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十月桜つづき 伊藤貫氏のお話しを聴く 5

2022-04-03 10:17:28 | お話しを聴く
                      





                  

 




                        





                  


https://www.youtube.com/watch?v=mARfK3-Crkg
【伊藤貫の真剣な雑談】第5回「米露関係破綻の原因は何か?」[桜R4/3/31] 2022/03/31

以下聞き書きです・・・

米露関係、米露の破綻について
表面的には、ロシアとウクライナが戦争を始めて、ロシアがウクライナを虐めているから悪いと、アメリカでもヨーロッパでも日本でも、そういう解釈になっているけれども、僕(伊藤氏)の解釈は過去30年間のアメリカのロシアをグイグイ追い詰めていく政策が遂にここまで来たと。
これは僕だけじゃなくて、アメリカ政府の重要な立場に居た人とか有名な学者は来るべきものが来たと。
彼らに言わせれば、ウクライナを種としてアメリカとロシアが衝突するのは、少なくとも十数年前から目に見えていたと。
ロシアはこれ以上は堪らないということで、不利を承知でファイトバックした。

ウクライナ人はアメリカはウクライナの味方をしてくれていると思っているかもしれないが、これから講演するが、アメリカの優秀な人たちはウクライナ人は
アメリカに利用されているだけであるというふうに考えている。
今日はそのことの説明。

アメリカとロシアの関係。
クリントン政権がロシアに対してやったこと。ロシアにダメージを与えるための3つの政策。
  アメリカ、もしくはイスラエル系のアメリカの金融業者の都合の良い様に、国有財産を民営化させた。
  これは大失敗でロシアのGDPは数年間で45%も低下して、国民の4割が極貧状態。国民の平均年齢が一気に10歳以縮まった。
  クリントンの前のブッシュ父の政権、十数回に渡ってNATOを東側に拡大しないと約束したが、クリントン政権はチャラにしてNATOの東側拡大を始めた。 
  ユーゴスラビアのセルビアとコソボ、国連決議の承諾を得てない一方的な軍事的介入(国際法違反)をして、
  ロシアの可成り強固な同盟国であったセルビアを叩きのめして、ロシアがバルカン半島に行って影響力を行使できないようにすると。
 
最初からクリントン政権はロシアにダメージを与える政策をはじめて、それが次のブッシュ政権、オバマ政権になると、もっともっと悪くなっていった。
エリツイン時代にやらせたロシアの国有財産の民営化、ロシア経済の自由化というのは、最初から一握りのアメリカとロシアの金融業者(イスラエルの国籍も持つ二重国籍者)とアメリカのウオールストリートの金融業者と、ハーバードのイスラエルと強い繋がりを持つ経済学者が参加してロシアの経済改革を始めた。
結果は、ごく一部の人達だけが巨万の富を得てオリガーキーと呼ばれる人たちになって、エリツイン政権を支配し、圧倒的多数のロシア人は貧乏になるばかりだった。

具体的には1990年代、IMF、日本も出していたと思うが、西洋諸国とIMFから15兆円くらいのローンと経済援助がロシアに送られたが、その一方で急速な民営化、
国有財産の民営化で巨万の富を得たロシアのオリガーキーは、15~22兆円くらいの資本を国外に持ち出した。
殆どがスイスとイスラエルを通じて持ち出している。
当時、財務省、国務省、CIAのロシア担当官はホワイトハウスにエリツイン政権の経済政策はは犯罪行為であると、アメリカ政府にこれを止めさせて欲しいと
多数送ったが、オルブライト国務長官、ルービン財務長官、その後のサマーズ財務長官はこれらの報告を全て握りつぶした。偶然かもしれないが、この3人はユダヤ人であった。
偶然かもしれないがロシアで巨万の富を得た人達も8割はユダヤ人であった。
イスラエルのパスポートを持つユダヤ人であって、彼らは儲けたお金をイスラエルに流し込んでいた。
これは事実、僕は陰謀があったとは言わないが、この腐敗的なロシアの民営化にアメリカ側から参加していた人、ロシア側から参加していた人の大部分はユダヤ人だった。


