陽気ゆさん見たいゆえから

 










          中山みき様を  たずねて

どのような痛み悩みも デケモノや

2024-04-28 11:04:35 | 宗教
 105で言及した「先で見えたらこれが神やで」という歌に対して、自らの内なる変化とその結果として得られる喜びを通じて、神の存在を感じることができると、その思惑を107の歌から展開する。
 月日の思惑は先ず、107~110の歌で、「上下とも」に向ける。
  これからハせかいぢううのむねのうち 上下ともにわけてみせるで   四 107
   これからは世界中の胸の内 上下共に分けてみせるで
  これをみよせかいもうちもへたてない むねのうちよりそふぢするぞや   108
 「上下とも」は、三号142、143で確認できるが、世界中の人びとを指す ― これから伝える話しは、支配者である「上」と被支配者である「下」に関わらず、すべての人々にとって重要なことであり、自分にも関わるもの。だからこそ、これをただの話しではなく、自分の身に直接関わるものとして心して聞くように。

  このそふぢむつかし事であるけれど やまいとゆうわないとゆてをく    109
  どのよふないたみなやみもでけものや ねつもくだりもみなほこりやで   110
   どのような痛み悩みもデケモノや 熱も下りもみなほこりやで
 でけ‐もの【出▽来物】 ― すぐれた作品。また、すぐれた人物。〔デジタル大辞泉〕 ― 病というは無いと言ておく ― 「難儀するのも心から我が身恨みである」 ― 痛みや悩み、熱や腹下りなど、すべては、心の中で積み重ねた自分の「ほこり」が拵えた結果 ― 自身のデケモノ、作品 ― 病気や苦しみは外部の状況や神の意志によって生じたのではなく、自分自身が引き起こしたもの ― 自己探求や心の浄化を通じて、その「ほこり」を取り除くことが、病気や苦しみからの解放への鍵となる。


 111からは、「先で見えたらこれが神やで」を語る対象が「上下とも」から「上」だけに限られる。
  このよふを初てからになにもかも 上ゑをしへた事ハあるまい         111
  このたびハなにかよろづを上たるゑ しらしてをいた事であるなら       112
 「上」 ― 側な者 ― 主たる人物は(秀司と)まつゑ ― 戸長夫人だ、戸主夫人だから、またある者はそれに連なる側近だからと「上」振る舞いし、自己優位で他人を見下す ― 「唐とにほんを分ける」なら、神一条・「にほん」に対する人間心・「唐」の実体がここにある。
 上へ教えたことはあるまい ― 「上」に対して、この世や人類の創生の元にある真理を説いても、聞こうとしないし、変わろうともしない。このままでは後悔し、自滅するだろう。神としては見捨てるわけにはいかないので、改めて真実を伝え、心に受け入れさせたい ― 知らしておいた事であるなら

  それからハなかにハしやんするもあろ みなよりよふてはなししたなら     113
  このみちを上ゑとふりた事ならば 神のぢうよふすぐにあらわす        115
 中には思案するもあろ ― 「上」に真実を伝える機会を与え、少なくとも一部の者が真剣に考え、改心することを期待している。改心すれば月日自由の愛に満たされ、心から幸せを味わうことができる ― 神の自由直ぐにあらわす
 
  このよふを初た神のぢうよふを みせたる事ハさらにないので        116
  なにゝてもしらんあいだハそのまゝや 神のぢうよふしらしたるなら      117
  これきいてみな一れつわしやんせよ なにかよろつハ心しだいや        118
 神の自由を見せたることは更に無いので ― 頑なな利己主義で自己を変えないなら、月日の自由が届くことは無い。人として愛と喜びを知らぬままで、本当の幸せを得ることは無いだろう。
 何か万づは心次第や ― 自省し、心を改めることで、本当の喜びを感じることができる。その源は自分の内にあり、内面の変化と真実を受け入れることが重要 ― これ聞いてみな一列は思案せよ ― どのような喜び幸せもデケモノや

