ザウルスの法則

真実は、受け容れられる者にはすがすがしい。
しかし、受け容れられない者には不快である。
ザウルスの法則

C:南海トラフのクローラー活動痕跡: 海底考古学35ーC

2020-09-24 16:04:51 | 海底考古学、火星考古学

南海トラフのクローラー活動痕跡: 海底考古学35ーC

 

まずは、今回の調査区画 “C” の位置をあらためて確認しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

C-1

C区画:断面線1

矢印の方向から断面を見る。

 

“比較的” 細いクローラー痕である。まったく不規則な凹凸からなる表面のようではあるが、先の方まで見通して見ると、キャタピラ痕的な横線が彷彿としてくる。

断面図では山が2つ見えるが、これはたまたまであって、谷が1つであったり、山が1つであったりすると思っていい。それにしても、何かが通った跡なのに隆起しているというのは、やはり不思議である。幅 1.9 km のものが通過したのである。いくら水中でもそんな移動体はそんなに軽いものではないはずだ。

「“比較的” 細いクローラー痕である。」と最初に書いたが、東京駅と秋葉原駅との間の直線距離がほぼ 1.9 km である。以下の図でピンクの帯の幅のクローラーが東京の山手線の上を通って行ったと考えて頂くと、そのスケールが比較的身近に実感できるかと思う。

 

 

C-2

C区画:断面線2

矢印の方向から断面を見る。

 

 

 

 

先ほど見てきた幅 1.9 km のクローラー痕が右上に見えている。ここれに比べると、 “C-2” のクローラー痕はずっと大きい、というか、ずっと幅が広い。

斜めに直線が走っているが、他のクローラーが通り過ぎた際の “かすり傷” のように見える。断面図で見ると、表面の右側がめくれたようになっている。

 1区間 2.5 km で数えて5つ分に相当すれば 12.5 km なのだが、少し足りず、12.4 km である。12.4 km を山手線で見ると、以下のような感じで、五反田駅と西日暮里駅の間の直線距離とだいたい同じということである。ただ、この “C-2” のクローラー痕が特に太いというわけではない。山手線を丸ごと覆ってしまう幅のものも後で出てくる。

まず、このクローラー痕は南北の向きに沿って走っている。右上の “コンパス” のN が12時の位置にある。もちろん偶然かもしれない。しかし、偶然ではない可能性も考慮する必要がある。このクローラー痕は、いくつかの別の帯状痕跡の上を直角に交差するかたちで走っている。かなりぼやけていて見えにくいが、横に走る帯状隆起がある。その一つは次の “C-3” で見ていくことになる。

このぼやけ具合では、クローラー痕なのかどうかもわからないが、自然にできた形状とは思えない直線的、幾何学的な規則性が見られる。海底の沈殿物によるブランケット効果によって、もはや鮮明な幾何学的パターンはつかめないが、何かしらの規則的で工作的(artificial)な非自然的構造物が埋もれている可能性がある。これはすでに “区画B” で見た “B-7” によく似たパターンではなかろうか(左下の画像)。しかし、“B-7” と 今回の “C-2” は区画としては対角線上にあり、互いに隣接しておらず、連続もしていない(右下の画像)。

なお、A、B、C、D の4つの区画ブロックの向きは東西南北の向きとは関係ない

クローラー痕の直角の交差は決して珍しくはない。しかしその直角の交差が曲線の軌跡どうしのたまたまのものではなく、直線どうしであり、しかも東西南北の方角に沿っているとなると、偶然ではない確率が俄然跳ね上がる。

 

 

 

C-3

C区画:断面線3

矢印の方向から断面を見る。

 

 

 

 

ほぼ同じ場所を90度回転させて見ている。右上のコンパスの “N” が3時の位置にある。つまり、画像の右側が北、左側が南である。画像の上が西で、下が東である。

断面線 “C-3” はその断面図によって両端が盛り上がった構造を浮かび上がらせている。右の縁(へり)のほうが高く、こちら側の延長と思われる部分が、ブルーの海底表面画像の “C-3” の断面線の上の補助線の格子の1つ上と、3つ上にも見えている。また、1つ上の格子の左隣りともう1つ隣りにも同様の構造が平行に並んでいるように見える。それらの平行の帯状痕跡の上をクローラーが直角に南北の線に沿って通過したと思われる。

これらの平行の帯状痕跡はクローラー痕なのかどうかもわからないが、複数あること、平行であること、そして東西南北の向きに沿っていることから、上に挙げた “B-7” と同種の帯状構造物である可能性は排除できないように思われる。しかも、“C-2” のクローラー痕よりも数千年から数万年古いような印象がある。ただし、上を走るクローラー痕のほうも決して新しくはなく、少なくとも数百年から数千年は経過しているように思える。

