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海底考古学30: 沖縄近海の “メガスクラッチ” クローラーの傷痕?

2019-07-29 17:08:03 | 海底考古学、火星考古学

海底考古学30: 沖縄近海の “メガスクラッチ” クローラーの傷痕?

 

“クローラー痕” の存在は明白と思われるが、その発生のメカニズムは不明である。そもそも “クローラー痕” にもいくつかの種類がある。

 

しかし、今回の “クローラー痕” はある意味で非常に感覚的にわかりやすい。まるで “ひっかき傷” のように見えるのだ。“巨大な引っ掻いた傷痕” に見えるので “メガスクラッチ” と呼ぶことにする。

黄色いフレームで囲んだ部分であるが、今までの “クローラー痕” の例にもれず、“軌跡” であるように見える。“軌跡” とは “物体の移動の痕跡” である。

 さて、“物体の移動” といっても、移動には当然方向がある。

 

  

 この軌跡の場合、まるで何かが “荒々しく” 通ったために海底が削られたように見えないだろうか?静かに滑らかに通過したようにはとても見えない。しかし、それが A の向きか、Bの向きかを断定することは難しい。今回は “移動の向き” には深入りせず、ただ “何かがかなりの衝撃を伴って通過した痕跡” であるように見えるというだけで良しとする。

「海底考古学」 ではこの “何か” を “クローラー” と呼ぶ。

 

 

“物体の通過” の跡ではあるが、非常にインパクトのある “外傷的 = traumatic  な痕跡” に見えないだろうか?ほとんど “暴力的” なほどの “外力” が加わったように見える。

 

これは表面科学的な意味で “スクラッチ” というものである。

 

 

 

“スクラッチ” のスケールはさまざまである。“ナノ” レベル から “惑星” レベル などが考えられる。

 

 

 

 

 “スクラッチ” は、何らかの物質の表面に接して、通例その表面より硬い比較的鋭角的な物体が圧力を伴って移動する場合に発生する。

 

 

 

 さて、あらためて今回のクローラー痕を見て頂きたいが、ごらんのように軌跡が途中で折れ曲がっており、A と B とに分けて見ることができる。

 

 

軌跡の両端の比較的大きな凹みは、そこに大きな衝撃(インパクト)があったことを物語っているように思える。しかし、屈曲部分から B の中ほどにかけては軌跡が不釣り合いに薄い。 A と B はそれぞれ別の独立した軌跡という可能性もあるが、この記事では A,B 両端の “衝撃点” が同程度の衝撃の結果であるように見えることから、A と B は連続していると想定している。不連続である可能性もあるが、その差の重要性は大したものではない。

 

“衝撃点” は500m を超える深さであるが、それが “軌跡” の “始点” を示すものか、それとも “終点” を示すものかの判断は留保する。仮に “AB連続説” が正しい場合、クローラーの移動は A→B か、B→A の “2通り” のいずれかということになる。一方が “始点” であれば、もう一方は必然的に “終点” である。A が “始点” ならば、B は “終点” であり、B が “始点” であれば、A が “終点” となる。

 

しかし、もし “AB連続説” つまり、“AB独立説” が正しい場合、クローラーの軌跡は、屈曲点あたりで切れていることになる。そうすると、ABの流れの可能な組み合わせは、“→・→”、 “←・←”、 “→・←”、 “←・→” の “4通り” となる。

以上で、“6通り” のシナリオが考えられることになるが、すでに触れたように、この記事ではそのいずれにもにコミットすることなく話を進める。“移動の向き” よりも “移動じたい” がはるかに重要なのである。

さて、このように、すべてが明解というわけではない状況ではあってもまったく問題ない。重要な点は、何といっても両端の “衝撃点” 近辺の 巨大かつ明白な “スクラッチ” の存在 である。

 

この生々しい巨大な “スクラッチ” は何らかの “外力” によって凹んだか、削られたかしたように見えないだろうか?

