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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

岡本綺堂編 訳 「世界怪談名作集」上 河出文庫

2006-11-01 20:22:42 | 本と雑誌

岡本綺堂編 訳 「世界怪談名作集」上  河出文庫
「半七捕物帳」「修善寺物語」「三浦老人昔話」など現在も愛される作品を書いた作家は元記者にして 語学にも堪能であった

翻訳物とは思えぬ こなれた言葉遣い リズムの良い読みやすさ

偉大であると ただただ頭が下がります リットン作「貸家」 人が居着かぬ怪異の家 豪胆な紳士が泊まり込み つぶさに見たものは―

プーシキン作「スペードの女王」 小耳にはさんだ 勝負に勝つ秘策を知ろうと たくまずして人を殺した青年は亡霊に 手痛いしっぺ返しをされる

ビヤーズ作「妖物」 怪死を遂げた男の死の真相は・・・

ゴーチェ作「クラリモンド」 神への誓いをしたその日 美貌の女性と目が合い その魅力にからめとられる男 誰が知ろう かの女性(ひと)は 血で命を繋ぐ魔物であったのだ

ディッケンズ作「信号手」信号手は見る 死に神の姿を 彼は苦しむ

デフォー作「ヴィール夫人の亡霊」 死んだ女性が親友を訪問し 生ける者のように会話した 気掛かりなことを頼み

怖くない亡霊です

ホーソン作「ラッパチーニの娘」 存在が毒の美しい娘

青年は自分も毒人間にされたと気付くや 恋した娘を罵る

クラリモンドもラッパチーニの娘も 毒を食らわば皿まで 共に地獄に墜ちよう

そんな男がいればよかったのに

命をかけた恋 なのに薄情な男ばかり 好きな怪異話ではありますが