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改めて、岡田ジャパン遠征を振り返る   文科系 

2009年09月16日 18時18分23秒 | スポーツ
昨日出た週間サッカーダイジェストは、ヨーロッパ遠征総括号と言って良い。なかなかしっかりした特集が組んであって、当事者はもちろん、ヨーロッパの専門家、サッカ-記者なども含めて「100人が日本代表を切る」と名前が付いている。そこで目についたものを、外国人専門家の評価から拾ってみたい。

真っ先にこんな傾向を思った。ドイツ、イングランドなどを中心に、パワーを重視する国が日本に一番辛い点を付ける。また、オランダで日本に辛い人は、特にFWなど卓越した個人技を中心に見ているようだった。実に、この国らしいと思ったものだ。
日本に最も好意的だったのはどの国だと思います? これが実に今世界で1、2位を争うスペインなのですよね。全員3人が基本的に高評価を与えていたんです。僕は1人密かに、「さもありなん」とうなずいたもの。これにはきっと、岡田監督も大喜びでしょうね。多分スペインサッカー、特にチームで言えばバルセロナを代表の理想としているはずだからです。「小さくても、FWは守備にも、DFも攻撃にと走りつくして、『人もボールも動くサッカー』」ね。これができなければこのバルセロナ、いくら卓越した個人でも簡単に切り捨ててしまいす。昨期発足時前にはかの有名なロナウジーニョを、今期の前には得点リーグ2位のエトーを。

では、スペイン人の褒め言葉だけを拾ってみますね。マイナス面を見ないということではなく、長所を見ると言うことで。つまり、日本人らしくないプラス思考ね。その方が今は良いんです。こんなことを語ってくれた人もいますから。

「もし日本が、自分たちのスタイルに自信を持っているのなら、それをとことん貫くべきだ。そして、『フィジカルとスタミナ』という課題があったとすれば、それを必死に補うための策を講じていくべきだろう」(AFP通信社記者、パブロ・サン・ロマン)

「日本は世界を震撼とさせる能力を備えている。南アフリカではグループリーグ突破は確実だろうし、ブラジルやイングランドとさえ対戦しなければ、ベスト8も射程圏内だ。(中略)
中村俊と遠藤による正確無比なセットプレーは大きな武器。流れの中で決まらなければ、セットプレーで決めればいい。(中略)
FWも日本国内では決定力不足と批判されているようだが、岡崎、玉田、大久保ともに技術が高く、豊富な運動量は魅力だ。(後略)」(「マルカ」紙記者、ダビット・デ・ラ・トーレ)

「試合前の新聞には『レベルの劣る日本』と掲載されていたが、実際にはその内容から大きくかけ離れており、驚きだった。オランダ代表はヨーロッパでもトップクラスの選手が多いが、日本と対峙する際には並のチームになっていた。多くの局面で集団での規律の高さを見せたのは、日本のストロングポイントだ。(中略)
 だが、状況が悪い方向に向いたときに、特別な力、すなわち個人の能力で打開し、ゲームの流れを取り戻せる選手が必要だ。もし彼らが前半のような、効果的な時間帯にゴールを決めていたら、結果はまた違ったものになったと思う」(「エル・バイス」紙編集長、ディエゴ・トーレス)

さて、日本関係者の理想の国スペインがこれだけ褒めてくれるのに、日本ではどうだったか。ジャーナリスト9人が「南アフリカ大会でどこまで行けるか?」にこんなネガティブ回答しかないのである。なぜだろう?
「グループリーグ敗退5人」「決勝トーナメント1回戦敗退4人」
いったいこれは、どういうことなのか、答えは簡単だ。

オランダ戦、ガーナ戦ともに、「強い日本」と「弱い日本」が両極端で同居していた。そのことはこのブログの二つの拙稿に書いたとおりである(当ブログ、9月6日と10日を参照)。オランダ戦では70分までが強い日本で、あとは弱い日本。ガーナ戦では逆に、80分近くまでは弱い日本、あとの20分近くが「強い日本」だ。問題はこのどちらに目を付けるのか、である。僕やスペインの記者は「強い日本」に目を付けた。日本のジャーナリストはその逆しか見ていないのである。決定力が日本長年の課題であったとしても、このジャーナリストたちの目は、サッカー全体から見たらはっきり言って偏見と言って良い。FWの個人技に目を付けるオランダ人や、パワーに目を付けるイギリス人も日本人と同じ傾向にあるのだが、目の肥えたイタリア人もどちらかと言えば日本を褒めていたようだ。

さて、僕の予言
①日本はもっと走れるようになる。普通のゲームで80分まで、ビッグゲームや疲れているときでも70分は。本番では、最後の10~20分は相手も日本以上に疲れているだろうから心配無用だろう。
②点取り屋もやがて現れ、①の時間帯で世界10位代以下のチームからは十分点を取れるようになるのではないか。今なら、岡崎、前田、石川直宏。要のシュート課題は、スピードに乗っていてもシュートが枠に飛ぶこと。
③問題はむしろ、DFである。最低あと2人現れて、柱の2人と競り合わねばならない。これは当然、岡田も考えていると思う。欧州遠征では、慣れ親しんだ2人で、何がどれだけできるかを正確に見ようとしたのだろう。

