりあえず逮捕して、それ以前に盗聴していた内容を使って微罪でも何でもデッチ上げられる。

斎藤 昨年の刑事訴訟法改正で、警察は盗聴し放題になったからね。あらゆる犯罪で、電話会社の立ち会いがなくても自由に盗聴できるようになった。それと、逮捕されなくても、共謀罪があるというだけで萎縮効果を生むというのが大きい。共謀罪の怖さは、そうした恐怖が空気となって常に漂い、お互いを監視しあい、人間不信に陥らせることです。特高警察が支配した戦前の日本や旧ソ連のKGB、旧東ドイツのシュタージ、いまの北朝鮮のような社会になるってことです。要するに思想や言論を処罰したい。それに尽きる

室井 安倍さんが共謀罪に固執している目的も、最初はテロ対策なんて言っておいて、結局は条文案から削ってしまった。大嘘だった。本当の目的は自分たちにとって都合の悪い集会やデモ、話し合いを一切させないことその対象はテロリストではなく、“政権に逆らう人なんだよね。


●安倍首相の説明は嘘だらけ! 本当の狙いは政権批判封じ

斎藤 もともと、共謀罪の本質は治安維持、つまり権力に従わない国民を片っ端から“犯罪集団”と認定し、権力を批判する人々を排除しようとするものだからね。しかも、共謀罪は安倍首相ととくに相性がいい。安倍首相の究極の願望は“国民が一丸となり同じ方向を向くのは当然という全体主義だから、それを実現するには格好の道具になる。

室井 しかも、安倍さんって、こんな悪法でも手柄だと思っていて、「歴史に名を残したい」とか言ってそうだしな(笑)。

斎藤 安倍さんの御母堂・洋子サマによると“晋三は宿命の子”らしいからね。「文藝春秋」のインタビューで、そう話しているんだけど、いやはや、なんともはや、マンガだね、ありゃ。俺も『巨人の星』が好きで、“宿命のライバル”とかカッコイイとは思うけど、本気でマンガの主人公になりきった気になるほど幼稚じゃない。

室井 だったらうちの息子だって宿命の子ですよ。ていうか、母親にとって自分の子どもは全員が宿命の子です! それを首相の母親が公言するなんて、本当に恥ずかしい。あ、つい熱くなっちゃったけど(笑)、とにかく、怖いのはこんなとんでもない法律が通りそうなこと。安倍さんに「テロを防ぐためには絶対必要」と言われて、信じちゃう人も結構いたもの

斎藤 テロを取り締まる法律なんて、現時点でも事前の段階で取り締まれる各種予備罪のたぐいが合計58もあり、凶器準備集合罪のような独立した罪とあわせたら、いくらでもある。共謀罪なんて、タテマエとしたって必要がない

室井 あと、私が一番呆れたのは、安倍さんが「国際組織犯罪防止条約」という条約締結のためにはこの法律が絶対に必要で、「この条約を締結できなきゃ、東京五輪を開けないと言っても過言ではない」って言ったこと。本当に五輪開催に必要なら、共謀罪をつくるんじゃなくて、オリンピックを返上したほうがいい。ていうか、共謀罪がなくても東京が開催地に選ばれているんだから問題ないはずでしょ? 

斎藤 あれはまったくの嘘です。国際組織犯罪防止条約を結ぶ187の国・地域のうち、締結に際して国内で共謀罪を新設したのはノルウェーとブルガリアのたった2カ国だけ。日本政府はこれまでに、国連のテロ対策関連条約のうち主要な13本を批准し、日本の国内法ではすでに57もの重大犯罪について「未遂」の前段階で処罰できるように整備している。日弁連も共謀罪立法がなくても国連条約締結は可能だと指摘しています。

室井 でも、そういうこと、全部ごまかしているでしょ。金田(勝年)法務大臣の国会でのめちゃくちゃな答弁、あれ何よ! ハイジャック目的の航空券予約は「現行法で対処できない」なんて言ってたのに、民進党の福山哲郎議員の追及で、現行法の予備罪が適用できることがバレたり。

斎藤 あの人には政治家の以前に、そもそも社会人としての資格も能力も著しく欠如しています。

室井 しかも金田大臣があまりにアホで答弁にすら答えられないから、「法案については成案を国会に提出した後、法務委員会で議論を重ねるべき」なんて文書まで出したでしょ。後になって撤回したけど、事実上の野党質問封じ、議論封じ。何やってんだか。でも、こんな調子でも、成立しそうだから怖いよ。

斎藤 安倍首相の辞書には以外の項目が載っていないから。安保法制成立前の2015年4月にアメリカ議会で「一般に海外派兵は認めらない」なんて言ってたけど、これも大嘘だった。TPPも“絶対反対”って言っていたのに強行採決で成立させた。こうした安倍政治に国民はすっかり慣らされてしまって違和感さえももたないことも大きな問題だと思う。こんなことしてると、共謀罪どころかもっとひどいことになると思うよ。電話やネットだけでなく、事務所や団体に忍び込み、盗聴器や監視カメラを取りつけての監視活動さえ行われる危険性もある。これは実際に警察内部の検討会で「会話傍受」という名前で提案されていることなんだ。

室井 もうすでにやっていませんでしたっけ? 昨年8月に、大分県警別府署員が民進党関連建物の敷地内に無断で立ち入って隠しカメラを設置して、問題になったことがありましたよね。

斎藤 建物外に取り付けることはもうやっているけど、それを室内にまで広げようとしている。とにかく、僕たちが考えるよりはるかに異常な世界になっている。

室井 もう、どんどんそうなって来ていますよ。この異常な世界に何か対抗手段はないんですか?

