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新聞の片隅に載ったニュースから(118)    大西五郎

2013年10月14日 13時08分10秒 | Weblog
日系人への迫害ブラジルが謝罪 独裁政権下 (2013.10.13 毎日新聞)

 【リオデジャネイロ共同】ブラジル軍事政権下での人道犯罪を調べる政府の「真実委員会」は11日までに、第二次世界大戦中や戦後に当時の独裁政権が日本人移民や日系人を迫害したことを認め、謝罪した。有力紙グロボ(電子版)が伝えた。
 10日に行われた聴聞会で同委員会の調査担当者は、日系社会に対し「ブラジル国民を代表して謝罪する」と表明。「背景に人種差別があった」と指摘した。政府側が公の場で謝罪するのは初めてとみられる。
 国粋主義的な政策を取った軍事色の強い第1次バルガス独裁政権(1930~45年)は、日本語教育や家庭外での日本語使用を禁止し、移民に対する不当逮捕や拷問も横行。強制収容のほか資産没収も行われ、戦後長期間にわたり返還されなかった。

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 ブラジルはポルトガルからの移住者が原住民を支配してポルトガルの植民地としました。現在共和国ですが、一時帝政(ポルトガル皇帝の縁者)を敷いた時もありました。この皇帝が追放され共和制になってからの1930年に弁護士で大蔵大臣だったドルデネス・バルガス(Vargas)が軍事クーデターを起こして大統領に就任し、独裁政治を行いました。(1945年に一旦解任され、その後また1951年に復帰します。)
 バルガスは第二次世界大戦中連合国側につき、イタリア戦線に軍隊を送ったりしました。だから日独伊同盟を結んでいた(枢軸国)日本は敵国になったわけです(日本に対して宣戦布告はしませんでしたが)。そこで日本人移民や日系人を迫害するということが起きたのです。
 ブラジル政府は第二次世界大戦中の独裁政権が行ったことではあっても、日本人移民、日系人に対する迫害を誤りと認め政府として謝罪するということを明らかにしました。
 それなのに日本では、日本の侵略と住民に対する迫害、従軍慰安婦の問題を認めた村山談話、河野談話を否定する勢力があります。安倍首相は最近は口をつぐんでいますが、就任当時「村山談話をそのまま引き継ぐものではない」と云ったり、慰安婦問題では「国や軍が強制力を働かせて慰安婦の人たちを拉致・拘束したという証拠はない」などと国の責任を認めようとしません。
 また、侵略や虐殺のことが問題になると、一部の人たちは被害者の人数の問題が多すぎるなどと虐殺などの事実をあいまいにしようとします。
 この原稿(№108)は昨日のうちに書き上げたのですが、今朝の朝日新聞に、駐インドネシア公使だった高須幸雄という人(現国連事務次長)が1993年に慰安婦らの苦難を記録するインドネシア作家の著作が発行されようとしていたことに対し、「発行されれば日本とインドネシアとの関係に影響を及ぼす」という懸念をインドネシア側に伝えていた(発行停止を働きかけていた)という記事がありました。ブラジル政府の真摯な対応と違いを感じ、一部差し替えました。

                                      大西 五郎
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