決定力、得点力が最後にはものを言うにしても、やはりサッカー全体を見る目をいつも忘れたくないものである。何回も言うけど、サッカーは野球とは違う。個人を見るのは最後のこと。最も大切なこと、難しいことは「組織的に走り続けられること」、これであると思う。
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18 コメント

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Unknown (稲本凄い!)
2009-09-17 20:28:52
組織は何の為にあるのか?
私が考える答えは、「個の力を100%引き出す為」「個の足りない部分を補う為」ということになります。
つまり、組織は個の為にある、というわけです。
さて、俊輔が交代したら5分で3点取って、逆転勝利。ある意味実にわかりやすい展開でしたね。
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稲本凄い!さん (文科系)
2009-09-17 22:33:52
ご応答、有り難うございました。こういう討論は楽しいです。

さて、「組織的に走れる。その走りが並より遙かに続けられる」ということと、「ある選手の得点力の高さ」とで、両方ともが凄く大切なのは明らかでしょう。そして、この二つが両立している選手なら問題ありません。難しいのは、両立していないときだと思います。
ダビを例にあげて、説明してみましょう。

得点力だけを取れば、ダビは凄いです。彼が名古屋で続けていれば現在なら最低でも15点は取って、リーグ得点王だったはずですから。しかしダビは札幌でリーグ2位の得点でしたが、札幌を2部に落としました。名古屋に来ても、個人得点はリーグ1位でしたが、チームの順位は去年よりも遙かに落ちました。どうしてこういうことが起こるのでしょうか。
彼が得点する以上に、チームとしての守備機能を低下させ失点が多くなり、チームとしての得点も低下したのです。玉田も小川も得点が1~2点だった。彼らはダビの分も守備で後ろに下がらねばならず、結局「ダビのカウンター」作戦1本だけになってしまった。悪循環ですね。ブラジルからはときどきこういう選手が出ます。若くして得点力が身に付いたから守備の走りを免除されて育った選手なのだと思います。ロナウドもロナウジーニョも中田の同僚だったアドリアーノも基本的にはこういう選手だったはず。ロナウジーニョはあっという間に消えていきましたが、こういう選手は日本では使えないと思います。日本流のチームとしての守備が崩壊するからです。

結論です。FWだけではなく攻撃的MFも日本では守備に走り回る選手を選ばなければなりません。その上で決定力があればいうことないです。今ならFWでは岡崎、前田、玉田になります。攻撃的MFは普通なら両中村、点を取りに行くときは第1が石川、第2が本田ではないでしょうか。石川は本田よりも遙かに走れますし、日本では珍しくスピードに乗っていてもシュートが枠に飛ぶ選手になりました。
ましてボランチは、上の人々よりも守備が問題になります。日本のセンターバックが、チーム第1の不安点だからです。長谷部は良いですが、遠藤でも心配なくらい。まして稲本は使えないと思います。むしろ、阿部とか今野とかの方がよい。

僕が言いたかったことはそういうことです。
失礼しました。
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Unknown (Unknown)
2009-09-18 00:10:12
今野や阿部ですか?
アテネオリンピック(三戦―パラグアイ・イタリア・ガーナ―で六得点七失点)を思い浮かべると、石川や松井はかなりの部分、通用していましたが、今野、阿部は物足りなかったですね……。
By グーパーしてると車酔いしにくくなるよ(←車酔いするお子さんに教えてあげてください)
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Unknown さんへ (文科系)
2009-09-18 00:29:14
「あの」Unknownさんかも知れませんが、もしそうだとしても、いったんちょっと「時効」を適応してお答えしましょう。

まーとにかく、ご応答有り難うございました。

さて、石川は去年までとは全く別人だということを忘れてはいけないと思います。MFであって今年のように点を取れる選手が最近J1日本人にいたでしょうか(J2には、香川がいます)。日本人FWが最も苦手な、スピードに乗っていてもシュートを枠に飛ばす技術が身に付いたんです。元々持っているJリーグきっての彼のスピードでですから、外国人にも十分通用すると思いますね。