斎藤 まず第一に、とにかくこんなバカげた政権をさっさと退陣させ、共謀罪だけじゃなくて、盗聴法だの“マイナンバー”──ホントは「スティグマ(奴隷の刻印)ナンバー」だけど──だの顔認証機能付の監視カメラ網だのといった、人間を支配するための悪法や仕組みを根絶する。で、そこまで持っていく過程で一番大切なのは「気にしない」ことでしょう。気にしはじめたら、たとえば「政権批判なんて一切やらないほうがいい」となってしまうけど、「やったら捕まるかもしれないけど、それは悪いことではない」という意識をもつこと。空気を忖度しない、これに尽きると思う。逮捕されても、「自分は正しいことをして捕まったんだから、何も問題はない」と思うしかない。少なくともこの場合は、ひとりよがりではないよ。悪法でも法は法、かもしれないが、こんなものは人間の真実なんかじゃない人間にはやっていいことと悪いことがあるんだ

室井 それは斎藤さんがジャーナリストで、権力批判をするという当然の責務をもっているから。でも多くの一般の人は、やっぱり怖いよ。心のなかを覗かれて、会話を盗聴されて、ちょっとでも気に入らないと逮捕されて。それで新聞に実名が載っちゃうんだよ。サラリーマンだったら解雇されちゃうかもしれないし。

斎藤 僕だって積極的に捕まりたいとは思わないよ。でも今のような絶望的な世の中で、無理をして保身に汲々してもひとつもいいことない。何よりも、支配されるだけの生き物に成り下がったら、人間はオシマイじゃないですか。だから開き直るしかないと思っている。

室井 安倍さんに寿司に誘われて喜んで食べているメディアの人たちは、保身しか頭にないみたいだけど(笑)。


●安倍政権下で進むグローバル資本主義ファシズム

斎藤 メディアの体たらくは論外ですね。共謀罪は最近になってようやく反対キャンペーン的な報道も散見されるようになったけど、それだって市民運動の力に押された結果。独自の調査報道なんて、まずやろうとしない。そもそも監視社会のテーマがすごく嫌われるようになった。以前は「週刊文春」でも連載させてくれたけど、いまはメディア状況が激変した。「そんな話題は誰も興味がないから、やめてくれ」と言われてしまう。

室井 マスコミだけじゃなく、フリーのジャーナリストも変わってきてません? だって2002年の住基ネットや、2003年の個人情報保護法にしても、多くのジャーナリストが集まって反対の声を上げたけど、マイナンバー制度や共謀罪については批判の声が少ないと思う。

斎藤 そうなんだ。「斎藤さん、頑張ってください」で終わり。以前は監視社会の恐ろしさや問題点を知っている人たちが現役だったからね。古い世代の人々は戦争を体験していたり、皮膚感覚で権力の暴走の怖さをわかっていた。でも、あれから10年以上経ったいま、当時運動をしていた人たちも高齢化し、いい加減くたびれたんでしょう。そして何も知らない若者が大人になり、ネットなどで番号に慣れちゃって鈍感になっている。さっき、旧ソ連や旧東ドイツ、北朝鮮みたいなファシズムになるといったけど、共産主義ではないので、グローバル資本主義によるファシズム社会が出来上がりつつある、と言った方が正解ですね。世界的に見てもそう。新自由主義やグローバリズムというのは、巨大資本の経済的利益以外のものに一切の価値を認めない。みんなが金持ちになるというならまだしも、いまで言うところの“成長”の意味って下々の金を吸い上げて、大企業が太る=成長”でしかないんだけどね。

室井 なんでみんなそのことに気がつかないんだろう。私はこの現状を、なんとか大きく変えたいんだけど。

斎藤 それは僕もそうだけど、焦ってもしようがない。とにかくいまは自分を見失わないようにと常日頃考えている。監視社会の問題点を取材し続けてきたけど、最近は「もしかして自分のほうが狂っているのか?」と思うときさえあるからね(笑)

室井 その気持ちよ〜くわかります。世論調査で安倍さんの高い支持率が出ると、「ひょっとして私が間違っているの?と思うことがあるもの。でも潮目が変わるときはきっとくる。それにマスコミにもやっぱり期待したいんです。私は1970年代生まれですけど、その世代の文系の最高峰って、朝日新聞社の記者になるというイメージが強い。頭が良くて正義感もあって。だから「金儲けがすべてじゃない。金儲けばかりを唱えている人間は恥ずかしいという社会正義の観点があった。それを取り戻して欲しい。

斎藤 確かに僕と同世代か上の人で、記者になったような人たちは、「戦争のない世の中をつくりたい。平等な世界をつくりたい」という動機が主流だった。僕なんかはその中では、最も志の低い記者でした。

室井 私の本業は、物書きじゃないですか。物書きってみんな、戦争反対とか、権力を疑うという共通の意識があると思ってた。新聞記者やテレビに出ているコメンテーターも含め、権力批判するのは当たり前だと思っていました。でもそうではなく権力をヨイショして、平気で戦争に協力しようとする人がどんどん増えて。逆に、誰も「戦争反対」って声を上げなくなってしまって。そんなのって、鼻から牛乳を飲むくらいおかしなことでしょ? こんな状況でヤバイくない? それとも、私がおかしいの? わからなくなっちゃう。

