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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

中村文則著「カード師」 〈朝日文庫〉

2023-09-18 12:34:43 | 本と雑誌

 

 

登場人物は それぞれの理由で不幸な生い立ちであった人間が多い

 

主人公の男性は 占い師やカジノのディーラーもこなす

ま あまりまっとうな生業ではないが

危ない仕事も引き受けなくてはいけない立場らしい

そこで占い師として ある人物に近づかなくてはならなくなる

 

相手は当たらなかった占い師の命を奪ったこともあるらしい人物

主人公のカード師は・・・実は占い・・・未来が視〈み〉える力などない

与えられた仕事として この危ない大物・佐藤に認められなくてはならない

仕事で関係ある謎の女・英子

ディーラーする店で顔見知りな人々

主人公に占ってもらいに現れる客たち

危険なカジノでのゲーム

 

主人公は生き残ることができるのか

手記の形で魔女裁判で迫害され火刑に処せられる様子 錬金術師のこと

他にも神話 

タロットカードについて

オウム真理教

阪神大震災

世界中に多くの死者をもたらし大迷惑をかけ多大なる被害を与えたーコロナと呼ばれるようになった中国の!武漢発の謎伝染病

物語の中に色々ちりばめられる

 

内面に闇も抱える主人公だが 自分が育った施設にある善行を申しいれる

ここでは読んでいて ほっとさせられるかも

 

著者自身による 文庫解説にかえてー「カード師について」で 本作に触れた言葉があります

 

 


中山七里著「隣はシリアルキラー」 〈集英社文庫〉

2023-09-16 23:37:13 | 本と雑誌

 

 

工場の寮で暮らす神足〈こうたり〉は深夜 隣室からのただならぬ音に目覚める

寮の壁は薄い

大きなシャワーの音

それから何かを解体するような気味悪い音

隣は中国人が住んでいる

一体何をしているのか

音からの想像・・・・・

ひどく不気味なことを思う神足

 

そして・・・女性の体の一部が見つかるニュースも

夜遅く外出する隣人を尾行した神足は・・・彼が遺体の一部を捨てたことを確認

 

捜査で話を聞きにきた刑事の宮藤に 隣人の怪しさを話すも信じてはもらえない

それでも公衆電話から警察に自分が知ることを通報もするのだが・・・

 

神足には警察と余り関わりたくない事情があった

かつて服役し 出所後 前科があることから就職できず ついに似た年恰好のホームレスから その戸籍・・・名前を買ったのだ

前科者で使っているのは他人の名前

 

それでも好意持つ女性を守りたい・・・

自分によくしてくれる矢口の力も借りるのだが

個人の限界を感じ 警察に自分が知ることを伝える

本物の神足は死んで発見されていた

衰弱して死んだのだ

 

神足の隣室へついに入る警察

彼らが見たものは 今まで発見されなかった残りの遺体・・・

隣人は行方不明

 

神足が大切に思う女性からの電話「助けて」

警察と共に 神足は必死

女性は無事だったが 女性を追いかけたという中国人は・・・階段から落ちて瀕死

連続殺人事件は解決したかに見えたが・・・

神足は気づいてしまった

彼女は嘘をついている

真犯人は 連続女性殺しは・・・あるコンプレックス抱く彼女だった

日本に来て言葉も分からない頃 親切にしてくれた彼女をー

彼女が殺した死体を解体することで 彼女を守ろうとしていた中国人

神足は中国人が彼女を殺そうとしていると思い 彼から守ろうとし

中国人は彼女の罪が暴かれるのを防ごうとしていた

 

解説は 宇田川拓也さん


今野敏著「暮鐘」 〈ハルキ文庫〉

2023-09-16 08:44:17 | 本と雑誌

 

 

 

テレビドラマ化された安積班シリーズの短編集

一話一話が短いのでキリよく読みやすい

安積班の刑事たちや 彼らを取り巻く人々の意外な一面が事件と共に描かれる

安積の大先輩の人間も登場

同期の速水も良い腕前をみせる

 

「公務」

働き方改革で残業を余りしないようにー改善された様子がないと注意を受ける安積だが・・・

そんなことをしていては市民の安全な生活が守れない・・・・・

かくして署長に直談判する安積

はたして?!

自分が優秀だと思っている〈その仕事の経験もない〉優秀な馬鹿どもに振り回されるのは誰だって大概にしたいものだ

登場人物の一人の言葉に全く同感です

 

「暮鐘」

表題作

事件が起きれば まず地域課 現場保存

そして駆け付けた機捜が目撃者や周囲の聞き込みにあたり

所轄の警察官

そして捜査一課の刑事たち

所轄の人間を下に見る捜査一課の佐治係長

安積は自分の部下の須田をバカにされては黙っていられない

須田はその優秀さを示してみせた

 

「別館」

シージャック もしくは人質にとられる そういう事件があるらしい

不確かな目撃情報が110番通報されたことから 海の上のことだが安積班も出張ることに

臨海班別館と呼ばれる水上安全課と協力し船に同乗させてもらう

いつもとは勝手が違うけれど これはこれで新鮮な物語

 

 

「確保」

安積にはソリの合わない相手もいる

しかしその相手にも自分の所属する場所を愛する気持ちはあるのだった

 

「大物」

若い桜井の指導は組んでいる村雨に任せている安積

桜井のことがよくわかっていなかったなと思う安積

 

「予断」

仕事が片付き安積班で歓談する場に鑑識の石倉も姿を見せて ちょっとした謎を示す

この問題が解けたのは安積

滅多にないこういう機会を愉しむ面々

 

「部長」

安積も新人時代に下についたこともある大牟礼部長

ずっと新人を指導してきた練れている人柄を味わえる

大牟礼から見れば 安積だってまだまだ青い・・・・ようだ

 

 

「防犯」

全ての事件が解決できるとは限らない

防げなかった事件にはもやもやが残る

 

ちょっとした気配り 各部署との連携で防げる事件もあるのかもしれない

 

「予告」

いついつこれを盗みますー犯行を予告され 盗まれてはならじといきりたち臨海署全体の問題だと集合がかけられた

 

盗みの対象のフィギュアを見ることができて嬉しい須田のお手柄も

 

「実戦」

不良の乱闘に駆け付けた安積班

黒木が鮮やかに騒動をおさめる

彼は剣道五段なのだそうだ

その腕前に 野村署長は試合に出るよう要望

だが黒木は試合と実戦は違うのだと話す

試合には出るがきっと負けるーとも

 

 

 

 


誉田哲也著「妖〈あやかし〉の掟」〈文春文庫〉

2023-09-15 17:43:50 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

 

 

日本古来の吸血鬼・・・もしくは血を飲む生き物

恐ろしく強く不死

ただ太陽には弱い

闇神〈やがみ〉として生きる紅鈴も もとは人間だった

いまは400年を超えている

紅鈴には血分けをした欣治がいる

二人はオンボロアパートで暮らしていたが ここも取り壊すとかで 新たな住まいが必要となる・・・

複数の男にぼこぼこにされている圭一を助けた紅鈴と欣治は 彼の家に同居することにした

圭一はわけありで死んだ親の負債を抱えており 支払いに苦労している

裏社会の手伝いでどうにか日々を終えている

やがて紅鈴と欣治の正体も知る圭一だが 彼らは3人 そこそこに楽しく平和な日々を送っていられた

けれど ある依頼が圭一を悩ませ追い込む

その仕事は紅鈴と欣治が簡単に片づけてくれたがー

 

紅鈴と欣治は 別の闇神の一族より掟破りをしたとして狙われていた

圭一を卑劣な人間から守った紅鈴と欣治だが 闇神一族の刺客の持つ闇神を殺すための武器により 欣治は命を落とす

彼らは死ぬと崩れ土になるのだ

どうにか刺客たちを斃した紅鈴だが・・・闇神と間違えられたか 圭一も死んだ

「べにすず お前と暮らせてたのしかった・・・・」

そんな言葉を最後に欣治も消えてしまった

 

たったひとりになってしまった紅鈴

仇を取ると決意し 敵となった闇神の一族の暮らす場所へと向かう

斃されていく闇神たち

その闇神の親玉!と紅鈴がめざした相手は・・・

紅鈴と瓜二つの容姿をしていた

藍雨・・・彼女の娘の紅雨もまた藍雨に生き写しであったと

紅鈴に血分けして闇神にした閣羅は 結果紅雨を見殺しにされたことが許せず 掟破りの村抜けをし

紅雨そっくりの娘を見つけ 血分けをした・・・・・それが紅鈴

閣羅は刺客の闇神と相討ちになり

 

藍雨は終わりを求めるように・・・紅鈴の持つ武器で絶命

消えていく

 

