みやぎせんだい難聴の支援行動二日目、7/3(日)の概要です。
■1 みやぎせんだい難聴 総会開始前
朝、車でホテルから会場に向かう途中、市内で道路が波打っているところや、建物のひび割れ地割れなどの被害が何カ所も見られ、地震の爪痕の深さを感じました。
9時過ぎに総会会場の太白区障害者センター着、事務局長の菅井さんの他、若い女性会員らが荷物を運んでいます。皆さん笑顔で準備中。

部屋では会場設営中で、松本理事長他、役員が準備中でした。
早速全難聴の支援活動状況を伝える画像を展示。ホワイトボードをお借りし準備しました。

小川地元の中野難聴で7/2午前中行われた七夕交流会で、宮城難聴の皆さんへの支援メッセージを書いてもらいました。七夕飾りとともに、ご覧いただきました。
総会開始前、東京から早朝発の新谷理事も合流。おみやげの差し入れ。喜ばれてました。

■2 総会開始
10:30-12:30総会。司会松本千賀子さん。
まず3/11の被災者に黙祷を捧げます。開始前に司会から「終了後は互いに肩を叩いて知らせてくださいね」、という気配りがあったのがうれしいですね。
みやぎ・せんだい難聴の正会員数76人、出席33人でした。
詳細省略。報告や説明に対して活発な質問があり、松本理事長ほかの役員が回答していました。活発な様子に、同行の根間理事もびっくりしていました。写真はあいさつする松本理事長です。

■3 懇親会
12:30から予定通り昼食休憩に入ります。
お昼に根間理事が沖縄から持参の銘菓・ちんすこう等の配布、よろこばれてました。沖縄から来たというと、皆さんびっくり、ナイスなインパクトです。写真が根間理事です。

13:30から懇親会開始。まず資生堂松田さんから、被災地の皆さんへの化粧品提供のお話と説明がありました。
女性の顔をぬぐうと、硬くなった気持ちもほぐされる、女性が元気になるとそのコミュニティも元気になる、というお話がありました。本当にそうですね!
手話もできる、気配りもできる、すてきな方でした。

次いで全難聴災害対策本部から。貴重なお時間をいただきました。同行の新谷理事、根間理事の紹介、本部の活動画像や支援メッセージの展示の説明、宮城・岩手・福島などの各県で行われている支援行動の状況、来年の国際難聴者会議や、今年10月青森で開催される全難聴大会のPR。被災地の聴覚障害者支援の目的があることを説明。皆さん来てね。写真はオガワ。

あいまに全難聴理事3人は、その合間に会員との交流、情報交換。全難聴から補聴器電池の提供の他、高岡理事長から本や筆談ボードの提供、ヴィアックス社からのマスク提供等もあり。皆さんよろこんでくださいました。

使い捨てのマスク。50枚入り。

古本は高岡理事長、岩手の樋下理事長等の提供。もちろん無料で配布です。

海外から送られてきた補聴器電池。配布方法はみやぎ難聴に任せました。

ほかにもマスク、筆談ボードなど、さまざまな差し入れが。
懇親会といっても意見交換会です。協会活動について、熱の入った討議が繰り広げられました。
宮城県での聴覚障害者情報提供施設の設立進行状況や、字幕付き映画拡充の方策についてなど。
4時前、全てのプログラムが無事終了。皆さん笑顔で帰宅されました。
■4 災害対策についての意見(抜粋)
M/要望。もっと速やかに災害対策を進められなかったのかと。
宮城北部連続地震のとき、災害対応の意識は薄かった。
どんなときに災害対策をするのか、対策本部を立ち上げるのか、事前に決めておくことが必要だと考えていました。
岩手宮城内陸地震も4年ほど前にあり。そのときも対策本部を立ち上げないのかと理事会に伺った。
今回のことを考えたとき、今後大きな余震が心配される中で、判断が難しいのであれば事前に基準を決めておく、あるいは通信連絡方法の多様な手段について協議しておく、そういった取り組みを今回の対策とは別に、今後考えてほしいと思っている。
松本/今回の災害、まず会員の皆さんのご協力に御礼。本来なら理事長や事務局がいち早く動いて対応すべきところ、職場も対応に追われ忙しく、動ける状態ではなかった。松崎副理事長他の素早い行動で対策本部を立ち上げてくれた。献身的な活動に御礼をいいたい。
今後は考えなければならない。またご協力をお願いしたい。
※交通状況
亘理以南の常磐線、復旧はまだ。新幹線は全線復旧したが、福島駅 - 一ノ関駅間で通常より速度を落として運転。7/9から通常ダイヤ予定。
■5 ろう者の被災情報
昼食懇談中、会員の知り合いのろう者夫婦が被災していたという情報をいただきました。
仙台市若林区荒浜?のろう夫婦で、海の近くに家が。3/11の地震直後に停電し、テレビが映らず、ラジオではわかりません。いつも教えてくれる近所の人も、そのときはいなかったそうです。津波の第一波、ちょろちょろと床下浸水があったのに気づき、驚いて車で逃げだしました。
避難途中、津波の第二波が来て、大きく巻き込まれ、夫は電柱にしがみついて耐え、危うく難を逃れました。しかし奥さんがいない…。力尽きて流されたようです。
他にも多賀城でろう者夫婦二人(Mさん)が亡くなられたという情報あり。津波にひかれたそうです。二週間ほど前に葬儀があったばかりとのこと。津波の警戒情報わからなかったのではないか、と残念がってました。会員ではないので、全日ろう連では把握しているか不明。
これらのお話しに、今でも新たな「被害」が続いていることに愕然としました。
■6 Eさんのこと。
被災後、難聴協会内でピアカウンセリング研修を受け、積極的に地域の難聴者支援に動いているメンバーのひとり。要約筆記者と一緒に、すでに15件以上、同じ聞こえない仲間のもとを回っています。本人は顔出し程度と言いますが、難聴の仲間と話せる安心感、いかばかりかと推察しました。
事務局と一緒に、避難所暮らしのAさんを励ます仲間の集まりを実施したりしているそうです。こういう方の力があって、みやぎ難聴の支援活動が進められたことを実感できました。
■7 小川感想など
改めて感じたのは、このような集まりでは、全難聴として、被災地の方々に元気になってもらうことに重点を置く必要があること。
画像展示や七夕飾りのメッセージ。新谷理事や根間理事の差し入れ、笑顔の懇談などの気遣いが効果あったようで、よかったです。
小川は全難聴の取り組み説明、大きな手話で元気よくやってみましたが、時間が押してしまいました。伝わったかなあ。
東北の方は我慢強いと聞きますが、実感しました。あまりつらかったことを言わないです。
根間理事は精神保健福祉士。専門的な視点で、会員だけでなく役員の状況もケースワークいただくことになっていましたが、気づいてみると小川自身もケアされていました。
被災地のようなメンタル面が要求される場に同行するにはこの上なく心強い方なので、ぜひ次回は高岡理事長とご一緒されることをお勧めしたいです。(小川)