あなたから一番遠いブログ

自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

集団的自衛権に焼身抗議

2014年06月30日 08時47分29秒 | Weblog
 昨日の午後、新宿駅南口で集団的自衛権行使に対する焼身抗議があった。
 言葉が出てこない。

 焼身自殺を図った男性は命を取り留めたようだ。50から60代に見られるという。まず最初に思ったのは自分の知り合いなのではないかということだ。ほとんどと言って良いくらいマスコミが報道しないので詳細が全くわからないが、かつてぼくと同じ闘いの現場にいた人である可能性は依然として低くない。

 マスコミの対応は意図的に見える。確かに最近の傾向として自殺報道は控え気味にするようになってはいるが、これだけネット上で騒がれている事件をこんなに小さくしか扱わないのは、たぶん今日が集団的自衛権行使容認の大きなターニングポイントだからだ。マスコミが報道しないのはこれだけではなく、頻繁に行われている抗議運動や集会についてもほとんどちゃんとした報道がない。
 一方で海外メディアの扱いは比較的大きい。日本でこれだけ激しい抗議行動が発生するのは珍しいからだ。写真も動画も多数存在しているし、その意味ではマスコミ向きの「ネタ」でもある。

 男性の意図は今のところ全くわからない。しかし正直に言ってぼくもこうした抗議の方法を考えないわけではない。もしそれで安倍政権を退陣に追い込めるとか、集団的自衛権の行使容認を止められるというのであれば、自分の命くらい失っても良いかもしれない。本気でそう思う。
 しかし、本当に残念なことだけれどただの庶民の命など毛筋ほどの重さもないのだ。ぼくが仮に100人死んだところで、おそらく安倍政権に何のダメージも与えられないだろう。そのことを今回のマスコミの対応がよく示している。
 人の命はその人にとっては唯一のものだ。というより全宇宙そのものだ。しかし大きな力、大きな流れにとっては何ほどの大きさでもない。抗議の自殺というのはたぶん過去にも沢山あったが世間はそれを受け止めてはくれない。残念ながら文字通り死人に口なしにされてしまうのだ。

 どんなに悔しくても、細々でも何かを言い続けるしかない。少なくとも今は。