長く生き続けることは 決して幸せなことではなかったか

 

圭一も欣治も居ないけれど・・・紅鈴は生きていかなければならない

 

彼女はこれから どう生きていくのか

 

妖〈あやかし〉シリーズは これからも続く構想があると 大矢博子さんの解説にあります

 

 


今野敏〈こんの びん〉著「機捜235」 〈光文社文庫〉

2023-09-14 14:19:11 | 本と雑誌

 

 

 

事件が起きると初動捜査に携わる部署 

普段は覆面パトカーで巡回する

 

〈沢口靖子主演の2時間ドラマ「警視庁機動捜査隊216」シリーズでもなじみ深い部署だ〉

 

高丸は乗っている梅原が勤務中に負傷し休んでいる間に新しい相手と組むことになる

たいてい若い人間が来るのだが 異例なことにベテランの縞長と組むことになる

機捜としては先輩だからと年下の高丸に敬語を使う縞長に最初はやりにくさを覚える高丸だがー

 

かつて見当たり捜査班にもいた縞長には一度覚えた人間の顔は忘れないという特技があり 相手がどれほど変装したり顔をいじっていても見分けることができた

しかも柔道三段 合気道五段

 

さえない見かけとは逆に優れたものも持っている

この縞長の事件への取り組み方を見るうちに 与えられた部分の仕事・役割をこなしてきた高丸は 自身もその考え方が変わってくる

 

高丸の言葉が失っていた自信と誇りを縞長に取り戻させることも

中々良いコンビになっていく

解説は文芸評論家の西上心太さん


若竹七海著「殺人鬼がもう一人」 〈光文社文庫〉

2023-09-13 13:53:36 | 本と雑誌

 

 

著者が創り上げた架空の町に住む人々は・・・アクが強いというか 実に個性豊か

「ゴブリンシャークの目」

辛夷ヶ丘署生活安全課には恐るべき女性がいる

身長175センチ これに7センチから10センチのヒールある靴をお履きになるので

たいていの男性は見下ろされてしまう

舌先三寸 働く悪知恵

相手の弱みはとことん利用

邪魔な奴は抹殺

しかし信じられないのは彼女ばかりではない

事件をこさえたり無かったことにしたりーと自由な署の気風

 

火炎瓶投げつけ放火事件で人も死んだ

高額ひったくり事件も

利益をふんだくれる側に寄り添う砂井三琴

 

「丘の上の死神」

市長選をめぐる騒動あり

当選確実な女性候補の夫が死ぬ

現市長を推す砂井の上司は これを女性候補の夫殺しに仕立てろーとの無理難題

自分のことをバカ大女 不倫が原因で飛ばされたーなどと噂流すこの上司を砂井は許さず 体よく追い出す

幽霊を見たーという話から 女性候補の夫の死の真相も見抜く

けれどこうした情報は 自分に利益あるようにのみ使うのだ 砂井は

 

 

「黒い袖」

その砂井が出席する披露宴の主役の花嫁の姉は 可愛い妹の披露宴が無事に終わるように力を尽くしていた

その邪魔になる厄介ごとは片づけるのみ

彼女が妹のためにしたことはー

 

 

「きれいごとじゃない」

ハウスクリーニングサービス 清掃会社の社長の娘はよく働く

砂井が捜査に協力をと言ってきて 砂井を「新人です」と顧客にも紹介していたが

砂井の言動に不穏なものを感じる

この働き者の社長の娘も決して足元が明るい人間ではないゆえに

 

「葬儀の裏で」

姉の六花の葬儀 六花の孫息子は自分を跡継ぎにしろーとサクラに迫る

けれどサクラは これまで本家を守ってきた人間

一致団結する一族の・・・・・

 

「殺人鬼がもう一人」

連続殺人鬼と疑われ・・・ついには寝たきりになった弟

治療代を稼ぐために・・・ある仕事を始めたその姉

 

ある仕事で訪れた家では 標的は既に殺されていた

 

それは弟が犯人と疑われた連続殺人事件と同じ手口

この連続殺人の真犯人とは・・・・・

そして砂井がやってくる

ホラーより恐ろしい最悪・最凶の女が

 

 

 

解説はミステリー評論家の千街晶之さん

 

 


マイクル・コナーズ著「ダーク・アワーズ」上・下 〈講談社文庫〉

2023-09-11 17:16:10 | 本と雑誌

 

