九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ハリルジャパン(81) 今期鹿島の強さについて   文科系

2017年01月05日 16時36分29秒 | スポーツ
 78回からここのところ3回にわたって、「鹿島の偉業」に関わった記事を書いてきた。久々のJリーグ優勝と、とりわけクラブW杯でアジア勢初の決勝進出を遂げて、世界最強チーム相手に見事に闘い抜いたことを中心として。以下は、それに付け加えることになる背景説明を、2冊の雑誌に載った石井アントラーズ監督の言葉から取ったものだ。つまり、今の鹿島の世界レベルに一歩近づいた強さを最も「知り抜いた人の言葉」と言って良いだろう。2冊の本とは、サッカーマガジン社の「世界2位特集」とダイジェスト社の「Jリ-グ優勝特集」である。

 ちなみに、この二つのサッカー誌は近年、ダイジェストの圧勝と観てきたが、この特集に関しては、準備・企画段階と内容とを含めて、マガジン社の起死回生の一打とも見えた。マガジンの方はどういうか、「劇画調」と「部活調」の混交で、なにか安っぽく見えたのである。今時安っぽい人は活字本など買わずに、ネット記事だけで済ますはずだ。部活の人々をも、「活字らしい活字を読む相手としてもっと尊重しても良いはずだ」と、僕は言いたかったのである。ただ、今回久々に読んだこのマガジンの特集には、「そんな(安っぽい)雰囲気」は消えていた。

 さて、鹿島・石井監督の言葉だが、いち早くクラブW杯をも扱ったマガジンの方を中心に観ていく。
① まず鹿島の戦い方の特徴であるが、石井さんはこう説明する。
『自分たちからボールを奪いに行く守備の形や、攻撃では相手陣内で自分たちがボールを動かす時間を長くすることです』
『まずは相手の攻撃力を削ぐことと、自分たちがボールを持ったときに、しっかり相手陣内で動かしてスキを狙って攻撃することがポイントだと考えました』

② 石井さんはまた、①に関わりかつこれにプラスして、次のことを強調している。
『たとえば浦和や川崎Fのようなスタイルも良いと思いますが、それプラス優勝するためには、勝負に対する執着心が絶対に必要で、その点では3チームの中で、我々が一番だったと思っています』
 とこう語って、クラブの古い選手らと同じように付け加える。
『それはやはりジーコの存在が大きい。(中略)24時間サッカーのことを考え、試合から逆算して日々の生活をしなさい、というプロとしての姿勢から始まって、(中略)プロのサッカー選手とは何かを教えてもらいました』

③ 最後に、今期鹿島の強化から外せない一つのエピソードとして、選手と監督との感情的もつれから監督の休養にまで発展した大事件がサッカ-界に知れ渡っているが、マガジンの方がこれを石井さんが乗り越えた経過についてこんな解説をしている。
『ミーティングの最後には、必ず発言の機会を設けるなど、選手の意見を尊重してきた配慮が、結果的に仇となる。選手間で意見が衝突することもしばしばで、チームは方向性を見失ってしまうのだ。そうして、“事件”は起こるべくして起きる』
 石井さんはここから、『(ミーティングの場所としては)自らの方針と要求を伝えるだけで、選手の意見を聞く時間はなくなった』と変化したのである。こうして、『監督の立場なら苦しい時期もあるのだから、そこから逃げてはいけない』(ダイジェストの方にあった言葉)ということが、これまでと一番変わったところと語られてもいる。「選手の意見を聞くのは個別におおいにやって、最終方針は監督が一人で決めて、全員の場所ではこれを言い渡す」と変わったということなのだ。選手の意見と監督方針への集中とをぎりぎりまで最大限闘わせあった上で、最後は監督方針を押し通すと決めたという、こういうチームは確かに強くなると思う。選手の意見としては特に、小笠原、金崎、曽ヶ端などの発言内容、発言力も見逃せないということなのだろう。
 こうして今期の鹿島は、集団競技の最も肝要かつ難しいところを、一山越えるようにして、前進させ得たということなのだ。至難の一山を越えたときには選手らの結集力も一皮むけたのだろうし、こんなチームは強くなるはずだと読ませてもらった積もりだ。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする