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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

知念実希人著「十字架のカルテ」〈文春文庫〉

2023-11-11 14:59:56 | 本と雑誌

 

 

友人が殺された

誘われた時に 自分が一緒に行っていたら 殺されなかったかもしれないのに

その犯人が裁かれないと知って 少女は勉強し ある道を選んだ

精神科の専門病院 そこの院長の影山の助手として かつての少女・・・弓削凛は患者に接することになる

 

犯した罪から逃れる為の詐病も見抜かなくてならない

プロローグ

闇を覗く

母の罪

傷の証言

時の浸蝕

闇の貌

エピローグ

 

自分の子供を殺してしまい もっと重い罪を受けたい母親

弟に診察を受けさせたくて わが身を傷つけた姉

娘の復讐の為に敢えて偽証する父親

多重人格の殺人者が抱える心の闇

弓削は友人を殺した相手とも対峙

やがて影山も認める資質 成長をみせる

 

 

昭和の時代 脳病院はきちがい病院とも呼ばれておりました

外に出せない頭のおかしな人を閉じこめてある場所だと

子供たちは 親や年上の人から「近づいてはいけない」と言われたものです

 

時代が変わり 研究も進み病名や呼ばれかたも変化してきました

心の病は判断や治療がとても難しいだろうと思います

 

 


加藤実秋著「メゾン・ド・ポリス5 退職刑事と迷宮入り事件」〈角川文庫〉

2023-11-08 20:18:52 | 本と雑誌

 

退職した警察官が暮らすシェアハウスの住人達と現職警察官のひよりが協力して事件を解決していくシリーズ

今回は迫田が現職時代に未解決だった殺人事件を調べることに

 

夫が死んで医師を恨んでいた女性が容疑者として浮かんでいたが 証拠不十分のまま

 

調べていくと隠れていたホームレスの殺人事件も浮かびあがり・・・・・

またシェアハウスを始めた伊達の真意も明かされる


加藤実秋著「メゾン・ド・ポリス 殺人容疑の退職刑事」〈角川文庫〉

2023-11-03 19:49:04 | 本と雑誌

 

 

メゾン・ド・ポリスの住人で元刑事の迫田に殺人容疑がかかる

迫田は梟の鳴き声を聞いたというがー迫田以外にその声を聞いた者は居なくて

 

また夏目を育ててくれた人間が病死

彼はその遺品整理で生まれ育った故郷へ帰ることに

そこで夏目は両親の事故死の真相

過去の様々を知ることになる

シリーズ3作目・5作目・6作目は買い損ねたので・・・また書店で見つけたいと思います

〈できうる限り 本は本屋さんで買いたい人間です〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 


加藤実秋著「メゾン・ド・ポリス 退職刑事とエリート警視」〈角川文庫〉

2023-11-03 13:29:30 | 本と雑誌

 

 

辞職している夏目の動きを気にする警察内部のお方々がいる

間宮は夏目と親しい牧野ひよりにも近づいてきて・・・・・

嫌な圧力もかけるのだ

 

警察内部にどういう闇があるのか

個々の事件も次から次に起きて・・・・・

 


加藤実秋著「メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス」〈角川文庫〉

2023-11-03 13:10:20 | 本と雑誌

 

2019年ドラマ化↓もされた小説です

メゾン・ド・ポリス - Wikipedia

 

牧野ひより巡査は刑事課長の新木に「ここで話を聞いてこい」と言われてある場所を訪れる

その場所とは住人全てが元警察に関わった人々だった

管理人兼事務長の高平厚彦は家事担当が主な仕事

彼のみ通いで

 

ある事件で職を辞した夏目惣一郎

柳町北署の元刑事迫田保

警察庁の科警研にいた藤堂雅人

この建物の大家でもある伊達有嗣

名警察犬だったバロンーが このシェアハウスで暮らしている

 

一冊を通してある大きな事件は 夏目が警察を辞めるに至った事件と ひよりの父親が姿を隠している理由とが関わるもの

 

ドラマも観ておりましたが 読みながら結構忘れているなーと^^;

 


少しだけ 雑な感想付け加え

2023-10-31 08:55:49 | 本と雑誌

京極夏彦著「鵺の碑」について

 

戦争中に軍の一部の人間が考えた企みの更に裏をかき 研究していると見せかけた人々がいて

そこから起きた殺人事件

消えて戻ってきた死体の謎

戸籍の無い人々の話

 

そして京極夏彦氏の他のシリーズ作品の末裔かもしれない方々も登場します

山の民

巷説百物語シリーズ

詳しくはこちらに↓

巷説百物語シリーズ - Wikipedia

 

京極氏のシリーズ作品は別なシリーズ作品と 登場人物が重なるなどの仕掛けもあるので この小説にこの人がーなんて愉しみもあります

全体像が見えないと 人は混乱し見たものについてだけ 想像・・・妄想をめぐらせる

自分が知っていることだけが正しいと信じ 中には人の考えは否定し「間違ったことを言っている」と攻撃し 自分と異なる意見の人間を排除しようとしたり

違う角度から見ているだけで 誰もが正しいし誰もが間違っている

読み取れていないだけかもしれないのに

それで争いになる

 

歴史は勝者に都合が良いように書き換えられる

人は正しく生きたいと願うものだけれど

時代によって正しささえも変えられてしまうことも

 

大切なものは「良心」

自分だけが良ければいいのだと 自分のわがままに気づけない人間も存在します

自分のわがままに気づけず 自分が生きにくいのは他人のせいだと

自分ばかりが大切なのではなく 他の人間も大切だと

少し見方を変えることができない狭量な人間が増えているようにも感じます

 

かなり小説内容から離れてしまいましたが

ネタバレを避けつつ感想を書くのは難しいです

 

この長い長い小説の結びは

ーみんな 何とか やっている

もう会えないけれど

生きていれば 会えないこともないよー

 

生きていれば 会えないこともない

本当にそうだと思います

生きてさえいれば

 


京極夏彦著「鵺の碑」〈講談社〉

2023-10-30 14:13:29 | 本と雑誌

 

帯には百鬼夜行シリーズとあります

非常に分厚い本です 「さあ読もう!」と読みだすまでに覚悟が必要〈爆〉でした

もしや読んでも読んでも終わらないのではないかーなどと・・・

 

「姑獲鳥の夏」以来 ずっとね京極夏彦氏のご本は薄いと逆に心配になるような・・・そういう作家さん〈どういう作家だ?!〉です

小説家の関口巽

刑事の木場修太郎

榎木津礼二郎の探偵社の探偵の益田の人探し

全然違うきっかけで日光に集まるようになる彼らの追うものが 或ることへとつながっていく

 

錯綜した出来事の中でも 一人とにかく陽気な榎木津

混乱しからみまくった糸をすっきりほどく京極堂こと中禅寺秋彦

 

榎木津 中禅寺 関口と旧知の女性も登場

 

関口巽は同じホテルに宿泊する人間から 部屋の担当の女性が父親を殺したことを思い出したと言う その話を聞いた自分はどうすればいいだろうーと言われて・・・

木場は 昔 消えた死体について調べろーという厄介なしろものと取り組み

 

シリーズ次回作は「幽谷響〈やまびこ〉の家」だそうです

 

 


堂場瞬一著「棘の街」〈角川文庫〉

2023-10-21 19:45:43 | 本と雑誌

 

 

再読です

以前 読んだ時に書いたのはこちら↓

堂場瞬一著「棘の街」 幻冬舎文庫 - 夢見るババアの雑談室 (goo.ne.jp)

 

この小説をドラマ化したドラマの再放送を観ていて・・・

そうだ 原作はどうだったっけと読んでみたくなったもの

 

とっても親切なウィキさん↓ドラマ化の情報もあります↓

棘の街 - Wikipedia

 

ドラマは主演が仲村トオルさん

過去に誘拐事件の身代金受け渡し現場での主人公の刑事の行動で

犯人側から サツがいるなら・・・・・と 誘拐された学生は戻らず

 

この学生が 主人公の刑事が学生時代に付き合っていた女性の子であったこともあり 主人公には取り戻したい

挽回したい過去のようになって「俺の事件」俺が解決するんだーと

そして事件があったのは 主人公が捨ててきた故郷の街

誘拐された被害者の死体が見つかったことから 主人公は再び強引に事件の捜査に加わります

主人公の亡父の店を引き継いだ 亡父の店の常連

その店の前でぼこぼこにされていた少年を 主人公は救いますが 少年は記憶喪失になっており 自分の名前すらも分からないと・・・・

病院は嫌だ 警察は嫌だーという少年

シャワーを浴びる為に上半身裸になった少年の背中を見た主人公は気づきました

それが出産後間もなく死んだ妻が産んだ子供だと

 

主人公との結婚にすらいい顔をしなかった 亡き妻の父親は 主人公から赤ん坊を取り上げ 自分の養子にしました

 

警察官 片親では育てられない・・・

自分の父親ともうまく接することができなかった主人公

彼なりに父親の真似事のようなことを始めます

彼の学生時代の友人の一人は 表向きは健全な会社経営をしていますが 親の跡を継いだ暴力団の組長さん

この組長さんも主人公に情報をくれます

警察内部では自由すぎる主人公の評判はよくありません

犯人側からの襲撃も受ける主人公さん

いわば自分たちを囮にして犯人をおびき寄せ 対決する主人公

 

彼の息子も 遺体で見つかった誘拐事件にかかわっていました

誘拐ではなく 自分たちの身がやばくなった連中による仲間割れによる殺し

殺すのが好きな人間がグループのリーダーをしていて

殺人をごまかすために 誘拐を装ったものでした

身代金を要求する電話がかけられた時には もう殺されていたのです

 

ドラマの詳しい感想があるサイトさん↓

土曜ワイド劇場「棘の街~刑事上條元」を見まして。 | お笑いとドラえもんとドラマとゲームを愛する水樹の日記 (ameblo.jp)

 

ドラマ化されたのは2011年

もう12年前ですね

 

角川文庫の解説は ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさん

この解説が なかなかに興味深いものでした

題して「餓鬼道」化する社会、その見立ての的確さこそ暗黒〈ノワール〉の本懐

 

「棘の街」が発表された2004年はメントラインさんが大学留学で本格的に日本での社会生活を始めた年であること

この頃 読んだ時と2023年に読んだ時とでは感想が違うこと

再読して思ったのはー「これは地方都市にとどまらない 日本の心象風景のリアルだよね」というほかない

2004年から2023年にかけて明確化・先鋭化した社会心理的傾向のひとつに 旧来型の知性・教養が「善であり 好ましい」と見做していた文化的要素をおおかた「偽善」と見做して拒絶する、というアンチテーゼ性がある

この背景には いわゆる90年代型のリベラル言論界の既得権化や そうした知的業界の世代的「逃げ切り」狙いの露骨化といった諸々の問題があるのだが いずれにせよ後続世代の「非リア充」という言葉に象徴される文化的不満層としての色合いを全体的に強めたのが大きなポイントだ

その特徴は精神的な余裕の無さと「生存」への渇望から来る一種の攻撃性であり そもそも精神的な余裕のあるヤツは その余裕こそが「悪」であることの証明だ という主客逆転じみた観点を持つ なんというかまさに高度化した餓鬼道のような!

巷間にこれはネット民的な精神性とよくいわれるが ー

 

長く日本で生活されている方とはいえ 鋭く日本社会を見ておられる言葉だなーと

昭和や平成の時代と比べて はたして「令和日本」は 昭和や平成時代をバカにできるほど良い社会になっているかいーと 思うことも多いです

 


北村薫著「雪 月 花」〈新潮文庫〉

2023-10-21 19:29:58 | 本と雑誌

 

 

表紙がなんとも愛らしくて・・・・

カバー版画は大野隆司さんのものとか

 

よむ

つき

ゆめ

ゆき

ことば

はな

ーと目次にあって ひらがなで

さて内容は・・・と思って読み進んでいくと ここまで拘るものかしらと

著者が謎に思ったことを調べて 解明するまでが書かれています

その過程での様々な事実との邂逅

著者もすごいですが 周囲の方々の博識ぶりも凄まじい

 

文学の世界に名を連ねる方々のお名前が もうずらずら~~~~っと出てまいります

「知る」ことへの著者の貪欲ぶり

 

解説は池澤夏樹さん


宇江佐真理著「たば風」 〈文春文庫〉

2023-10-03 21:15:32 | 本と雑誌

 

 

 

 

表題作「たば風」のたば風とはーたま あるいは たばとは霊魂の意味があり たば風とは悪霊が吹かせる悪い風

たば風とは松前地方に限って使われているのではなくて 山形県の飛鳥付近に吹く風もこう呼び また庄内地方の方言にも「たば風」という言葉がある

いずれの「たば風」も日本海側で主に冬に吹く北西の風という意味においては共通ー

と著者による「文庫のためのあとがき」にあります

 

「たば風」互いに愛しく想い合い祝言も近かった二人だが 男は病に倒れ半身不随となり 娘を思う母親はこの縁談を破談にしてしまった

女は他の男に嫁がされ・・・子を産む

ところがお家騒動の為に女の夫は危うい身となり城から離れられず

女ーまなも物騒な人間たちに監視される

夜更け 女を救いに現れたのはかつての許婚者・幸四郎だった

剣の鍛錬だけは続けていた幸四郎

彼は命を懸けて・・・まなとその子供を彼女の実家まで送り届ける

追手を斃し

その後 再び病にたおれた幸四郎は今度は回復することなく ひっそりと亡くなった

 

「恋文」

勝手に惚れられ その男の妻となった女は 江戸詰めだった男が国に帰る前に別れようと思っていた

子供たちも手を離れ 母としてのつとめは果たしたし

女は夫となった男に愛情を感じられないまま生きてきた

生まれ育った江戸を離れる気は起きないーと

息子は言う 父上に恋文が書けたらー母上の気持ちを認めるーと

女は これまで知らなかった気づけなかった夫の姿 思いに気づいてー

 

「錦衣帰郷」

貧しかった人間は故郷を離れ 立派な武士となって故郷へ寄る

いわゆる錦を飾るー

しかし錦を飾られる側はなかなか複雑だ

 

蝦夷の人々の暮らしの悲惨さ 松前藩の悪辣さ

そんな側面も描かれている

 

「柄杓星」

幕末 官軍と戦い追われる身となった男

男の妻となりたかった女

しかし男は江戸へ戻ってくることはなかった

別れの前に柄杓星〈北斗七星〉を見上げ互いのことを思おうーそう語った二人だが

 

 

「血脈桜」

奥方を守るために選ばれた6人の娘

奥方を守る逃避行で 娘の一人は落命

過酷な時代の流れの中で

その後の娘たちの消息は分からないと

 

あの新選組の副長だった土方歳三さんが登場する場面あります

 

「黒百合」

女剣士として舞台に立つ娘二人

一人は家族と共に江戸を離れ

一人はふがいない父と兄の暮らしを支えようとするも 

何処までも妹をアテにする兄に・・・・・

想ってくれる男と一緒に生きようと 襲ってきた男たちと戦う

 

幕末ー明治維新

そこで禄を失い生きる術を失った旧士族には 生活に困窮し 妻女や娘を売る者も多かった

家族の為に苦界に身を沈める女性たち

容姿が良ければ高くも売れるけれども

 

解説は著者を交流があられた小説家の梶よう子さん

 

昭和24年生まれの著者 宇江佐真理さんは享年66歳にて亡くなられております

 

 

 


あさのあつこ著「星に祈る おいち不思議がたり」〈PHP文芸文庫〉

2023-10-01 20:51:06 | 本と雑誌

 

 

産まれた時に母親は亡くなりー取り上げてくれた医師・藍野松庵に育てられた娘おいち

松庵の亡き妻お里の姉で裕福な商家のお内儀おうたも おいちを気にかけ やれ晴れ着だの縁談だのと世話を焼いてくれる

おうたには実の子供が無くて おいちが可愛くてしかたないのだ

松庵とおいちの暮らす長屋に来ては 松庵と漫才のような会話の繰り返し

それはどちらも互いに心を許しているから 軽口もきけるというもの

 

死者の声が聞こえる 姿が見える

もしくは関わったものたちの何かの場面が浮かぶ

助けを呼ぶ声が・・・

そんな不思議な力があるおいち

これまでも危ない目にもあってきた

本所深川界隈あたりを仕切る凄腕の岡っ引き「剃刀の仙」こと仙五郎親分とも おいちは事件に関わることもある

長崎へ勉強に行っていた おいちの兄の田澄十斗〈たずみ じゅっと〉が江戸へ戻り 松庵のもとで更に医師の経験を積みたいと願う

十斗はまた おいちが願う医師の道へ進むために医塾へ通わないかと勧める

夫も医師であった石渡明乃が始めようとする場所には 医師になろうと志願しているお美代にお喜世という女性がいた

 

この「おいち不思議がたり」第一作からずうっとおいちに想いを募らせてきた新吉が遂に遂に・・・おいちに一緒になってほしいと

そしておいちは「はい」と答えるのだ

孤独なおいたちの新吉だがまっすぐな人間に育ち かざり職人として 遂には親方から店を譲っても・・・と腕をあげて見込まれるようになっている

これまでも新吉は炎の中からおいちを救い出したり おいちの為には自分の命などーそういうところを見せてきた

シリーズ第五作目にしてやっと新吉の想いも報われたのだ

 

おいちが手当した老女が行方不明になり 後に無残な躯となって見つかり 仙五郎から他にも行方知れずになっている人間が3人いてと教えられたおいち

その3人も惨い躯となり見つかった

十斗は思いだす 長崎でも似た噂があったこと

消える人間 そして酷い状態の躯

 

男に負けたくない

見返してやりたい

そんな思いから間違ったひとでなしの方向へ進んでしまった医学を志す女がいた

人を救うためのはずが 人を殺して・・・実験道具にして

 

このシリーズでは 藍野松庵とおうたのやりとりも楽しいです

本文より

《「〈中略〉ー香西屋〈おうたの夫が店主の店〉が贔屓にしている料理屋のお重をあたしがご馳走してあげるって、言ってるんですよ

あ、もちろん あたしとおいちだけじゃなく十斗さんの分もありますよ」

「義姉さん、わざとわたしの名を飛ばしましたな」

 

「松庵さん?あら、ごめんなさいよ。

松庵さんのことなんてまるで頭になかったわ。

ほほ。ほんと気の毒になるぐらい影の薄い男だからねえ」

「義姉さんが勝手に薄めてるんじゃないですか」⦆

なんてやりとりがあちこちにちりばめられています

 

そして事件が無事に解決し めでたく新吉とおいちの祝言も決まります

おうたも松庵も おいちの花嫁姿が見たいのでした

掃除は苦手だと言うおいちに新吉は言います

「おれは、おいちさんに掃除をしてほしいわけじゃねえんで。

けど、守ってもらいてえことはあります」

「親分の話を聞いていて〈おいちが下手人に刃物を突き付けられてさらわれたこと〉

心の臓が縮みました。だから」

「死なないでください」

「何があっても、おれより長生きしてください。それだけです」

職人として己の腕を磨き ただ おいちが一緒に居てくれたらーそれ以外は求めない新吉

そして 次作へと続いていきます

 

シリーズ次作品です↓

医塾に通い、医者を目指しつつ、女としての幸せもつかみ取ろうとするおいち。そんなおいちの祝言の日に事件が……。浦之屋という商家で、毒物混入事件が起きたのだ。おいちは、祝言の席から浦之屋に駆けつけ、父・松庵らとともに、苦しんでいる人達の手当てに奔走する。そして、浦之屋の若旦那の乳母が服毒死し、菖蒲長屋の元住人の巳助が犯人として名乗り出る。この世に思いを残して死んだ人の声を聞けるおいちは、巳助が闇に呑み込まれていく姿を見てしまい、事件の裏に何かある、と思い、真相を突き止めるべく動き始める。やがておいちの身体に異変が……。父の手伝いと勉強、そして家庭をもったおいちは、大切なものや人を守っていけるのか。シリーズ累計35万部突破! 人気の青春「時代」ミステリー第六弾。
〈本の内容紹介文より〉
 
 
このシリーズをこれまで読んだ感想はこちらに↓
 

あさのあつこ著「風を結う 針と剣 縫箔屋事件帖」 〈実業之日本社文庫〉

2023-09-27 19:35:54 | 本と雑誌

 

 

 

縫箔屋の娘おちえは母親のお滝に似て器量よし

だけど彼女は竹刀を振るのが好きで 事件があって閉めた道場の再開を願っている

縫箔屋に弟子入りしている元武士の一居

彼がもう剣を持たないことも惜しまれて

 

その一居を見て顔色を変えた医師が死んだ

毒を飲んでの死

これは自殺か他殺か

医師がした毒を飲んで死んだ若旦那の話も気にかかる

 

そしてこの医師の後を継ぐという弟子も殺された

一体何が・・・

一所懸命なおちえ

道場の再開に動く源之亟

事件解明に動く仙五郎親分

 

そして事件の真相

医師の若いころの罪

 

これから おちえがどう生きていくのか それも気になるシリーズです


あさのあつこ著「火花散る」〈PHP文芸文庫〉

2023-09-20 20:13:19 | 本と雑誌

 