   思案せよ若い年寄り弱きでも 心次第に如何な自由


                       中山みき様を尋ねて  陽気ゆさん磐田講

見えてないこと段々と みな説いておく

2024-04-23 11:03:23 | 宗教
 88の歌で「つとめ場所」で行われた国民教化運動の「説教」について、「見えてない事さらに知ろまい」と言い放ったので、それに対して続く89の歌では、その「説教」を返す形で歌う。
  このさきハみへてない事だん々と よろづの事をみなといてをく    四 89
   この先は見えてないことだんだんと 万づの事をみな説いておく
  これからハこのよはじめてないつとめ だん々をしへてをつけるなり    90
  このつとめせかいぢううのたすけみち をしでもものをゆハす事なり    91
  このつとめなにの事やとをもている せかいをさめてたすけばかりを    93
 このつとめ世界中のたすけ道 ― 「おつとめ」は、目には見えない「心の世界」を形にした月日の無限のエネルギーを通じて、世界中の人々をたすける ― 「おつとめ」は、言葉や行動を超えて、そのエネルギーが伝わる。言葉に頼らなくても、心の深い部分に響く ― 唖でもものを言わす事なり
 世界治めてたすけばかりを ― 「おつとめ」は個人の尊厳を目覚めさせ、人間同士が助け合い、平和な世界を築くための尊い「つとめ」。人々が「おつとめ」に参加し、自己のエゴや利己主義に気づき、他者を思いやる真実の心が結集されるなら、月日自由によって陽気づくめ世界への道が開く。

  このみちがたしかみゑたる事ならば やまいのねゑわきれてしまうで    94
  しんぢつの心しだいにいづかたも いかなしゆごふもせんとゆハんで    95
 病の根は切れてしまうで ― 自己のエゴに気づき、改めることで病の根を切り、月日の自由が届く ― エゴや利己主義にとらわれず、他者を思いやる真実の心が重要。
 真実の心次第 ― 個人の努力や経験が世界の発展に貢献し、心の世界や月日の自由を信頼することで、個人の成長と社会の調和を促進できる ― 如何な守護もせんと言わんで

  これまでとみちがかわるとゆうてある 神ハちごふた事ハゆハんで     97
  にち々に神のをもわくだん々と といてをくぞやこれきいてくれ      100
  このみちハなにかむつかしめつらしい みちであるぞやたしかみていよ   101
 これまでと道が変わる ― 物質主義に縛られず、心の豊かさを追求することが大切 ― 「唐をにほんの地にする」生き方を理解し、実践することが重要 ― この考え方は、物質主義世界にあって、心の世界に目を向けるものであるため、理解が容易ではない ― 何か難し珍しい道であるぞや ― 心の充実を追求し、日々の生活をより意味深いものにするためには、新たな道を歩む必要がある。

  このみちをとふりぬけたらそのさきハ からハにほんのぢいにしてある   102
  からのぢをにほんぢいにしたならば これまつだいのいきどふりなり    103
  ― 明治政府が強要した支配神の世界であり、個々の人間の絆を断ち切り、権力を天皇や天皇家に集中させる絶対的な君主制度を指す。
 にほん ― この世と人類創生の神・月日の世界であり、調和を重んじる世界。物質主義ではなく、心の豊かさを追求する。絶対的な権力や支配の世界ではなく、人間同士の助け合いや調和の世界を追求する。
 唐の地を日本の地にする ― この生き方を実践することで、心に豊かさを持ち、幸福な生活を送ることができる。そこには、目に見えないが、神の自由に満ちた世界が広がっている。決して一時のものではなく、将来にわたって安心して生きられる陽気づくめ世界 ― これ末代のいきどふりなり

  このよふを納も上天もかみ 上と神との心わけるで            104
  だん々とみゑん事をばゆてをいて さきでみゑたらこれが神やで      105
  いかほどにみゑたる事をゆうたとて さきでみゑねはわかりあるまい    106
 「上」 ― 天皇制軍国主義の象徴、天皇と天皇家の先祖の神々に心寄す ― 物質主義、自己中心的な考え方 ― 先で見えねば分かりあるまい
 「神」 ― この世と人類創生の「神」・「月日」に心寄す ― 人間同士が助け合う心意気。
 上と神との心わけるで ― 新たな視点やバランスを提供し、物質的な豊かさでなく心の充実や社会的なつながりを大切にすることの重要性を伝える ― 「唐をにほんの地にする」生き方を通じて、月日の「自由自在」に満たされた世界を実現する可能性を示唆し、希望を与える ― 先で見えたらこれが神 ― 個々の人だけでなく、社会全体に対しても大きな意味を持ち、真の幸福や満足感を求めるための指針 ― 「見えてないこと段々と みな説いておく」