斎藤 でもちょっといい話がある。昨年12月6日に保阪正康さんの『ナショナリズムの昭和』(幻戯書房)の出版記念パーティーがあって、文藝春秋の松井清人社長が発起人代表として挨拶した。そこで松井社長は「“右翼的独善”の象徴みたいな政権に対して、正面からモノを言いにくい。(メディアが)異を唱えようとしない現状はおかしい」と発言したんだ。同じく文藝春秋の元専務だった半藤一利さんも、「昔は“反動”と言われていた私が、今や極左と言われている。世の中、どうなっちゃったの?」だって。あの文藝春秋の社長や元幹部が、だよ。保守の代表メディアでさえも危機感をもつほどヤバい世の中ということだし、そもそも物書きやメディアが権力批判をするのは当たり前。しかもそれが商売だし特権でもあったはずだからね。

室井 そんな特権を捨てちゃういまのマスコミってバカなのかな。

斎藤 バカなんでしょう。なんてもったいない。ほとんどの職業は“お上”がどんなに酷いことをやっても、逆らわず、その枠のなかで儲けることが賢いと考えられていると思うけど、しかしマスコミと物書き、弁護士と大学の先生は、権力批判が生業なんだ。特権というか、それが責務のはずなんだけどね。

室井 でも、実際のメディアは萎縮しきっていますよね。安倍政権についてだけじゃなく、視聴者や読者のクレームやネットでの批判にも過剰に反応する。だから、萎縮させない努力しているんです。いいことを書いた記者には「よく戦った」と名前を出して褒めるようにしています

斎藤 僕も講演会で「私たち市民はどうすればいいですか?」と聞かれたら、「いいと思うメディアがあったら、ぜひ直接電話して褒めてください」と言うようにしています。マスコミはこのところ、文句ばかり言われているからね。良い報道は褒めてもらわなくちゃ

室井 『ニュース女子』(TOKYO MX)問題で、安田浩一さんや津田大介さんがMXへの出演を拒否していたのも、それはひとつの見識だと思うけど、私はテレビ局との意見が違っても、サンドバックのように批判されても、追い出されるまでテレビに出続けます。自分から「もう出演しません」と言ったら負けだと思うから。それでもし追い出されたら「追い出された! 追い出された!と言いまくる。それも作戦だと思ってる。

斎藤 それもまた見識だと思います。多様性を否定し、権力に隷属させようとするのが共謀罪の本質です。だからこそ室井さんのような存在は貴重だし、必要なんだ。

室井 じゃあ、最後にもう一度確認しますけど、私と斎藤さんが異常なわけじゃないんですね

斎藤 もちろん(笑)。でも、異常と言われても最後まで頑張って共謀罪を阻止しましょう

……………………………………………………………………………

斎藤貴男 ジャーナリスト、1958年生まれ。日本工業新聞、「週刊文春」記者などを経てフリーに。著書に『「非国民」のすすめ』、『ジャーナリストという仕事』『「マイナンバー」が日本を壊す』、「『戦争のできる国へ──安倍政権の正体』など多数。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●アベ様のデンデン王国ニッポンこそ、既にオーウェルが描いた『一九八四年』の「世界」へと

2017年01月31日 00時00分46秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017012802000151.html)。

 《ジョージ・オーウェルの『一九八四年』…「“もう一つの事実”を示したのだ」▼明白な事実や数字を権力者が都合のいいように変え、信じ込ませようとする。それこそオーウェルが描いた世界ではないか》。

   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」番組について、
       想像を超えた制作会社の対応のあまりの酷さ
   『●「「共謀罪」の必要性強調 首相「東京五輪開けない」」…
              ならば、共謀罪も不要だし、五輪開催権も返上を
   『●「裸の王様」が支配する、ダークな五輪のために
       「大切な人権を蔑ろに?」出来る不思議王国・デンデン王国

 「オルタナティブ・ファクト」か…。トランプ氏らと云うよりも、アベ様らがいつも使っている手ではないですかね。
 《自由とは二足す二が四であると言える自由である》、か…。デンデン王国では、国王・アベ様を過剰に忖度し、多くの「本土」マスコミは、既に、「カラスはやっぱり「黒い」」と言えなくなって久しい。
 いま、デンデン王国の国王様・アベ様は「平成の治安維持法」を御所望である。
 アサヒコム(『週刊朝日』)のコラム【室井佑月人の心まで管理する共謀罪法案のタチの悪さ」】(https://dot.asahi.com/wa/2017011900029.html)によると…:

   《何度も提出されては廃案になった危ない法案なのに。だって、
    人として生きていくために大切な人権の話だよ。…菅官房長官は
    6日の記者会見で、「政府が検討しているのはテロ等準備罪であり、
    従前の共謀罪とは別物だ。犯罪の主体を限定するなど(要件を絞って
    いるため)一般の方々が対象になることはあり得ない」…。
    信濃毎日新聞の社説には、こう書かれていたぞ。〈テロ対策は、
    後付けで持ち出されたにすぎない日本はテロ防止に関わる国連の条約を
    すべて締結している。国際的な要請として、さらに共謀罪を
    導入しなければならない理由は見いだしにくい〉と。
    東京オリンピックをダシに、権力者が今までそこまではできなかった
    国民への監視を強めようとしているんじゃないか? ただの監視じゃない
    共謀罪は心まで管理されるようになるからタチが悪い

