私は、本や雑誌、インターネットで便秘に関する情報を集めていたときに、「3日に1回でも規則的に排便していれば便秘ではない」という文章を見つけて驚いたことがあります。
それも、いろんなところで見かけるのですが、著者の中には大学教授の肩書きを持った人もいます。
何を根拠にこんなことを言うのか理解に苦しみますが、皆さんはこんな大嘘を信じてはいけません。
では、なぜこれが嘘なのか説明しましょう。
1食分の便の長さは、食事の量や便の太さにもよりますが、だいたい普通の人で20cm、たくさん食べる人で30cmぐらいと考えられます。
もし、3日間便を溜め込んだら、20cm×9回分=1.8メートルもの長さになります。
大腸の長さは1.5~1.6メートルと言われていますから、単純に計算すると便が大腸から溢れてしまいます。
実際には、便は圧縮されるので大腸から溢れることはありませんが、大腸内の温度は約37℃です。
真夏に生ゴミを3日間放置しておくとどうなるか想像してもらえば分かると思いますが、腐敗が進んで不衛生極まりない状態となることは明白です。
皆さんは、ぜひ毎日排便する習慣を身につけてください。
便秘については、2006年12月に厚生労働省の研究班が、週2~3回しか便通がない便秘気味の人でも、大腸がんになる率は、毎日1回便通がある人と変わらないという調査結果を発表したそうです。
これだけ聞くと、大腸の手入れをしても意味がないように思えます。
しかし、私は自分の経験から、この調査結果に疑問を抱いています。
私は36歳のとき、仕事中に突然発熱して下痢と嘔吐の症状が出たため、あわてて病院に行ったことがありました。
診察の結果、特に異常はなかったのですが、腸内に便が残っていると言われました。
私は、学生の頃から毎朝排便する習慣を身につけていたため、便が残っていると言われても納得がいかなかったのですが、レントゲン写真には確かにそれらしきものが写っていました。
つまり、毎朝お通じがあっても便秘だったわけです。
厚生労働省の研究班が調査した「毎日1回便通がある人」についても、多分同じことが言えるのではないでしょうか?
したがって、この調査結果の正しい解釈は、「大腸を管理する正しいテクニックを身につけない限り、毎日便通があっても大腸がんになるリスクは下がらない」ということだと思います。
大腸がんは、女性のがん死亡原因の第1位なので、特に女性の方には大腸の管理に気をつけていただきたいと思います。
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