 

 

 

二人組のレイプ犯を追う深夜勤務のレネイ・バラード

彼女は警官が黒人を死なせたことから起きた暴動により・・・それが警官たちへ与えた影響・・・・

 

それでも彼女は事件を追う

同時に殺人事件も担当し 旧知の元刑事ハリー・ボッシュにも協力を仰ぐ

きちんと犯人をあげること

真摯に捜査すること

警察官としての自分の仕事をまっとうする

そんな当たり前のことが・・・させてもらえない

 

レイプ犯を捕らえるために 辞職も決意し 犯人たちと対決するバラード

 

ネットを利用しての・・・卑劣なケダモノたち

 

どう展開するのか 次作ではバラードの立場はどうなっているのか

市警本部長は バラードに復職するように言っておりますが

 

訳者あとがきは 古沢嘉通さん


マイクル・コナリー著「潔白の法則」上・下 〈講談社文庫〉

2023-09-10 10:29:40 | 本と雑誌

 

 

 

映画化もされた「リンカーン弁護士」ミッキー・ハラー シリーズその第六弾

自身が乗る車のトランクから死体が発見されて・・・殺人容疑をかけられてしまったハラー弁護士

この危機に異母兄のハリー・ボッシュ 元妻たち ハラーの事務所のパートナー他 仕事仲間たちも協力

一致団結して真相を求めますが・・・検察局側・・・

特に検察官のダナ・バーグは ハラーが犯人に間違いないと思い込み 自分のつくった妄想から覚めません

身柄を拘束されながらも反撃の糸口を探るハラーですが 収容された場所などで命を狙われ襲撃されます

 

陰にはFBIが捜査中の大きな事件も絡んでおり・・・・・

 

ハラーは無実を証明できるのか

 

ハラーの娘ヘイリーの父親へ寄せる信頼

 

更にこの物語はどうやら 例の世界中に迷惑と大きな被害を与えた 中国武漢発謎伝染病が始まった頃を時期としているらしく

〈なぜこの病気をコロナなどと呼ぶのでしょうね

中国大迷惑熱病でもいいのに いっそ中国熱でもいい〉

 

ハラーに面会に来た人物がマスクをしていたり

スーパーの商品不足 人々が買いこむ様子なども描かれています

 

訳者あとがきは古沢嘉通さん

作品内容やマイクル・コナリー著の作品の数々を 詳しく書いていて下さり シリーズ物の流れもつかみやすいです

これから翻訳予定や現在書かれている作品情報も嬉しいです


東野圭吾著「クスノキの番人」 〈実業之日本社文庫

2023-09-09 16:50:59 | 本と雑誌

 

母の死後 祖母に育てられたが職場に恵まれず・・・・・

経営者が客を騙しての商売・・・それを客に教えたことから 職場をクビになり生活がたちゆかなくなり

かつての職場に盗みに入り 逮捕された玲斗

現れた弁護士の出した条件をのむと 釈放され 弁護士費用を出してくれた人間と対面

柳澤千舟は玲斗の母親の腹違いの姉だと言う

玲斗が警察に捕まる前に電話した祖母から連絡を受けたと

 

そしてクスノキの番人をするように言った

 

夜・・・・クスノキを訪れる客

その案内もしなくてはならない

 

クスノキで客は何をしているのか

それも謎だ・・・・・

父の行動について案じる娘がいて 父がクスノキで何をしているか知りたいと玲斗に言うが それは許されないこと

しかしー

千舟はどうして玲斗にこの仕事を与えたのか

その千舟は会社から追われようとしていた

 

千舟が居なければ服役し 刑務所で更におちていったかもしれない青年は

クスノキの番人としての仕事を日々こなすうち 元来の優れた資質も見せるようになる

 

そして千舟には異母妹に言われるままに縁を切ってしまったことへの悔恨もあった

父が再婚した時にきちんと一つの家族になれていたら

一緒には暮らせないまでも 姉妹としての時間を持てていたら

 

クスノキを訪れる人々の抱えるそれぞれの想い

クスノキが持つ不思議な力

 

今は此の世にない人が遺していった思い 念

それが受け取れる場所

それが遺せる場所

奇跡を見せてくれるところがあって・・・そこを守る番人の成長物語

この玲斗という青年

なかなか懐の深い人間に育ってくれそうです


田村由美作「ミステリと言う勿れ」13巻 フラワーコミックス 小学館

2023-09-07 20:11:20 | 本と雑誌

 

