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シャンソンポエム銀座物語

2009年04月11日 11時29分50秒 | Weblog
ママは ホステス時代に 幾人もの男性と
恋をしたには 違いないのですけれど
若い娘の憧れ に似て
既に社会的な 立場を確立した
勢いのある 魅力的な銀座のお客様と
道ならぬ 辛い思いも したようでした。
やがて
妻という 社会的立場を
女として 築きたかったのか・・・・
独身のお客様と 結婚をして 二人の娘を
生み しばらくして 又 銀座のママとして
その姿を現しました。
お客様は 彼女の私生活が知りたいわけではなく
彼女が 銀座に居る事に
そして ママさんとして 象徴であってくれることが
希望のように感じたのです。
高度成長期の 銀座では サラリーマンが 何件もクラブを
はしごして 飲み歩きます。
チップの札束が 着物の帯の中に びっしり詰まります。
ママは ホステスとして 女性達を
ヘルプという立場で雇い 親衛隊として 自分のお客様達への
サービス 気遣いに 余念がありません。
高度成長期から バブル崩壊までの
銀座のクラブは 日本経済の大きな重要な
仕事 プロジェクトが 円滑に行われるための社交場で
その 多大な役割が 女性達の肩に 架かっていたからです。
深夜遅く お客様は減り
残る男性客たちは そわそわしています。
ママを送りたくて クラブには
男性の闘争心 狩猟本能が ・・・・
ママは 今夜 誰と帰るのかしら?
一番 売り上げが多い お客様に決まっている。
ここは 恋と経済が 同居している。
ママは なかなか 帰らない それぞれのテーブルの
男性客に 耳打ちするのです。
「コージーコーナーで 小百合さんと 一緒に 私を待っていて」
「アマンドで ホステスの由美ちゃんと待っていて 直ぐいくから」
「ホステスの ゆきこちゃんと おすし屋さんで 待っていてね」
一人づつ説得して 最後に残す お客様が その日
一番 ママから大切に 思われている男性ライオン。
「ママ 送っていく前に 他のスタッフも一緒に
六本木に ステーキでも どう?」
「そうね。 明日もあるから 。」
ママは あまり クラブ以外の場へ 遊びに行くのが
好きなわけでもないし
男性をもてあそびたいわけではなく
ただ
役目を演じているだけで 男性達の本能と そのパワーを
引き出させる 天才のように
母であり 姉であり 少女のようであり 娘のようであり
時には 女として 一言。
「送ってくださる?」