エリツイン政権の政策を決めていたのは、こういうイスラエルの国籍を持つロシアのオリガーキーであった。
最近面白いことに気が付いた。
ロシアとウクライナの戦争が始まって、世界各国がロシアに対して非常に厳しい金融制裁を科した、ところがイスラエルだけは例によって例のごとく一切金融制裁をしないと。
その結果、現在でもロシアに残っているイスラエル系のオリガーキーであるマイケルフリードマン、ローマンアボラモビッチが、2月から非常に厳しい金融制裁を科されたにもかかわらず、現在でもロシアの財産をイスラエルに持ち出している。
金融制裁をしてもイスラエルを通じてロシアの金持ちは、お金を出したり入れたりできる。

しかも先週のワシントンポストの記事から、
アメリカの民間の銀行や保険の持っている金融資産と言うのは全部で22兆ドルなんだそうだが、これらを持っている金融機関は制裁に参加している。
だからロシアと当然取引できない。
ところがアメリカには11兆ドルの金融資産を持つヘッジファンドとか、プライベートエクイティファンドなんかがあって、大手のヘッジファンドは多くがユダヤ人なのだ。
面白いことに、この11兆ドル持つヘッジファンドやプライベートエクイティファンドは、この制裁を守らなくて良いのだ。
誰からお金を貰って、どこにお金を流したか、アメリカ国務省と財務省に一切報告しなくて良いことになっている。
アメリカの普通の民間銀行や保険会社は全部報告しなければならない。

ロシアの金融家なり金持ちは、イスラエルにお金を移し、そこからアメリカのヘッジファンドやプライベートエクイティファンドに移す。
この抜け穴を使えば、ロシア政府もいくらでも金融制裁を逃れることができるのだ。
一番不思議なのはアメリカ政府で、これが判っていても何もしない。

もっと不思議なのはゼレンスキー大統領が、ローマ・アボラビッチのようなユダヤ系のロシアのオリガーキーには、アメリカが経済制裁を掛けないで欲しいと頼んでいる。
彼は今、ロシアと戦争をしている。ところがロシアのオリガーキーが制裁を逃れてお金を入れたり出したりしても、ゼレンスキー大統領は、アメリカが処罰しないでくれとアメリカに頼んでいる。要するに自分の敵に塩を送っているのだ。
非常に不思議、何やってんだ、これ?

クリントン政権とロシアのユダヤ系オリガーキーは腐敗していたが、バイデン政権になってもまだ続いている。
アメリカは世界中にロシアに厳しい経済制裁を科せと命令しているくせに、自分たちの目の前でそういう制裁逃れの抜け道を使って、どれくらいロシアやウクライナのお金が動いているか判らない。
不思議なことには、アメリカ政府はそれに対して何もやらないという、非常にヘンテコリンな現象が起きている。

この一つを以ってしてもアメリカのロシア政策やウクライナ政策は非常に腐敗している。
言う事とやることが違うことが、事実としてある。
これが原因で、少なくともロシア国民の4割が極貧状態に落とされて、平均寿命が急速に10歳かそれ以上落ちてしまった。
このエリツイン政権後、ロシア人の中で民主主義を信じる人は1割になってしまった。
8割のロシア人は、民主主義というのはごく一部の金持ちが得をする非常に腐敗したシステムであると思うようになった。
殆どのロシア人は非民主的な体制の方がフェアであると。
エリツイン政権はアメリカとイスラエルの傀儡とロシア人は思っている。
ロシアの世論調査では、普通のロシア人が最も憎む国がアメリカ。
冷戦後、クリントン政権のロシアに対する腐敗と犯罪行為のせいで、ロシアとアメリカの信頼関係は決定的に壊れてしまった。

エマニエル・トッド:アメリカのロシア政策を2つに分けて説明。
 第一の目的はCIAの活動によって、ロシア国内若しくはロシア勢力圏内の民族紛争を悪化させて、ロシアをバラバラさせ崩壊させること。
 第二の目的はヨーロッパとロシアが仲が悪くなるように色々と工作して、ヨーロッパとロシアの間に協力関係が構築できないようにする。
これをクリントン政権はやっていたとエマニエル・トッドは言う。