                      中山みき様を尋ねて  陽気ゆさん磐田講

はやく  本道つけるもよふを

2024-04-13 17:51:32 | 宗教
  つとめても初てをどりまたかぐら 一寸のほそみちつけてあれども  四 74
   つとめでも始め手踊り又かぐら 一寸の細道付けてあれども
  だん々とくさがしこりてみちしれす はやくほんみちつけるもよふを   75
   段々と草がしこりて道知れず 早く本道つける模様を
  しんぢつにこのほんみちがついたなら すへハたのもしよふきづくめや  77
 「手踊り」、「かぐらつとめ」、その目的と趣旨をこれまでに伝えて来た。しかし、それだけではまだ道の途中、「細道」をつけただけで、「本道」には至らない。何としても「おつとめ」を実行させて真の「本道」を完成させたい ― 末は頼もし陽気づくめや


 「つとめ」を通して、人生の道を探求し、真実の道を見つける道筋を早く身につけるためにも、一日でも早く「おつとめ」を実行させたい。ここには月日の親心からの願いが感じられるが、それを阻もうとする状況があるから、先ずその悪しき元凶を取り除かなくてはならない。

  村かたハなをもたすけをせへている はやくしやんをしてくれるよふ    78
   村方は直もたすけを急いている 早く思案をしてくれるよう
  せかいぢうせきゝよとしてはちめかけ といてきかするきゝにいくなり   80
   世界中「説教」として始めかけ 説いて聞かする聞きに行くなり      
   如何ほどに見えたる事を言うたとて 元を知らねば分るめはなし      81
   一列に神に凭れるこの子供 早く表へ出る模様せよ             83
   真実に表出ようと思うなら 心鎮めて真を尋ねよ             84
   この子供真実よりも胸の内 見定めつけば如何な模様も          85
 「説教として始めかけ」 ― 明治時代には、国民教化運動が行われた。この運動は、国家神道や天皇崇拝を広めることを目的としていた。その一環として、明治6年11月4日にお屋敷のつとめ場所で開催された。石上神社の教導職が「三条の教則」という教えに基づく「説教」を行った。会場には150人の聴衆が集まった。
 「村方」 ―  町方に対して、農村・漁村などの村人 ― 天皇と天皇の先祖を祀る「支配神」を崇めることを強制される村方に向けたメッセージ ― 「早く思案をしてくれるよう」 ― 国民教化運動による「説教」を受け、元の真実を見失ってしまったことに深い懸念 ― 「元を知らねば分る目はなし」 ― その内容は真実とはかけ離れており、人々は元を知らねばならない。
 「早く表へ出る模様せよ」 ― 真実の教えに触れ、一人ひとりが真実を追求し、心を落ち着かせて見つけることが必要 ― 「見定めつけば如何なもよう」 ― 人々が月日の教えに心を寄せるなら、真の幸福を見出すことができる。


  いまゝでハがくもんなぞとゆうたとて みゑてない事さらにしろまい     88
   今までは学問なぞと言うたとて 見えてない事更に知ろまい
 国民教化運動の一環、「説教」が行われたつとめ場所は、本来は「おつとめ」を学び、その実践を行う神聖な場所。ここを「説教」する側は、〔庄屋敷の村戸長である中山秀治宅〕と記しているが、秀司が戸長であり、中山家の戸主であっても、みき様の許可なく、つとめ場所での開催を引き受けたとは思われない。そこには月日の深い思惑があったはず。
 それを言わせてもらうなら、秀司は教えに反する「説教」のために、つとめ場所を提供したことで、彼はどうしようもない人物として見ることはできる。しかしそのようなネガティブな見方ではなく、明治政府の「説教」と中山みきが伝える「手踊りと神楽つとめ」の違いを明確にし、この出来事を通じて、「手踊りと神楽つとめ」の意義深さを多くの人びとに知らせることが重要であり、そのためには明治政府の「説教」との対比を明確に示す必要があった ― 「唐」と「にほん」を分ける ― 「早く本道つける模様を」

   この先は見えてないことだんだんと 万づの事をみな説いておく


                      中山みき様を尋ねて  陽気ゆさん磐田講

この話し  こゑ一条の話しなるぞや

2024-04-09 21:20:39 | 宗教
 「ふしん」はおつとめの完成にあることは、みかぐらうたとおふでさきで確認できる。おふでさき四号では、「往還道をつける」ことを題材にして、「ふしん」の目的を明らかにする。そして、その完成を目指して、先ず、五月五日に確か出でくると歌って「かんろだいづとめ」の実行を取り上げて、それを9~49で展開した。
 続いて、六月になる事ならば証拠守りをすると歌って、『お守り』となる「こゑのさづけ」を取り上げて、50~73で展開 ― 「それからは段々ふしん急き込んで 何か忙し事になるなり」