…との指摘。今度こそ、「平成の治安維持法」が完結するのか…。


   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                              ・・・冷たい国だ
    「真に生活保護を欲している人の中で一体何%の人が
     「仕事をせず、遊んで暮らしているという」のか? 
     マスコミや一部の政治家の言動に踊らされていは
     いけない。「「生活保護受給者らしく」生活しているか、
     パチンコをしていないかどうかを監視し、隣近所に
     通報密告)を奨励している自治体があります」……
     監視社会なんて、ゾッとする。「オーウェル
     「一九八四年」…まで、あと一歩ではないか」」

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
   『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
     「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
      刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
      警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」
   『●教員について密告させ、労組を監視する=
       =自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
    《『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の
     水井多賀子氏による記事【自民党が密告フォームで集めた
     反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…
     自民党=警察一体の監視社会に】
     (http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html)》

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017012802000151.html

【コラム】
筆洗
2017年1月28日

 実際には読んでいないのに、読んだふりをしている本は、どんな本か? そんなユニークな調査を、英BBCが昨年実施した。一位は『不思議の国のアリス』で、二位がジョージ・オーウェルの『一九八四年』。確かに、どちらも「読んでいません」とは言いにくい歴史的な名作だ▼だが、『一九八四年』は「読まれぬ名著」という地位を返上するかもしれない。世界各国で突然、ベストセラーになり、出版社は増刷に追われている。どうも人々が貪(むさぼ)るように読み始めたらしい名作が読まれるのは、実に結構なことであるが、これがトランプ政権のおかげだというからおもしろい▼大統領就任式の観衆をめぐり大統領報道官は「過去最多」と言ったが、それは事実に反する観衆の数という単純な事実すら曲げるのかと追及され、政権幹部は言った。「“もう一つの事実を示したのだ」▼明白な事実や数字を権力者が都合のいいように変え、信じ込ませようとする。それこそオーウェルが描いた世界ではないかと読者は飛び付いたのだろう▼わが本棚に鎮座してきた文庫本(高橋和久訳、早川書房)を取り出したら、止まらなくなった。名作を読了できたお礼に、トランプ大統領に有名な一節を献呈する▼<自由とは二足す二が四であると言える自由である。その自由が認められるならば、他の自由はすべて後からついてくる>
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●2016年7月参院選「あとの祭り」…「平成の治安維持法」をつくった総理まであと一歩

2016年08月30日 00時00分50秒 | Weblog


東京新聞の3つの記事【「共謀罪」名称変え国会提出へ 対象絞り「テロ準備罪」に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082602000249.html)と、
大平樹・北川成史・辻渕智之記者による【「共謀罪」新設案 市民監視 4度目の不安】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082702000130.html)と、
木谷孝洋西田義洋記者による【共謀罪を「テロ準備罪」 名称変え 秋の国会提出検討】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082702000147.html)。
最後に、nikkan-gendaiの記事【暴走止まらぬ安倍政権 “共謀罪”圧倒多数で強行成立の恐怖】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188698)。

 《政府は、重大犯罪の計画を実行しなくても計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、九月召集の臨時国会に提出する方向で検討を始めた》。
 《共謀罪の導入を目指す関連法案は過去にも三度提出されたが、批判や不安が噴出して廃案になった。「四度目」への動きが判明した二十六日も、市民団体などは「活動を監視する恐怖政治」「テロ対策や東京五輪を口実にして姑息」と強く反発した》。
 《政府は、重大犯罪の計画を話し合うだけで罪に問えるようにする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、九月召集の臨時国会に提出…。「共謀罪」の名称を「テロ等組織犯罪準備罪」に変え、対象となる集団を絞り込むなど要件を見直す》。
 《予想通り、7月の参院選で大勝した安倍政権が暴走を始めている。過去、3回廃案になった「共謀罪」を、秋の臨時国会で強行成立させるつもり》。

   『●保坂展人さん、あの小泉純一郎氏でさえが
      「『平成の治安維持法』をつくった総理」と呼ばれることを嫌った

 「3分の2」の意味さえ考えることも、理解することも無く、2016年7月参院選でアベノサギに騙され…「あとの祭り」。「『平成の治安維持法』をつくった総理」誕生まであと一歩。先の参院選で、アベ様に強大な権力を与えてしまった訳です。本当にお人よしな国・ニッポンです。

   『●2016年7月参院選、今回も「眠り猫」だった皆さん…
   『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
      教育破壊の効果とアベノサギという「壊憲=争点」隠し
   『●2016年7月参院選、
      「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり
   『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…   
         アベ様にそんな謙虚さがあれば、アベノサギなんてしませんって
   『●2016年7月参院選、「あとの祭り」…
      「もっとも危ない暴君に、とてつもない数を与えてしまった」
   『●「あとの祭り」: マスコミが伝えたのは
      「アベノミクスのホラ話みたいな自慢」と野党の悪口ばかり
   『●「あとの祭り」: 「巨泉氏の警告も虚しく、
      「アベノミクス」を釣り餌に圧倒的な議席数を獲得した」アベ様
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                      …どんどん壊れ行くニッポン
   『●「あとの祭り」: 違憲な壊憲は続く…アベ様に
      憲法尊重擁護義務という「自覚」を促しても無理というもの
   『●「あとの祭り」: 「駆けつけ警護」は『任務遂行型』の武器使用
                      =違憲な自己防衛を越える武器使用
   『●「あとの祭り」: 「自民党きっての極右議員」
       「極右思想」大臣…こんな防衛相が誕生しちゃいました