その次のブッシュ政権はイラクに対して、国際法違反の侵略戦争を仕掛けて、中東の支配権を握ろうとしたが、これは失敗。
これもロシアの反対を押し切ってやった。
それと同時にブッシュ政権はグルジアとウクライナに対して活発な内政干渉をして、グルジアとウクライナがロシアと敵対する国家であるように、この2国を作り変えようとした。

2008年にはブッシュの息子がウクライナとグルジアをNATOのメンバーにするというふうに宣言した。
ブッシュ父の政権がNATOを決して拡大しないと約束したにもかかわらず、ブッシュの息子はロシアにとって致命的なグルジアとウクライナまでNATOの軍事同盟に入れて(勿論クリントンも破ったが)、米軍とアメリカ人をウクライナとグルジアに進めて、アメリカの軍事基地を置いてロシアを締め上げようとした。
当然のことながらロシア人は、またまた裏切られたと思った。
2010年になるとオバマ政権だが、このとき民主的な選挙でヤヌコビッチという人がウクライナの大統領になったが、この人は親露派。
そうなるとCIAと国務省はヤヌコビッチを失脚させる工作を始めて、大量の工作資金をウクライナに流し込むようになった。
アメリカの民間の非営利団体(民主主義の為の基金)という団体が、CIAからお金を貰い工作機関として動いていた。ここはウクライナで60以上のプロジェクトを運用し、ウクライナのアンチロシア勢力に資金を流し込んで、ヤヌコビッチを追い落とす工作をやらせていた。

これらは最終的にはロシアを崩壊させたい、レジウムチェンジすると、それからプーチンを失脚させたいと。
そう言う工作を2010年には開始している。

2022年にロシアとウクライナが戦争をやるのは、十数年前からアメリカがそういうことをやっていることを考えれば、何の不思議でもない。
2013年12月から2014年2月にかけて、アメリカは5500憶ドルの工作資金をウクライナの反露側の組織に流し込んでいた(実際はもっと多いだろう)
これで暴動を起こさせて、ヤヌコビッチを追い出させた。
この時点で、ウクライナを原因として両国が戦争を始めることは明らかだった。
今回の2022年に始まった戦争は実質的には、アメリカとロシアが戦争をしているわけで、これは2014年に始まることが予定されていた。

2013年~2014年の暴動の指揮をとっていたのは、ビクトリア・ヌーランドというオバマ政権の国務省の次官補で、彼女は現在国務次官になって、ロシアとアメリカが戦争をする工作を2021年から始めている。
バイデンとビクトリア・ヌーランドはオバマ政権の時代から仲が良くて、それからするとバイデン大統領になって戦争が始まったのは不思議でも何でもない。
国務長官のブリンケンもロシアを打倒したい(本質的には彼はネオコン)産経新聞のワシントン特派員にはワシントンにはネオコンは居ないとかヌーランドなんて聞いたことも無いという不思議な方がいらっしゃるが、ワシントンに住む人は国務省№1のブリンケンにしても、№のシャーマンにしても、№3のビクトリア・ヌーランドにしても、2003年のイラク侵略戦争も拍手喝采してたし、2013年から2014年のウクライナのクーデターにも参加、バリバリのネオコン。
中東にもロシアにも戦争を仕掛けたいと思っているユダヤ人。

バイデンの息子は父親が副大統領時代にウクライナ最大の天然ガスの会社の取締役になって、ウクライナから4憶4千万円のワイロを受け取っている。
これは100%ワイロ。実際の仕事は何もしてない。中国政府からも少なくとも35憶円、多ければ70憶以上貰っている。
バイデン大統領は中国からもウクライナからもワイロを貰う人。

バイデン大統領の擁護として、これくらいのワイロを取るのはアメリカ大統領としては珍しいことでは無いし、それほど酷いことでもない。
何故ならブッシュのお父さんの時と息子のブッシュの息子の政権の時と、ブッシュ父の兄弟、ブッシュ息子の兄弟、彼らは皆、中国政府のアドバイザーとか
それから経営参加者とか、中国に対する投資家として100憶円以上の利益を得ているから、バイデン親子の腐敗はブッシュ親子より少ない。
一番すごいのはクリントン夫妻で、クリントンファウンデイションを作って、全部で3700憶円位お金を集めたが、そのうちの3分の1以上が外国から来ていた。
それに比べれば、ブッシュやバイデンの腐敗は大したことない。

腐敗したアメリカの政府にしがみ付いて、中国が攻めてきてもロシアが攻めてきても、アメリカが全部守ってくれるから大丈夫大丈夫と言っているのが日本の政府なわけだ。大変お目出度い政府であると、僕はそう思う。

ミアシャイマー:アメリカは国際政治のバランスオブパワーを維持することを何も考えてない。
        要するにロシアを不必要に追い回すことが、国際政治にどういう影響を与えるかと考えてない。

19世紀、メッテルニッヒとビスマルクがヨーロッパ外交の巨人。二人が一番重視したのがロシア。
ヨーロッパとロシアの関係を安定させないと、ヨーロッパの外交は成り立たないと。
二人とも対露政策に一番神経質になっている。それぐらいロシアというのは厄介な国。
ロシアを追い込まないように二人とも苦労していた。
ドイツ人はロシアが嫌いで、やっつけてやりたいと思っているが、ビスマルクは「ロシアと戦争をすればドイツは勝てるかもしれないが、ロシアの領土を取ったり、
賠償金を取り立てたりするとトンデモないことになる。ロシア人は物凄くシブトク忍耐強くて、しかも復讐心も強い。ロシアに勝っても後々、ドイツ外交が危険なことになる。ロシアに勝って屈辱を与えると必ず数十年後に復讐してくる。あんな連中と戦争をして勝たないほうが良い」と言っていた。
キッシンジャーもそう。ロシアが好きなわけではないが、ロシアを叩きのめすとロクでもないことになると。

プーチンは如何いう人間か。
日本も欧米もマスコミは、プーチンが悪党だからこういうことになったというふうに解説が多い。
だけどプーチンの行動というのは、過去300年間のロシア外交の視点から見ると、もの凄く普通なのだ。
彼はロシア人としてごく普通の外交をやっている。前の二人、エリツインとゴルバチョフ、この二人が非常におかしなことをやっていた。
この二人がロシア人として異常。
プーチンは典型的なロシア人の外交をやっている。だからプーチンは人気がまだ高い。
戦争しているから高いのではなく、高い時で80%低い時で60%の支持率。それは彼が成功しているのではなく、国内政策と外交政策が非常にロシアの伝統的な政策を実行しているから人気が高い。
プーチン「ファースト パーソン」プーチンがインタビュアーの前で一人で喋っている。何日かに分けて24時間インタビューして、それを200ページにした本。
プーチンの自叙伝。22年前に日本でも発売したが、少ししか売れなくて直ぐ絶版。何と日本のアマゾンで80万円の値段が!
英語のアメリカのアマゾンで買えば、たったの14ドル。1500円か1600円。
プーチンは自分の事を、ヒストリカル・ミッション。歴史的な任務を持っていると。
 これ以上ロシアが脱落し崩壊していくのを食い止めること。
 ゴルバチョフやエリツインのやり方を続けるとロシアは無くなってしまうだろう。ロシアは第二のユーゴスラビアになってしまう。
 我々は領土だけでなく、精神的な価値を快復する必要があると。
ロシアに関していえば過去400年間、常に中央集権国家であった。超中央集権国家であったと。

確かにロシアが独裁者もしくは皇帝が支配しなかった時代というのは、十七世紀の初めの十数年と、1917年と、エリツイン時代で二十数年しかなかった。
欧米のマスコミはプーチンが一人で牛耳っているのはオカシイと言いうが、過去400年間のロシアを見ると、複数の人が担当すると言う事の方がオカシイ。
一人の人間が全部やるというのが、ごく普通である。

ケナン:アメリカのロシア政策は思慮深くない。
    ロシアの伝統や文化を根本的に変えて、アメリカのイメージを真似する国にしようとしている。
    虚栄心に満ちた思いあがった政策である。
    ロシア人の性格まで変えようとしている。
    アメリカ人はロシア人より優越しているという妄想に取り付かれている。
    ロシアと周辺国の間に国境線を引くのは無理である。
    過去800~1000年間、いろんな民族が出たり入ったりしていて、どこからどこまでが領土か現地に住んでいる人も判らない。
    ロシアと他の国に国境を引こうとしても、必ずアンフェア―になる。不正な国境線になる。
    ロシア人や周辺国でも決められないのに、何故アメリカ人が口を出すのだ。

1987年から1991年までモスクワ駐在のジャックマトロフ大使:ウクライナの国境はレーニンとスターリンとフルシチョフが勝手に決めたものだと。
要するに共産党の独裁者が勝手に決めたものであると。
しかもレーニンは母親がユダヤ人だから、半分はユダヤ、半分はロシア。ウクライナ人ではない。スターリンはグルジア人。
要するに外部の人間が勝手に引いた国境で、ロシア人やウクライナ人が納得して引いたものではない。

マトロフさんに言わせれば、今のウクライナは本当の国家ではない。
西に住んでいる人間と東に住んでいる人間は何の共通性も無い。
だから、そんな人たちを一つの国家と決めたレーニンとスターリンが可笑しなことをやったのであって、全く別の言語を使っていて、信じている宗教も文化も違うのに、同じ国家だとしているほうが可笑しい。
過去700年間、ウクライナは独立国であった経験が無いから、独立国を運営する能力に欠けている。そういうところにアメリカ人が手を突っ込んで内政干渉したり
軍事介入しても、解決不可能な問題に我々が関与していることになるから止めておいた方が良い。
これにはキッシンジャーとケナンも賛成している。

ケナン:ロシアが自由主義的、民主主義的な国家になると期待しないほうが良い。
過去400年間のロシアの歴史を見ると、ロシアが自由民主主義な国になる可能性は殆ど無い。
可能性がない国に「けしからん」とか余計なことを言うな。
彼らに勝手にやらせておけば良い。ロシアとアメリカが対立する理由は全くない。

ケナンもキッシンジャーもウクライナをグルジアもNATOに入れるのを反対。
キッシンジャーに言わせると、ロシア人の最も大切なものは、ナショナリズムとインペリアルリズム(民族主義と帝国主義)
          ロシア人からこの2つを取ったら、いったい何が残るのだ。
          ロシアの拡張主義とロシアの例外主義(我々だけは例外だという)は、アメリカ人の拡張主義と例外主義に似ている。
          アメリカ人も領土を常に増やそうとし、他の国にケンカを吹っかけていく。そして我々は特別だと。
          アメリカ人とロシア人と中国人は似ているところがある。
          自分たちこそ世界の中心であると思いたがる。世界は自分たちを中心に動いていると思い込む。
          だから米中露は、同盟関係を作るのがとても難しい。
          自分たちが一番エライと思っているから、同盟関係に入っても同盟国を手下として扱うから。
          他の諸国がこの3国と同盟関係を維持するのは難しい。
          そういう意味でもアメリカとロシアは喧嘩しているが、実は似ているではないか。 
          キッシンジャーはドイツ出身のユダヤ人。

キッシンジャーとニクソンは世界を二極構造から多極構造にして、その中でバランスオブパワー外交をやろうとした。
ウクライナ問題についてキッシンジャーは
 ウクライナはNATOに入れるべきでないし、アメリカとロシアが協議して永世中立国にしたほうが良いと。
 フィンランドみたいに何処の国とも軍事的に協力しないという中立国にすべき。
 
伊藤貫氏もこれに賛成。
プーチンとキッシンジャーのエピソード。
二人が初めて会ったのは1990年代。1990年代前半はプーチンはモスクワに移ってなくてKGBのエージェントを辞めた後に、セントペテルスブルグの市長の補佐官をやっていた。(最終的には副市長になった)
キッシンジャーはアメリカ企業のコンサルタントとしてぺテルスブルグに来た。市長がプーチンに飛行場まで出迎えに行けと。
プーチンは出迎えに行き、車でホテルまで案内した。
キッシンジャー「おまえ、いったい何者だ?」
プーチンはKGBのエージェントだったと言いたくなかったので、学生だとかグチャグチャ言訳していたが、キッシンジャーが余りにもしつこく聞いてくるものだから
「実は数年前までKGBのスパイとして東ドイツで勤務していた」と言うと、
キッシンジャーが凄く嬉しそうな顔をして「僕も軍人時代は実はスパイだった。俺たち優秀な人間はスパイから人生を始めるんだ」と言って
「おまえ、今のロシアをどう思う?」と聞いてきた。
プーチンは露骨な言い方は避けながら、今のロシアは変なことをやっていると。自分は納得できないと言ったら、キッシンジャーがゴルバチョフは馬鹿げたことをやっていると。
ゴルバチョフはアメリカに煽てられてペレストロイカとか、グラスノスとか言って、そういうスローガンを言えばロシアが生まれ変わるかのような幻想を抱いている。
キッシンジャーから見ればゴルバチョフのやることはアマチュア丸出しだと。
プーチンが自叙伝で語っているのは、それを聞いて凄く嬉しかったと。
ゴルバチョフは馬鹿げたことをやっていると一人で思っていたら、初対面のキッシンジャーが当時若造のプーチンに向かって、ゴルバチョフは馬鹿げていると言ってくれたから自分の判断が正しかったと思った。それから意気投合して仲が良かった。

ハンティントン:NATOを拡大するのを勿論反対。
文明主義者なので、異なる文明に内政干渉、軍事介入するなと。伊藤貫氏も賛成。
西側のカトリックやプロテスタントとロシア正教は全く別の文明であると。
アメリカは、グルジア、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、これら4か国には介入すべきではない。
この4か国はギリシャ正教もしくはロシア正教の国であるから、ヨーロピアンユニオンに入れたりする必要は無いし、NATOに入れる必要もない。
最初から手を出すなと言う意見。

ミアシャイマ―:アメリカの国務省とCIAとペンタゴンの担当官と、外務省の官僚に対して、彼らは自分のことをエリートだと思っている。
彼らはエリートだから民主主義と自由主義を広めるのだというスローガンを振りかざせば、世界中の国に対してレジームチェンジ、体制変換の戦争や内政干渉をやっても構わないと。
アメリカの外交エリートは何時でもどこでも、アメリカは他国に対して一方的に軍事力を行使する権利があると思い込んでいるとミアシャイマーは言っている。
ミアシャイマーはこれに大反対。

ロシアは少子高齢化が進んでいて拡張勢力の能力は残っていない。だからロシアがウクライナを取りたがるのは過去300年間の歴史を見て非常に重要であると理解できる。
ウクライナがロシアにとってどれ程大切であるか、それに比べてアメリカはウクライナ外交に関して、それほど大きな利害を持たない国である。
そのことを考慮して見るならば、ウクライナという国を原因としてアメリカとロシアがここまで衝突する理由は分からない。
ウクライナという国はロシアにとって生きるか死ぬかというくらいの重要性を持つ国であるから、ロシアはウクライナを決してギブアップしないだろう。

オバマ政権の2014年からアメリカは米軍の兵隊をウクライナに送り込んで、ウクライナに対する軍事援助を増やして、米軍の兵隊がウクライナ人を訓練して、
最新鋭の武器を与えて、ロシアを攻撃させる訓練をしていたそうだ。
だから形式的にはウクライナは軍事同盟ではないが、実質的にはウクライナをアメリカの軍事同盟国化する政策を進めていたと。
しかも、2021年からはロシア語を話すロシア系の人が住んでいるドンバスでは、ロシア側についたウクライナ人と、それに協力しているロシア兵を、
ウクライナ兵がアメリカからウクライナに貰った新兵器とドローンを使って殺害し始めた。
このドローンはアメリカ制で、アメリカの通信衛星からターゲットの情報を貰わないと使えないわけだ。
ドンバスでアメリカ制のロシア人を殺すドローンを使いだした。
アメリカ軍の下請けとして仕事をしているウクライナ人が、ロシア兵を殺害し始めたと。これは実質的にはロシアとアメリカが戦争を始めた状態に近くなってくるということ。

それをアメリカは去年から始めた。
ビクトリア・ヌーランドとかブリンケンは、それをやっても構わないと。
しかし、ロシアとしてはこのままホッておくと、ウクライナはアメリカの軍事同盟国となって、アメリカ兵が益々入ってきて、将来的にはロシア軍に対して強烈なダメージを与えるウクライナ軍が出来上がる。
要するに座して死を待つよりではないが、このままだとロシアの安全保障条約は成り立たなくなる。
ここまで追い詰められたら、ロシアと戦争するしか無いと言う理由で攻め込んだ。