おいち不思議がたりシリーズ第四作

医師である父の手伝いをしている おいち

錺職人の新吉が用心棒代わりに夜帰るおいちに付き添っていた

人ならぬものや何かの気配 そして残る思念などが視〈み〉えるおいちは・・・

物騒な気配を感じて隠れると 町人の姿〈なり〉をした武士らしき複数の人が殺気だた様子で去っていく

 

その後 産気づいた武家の女性に出逢う

家に連れ帰り その女性ー滝代に長屋のおかみさん達も手伝いお産させることに

産まれた赤ん坊は男の子 滝代は「十助」と名付けた

けれど彼女は姿を消し そして斬殺された

まだお産していないようにお腹に晒を巻いて膨らませていたけれど そのお腹までも刺されていたと

腹の子ともどもとどめを刺さんーそんな残酷な殺し手の気持ちがあるような

 

いわくありげな赤ん坊

 

このまま長屋に置いていては もしも見つかるとどんな凶事が起きるか

赤ん坊の安全を考えて何処かへ養子へと おいち達は思案する

おいちの父の患者である隠居の息子夫婦が どうしても育てたいと

 

長屋の人間にももらわれ先を隠して 養子に出すことにしたが

 

赤ん坊を狙う一味は養子先を探り出し・・・・・

危険に気づいたおいち 頼れる岡っ引きの仙五朗 頼んだ助っ人らと十助のもらわれた先で危険な男たちを待ち受ける

お家騒動・・・男たちの醜い争いの犠牲に滝代はなったのだ

自分の命を犠牲にしてもわが子に生きて無事に育ってほしいと願った

 

おいちの伯母のおうた

元気な長屋のおかみさん達

そしておいちに想いを寄せる新吉

おうたとおいちの父の漫才のようなへらず口のききあいもユーモアたっぷり

おいちの成長期でもある物語

 

 

 

 

 

以前このシリーズを読んだ時の感想です↓

あさのあつこ著「闇に咲く おいち不思議がたり」 (PHP文芸文庫) - 夢見るババアの雑談室 (goo.ne.jp)

あさのあつこ著「桜舞う おいち不思議がたり」 (PHP文芸文庫) - 夢見るババアの雑談室 (goo.ne.jp)

あさのあつこ著「おいち不思議がたり」 (PHP文芸文庫) - 夢見るババアの雑談室 (goo.ne.jp)

 


朝井リョウ著「正欲」〈新潮文庫〉

2023-09-19 20:39:24 | 本と雑誌

 

 

児童ポルノ摘発ーというニュース この容疑で三人の男性が取り調べを受けている

彼らはどういう人物であったか

この事件を担当する検事の日常 家庭生活も描かれる

検事は不登校の息子を抱えー妻の浮気も疑うようになっている

そして遂には暴発したようなのだがー

 

 

簡単に多様性の時代とか言われる

口にする

まともじゃない

まともな生き方

社会 常識

 

解説は臨床心理士の東畑開人さん

 

映画化されております

説明するには中々ややこしい作品ゆえ どう映画化しているのかなー

などと思います


高田郁著「契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻 上」 〈ハルキ文庫〉

2023-09-18 21:23:49 | 本と雑誌

 

完結した「あきない世傳 金と銀」の登場人物についての短編集

「第一話 風を抱く」

大坂から飛び出し江戸に出た惣次が 婿養子にと望まれ両替商になったいきさつが描かれる

五鈴屋の主人となりながらー妻の幸の商才に嫉妬してしまい 遂には店を離れた惣次

井筒屋として 再び幸の前に姿を見せるまでの日々

 

「第二話 はた結び」

五鈴屋の支配人の佐助にはいまも心に抱く面影がある

その娘に似た面差しの娘に出逢う

娘はかの女性の妹だった

想い合いながら一歩踏み出せず 周囲もじれったく思っていて

 

「第三話 百代の過客」

老いて目も見えにくくなり 行く先のことを思うようになる竹

大坂に戻る頃なのか

 

そして若い大七も進む道について悩んでいた

本当に自分がしたいこと

 

「第四話 契り橋」

大川に橋をかける 

ここに橋ができれば便利だろう

橋がかかるのを見たいと 五鈴屋の主人の幸も思う

腎輔は7歳上の幸を 子供の頃からずっと大切な存在として想い続けてきた

主従ではなく夫婦として生きたい・・・・・

 

本編では中途だった幸と腎輔の互いを大切に思う気持ちの その先が描かれた

 

表紙イラストからの栞もついています