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奥山文弥のフィッシングカレッジ

魚の生態、水辺自然環境。釣りを介した人との出会い。家族・親子の釣りが楽しい。東京海洋大学フィッシング・カレッジの情報も。

この冬も

2007-11-29 | ソルトウォーター
 来年用のフライを巻くべし。と思いつつ、古いフライの改造になってしまう。最近では海のフライの本や雑誌が出ているので、情報にはこと欠かないが、我々はそうではなかった。
 洋書を取り寄せ、あるいは海外に行った時に購入し、ショップでの完成品を買って、現物を見て、何故そうなのか、などなど研究し、フライタイイングを楽しむだけでなく、実践で釣れるフライ(釣れそうな)を巻いていた。
 ソルトのフライの対象魚、とりわけ沖合いのデカイ魚には遭遇のチャンスが少ないので、試すと言うことも、比べると言うことも、友人の協力なしでは実行できない。それでも実験は成り立たないことも多かった。
 今度の群れはね、このパターンで、ピンクが食うか、ブルーが食うかってやってるでしょ。そして群れに当たって、デカイのを食わしちゃうと取り込むのに1時間とか掛かっちゃうわけ。その間群が船に付いていればいいけれど、そうでないときは「あ、ブルーでデカイノが釣れた。」という結果だけに終わっちゃう。
 カツオのフライなんかは漁師のバケを真似して巻いて、結構船長にバカにされたけど、爆釣フライが完成したら、正夫丸の船長が、そのフライオレの分も巻いておいてくれって。だってそのときは船長のバケより、私のフライのほうが格段に食ったから。
 で、その次に行ったら港で用意している人が、「フライを見せてください。」って。どんなフライがいいかって船長に聞いたら「オクヤマのフライがいい。」って言われたとか。
 で、そのフライを真似して巻いた友人の一人がなかなか釣れないというので、同乗して奴のテクを見たら、使い方が全然違ってたということもあったなあ。
 今、最終的ではないけれど、もうこのフライだけで良いって感じているのはキャンディというパターン。ボブ・ポポビックスと言う人が考案した、ルアーのようなフライである。
 小魚に似ている、壊れない、修理が可能。しかもよく釣れる。
 写真はエポキシが黄色くなってしまったものだけど(歯型付き)、その下は銀紙貼って、黄色くなりにくいと言うエポキシで固めたもの。ちょっと再生したって感じ。
 マスターは黄色くなったらなったでそういる色のフライだと思って使えばいいと言うが、私は変色したフライはいやだなあ。期限切れって感じで。

 正直言うと、フライタイイングも億劫になりつつある年になった。若手の仲間にマテリアルを提供してテクを教え巻いてもらおうとも考えてみた。量産型はそれでOK。しかし今後狙うであろうクロマグロ用フライは、何がいいのか分からない。誰の教えてくれない。自分で考えるしかない。だって釣った人がほとんどいないから。
 教えてくれないから自分で巻く。自分で想像するから面白い。人の真似では満足できないのが男ってもんだ。
 フライを巻くのではなく、夢を巻いているんだぜ。しかし年を取ると夢も薄らいでいく。(悲)
 初めてフライを巻いたころ「このフライは絶対だ。」と誰もが思ったはず。
しかしいつの間にか評論家になってしまうのもフライタイヤーの特徴。(笑)
 綺麗なフライ、飾っておきたくなるフライ、人を感動させるフライも必要だが、釣れるフライと釣れる使い方を知ることそして使いこなすことが、フライフィッシャーマンには必要だ。
 それを習得するには、教わることだけでなく、自分で考えることのほうがはるかに大切だ。
 修行である。

今年のフライタックル

オービス・トライデントTL9012
エイベル・スーパー8

オービス・トライデントTL9010
オービス・ヴォーテックス9・10

セージRPLX1090(20年モノ)
ビリーペイトボーンフィッシュ(20年モノ)
今年もこの3セットが活躍してくれた。

オービスのT3のデビューは来年に持ち越し。




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