ミアシャイマーによると、今度の戦争を実質的に始めたのはアメリカである。
このような政策によって最終的に巨大なダメージを被るのはウクライナであろう。
アメリカのウクライナを利用してロシアを攻撃するという政策によってウクライナ人が酷い目に遭うだろう。
アメリカにとって危険な軍事大国というのは、実は中国だけである。
中国以外はアメリカの軍事的な敵国とは呼べないと。
アメリカが恐れるべき国は中国で在って、ロシアは実質的には競争相手でもなんでもない。
それにもかかわらずロシアを追い込んで困難な立場に追い詰めていくと、結局は中露同盟を強固なものにするだけである。
そうすると軍事的な覇権国家は中国とロシアとアメリカしかいないが、アメリカはロシアを追い詰める事によって、覇権国の2つをくっつけてしまった。
中露同盟を益々強固にしたのが、今回のアメリカのやり方であると。
これはヨーロッパの伝統的なバランス・オブ・パワーからすれば、もっとも初歩的な間違いである。
これに寄ってウクライナは最終的にズタズタになるだろう。

ロシアは今回の戦争を止めないから、今回のウクライナの悲劇を作り出したのはアメリカである。


最後に伊藤貫氏の判断
ロシアとウクライナの戦争はいつまで続くか判らないが、今回の戦争(実質的にはロシアとアメリカの戦争)は、誰が一番得をして誰が一番損をするか。
伊藤氏の目では一番得をするのが中国人。ユダヤ人も得をする。

プリンストン大学のスティーブ・コーエン(ユダヤ系のロシア専門家、2014年からアメリカとロシアは戦争を始めると言っていた)
米露の対立はアメリカが作り出した対立であると。
ロシアと東ヨーロッパからアメリカに移住してきたユダヤ系の人達が、この戦争を開始しろと先導してきた。
この移住してきたユダヤ系の人達はロシアに対して物凄い憎しみを抱いている。彼らはアメリカに移住しただけでなく、アメリカを利用してロシアに復讐しようとしている。
これをユダヤ人のコーエンさんが言っている。勿論、コーエンさんはそういうやり方に大反対。
しかし、ネオコンというのは重要な部分がユダヤ人。
結局、ロシアや東ヨーロッパからアメリカに移住してきたユダヤ人は、ロシアとポーランドとウクライナとハンガリーに対して凄い憎しみを抱いている。
今のマスコミの報道はユダヤ人がウクライナ人に声援を送っているという風に見えるが、本音レベルではウクライナ人はナチスに協力して100万人以上のユダヤ人を殺したということに対して、ウクライナ人に物凄く恨みがある。
だからウクライナのナショナリズムを扇動して、ウクライナとロシア人が殺し合いを始めれば、言っちゃあわるいけれどユダヤ人にとって痛くも痒くも無い。
だって彼らユダヤ人はウクライナ人もロシア人も嫌いだし、ポーランド人もハンガリー人も嫌いなんだから、嫌いなものどうしが殺し合いを始めても何とも思わない。


ごく一般のロシア人、ごく一般のアメリカ人、そしてごく普通のヨーロッパ人、これは皆損をする。良いことは何もない。
今回の戦争で最大の被害を被るのは、これは誰かと言うとアメリカ人に煽てられて、今回の戦争に喜んで参加したウクライナのナショナリスト。
他にもう一つ酷い目に合う国があって、それが日本だ。

これで中露同盟は益々切れないものになったから、2020年代の末か2030年代の初めに、中国が台湾が日本に対して軍事力の行使を始めるならば、ロシアも一緒に出て来る可能性が強い。
ロシアは今回の戦争で中国に借りが出来たから、中国を応援するしかない立場に立つ。
そうするとアメリカは中露を同時に敵に回して戦争をするつもりは無いから、中国が日本に対して軍事攻撃をかけてきた場合もアメリカ人は出てこないであろう。