今野と阿部のことは、上の文脈をもう一度よく読んで、それ自身にお答え下さい。捨てぜりふのようなものは、返事になりません。お願いいたします。
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Unknown さんに追伸 (文科系)
2009-09-18 00:46:58
車酔いする娘を確かに持っていますが、それを知っている人は多くって、貴方の見当はまだ付きませんね。済みません。
ひょっとして、禿の若者?
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Unknown (グーパー)
2009-09-18 17:24:50
いやいや、アジアレベル、世界レベルという変な言い方を許してもらえれば(アジアも世界)、石川や松井は世界レベルで通用すると思います。アテネオリンピックでもう少し活躍していれば…監督に多少問題がありましたが…(むしろアテネ、ドイツでダメだったのは小野でしたか)今野や阿部の守備力ではアジアでは通用しても世界ではどうでしょうか。
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Unknown (グーパー)
2009-09-18 17:55:06
ポジティブ・シンキングも結構ですが、客観性も大切でしょう。ネガティブな事実をあげますと、ガーナは中二日の強行軍(しかもガーナからオランダへ移動)でしたし、今週のサッカーダイジェストには「カシマ、ヨコハマ、ウラワの選手は触っただけですぐに倒れる。すぐにだ! それでオランダに勝てると本気で思っているのか? ベスト4なんてミラクルが起きない限り無理だろ」という耳に痛い厳しい言葉が載せられています。
九十分あのプレスをかけるのは机上の空論? 中六日のペースならともかく、本大会は中三日から中四日ですしね…。
発売中のスポーツ雑誌ナンバーにもあるように、日本はコンパクトな布陣で試合に臨むなら高さのある今のセンターバックの二人より、速さのあるセンターバックが必要かもしれませんね。考えてみれば日本代表がやられる時は高さより速さでやられるパターンが多い気もします。
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誤解に対して (文科系)
2009-09-18 20:08:38
今の石川直宏はもちろん、日本では本田と並んで数少ない世界レベルの「点が取れるMF」と書いたつもりです。本田よりもずっと守備にも走れるし、さらにこんなこともあります。「今年の敵ゴール前つっこみは、守備にも開眼したから。それで思い切った攻撃へとリスクが取れるようになった」と本人が語っています。この点は本田よりも遙かに上ですね。
この石川、本田比較はさらに、上のコメント「稲本凄い!さん 」のダビについて書いた部分を是非お読み下さい。そこに書いたとおりのこととして、オランダの最後20分の崩れには本田の責任がかなり大きかったと選手も監督も語っています。

今野、阿部のことは、こういう文脈で書きましたから、彼らについて何か反論らしきことを書くならば、これについて触れて下さい。お願いいたします。
「FWだけではなく攻撃的MFも日本では守備に走り回る選手を選ばなければなりません。その上で決定力があればいうことないです。今ならFWでは岡崎、前田、玉田になります。
攻撃的MFは普通なら両中村、点を取りに行くときは第1が石川、第2が本田ではないでしょうか。石川は本田よりも遙かに走れますし、日本では珍しくスピードに乗っていてもシュートが枠に飛ぶ選手になりました。
ましてボランチは、上の人々よりも守備が問題になります。日本のセンターバックが、チーム第1の不安点だからです。長谷部は良いですが、遠藤でも心配なくらい。まして稲本は使えないと思います。むしろ、阿部とか今野とかの方がよい」

なお、スポーツの今を語るときに、ある選手の数年前の話をしても、全く無意味です。

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追加です (文科系)
2009-09-18 20:28:32
日本選手が全て倒れるように言うのは嘘です。中田は意地でも倒れないというやり方だったし、阿部、今野も倒れません。だから上で僕は、彼らをボランチに推薦したのです。走れるし、瞬間スピードもありますし、2人とも縦パスも出せますし、ボール奪取が上手いんです。

Jリーグ全体としてコロコロ倒れすぎるのは確かに大問題だとは思います。手を使う反則も多すぎるし。そんな選手は、イギリスでやったことのある外国人には絶対に勝てないですから。

日本人のサッカー走力は、まだまだ伸びると思います。無酸素筋が弱い分、有酸素筋肉が強い民族だと思うということと(事実マラソンは強いですね。パワーは大きく劣るのに)、このチーム規律への我慢強さは多分世界1ですから、もっともっと伸びますよ。最後の20分のことですが、それまでにこっちが点を取ったりして敵を走らせはじめていたら、心配要りません。向こうも何もできないからです。オランダ戦は前半のドフリーを4つもはずしたのが悪かった。あれで相手は、いい加減に走って後に余力を残すことができたんだと思います。
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Unknown (グーパー)
2009-09-18 21:57:04
丁寧な応答ありがとうございます。しかしながら、言葉足らずだったためか、文科系さんにもちょっとした誤解があるようです。石川や松井がもっとアテネで活躍していれば…というふうに書いたのは、アテネで活躍していれば、当然ドイツワールドカップメンバーに選ばれていた確率も高まり、そうなればとっくに現在の代表にも定着していただろうになあ、という諦めきれない思いであり、繰り言であり、夢想でもあります。なにしろ、石川はジーコ・オシム・岡田とA代表には縁薄く、松井もまた下手をすれば「南ア」に落選しかねない状況ですからね。切なくもなりますよ。文科系さんが楽観的なのは、(時々)玉田が活躍しているからですか?なんて(嫌みじゃないですよ)想像をしてしまいます。だってそうでしょう? PSVの国際スカウトには「日本代表の主力は一概に高齢でスカウトの魅力がない」とまで言われているのに、谷口だとか金崎あるいは青山、森重、水本、槙野といった期待の若手への言及が岡田監督からも文科系さんからも少ないのは不思議なことです。
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