 

久能整〈くのう ととのう〉クンと巡査の風呂光聖子〈ふろみつ せいこ〉が富山県で遭遇した事件の関係者が殺された・・・・・

旅めしのライター望月湊〈もちづき みなと〉

その容疑者として望月の相棒のカメラマン蕪木真夏〈かぶらき まなつ〉が浮かぶが 彼は行方不明になる

 

そして何故か整の前に現れー彼が自分たちを脅迫したantではないかと言い出す

antとは何者か

いかなる動機で 望月と蕪木が殺人者でもあると知ったのか

湊を殺したのは誰なのか

 

整は気づいてしまった

他人がいると眠れない自分が熟睡してしまった理由・・・・・

報復は正しいか

それでも殺さずにはいられなかったか

 

本誌フラワーズでは 池本刑事が妻の実家へ向かう途中 トンネルの事故で閉じ込められます

同じ閉じ込められた人々の中には どうやら犯罪者も混じっているらしく

気になる次号ーといった展開です


池井戸潤著「ハヤブサ消防団」 〈集英社〉

2023-09-07 10:06:23 | 本と雑誌

 

 

 

 

本の帯の内容紹介から

ー連続放火事件に隠されたー真実

東京での暮らしに見切りをつけ 亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎

地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は 消防団に勧誘される

迷った末に入団を決意した太郎だったが やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知るー

 

ドラマ化もされて2023年7月期木曜よる9時より 中村倫也さん主演で放送

 

勿論登場人物や物語の展開など ドラマが異なる部分もあります

まだ放送中のドラマが どういう終わり方をするのかはわかりません

 

小説では

病死した父親の生家を訪ねた太郎は その頃仕事に行き詰っていたこともあり 周囲の風景に癒され 自分の居場所はここだと感じて 東京のマンションを引き払い移住を決意

自治会 消防団での仕事

神社 お寺 祭り 当番に役に 一つ一つ教えられこなしていく

知り合いもどんどん増える

けれど この地区で続く火事は どうやら放火によるものらしく

また犯人かと噂された人物が死体で見つかる

そして謎の新興宗教の影に 怪しい男の存在も浮かび・・・・・

ハヤブサ地区に数年前移住してきた女性は 過去に新興宗教に入信していたことがわかる

 

太郎担当の編集の中山田は その女性に気を付けるように話すも・・・・・

 

寺の住職とハヤブサ地区との因縁

新興宗教に深く関係し 病死した女性

新興宗教の団体がハヤブサ地区に拘った理由が明かされる

 

ドラマが面白くて・・・・・それで原作はどうなのだろうと書店で見つけて手に取った一冊です

ドラマはどのような終わり方をするのか とても気になっています

 


月刊フラワーズ10月号」

2023-09-05 19:51:50 | 本と雑誌

 

「ミステリと言う勿れ」この映画化記念で原作者の田村由美さんと 映画主演の菅田将暉さんとの対談も

その対談小冊子の表紙の菅田将暉さんが この10月号の整〈ととのう〉クンと全く同じポーズです

この遊び心よ

 

他にも同じ漫画家の萩尾望都さんと田村由美さんの濃い内容の対談記事も

 

「ミステリと言う勿れ」広島編は9月15日映画公開だそうです

 


司馬遼太郎著「覇王の家」〈上・下巻〉新潮文庫

2023-09-02 22:23:18 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

 

徳川家康の死までを淡々と描いた作品

NHK大河ドラマ「どうする家康」とは随分と人物の描かれ方も異なる

家康 秀吉

天下はどう流れていったのか

何が家康を天下人にしたのだろうか

英雄物語ではありません

ようわからん

敢えて言うなら鵺のような・・・人間性か

徳川家康

不思議な個性の人間であったような

人質時代を経験し 本心を見せぬ・・・これが保身でもあったのか

処世術・・・だろうか


佐々木譲〈ささき じょう〉著「図書館の子」 〈光文社文庫〉

2023-08-24 12:50:48 | 本と雑誌

 

 

時空を超えた人間が登場するのが共通要素

「遭難者」

医師の児島は病院から光を見た

その後病院へ運ばれてきたのは川で発見された男性

意識が戻った男は記憶を喪っている・・・と話す

昭和12年7月のことだ

警察はこの身元不明の男がスパイではないかと疑う

ピアノ演奏できることは思い出した男は 児島の紹介で仕事を得る

児島のことを恩に思っている男は それから数年後 児島に奇妙なことを告げる

だが 児島はその言葉に従わなかった

さらにさらに時間が経って 児島はこの男の臨終に居合わせ

男について ある推測をする

 