 


C-4

C区画:断面線4

矢印の方向から断面を見る。

 

 

 

 

 

水色の線は通過直前の海底表面の高さを想定したものである。こちらはあきらかにクローラー痕であるが、楕円形の隆起が非常に印象的である。しかし、全体としては陥没しつつも、中央が隆起しているというこの “陥没内隆起” のパターンはしばしば見られる。以下の、左は “A-7”、右は “B-6” である。どうしてこうなるのかはわからない。クローラーの底面の構造をそのまま反映しているとはとても思えない。

 かと言って、何か他に合理的な説明をザウルスが用意しているわけではない。

 

 

 

C-5

C区画:断面線5

矢印の方向から断面を見る。

 

 

 

 

このクローラー痕は非常に重要な問題を突き付けてきている。3段ほどある階段状の海底表面をクローラーが満遍なくキャタピラ痕状の痕跡を刻印しながら通過したのか、それとも元々は比較的平坦な海底表面をクローラーが通過し、そのあとに階段状の隆起が生じたのか?

断面線 “C-5” での断面を見ると、3つの段がある。下から1段目と2段目の高低差は 311 m ある。2段目と3段目の高低差は 255 m ある。ということは、1段目と3段目との高低差は 566 m あることになる。

しかし、1段目も、海底表面画像で見ても、断面図で見ても、周囲の海底表面の高さよりは上がっている。そして、断面線 “C-5” からさらに右側ではさらに大きな階段が聳えている。

元々階段状ではなかった比較的平坦な海底表面をクローラーが通過してキャタピラ痕状痕跡が出来て、そののちに海底の地殻変動が起きて階段状の隆起が発生して、クローラー痕が異なる階段の上に分散したという説が成立するかもしれない(通過後段差化説)。この説の難点は、予想されるクローラー痕の崩壊や消滅が非常に少ないことである。海底の火山活動であれ、地殻変動であれ、そういった自然力は海底表面に対しては必ず “破壊的” な影響を及ぼすはずである。しかし、ここではそうした影響はほとんど見られないのだ。 

一方で、あらかじめ存在していた階段状の海底表面にクローラーがやって来て通過し、段差上であるにもかかわらず整合的なクローラー痕をそれぞれの階段面に残したという説が合理的に成立する可能性があるだろうか(段差化後通過説)。はっきり言って、巨大な移動体が段差をものともせずに乗り上げ、しかも階段のそれぞれに満遍なく痕跡を残しているという事象は常識どころか通常科学の論理をもはるかに超えているだろう。

クローラー痕は階段状の海底表面の、階段の水平面だけでなく斜面にも刻印されている。

かりに階段状の丘を戦車が上って行ったら、戦車はその段差を破壊しながら進むはずだ。以下のような棚田は戦車が通過すれば必ず構造的な破壊を伴うのではなかろうか。戦車の進行が各段のエッジに対して直角であれ斜めであれ、棚田は崩れるはずだ。これが陸地でなく、海底であっても大して変わらないであろう。海の中ならば戦車は海底を “非破壊的に” 進むというわけではなかろう。(笑)

 

こうした “C-5” と同様の事象は、以下のようにすでに前回の記事の “区画B” の “B-2” でも見てきた。こちらでも大きな段差上に満遍なくクローラー痕が刻印されていた。

「段差をものともせずに乗り上げ・・・」 と上に書いたが、実際はそういった、戦車が棚田を突っ切るような “破壊的な通過” ではなく、段差や隆起の大きな凹凸ができるだけそのまま存続するような “非破壊的な通過” であると言える。すでにある大きな凹凸を尊重しつつも、そこにキャタピラ痕状の痕跡をしっかりと刻印して去っているのである。

幅が “12.5 km” ある巨大なキャタピラ痕状の痕跡が数百キロも続いているというだけでも、通常科学では説明できないであろう。しかし、そのクローラー痕を残したはずの巨大な移動体が数百メートルに及ぶ巨大な複数の段差を “非破壊的に” 乗り上げ、しかもそれぞれの段に波型トタン板のような痕跡を刻印しているとなると、我々は言葉を失うばかりである。

けっきょく、以下のようなことである。

 

● “クローラー痕の存在” は通常科学では説明できない。

● “クローラーの存在” は通常科学では説明できない。

● “複数の段差上のクローラー痕の存在” は通常科学では説明できない。

● クローラーの通過後の “複数の段差の非破壊的存続” は通常科学では説明できない。

 

 

 

C-6

C区画:断面線6

矢印の方向から断面を見る。

 

 

 

 

 

ここでも同じ連続したクローラー痕を対象としている。すでにお気づきの方もいるであろうが、今回の 「海底考古学 35」 では特に “イレギュラーなケース” を重視して取り上げている。イレギュラーなケースにこそリアリティがあるのだ。