 “傷痕の特に顕著な部分” だけに限定しても、それぞれ延々と 20km以上 も続くのである。

 

 

 

ちなみに、大阪・奈良の直線距離は 27km である。 

 “メガスクラッチ” と呼ぶのが決して誇張ではないことがお解りいただけるであろう。

 

 

 

 

“メガスクラッチ” の “長さ” については以上だが、次にその “引っ掻き傷” の “深さ” と “幅” を詳細に見ていこう。

 

 

 

 最初の計測点は、最大のインパクトを受けたと思われる “穴” である。

 

 

 

断面図のフレームの横幅は比較しやすいように常に 10km にしてあるが、これは画面の黄色のフレームに枕木状に並ぶ白線の長さ 10km をそのまま反映している。 

黄色の下向き矢印 は “メガスクラッチ = 巨大傷痕” の “深さ(高さ)” を示している。

赤の矢印 は傷痕の “尾根から尾根” までの “幅” である。この計測点では、軌跡の端末の “衝撃” のせいか、線状の軌跡というよりは、やや独立性をもった不定形の穴である。

深さ 508m、 幅 3.5km という “不定形の巨大なクレーター” であることがわかる。深さ 508m のクレーター” とはかなりのものである。

 

 

次に、2つ目の計測点を見よう。ここはゆうに “線状痕跡” つまり “軌跡” と呼べる部分である。 

 

 

すでに気づかれたと思うが、この断面図の縦横の縮尺比は実際の計測値に比例していない。幅が数分の1に狭められている。高さが数倍引き伸ばされていると言ってもいい。実際の勾配はもっと緩やかである。これは “地表や海底の起伏を直感的に把握させるための Google Earth の基本的な技術” であり、決して悪意に基づく歪曲ではない。

 

 

 

 幅3.3km、 深さ 142m の “引っ掻き傷” である。先ほどは、“深さ 508m” であったことと比較されたい。

 

 

番目の計測点である。一直線に何十キロも走る “メガスクラッチ” の典型的な例である。

 

 

 

 

深さ 89m、 幅 2.5km の “メガスクラッチ” の “傷痕” である。最初の計測点である “衝撃点” の深さ “500m” に比べれれば、確かに “比較的” には “浅い” が、それでも “90m” 前後である。

 

 

4番雨は “屈曲部分” を過ぎて最初の計測点。

 


 

 

 

 

“メガスクラッチ” のここの “傷痕” の断面は、かなり “非対称” である。左の “尾根部分” は “谷底部分” の中心から  約2km 離れているが、その高さは “谷底部分” から 186m である。

一方、反対側の 右の “尾根部分” は同じ “谷底部分” の中心から同じく 約2km 離れていても、高さは わずか 6m 上がるだけである。2km 歩いて 6m 上がる?感覚的にはほとんど “水平” ではないか?にもかかわらず、Google Earth はそのわずかな勾配の存在をこの断面図ではっきり主張している。

 

2つ目の巨大な “溝” の入り口部分。

 

深さ的には “対称性” をほぼ回復している。

 

 

 

“引っ掻き傷” の 両側の “尾根部分” の間の距離が “3km” ということである。

かりにこれが陸上だとした場合、2人の人間が両側の “尾根部分” に立って向かい合っていても、互いの姿は肉眼では到底見えないであろう。なおこの断面図では、平たい “谷底部分” から “尾根部分” への勾配は両側とも 約45° に見えるが、実際の勾配を計算してみると、両側ともほぼ3分の1の 15° である。

 

両側の “尾根部分” に向かい合って立つ2人の間に延々と横たわる “メガスクラッチ” はどうやってできたのだろうか?

地球自体の 海底火山活動、プレートテクトニクス、地震 といった “内力” つまり、“自然力” によって生じたものだろうか?それとも何らかの “外力”、つまり、何らかの外在的な物体(クローラー?)が海底に接したり、海底表面を移動したりした結果、生じたものであろうか?