その場合、自民党がアメリカの核の持ち込みとかシェアリングと言っているが、アメリカの核ミサイルを日本に置いておいたら中国の攻撃目標になる。
核ミサイルは地上に置いてはいけないもので、常に潜水艦に置いておかないといけない。
日本の航空自衛隊がアメリカの核弾頭を使えるようにするという話もあるが、中国が日本を攻撃するとしたら、まず日本の飛行場を全部破壊することから始めるから、
飛行場に核弾頭を置いてもロクな事は無い。核弾頭を配備して大丈夫なのは潜水艦だけ。
アメリカの核を日本の潜水艦に置いて、自衛隊員が核ミサイルを発射できるような訓練をして、日本の総理大臣が核を発射できる権限を持たせるかと言うと
その可能性はゼロ。

アメリカは本音レベルでは、日本と中国、日本とロシア、日本と北朝鮮の核戦争に巻き込まれるつもりは全くない。
だからニュークリアシェアリングとかアメリカの核の持ち込みは、自衛隊が持っている日本の潜水艦に日本の核ミサイルを置いて、日本の総理大臣が日本が核攻撃を受けた場合に、日本の総理大臣が単独で使える核抑止力でない限り、本当の核の抑止力にはならない。
(アメリカの潜水艦に核を積んで日本の周りをウロウロしても役に立たない)

自民党の政治家が核持ち込みやニュークリアシャアリングについて言うが、彼らは核戦略理論を何も勉強してない。
非常に無責任。
自民党は物凄く無責任な政党で、良く言ってアメリカの召使い、悪く言えばアメリカの奴隷。

ロシアとウクライナの戦争で日本の立場は益々悪化したわけだが、日本人はそのことをあまり本気にしてない。
もし本気にするのであれば、日本の海上自衛隊に独自の自主的な核ミサイルを持たせるという議論をするはずだが、自民党の無責任な物凄い人たちは、ニュークリアシャエアリングということをペラペラ喋って、今回の日本の立場が悪くなっているのを誤魔化そうとしていると判断できると思う。

今度の戦争で一番ひどい目に遭うのが、ウクライナのナショナリストと日本人だろうと伊藤貫氏は思う。
            ・・・ここまで・・・書き間違いや聞き間違いがあるかもしれないので動画を視聴なさってね。

聞き書きしながら、日本のことを思っていました。
日本を戦争に引きずりこんだアメリカは、国際法違反の行為で各地を絨毯爆撃して焼き払い、核弾頭を2発も民間人の上に落として殺りくし、民主主義を教えてやると憲法を変え、皇室に手を入れて宮家を減らし、焚書をし、日本にとって重要な人物を追放し、東京裁判という偽の見せしめの裁判までしたのでした。
いつもこんなことをやっているアメリカなんだ~と。そしてそんなアメリカに追従している我が政府。
ロシアに散々嫌がらせをして追い詰めて、戦争を起こさせたアメリカの尻馬に載って、ロシアを制裁する日本。先の事を見通せてない政治家。
ロシアは旧ソ連の時、日本人にとても酷い迫害を加え虐殺し、日本兵をそれこそ強制労働させました。中国も日本人を迫害し人間とは思えない行為を加えました(検索してください、詳しくは書けません、哀しすぎて)
しかし、圧倒的に日本人を殺したのは、しかも軍人ではない一般人を殺したのは、アメリカではなかろうか。

戦争の影にユダヤ人。ユダヤ人はウクライナを恨んでいる、だから大統領はウクライナ人じゃなくてユダヤ人にする必要があったのか。
ウクライナのゼレンスキー大統領は戦争を長引かせ、ウクライナ人を苦しめたいのじゃなかろうか。何という世界だろうか。
ウクライナやロシアの事より、日本のことが心配です。その場その場でアメリカに追従し、守ることを何にも考えてないようにしか見えないです。

今回のお話しもとても参考になりました。モヤモヤしていたものが次第に整理できていくような内容で、視聴できて良かったです。次回も期待しています。



                  





                  





                  
                        足元には パンジー   在庫から


  
                         渡月橋の上から 桂川にカワアイサ
                  




                  




                  
                         潜った



                  
                         河川敷に行けなくなったので諦めていましたが ラッキー!
                         鳥用のレンズじゃなったw
コメント (2)
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