彼は これから起きることを知っていた

この国の歴史を

 

「地下廃駅」

少年らしい防空壕への探検

しかし・・・彼らは何故か時を超えてしまい 主人公は友を見捨て 自分だけ元の世界に戻ったがー

主人公はろくな生き方をせず 当然の報いも受けた いわば「人間の屑」としての人生だが 主人公はそこに見捨ててきた友からの報復行為もあったのではないかと考えるようになる

どうにかして「友」はこちらの世界に戻ってきてはいないかと

 

 

 

「図書館の子」

吹雪で母が迎えに来られず 取り残された図書館でたった一人で夜を過ごすことになったクルミ少年

そこに現れた見知らぬ男は「大クルミ」だと名乗る

この男のおかげで 寒い思いもせず夜を過ごせたクルミ

けれど目覚めると男の姿は無かった

 

この夜の吹雪で外では凍死した人も多く 図書館の近くにも身元不明の男の死体があった

 

服役し 恩赦で釈放された「クルミ」と呼ばれる男

彼は確かめる 今日がいつなのか

彼には行かねばならぬ場所があった

どうにかして あの場所へ

子供だった自分を救いに・・・・・

そのあと どうなるかもわかっているけれど

 

 

「錬金術師の卵」

500年先に送られた男

本当に500年後に出現するだろうか

そんな言い伝えを持つ「卵」の前で待つ人々があった

しかし「卵」はもう一つあり

 

そちらで謎の殺人事件が起きたという

錬金術師は本当に力を持っていたのだろうか

それとも?!

 

 

「追奏ホテル」

過去の一日に戻れる部屋があるという

旅行に同行した女はその部屋へ宿泊したいと願う

過去・・・・・

ただこの部屋のことを話してはいけなかった

 

夜 部屋に戻らなかった女を置いて 帰国した男

行方不明のままの女について刑事から訊かれ 男はあの部屋のことを話してしまった

 

これは罰か 男は過去のあの部屋に戻る

そこで聞かされる 女の死体が発見されたと

 

 

「傷心列車」

先に行ってくれ 必ず追いつくからー男は言った

女は言われるままに汽車に乗り 男を待とうとする

義理の父には金をせびられ 義理の父の借金ののカタに身を売るよう強要され

そんな薄幸な人生

助けてくれた男に見出した光

でも男の素性にはある種の疑いもあった

男の知り合いでもある人物から女は意外なことを教えられる

 

彼らがしようとしていたこと

女に再び会うために男がどうしたか

 

そして男は待っていた 待ってくれていた

 

解説は書評家の杉江松恋さん

 

読む前のネタバレもいやなので かなりぼかして書いています


京極夏彦著「虚実妖怪百物語 序 破 急」〈角川文庫〉

2023-08-02 09:16:06 | 本と雑誌

 

最初の言葉が

―この物語はフィくションだと思います

フィクションなので登場する人物名・団体名などは実在のものとは関係ないものと思われるのですが とてもよく似た実在の人物がいらっしゃるようですので

強く言われると自信がありません

でもきっと フィクションなので関係ありません

関係ないことにしておいてくださいー

 

という とてもふざけたもの

 

物語の中には実在の方々の名前が多く登場

著者も登場する

そしてとんでもない展開をして とんでもない終わり方をする

書きも書いたりーというか 

著者の広い交友関係あって許されたか

 

それにしても読んでいて長かった

決して読了できないのじゃないかと思うほどに

最後の頁を迎えて

ああ やっと読み終わる・・・・・そう思った・笑

 

妖怪が許されない社会となり 妖怪モノを書く作家 描く人間 編集に携わる人間も迫害される

しかしそこでへこたれない妖怪馬鹿どもは こういう社会にさせてしまった元凶を排除すべく立ち上がる

しかるにその戦い方たるや・・・

妖怪 怪獣 アニメのキャラ 怪談から 様々なものたちが出現する

解決策は みんなで底なしの馬鹿になること・・・・・

妖怪とは この世に必要な存在なのか

 

たぶん愛を込めて描かれた物語

 

全1388頁 肩こり覚悟でお読み下さい