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082602000249.html

「共謀罪」名称変え国会提出へ 対象絞り「テロ準備罪」に
2016年8月26日 夕刊

 政府は、重大犯罪の計画を実行しなくても計画を話し合うだけで処罰対象とする「共謀罪」を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、九月召集の臨時国会に提出する方向で検討を始めた。複数の政府高官が二十六日、明らかにした。過去に提出した法案とは異なり、対象となる集団を絞り込んで要件も変更、「共謀罪」もテロ対策を前面に出した罪名に変える。共謀罪の導入を巡っては、小泉政権当時に関連法案が三回にわたって国会提出され、いずれも廃案になっている。

 これまでの法案では対象となる集団を単に「団体」としていたが、今回の改正案では、テロ行為などの重大犯罪を行うことを目的とした「組織的犯罪集団」に変更。犯罪の実行を集団で話し合うだけでなく、資金の確保といった犯罪の準備行為も要件に加える。罪名は「テロ等組織犯罪準備罪」としている。

 罪名の変更について、政府高官は「共謀罪では国民が身構える。東京五輪を控え『テロ対策』という目的を明確にした方が理解が得やすい」と述べている。

 共謀罪が適用される罪はこれまでの法案と変わらず「法定刑が四年以上の懲役・禁錮の罪」で、道路交通法や公職選挙法などを含め六百超と範囲が広い

 政府は、改正案を秋の臨時国会に提出することを目指すが、前の通常国会で継続審議となった環太平洋連携協定(TPP)の関連法案などの成立を優先させる考えで、改正案成立は来年の通常国会以降を想定。

 共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案は、二〇〇三、〇四、〇五年に国会提出されたが、野党などは「労働組合も対象になりかねない」「居酒屋の会話でも逮捕される」と反発。日本弁護士連合会の反対もあり、政府側が成立を断念してきた。


◆現行法で対応可能

 <神戸学院大の内田博文教授(刑事法)の話> 犯罪の準備段階の行為を処罰することは現行法でも対応が可能で、共謀罪は不要だ。殺人予備罪など、刑法には複数の予備罪が規定されており、準備行為を処罰することができる。現行法で対応できないというのであれば、具体的な立法事実を示して議論する必要がある。過去の治安維持法と同様に、運用の拡大で市民運動も標的となる恐れがある。


◆乱用、恐れ消えず

 <ジャーナリストの斎藤貴男さんの話> 犯罪捜査が目的なのは分かるが、一度法律ができてしまえば、政権や捜査機関が監視や思想の取り締まりなどのために都合よく運用するのが目に見えている。海外でテロが頻発し、自民党が選挙で圧勝していることを口実にしても、乱用の恐れは消えない。今は「東京五輪のため」と言えば何でも許されるような風潮があるが、こうした法改正は、安倍政権が憲法改正を目指す際に、表現の自由を制限したり、緊急事態条項を新設したりするための地ならしになり得る。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082702000130.html

「共謀罪」新設案 市民監視 4度目の不安
2016年8月27日 朝刊

 計画を実行しなくても、犯罪を行うことを話し合い合意しただけで処罰される「共謀罪」。「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を変え、組織犯罪処罰法に趣旨を盛り込む形の政府案が来月、国会に提出される可能性が出てきた。共謀罪の導入を目指す関連法案は過去にも三度提出されたが、批判や不安が噴出して廃案になった。「四度目」への動きが判明した二十六日も、市民団体などは「活動を監視する恐怖政治」「テロ対策や東京五輪を口実にして姑息(こそく)」と強く反発した。 (大平樹、北川成史、辻渕智之

 「私たちの日々の抗議行動が対象になりうると怖さを感じる」。沖縄平和運動センターの岸本喬(たかし)事務局次長(53)は恐怖感を語る。

 沖縄県では米軍の新基地やヘリコプター離着陸帯の建設に反対し、資材搬入車両を止めようと県民らが座り込みのデモも辞さない。「今でも道路交通法違反だからと強制排除される。(組織的)威力業務妨害罪の恐れがあると警察から言われたこともある。計画しただけで、すぐに適用されかねない

 今回の政府案は適用対象を「組織的犯罪集団」と定め、「準備行為」を犯罪の構成要件に追加。罪名も対テロを前面に出す。岸本さんは「たとえば(米軍の)武器についてネットで調べただけで、武器調達の準備行為と認定されることだってありうる」と危ぶむ。「テロ対策や東京五輪に名を借り、安倍政権が姑息な方法で物言わぬ民をつくろうとしているようだ」とため息をつく。

 二〇〇五年に三度目の法案が提出された際、反対の署名運動で市民団体の呼び掛け人になった山脇晢子(せいこ)弁護士は「『組織的犯罪集団』も『準備行為』も『テロ』も定義があいまいで、捜査機関の解釈次第一般の人が『われわれは大丈夫』と感じるように見せ掛けているだけ」と批判する。

 経済産業省前から二十一日に撤去された「脱原発テント」運営メンバーの木村雅英(まさひで)さん(68)=東京都八王子市=によると、今後の活動内容を話し合っている際、冗談で「これって共謀罪に当たるよね」と話題になったこともある。「共謀」の立証には、監視や盗聴の強化が欠かせない。「安倍政権は原発や安保法制など、多くの国民が疑問に思っていることを強引に進めている。反発する人たちを共謀罪で押さえ付けるなら恐怖政治だ」と訴える。

 米軍横田基地(東京都福生市など)に反対する「横田基地問題を考える会」代表世話人の島田清作(せいさく)さん(78)は「最近の市民運動は、自分の意志を示そうと穏やかに考える人たちの集まり。刑事罰があるというだけで、参加を思いとどまらせ、運動を萎縮させるのでは」と懸念する。


◆徹夜の団交決定、抗議の座り込みでも…?

