少子化対策:3歳まで育児手当、6歳児まで医療費無料検討 毎日新聞 2006年1月5日 3時00分
政府は4日、少子化対策の一環として、3歳までの子どもを持つ保護者を対象とする育児手当制度を新設し、さらに6歳児までの医療費を全額無料化する方向で検討に入った。育児手当は月額1万5000円を軸に調整する方針。経済力の低い若年夫婦層に重点を置き、財政支援により少子化に歯止めをかけたい考えで、猪口邦子少子化担当相を中心に財務、厚生労働両省と調整を進める。同制度が設けられれば、乳幼児・児童への助成制度としては1972年の児童手当以来となる。
育児手当は、現行の児童手当(第2子まで月額5000円、第3子以降同1万円)に加えて助成するもので、児童手当制度を参考に所得制限を設ける意向。児童手当は来年度から、支給対象を小学3年以下から同6年以下に広げ、所得制限も一般のサラリーマン家庭で860万円未満(現行780万円未満)に引き上げる予定になっている。 一方、医療費の病院での窓口負担は現在、3歳未満が2割、3歳以上が3割。乳幼児医療費については地方自治体が独自に助成制度を設けているケースも多いが、この本人負担分を国が全額助成する考えだ。
政府の試算では、育児手当制度に年5400億円、乳幼児医療の全額助成に同3000億円の計8400億円の財源が必要となる。ただ、新たな財政支出に対し財務省が難色を示し、育児手当については、乳幼児医療費への負担が減る地方自治体に一定の財政支出を求める案も浮上。今後、関係省庁で調整し、07年度からの導入を目指す。
昨年12月に公表された05年の人口動態統計(推計値)と国勢調査の速報値で、日本の人口が初めて減少していることが判明し、政府は危機感を高めているが、少子化対策に「即効薬はない」(小泉純一郎首相)として決め手を欠いているのが実情だ。一方で、国の社会保障給付費全体に占める児童・家族関係給付費の割合は4%程度と少なく、新たな財政支出による対応策を模索していた。【葛西大博】
児童手当の支給年齢の小学6年までの引き上げに続き、育児手当の新設、6歳児までの乳幼児医療の全額助成と少子化対策が検討をされているということですが、本当の少子化対策になるかと言えば、疑問符を付けざるを得ません。
同様の施策については、一部の自治体では既に実施をされているということですが、抜本的な解決策につながったという話は聞いたことがないような気がします。
経済面の助成ではなく、トータル的な見直しが必要ではないかと思います。