まず、 “C-5” で見てきたような “段差上の整合的なクローラー痕” がここでも見られる。高低差が 200 m もあるにもかかわらず、整合的なクローラー痕が断面図でも確認できる。高低差 200 m の隆起をここでも “非破壊的に” 乗り越えていることは明らかである。

さて、この “C-6” では、左側に目を疑うような “イレギュラー” な痕跡が見える。

クローラー痕が途中で途切れているように見えないだろうか?少なくとも連続的、直線的に進んだとは思えないような痕跡である。以下の図では、センターラインを黄色で示している。クローラー痕としては切れ目があるように見えるが、センターラインは切れておらず、斜めにスライドしている。

 

イレギュラーと呼ぶ理由は以下の3点である。

1. 途中に切れ目がある。

2. 切れ目はクローラー痕の両側の目盛り線部分であって、センターラインは切れていない。

3. クローラーの進路にズレがあり、それがクローラー痕に反映している。

 

覚えている読者もいるであろうが、同様のイレギュラーなクローラー痕としては、 “B-3” と “B-6” があった。

 

“B-3” では、右下から進んできたクローラーが、“訳あってか” やや後退し、少し左にズレた箇所から “踏み直して” あらためて右上に進んでいったように見える。

切れ目の重なり具合から進行方向が突き止められた例外的なケースである。

 

 

 

 

“B-6” では、クローラーが、猛禽類のくちばしのような曲がった鋭い “切り返し” でターンした軌跡を見てきた。

これも非常に “イレギュラー” なクローラー痕と言える。

 

 

 

 

クローラー痕に見る進行方向

まず、われわれはこの痕跡をクローラー痕として見ているわけだが、実はクローラーがどっちからどっちに進んだのかがほとんどの場合わからない。この “C-6” に限らず、進行方向がわからないケースのほうが圧倒的に多く、わかるケースは非常に少ない。しかし、進行方向が確定できなくても、クローラーがとにかくそこを通過したことは間違いないと言っていいだろう。もちろん進行方向がわかったほうがいいに越したことはない。しかし、その問題は最重要ではない。

“C-6” の、この切れ目のような箇所は、クローラーの操縦(?)上のアクシデントなのか、何らかの意図的なものかの判断もむずかしい、というか、ほとんど不可能である。いずれにせよ、クローラーの進路が真横ではなく斜め前方に 約2.5 km ズレたことは明らかである。約2.5 km の根拠は、断面図の左のマージン部分がちょうど 2.5 km で、しかもその長さがクローラー痕のズレ幅とほぼ同じであることだ。

左から来たにせよ、右から来たにせよ、クローラーがここに来て、「よっこらしょ」 と、2.5 km ほど進路を斜めにスライドしたと理解していいのだろうか?「よっこらしょ」 ではなく、 “ひょいと” だったか?このクローラー痕の幅は 14.6 km である。ちなみに山手線の円環をほぼ縦にした長さは 13.8 km であるので、800 m ほどの差と思っていいだろう。山手線の形状は実際は盾形である。

 

 

“C-6” のクローラー痕の上に山手線をひょいと置いて見ると、以下のようになる。

このクローラー痕の “ズレ幅” は 約2.5 km だったが、山手線の上野駅(上の赤い点)と神田駅(下の赤い点)との間の直線距離が 2.49 km であるので、誤差の範囲を考慮すると、ほとんど同距離である。

山手線の南北の長さに相当する幅のクローラー痕の存在じたいがすでに “あり得ない” ようなものであろう。そこへもってきて、たとえあり得なくても、切れ目なく連続しているはずのそのクローラー痕に “切れ目/ずれ” があるとなると、“一層あり得ない” ということになるかもしれない。

 

「海底考古学」 の記事や動画を読んだり見たりした多くの人たちは 「こんなのあるわけがないよ!」 「何かの間違いだろう!」 「ウソだろ!」 「バカバカしい!」 とつぶやいて、その後二度と 「海底考古学」 に近づこうとしない。

こうした “反射的反応(reflex)” を “センメルヴェイス反射” という。

誤りであるとして根拠をもって反論して否定するのではなく、常識に反するというだけで頭から拒絶する傾向である。どこがどう間違っているかの指摘もせず、“全面的に” “反射的に” 拒絶して “重要な事実” を直視することを拒否する態度一般を指す。

 

A:南海トラフのクローラー活動痕跡: 海底考古学35ーA

B:南海トラフのクローラー活動痕跡: 海底考古学35ーB

C:南海トラフのクローラー活動痕跡: 海底考古学35ーC

D:南海トラフのクローラー活動痕跡: 海底考古学35ーD

動画「海底考古学」1~28

 

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