 

 

視覚的、直感的には後者の “外力説” が有力であるように思える。“クローラー説” はその代表的なものと言えよう。しかし、この “外力説” には、「スケールが常識に大きく反する」 という “非本質的な問題” が行く手を阻んでいる。

 

あなたと同意見のものに ✔ を付けて、全部でいくつになるか数えてほしい。

 

「幅3キロメートルを超えるようなものが海底を這いずりまわっていたなんて誰が信じるか!」

「海底にそんな活動があったなんて聞いたことがないぞ、でっち上げに決まっている!」

「それが本当だったら、もうとっくに科学者が解明しているはずだよ!」

「海底地図の元となっているデジタルデータのエラーなんですよ、素人はそれに気づかないだけ!」

「そんなに言うんだったら、実際に海に潜って決定的証拠を持って来いよ!」

「そんなバカげたことを言って注目を浴びようとしたって誰も相手にしないよ!」

「そんな話聞いたことないし、ネットで調べてもほとんど出てこないよ!」

「ふつうに考えて、無名の素人がそんな大発見をするわけがない!」

「大学教授とか科学者とかが論文で言っているんならまだしも、ただのブログ主が言っていることなんか意味ないよ!」

「常識で考えたっておかしいでしょ、そんな話! 馬鹿げている!」

 

チェック(✔) がゼロのひとは、かなりの変人の、“要注意人物” である。

すべてにチェック(✔) が付いたひとには、“常識人大賞” を贈りたい。なぜここのブログを見ているのか不思議なくらいである。

 

 

 

 

 

 

さて、“メガスクラッチ” の精査も終盤に入ってきた。

 

 

 

 

  

 

  

先入観なく見ていただきたい。何か(クローラー)が海底を這って移動したために、その通った道筋が凹み、両側に隆起が生じたように見えないだろうか

 


 

 

 

 

 再び両側の “尾根部分” の断面が “非対称” になってきた。

 

 

いよいよ最後の計測点に来た。こちらが “メガスクラッチ軌跡” の “始点” の可能性もあるのだが、見れば見るほど、こちらが終点のように見えてくる。

 

理由はわからないが、こちらも第一の計測点と同様に、“衝撃点” であり、独立した形状である。

 

 

 

 

 

 

 

 こちら側が “終点” とした場合のイメージである。

 

大きな隆起を “強引” に切り開きながら突進してきた何かが、突き抜けた先にあった、より小さな隆起に激突して、その衝撃でそれを潰し、“湾曲した凹み” を作ったように思える。

 

 

 

 

 

 

結果的にできた形状はちょうど “半円形に湾曲したソファ” のようだ。

ただし、このシナリオに執着するつもりは毛頭ない。

“移動の向き” は最重要の問題ではないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大きな隆起を切り開きながら突進してきた何かが突き抜けた」 と上に書いたが、シナリオのこの部分は “向き” には直接関係がなく、どちらの “向き” でもあてはまる。「クローラーが強引に隆起を削りながら通過した」と言ってもいい。

 

 右のピンクの矢印のように、“移動じたい” はどちらの “向き” だったとしてもかまわないのだ。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

  

“移動の向き” に惑わされることなく、“移動それ自体” に着目することが肝要である。

  

 

 

“6通りのシナリオ” は上のピンクの矢印ですべて示されている。両端のいずれが “始点” か、“終点” かの問題は現段階では棚上げにしておこう。

 

“移動の向き” がどうであろうが、“軌跡”、つまり “移動の痕跡じたい” が存在すること、言い換えれば、“クローラーの活動の痕跡” が海底に存在すること自体が重要であり、それが「海底考古学」の第一の主張でもある。そして、その痕跡の詳細な計測値は、“海底を這って移動するもの”(クローラー)の巨大なサイズを指し示していると考えていいだろう。

 

 

 

 

ここまで “クローラー” の軌跡の断面図を詳細な計測値とともに見てきた。少なくとも “移動があったこと” “クローラーの活動があったこと” は否定のしようがないように思える。“メガスクラッチ” の発生の説明として “クローラー説” よりも説得力のある説明があれば、ぜひお寄せいただきたい。

 

海底考古学29: 奄美大島周辺の巨大軌跡群

海底考古学28: 海上保安庁の海底火山調査を「海底考古学」の視点で見る

YouTube 動画:海底考古学27: 沖縄近海のクローラー軌跡

 

  

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