 過去三回廃案になった関連法案に盛り込まれた共謀罪について、政府による三回目の国会提出直後の二〇〇六年、日弁連は共謀罪が導入されると具体的にどのような行為に適用される可能性があるのか、事例を挙げて問題点を指摘した。

 それによると、倒産情報のある会社の労働組合の執行委員会が、退職金の保証を求めて社長と長時間に及ぶ徹夜団交も辞さないと決定した場合は「組織的監禁罪の共謀罪」、マンション建設に反対する住民団体が、資材搬入を止めるため現場に座り込むことを決定した場合は「組織的威力業務妨害罪の共謀罪」、会社の経理課職員が決算時、利益を隠すため経費を水増しし、売り上げを過少計上することなどに合意した場合は「法人税法違反の共謀罪」がそれぞれ適用される恐れがあった。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082702000147.html

共謀罪を「テロ準備罪」 名称変え 秋の国会提出検討
2016年8月27日 朝刊

 政府は、重大犯罪の計画を話し合うだけで罪に問えるようにする「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、九月召集の臨時国会に提出する検討を始めた。政府高官が二十六日、明らかにした。「共謀罪」の名称を「テロ等組織犯罪準備罪」に変え、対象となる集団を絞り込むなど要件を見直す。二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックを見据えたテロ対策強化を強調している。〇三~〇五年、三回にわたって国会に提出されるたびに国民の反発で廃案となった法案が、復活する可能性が浮上した。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十六日の記者会見で、改正案について「国際社会と協調して組織犯罪と戦うことは極めて重要」と指摘。テロ対策強化などを目指して国連が〇〇年に採択した国際組織犯罪防止条約の締結に向け「法整備を進めていく必要がある」と強調した。

 法案の内容は「慎重に検討している」とし、提出時期も「決まっていない」と述べるにとどめた。

 改正案は、共謀罪の新名称となるテロ等組織犯罪準備罪の対象について、以前の法案の「団体」から、テロ行為などの重大犯罪の実行を目的とする「組織的犯罪集団」に限定。罪となる要件として、犯罪の計画を話し合うだけでなく、実行のための資金確保といった準備行為が行われていることが必要だとした。

 罪が適用される犯罪の範囲は、以前の法案と同様に「法定刑が四年以上の懲役・禁錮の罪」とした。道路交通法や公職選挙法に触れた場合も含めて六百超の犯罪が適用対象になる。

 政府は、秋の臨時国会では、一六年度第二次補正予算案や、先の通常国会で継続審議となった環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案の成立を優先させる考え。改正案の成立は来年の通常国会以降になると想定している。

 共謀罪を盛り込んだ改正案は〇三、〇四、〇五年、当時の小泉政権が国会に提出したが、野党や日本弁護士連合会から「労働組合も対象になりかねない」「居酒屋で『上司を殴ろう』と話しても逮捕される」と批判され、いずれも成立断念に追い込まれた。政府は今回の改正案では、労働組合や居酒屋談議は対象にならないとしている。


◆犯罪要件に「準備」追加も 「話し合いは罪」変わらず

 <解説> 政府が十数年来導入を目指してきた共謀罪法案の四度目の提出を検討しているのは、リオデジャネイロ五輪が終わり、二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの準備が本格化する今、「テロ対策の一環」と強調することで、国民の理解を得る好機と捉えたためだ。七月の参院選で自民、公明の与党が大勝。たとえ国民の理解を十分得られなくても、数の力で押し通せる

 確かにテロ対策は重要な課題だ。昨年十一月のパリ同時多発テロを受け、共謀罪創設を求める声が政権内で広がったこともあった。政府高官も「共謀罪と聞くと身構えるが、テロ犯罪防止と聞くと『なるほど』と思う」と指摘する。

 しかし共謀罪は国際組織犯罪防止条約を批准するための制度として提案されたものだ。条約はマフィアなどのマネーロンダリング(資金洗浄)対策が中心。テロ対策で共謀罪を提案するのはこじつけだ。今でもテロ行為を未遂の前の段階で処罰する法律はある。

 むしろ共謀罪の本質はテロ対策に名を借りて「心の中で思ったことを処罰することにつながる恐れがあるということだ。

 共謀罪は複数の人が犯罪を行うことを話し合って合意(共謀)しただけで罪に問えるようにする犯罪。犯罪行為は通常、具体的な被害が生じたり、犯罪行為に着手して危険が生じたりすることで罪に問われる。新たな案は対象集団を絞り込み、要件に準備行為を加えたが、いずれも拡大解釈の恐れがある。共謀罪に詳しい弁護士によると、沖縄の新基地反対や脱原発などの市民団体が話し合いで「路上に寝転がって警察車両を止めよう」と決め何らかの準備をすると組織的威力業務妨害の共謀罪になりかねない

 また、共謀罪を創設すれば、犯罪の相談や合意があったと証明するために室内盗聴など日常的な監視が必要になる。今夏の参院選では野党支援団体などが入る建物の敷地に警察が隠しカメラを設置していた。自民党は〇七年に名称を「テロ等謀議罪」と変更を試みたこともある。最近は「組織犯罪準備罪」という名称も挙がっていた。実質的な共謀罪ができれば罪名は何でも構わないのだろうか