  このはなしなにの事やとをもうなよ こゑ一ぢよのはなしなるぞや  四 50
   この話し何の事やと思うなよ こゑ一条の話しなるぞや
  こへやとてなにがきくとハをもうなよ 心のまことしんぢつがきく    51
  しんぢつの心みさだめついたなら いかなしゆこふもするとをもゑよ   52
 「こゑ一条の話し」 ― 「こゑのさづけ」という「証拠守り」に象徴されるように、月日の心を我が心におさめる真実、それが「往還の道」という月日の自由に繋がる道を開くまっとうの手段。
 「真実の心」 ― 人々が互いに真実の心で助け合い、その結果として月日の自由の愛に満ちた平和な世界が実現される ― 如何な守護もすると思えよ
 
  しかときけよろつの事をみなをしへ どこにへだてわさらにないぞや   53
   しかと聞け万づの事をみな教え 何処に隔ては更に無いぞや
  どのよふなところの人がでゝきても みないんねんのものであるから   54
 皆因縁の者であるから ― 人間は皆神の子。この因縁によって、月日は人々に対して愛と慈しみを持ち、人はみな神の子として、神の自由の愛を受け取ることができる。神との親子関係の「因縁」に目覚めて、互いに助け合う真実の心を持つことの重要性を説く。

  このさきハせかいぢううを一れつに たすけしゆごふをみなをしゑるで  56
  だん々とよろづたすけをみなをしへ からとにほんをわけるばかりや   57
  にち々にからとにほんをわけるみち 神のせきこみこれが一ぢよ     58
  このみちをはやくわけたる事ならば あとのよろづハ神のまゝなり    59
 唐とにほんを分ける ― 「唐」と「にほん」を対比させることで、自己中心的な考え方から離れ、真の喜びと安らぎを得るためには、互いに助け合う心の大切さを示す。「唐」は支配神を拠り所とし、自存自衛の心を表し、「にほん」はたすけ合いの精神を象徴し、たすけ一条の月日の心との共有を示す ― 後の万づは神のまま ― 月日の自由に溢れ、個人や社会全体に平和と安堵をもたらす。

  けふの日ハなにかめづらしはじめだし よろづいんねんみなついてくる  60
  いんねんもをふくの人であるからに とこにへだてハあるとをもうな   61
  このよふを初た神の事ならば せかい一れつみなわがこなり       62
 因縁も多くの人であるからに ― 世界一れつみな我が子なり ― 「因縁」は多くの人々を結びつける要因。そのため、神との親子関係においては、互いに助け合う真実の心を持つことが重要。
 そして、この号を締める直前の119からの歌で、「六月を見よみな出かける」と言いかけて、「こゑのさづけ」の神意を詳細に展開。 【出掛ける】ある行動を起こそうとする。手を付ける。とりかかる(デジタル大辞泉)。

  けふの日ハなにがみへるやないけれど 六月をみよみなでかけるで     119
  これからわ高山にてもたにそこも もとはじまりをゆうてきかする    121
  このよふのはぢまりだしハとろのうみ そのなかよりもどちよばかり   122
  このどぢよなにの事やとをもている これにんけんのたねであるぞや    123
  このものを神がひきあけくてしもて だん々しゆごふにんけんとなし    124
  それよりも神のしゆことゆうものわ なみたいていな事でないぞや     125
  このはなし一寸の事やとをもうなよ せかい一れつたすけたいから     126
 元始まりを言うて聞かする ― この世の元始まりは泥の海 その中よりもドジョウばかり ― ドジョウこそが人間の起源であり、月日はこのドジョウを食べ、人間を創造した。しかし、その過程は容易ではなかった。人間は月日の自由のエネルギーで満たされており、自己の存在と個性を尊重し、創造する力を活かして、月日の自由のもとで行動する権利がある。自分の心と魂の鼓動に耳を傾け、この世の創造主・月日の子としての力を十分に発揮せよ ― 子供の出世待ちかねる 

   段々と(一下り目の)筆に知らしてある程に 早く心に悟りとるよう


                       中山みき様を尋ねて  陽気ゆさん磐田講