木谷孝洋西田義洋
==================================================================================

==================================================================================
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188698

暴走止まらぬ安倍政権 “共謀罪”圧倒多数で強行成立の恐怖
2016年8月27日

     (デモをしただけで捕まってしまう(C)日刊ゲンダイ)

 予想通り、7月の参院選で大勝した安倍政権が暴走を始めている。過去、3回廃案になった「共謀罪」を、秋の臨時国会で強行成立させるつもりなのだ。

 「サラリーマンが居酒屋で『上司を殺してやろう』と同僚と意気投合しただけで罰せられる」――と批判された「共謀罪」は、実際に犯罪を犯していなくても相談をしただけで罰することができるシロモノ。2003、04、05年と関連法案が国会に提出されたが、さすがに廃案になっている。

 国民の批判をかわすために、臨時国会に提出する法案では適用対象を単なる「団体」から「組織的犯罪集団」に限定するなど、一見ソフト化しているが、「組織的犯罪集団」は定義が曖昧で警察がいくらでも拡大解釈できるようになっている。安倍政権の誕生後、大分県警が隠しカメラで市民を盗撮するなど、ただでさえ警察組織は違法行為に手を染めているだけに「共謀罪」が成立したら、気に入らない組織を片っ端から摘発する危険がある。対象になる犯罪は、法定刑が4年以上の懲役・禁錮の罪としている。その数は600を超え、道交法違反にも適用される。

 もし、臨時国会に提出されたら国会が大モメになるのは間違いない。それでも、安倍政権はなにがなんでも成立させるつもりらしい。

   「安倍首相は来年、もう一度、衆院を“解散”するつもりではないか、
    とみられています。解散総選挙となったら、自民党は議席を減らす
    可能性が高い。だから、圧倒的多数を握っている間に評判の悪い
    “共謀罪”を成立させるつもりなのでしょう。衆参とも3分の2を確保し、
    改憲の発議が可能なのだから解散するはずがないという声もありますが、
    安倍首相は改憲する時は、野党第1党の賛成を得る必要があると腹を
    固めたフシがある。与党単独での3分の2を失っても仕方ない
    と思っているのでしょう。もうひとつ、支持層である右翼を喜ばす狙い
    あると思う。共謀罪は、右翼が嫌いな“市民”や“左翼”を取り締まる武器
    なるからです」(政界関係者)

 安倍首相にどんな思惑があるにせよ、「共謀罪」は成立してしまえば、政権や警察が市民の監視や思想の取り締まりに都合よく運用するのは目に見ている。絶対に成立を阻止しないとダメだ。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●教員について密告させ、労組を監視する=自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」

2016年08月27日 00時00分42秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の水井多賀子氏による記事【自民党が密告フォームで集めた反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…自民党=警察一体の監視社会に】(http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html)。

 《教員が「子供たちを戦場に送るな」と言う当たり前のことすら糾弾し、監視によって教育現場を統制しようとしただけでなく、選挙中であったことを盾に公選法違反として捜査対象にしようというのだ》。

 教員について密告させ、労組を監視する、そう云う社会、「超・監視管理社会」…自公支持者の皆さんの大好きな社会まであと一歩のようです。教育破壊が進行し、労働組合の取り組みも破壊されて久しい。教員や労働者に「戦争反対」でさへ口に出せなくする…、ゾッとします。それに、「本土」マスコミは騒ぎもしません。

   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                              ・・・冷たい国だ
    「真に生活保護を欲している人の中で一体何%の人が
     「仕事をせず、遊んで暮らしているという」のか? 
     マスコミや一部の政治家の言動に踊らされていは
     いけない。「「生活保護受給者らしく」生活しているか、
     パチンコをしていないかどうかを監視し、隣近所に
     通報密告)を奨励している自治体があります」……
     監視社会なんて、ゾッとする。「オーウェル
     「一九八四年」…まで、あと一歩ではないか」」

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会

 東京新聞の記事【隠し撮り問題、被害届提出 大分県警「適正に捜査」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016081201001766.html)によると、《大分県警別府署員が野党支援団体の入る建物の敷地に無断で隠しカメラを設置していた問題で、建物管理者の団体が12日、県警に建造物侵入の疑いで被害届を提出し、受理された。県警刑事企画課は「法と証拠に基づいて適正に捜査する」としている。建物には社民党支援団体の別府地区平和運動センターや、連合大分東部地域協議会が入っており、参院選公示後の6月24日まで1週間近くカメラが設置された》そうだ。…でも、「泥縄」「ドロナワ」させても無理なのではないでしょうか、「盗撮」「監視」の真相解明なんて?

   『●青木理さん「冤罪」「マイナンバー」
     「監視・管理されたがり社会」、金子勝さん「もんじゅ「廃炉」?」
   『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?…
      刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」
   『●刑事訴訟法の「改正」どころか、
      警察・検察に、司法取引と盗聴拡大という「追いゼニ」

==================================================================================
http://lite-ra.com/2016/08/post-2480.html

自民党が密告フォームで集めた反戦教師情報を警察に提供、大分県警は野党の施設を監視…自民党=警察一体の監視社会に
水井多賀子 自民党 警察 2016.08.08

    (自民党HPより)

 この国はもうすでに、中国や北朝鮮のような弾圧国家になったのかもしれない──。そう感じずにはいられないニュースが立てつづけに起きている。そのひとつが、自民党がホームページ上に設けた「学校教育における政治的中立性についての実態調査」のその後だ。

 本サイトでも伝えてきたように、自民党は先月の参院選公示直前に“「子供たちを戦場に送るなと主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、そのような学校や教員の情報を投稿できる密告フォームを設置したのだ。このページの存在が問題視されはじめると、自民党は一度ページを削除したが、その後、「子供たちを戦場に送るな」という部分を「安保関連法は廃止にすべき」に修正。それもまた批判を浴びると、安保法制についての文言も削除した。だが、7月19日未明まで、この“密告フォーム”は設けられたままだった。

 そして、問題はこのあと。なんと今月1日に自民党の木原稔・党文部科学部会長(5日、内閣改造で財務副大臣に起用が決定)は、“密告フォーム”に寄せられた情報について公選法違反は警察が扱う問題などと述べ、情報の一部を警察当局に提供する考えを示したのだ。

 つまり、教員が子供たちを戦場に送るなと言う当たり前のことすら糾弾し、監視によって教育現場を統制しようとしただけでなく、選挙中であったことを盾に公選法違反として捜査対象にしようというのだ

 しかも、この警察への情報提供問題を大きく取り上げた大手メディアは皆無。そればかりか、“密告フォーム”問題自体を読売新聞と産経新聞は一度も報じず、読売にいたっては、名古屋市立中学校の男性教諭が「与党の自民・公明が議席の3分の2を獲得すると、憲法改正の手続きを取ることも可能になる」「そうなると、戦争になった時に行くことになるかもしれない」と発言したことが問題となって謝罪したというニュースを先月13日にウェブ版に掲載。偏向教師がいると言わんばかりにこの教諭を追及するトーンで記事にしたのだ

 当然、こうしたメディアも相乗りした自民党の強硬姿勢に対して、今後、教育現場はさらに萎縮していくことは確実密告を推奨し、警察に取り締まらせ、メディアも片棒を担ぐ──いったいどこの弾圧国家の話かと思うが、これがいま、日本でまさに起こっている現実なのである。

 さらに先日発覚したのが、大分県警による隠しカメラ問題だ。参院選の公示前の6月18日夜、別府警察署の捜査員が民進党や社民党の支援団体などが利用していた建物の敷地内にビデオカメラ2台を設置、この件には署長以下幹部もかかわっていたことが判明している。

 これは憲法が認める思想・信条の自由などを侵した人権侵害事件だ。しかも、自民党が警察と一体となって進めた監視活動であることはあきらかで、戦前の特高警察の復活と言うべき重大な事件である。だが、こちらもメディアによる追及は見られず、問題の大きさからは考えられないほど新聞でもテレビでもその扱いはきわめて小さい

 このような自民党=安倍政権による、あからさまな思想の自由や基本的人権を無視した暴挙が行われても、メディアが沈黙するかぎり、問題が問題として認知されないまま、政治権力と警察権力が結び付いた監視体制はどんどん強化されていくだろう。そうなれば、人びとは政治的行動・発言をタブー視し、相互監視という密告社会が進んでいく。けっして大袈裟ではなく、わたしたちの社会や他者との関わり合い方そのものを、安倍政権は変化させようとしているのだ。

水井多賀子
==================================================================================

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●裁判員制度を即刻中止に

2010年04月12日 04時35分33秒 | Weblog


被害者にとっても、警察にとっても、裁判員制度が如何に大変な問題を含んでいるかを示す記事何故刑事裁判に裁判員制度を導入するのか、しかも死刑判決を出さねばならないような重罪犯罪について。こんな欠陥だらけの裁判員制度など要らない。導入に至る道筋においても、最高裁マスコミ癒着など、問題山積であったし、そもそも憲法違反。政権が変わったのだから、これこそ〝仕分け〟し、即刻中止を。

=======================================
【http://www.asahi.com/national/update/
             
0409/SEB201004090003.html】

裁判員裁判を被害者が懸念、強姦致傷容疑での立件見送る
                         
2010年4月9日12時2分

 大分市内の20代女性が性的暴行を受けてけがをした事件があり、捜査した大分県警が、被害者の意向をくんで裁判員裁判の対象となる強姦(ごうかん)致傷容疑での立件を見送り、強姦容疑で男を逮捕、送検していたことが9日、捜査関係者への取材でわかった。女性は当初、厳罰を望んでいたが、強姦致傷罪が裁判員裁判の対象と知り、「人前にさらされたくはない」と県警に不安を訴えていたという。
 性犯罪を巡っては裁判員裁判が導入される前から、被害者のプライバシーをどうやって守り、配慮するかが課題となっていた。今回は被害者の裁判員裁判に対する懸念が立件内容に影響を与えた。
 県警によると、・・・性的暴行を受けた。その際、女性は、ひじやひざにけがを負い、医師から診断書を受け取っていたという。
 裁判員法は、法定刑に死刑か無期懲役がある事件と、故意の犯罪行為で人を死なせた事件を裁判員裁判の対象と定めている。強姦致傷罪は最高刑が無期懲役で裁判員裁判の対象となるが、強姦罪は3年以上の有期刑のため対象外となる。
 県警は強姦致傷事件として捜査を進め、・・・被告(37)=公判中=が容疑者と割り出した。だが、裁判員裁判になることを懸念する女性の意向をくみ、・・・被告を強姦容疑で今月6日に再逮捕した。被告は県警の捜査に対し、容疑を認めているという。
 ある捜査関係者は「県警としてはできるだけ重い罪にしたかった。苦肉の策だった」と話した。
=======================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする