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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

堂場瞬一著「不可能な過去」 〈ハルキ文庫〉

2024-02-20 18:58:01 | 本と雑誌

 

裁判で無罪となった人間から届いた手紙には「あの事件の犯人は自分だ」という内容

当時 取り調べに当たった刑事から話を聞いた警視庁追跡捜査係の沖田は調査を始める

だが この十年前の殺人事件で容疑者となった人物は既に死亡している

では誰が手紙を出したのか

 

一方沖田と同期の西川は 神奈川県警で追跡調査係のノウハウを教えることに

そこでモデルケースとして4年前の未解決事件を調査するが

 

やがて沖田が追う事件にも西川が追う事件にも 同じ人物が関わっていることがわかる

 

そして新たな殺人事件

邪悪で卑劣な人間により容疑者に仕立てられてしまった人物

容疑者となった人物には世間ばかりか家族も冷たかった

 

 

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新川帆立著「先祖探偵」 〈ハルキ文庫〉

2024-02-18 19:19:31 | 本と雑誌

 

 

全部忘れなさいーと言って・・・母はいなくなった

本当に自分の名前も忘れてしまった

世話してくれた人間がつけてくれた名前で生きてきた

邑楽風子〈おうら ふうこ〉という人間として・・・

彼女は依頼人の先祖探しを仕事とする探偵

「幽霊戸籍と町おこし」

「棄児戸籍と夏休みの宿題」

「焼失戸籍とご先祖様の霊」

「無戸籍と厄介な依頼人」

「棄民戸籍とバナナの揚げ物」

他人の戸籍で就職の為になりすまそうとする人間

火事や災害で戸籍が無くなる・・・・確認できない

そして様々な事情で 国の勝手で 日本戸籍を失ってしまった人間

 

戸籍ない母親は娘に戸籍を与えるために・・・・娘を手放した・・・

 

最初 本のタイトル見た時に これってご先祖様の霊の導きで事件を解決するってな話かなって思ったら

ルーツ探しのほうでした

 

巻末に著者と辻堂ゆめさんとの対談あり

 

 

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誉田哲也著「オムニバス」 〈光文社文庫〉

2024-02-16 21:59:55 | 本と雑誌

 

「それが嫌なら無人島」

姫川玲子にとって天敵のような勝俣健作に呼び出され 釘をさされるが・・・・・

いわくつきの事件 そして容疑者らしい

容疑者さんは 殺していない・・・と言う

そして本当に 殺してはいなかった

 

「六法全書」

家から悪臭がするー

その家の住人が自殺

床下からは死体が見つかる

調べていくと・・・

 

姫川の観察力 着眼点 注意力

 

「正しいストーカー殺人」

ストーカー男を逆に殺してしまった・・・

が その女性はそこまで魅力的ではない

隠されていた真実は

 

「赤い靴」

死体となって発見された男性は小説を書いていた

唯一評価された小説の内容は・・・

娘を虐待する両親を殺して その娘と逃げるというような内容

それは本当にあったことであったのか

赤い靴はいてた女の子~♪

それではなくて 別の赤い靴ではないかと 姫川は言う

はいてしまえば踊り続けるしかない 脱ぐことができない赤い靴のような・・・・・

 

「青い腕」

暴力を受け続け虐待され続けてきた娘がいる

彼女を救おうとした青年がいる

ただ運命は優しくなかった

 

「根腐れ」

その愛情が自己満足にすぎず 受けた相手を壊すこともある・・・

母親について語る姫川

 

「それって読唇術?」

姫川が待ち合わせた相手との話

 

事件も姫川を取り巻く人間たちとの関係 距離感も面白い

 

解説は宇田川拓也さん

 

 

姫川玲子シリーズは 竹内結子さん主演でドラマ化されました

出演俳優さんも原作のイメージを壊さない適役ぶりで 小説は小説

ドラマはドラマとしてたのしく人気となりました

 

しかし竹内結子さんは故人となり

読みながら もしもドラマ化されるなら・・・姫川玲子は 他の刑事たちはどういう俳優さんがいいだろうと そうも思って読んでおりましたが・・・・・

どうしても読んでいると 竹内結子さんの姿が浮かびます

 

いまだ その死が惜しまれてなりません

 

 

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薬丸岳〈やくまる がく〉著「誓約」 〈幻冬舎文庫〉

2024-02-15 16:52:59 | 本と雑誌

 

 

やくざに追われて・・・過去 生きる為に自分の名前も顔も変えた男

それから職を得て妻子もできて日々平穏に過ごしてきた

しかし・・・過去からの手紙に さいなまれることとなる

 

私の命はもう長くない だから私の代わりに 私の娘を惨殺した男たちを殺してほしい

あいつらが刑務所から出てきたら・・・

 

その約束を果たせと手紙の主は書いてきていた

あの男たちが出てきた・・・・・

手紙の主は催促する

殺せと 

約束を違えたら 彼の娘に何が起きるか・・・・・

 

娘を護るためには 殺すしかないのか

しかし彼には殺せず 殺さなければいけない相手は殺されている

その凶器には彼の指紋があるのだと

隠してきた過去

自分を脅しているのは誰なのか 過去の自分の行動を振り返る彼

 

脅迫者との対決の場面 顔を見せたのは

実に意外な しかしよく知っている人物だった

 

彼は その人物を死なせるわけにはいかない

彼は全てを喪ってしまうのだろうか・・・・・

 

 

とても誠実な解説を書かれているのは 沢田史郎さん

書店員さんだそうです

著者の作品への理解と敬愛が感じられる文章を書いておられます

 

 

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柴田よしき著「あんとほうき星」 〈ハルキ文庫〉

2024-02-15 16:38:57 | 本と雑誌

 

安政5年・・・

日本では多くのことが起きた

それは庶民の暮らしにも不安をもたらす

それでも日々をしっかり大切に生きていくしかない

 

品川の旅籠「紅屋」の中で やすは料理人としての腕を磨きながら周囲の人々のことも心にかけている

やすが可愛がっているとめ吉がはしかになり 紅屋の人々も心配する

紅屋の若女将の妹も新しい生き方を見つけようとしている

様々な人々の数奇な運命

この巻では 徳川家定の死にも触れられている・・・

 

そう よしながふみ原作漫画「大奥」でも・・・描かれた時代とも重なっているのだ

「大奥」はどちらかと言えば武士側目線で描かれることも多いけれど

同じ時代でも こちらは市井の人々側から

おそらく次の巻では時代の大きな変化 波も描かれるのかもしれないと

勝手に思っている

 

 

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柴田よしき著「あんの信じるもの」〈ハルキ文庫〉

2024-02-14 19:52:41 | 本と雑誌

 

品川の旅籠「紅屋」で料理人として生きようとするやす

漢字ならば「安」 あんとも読めると教えてくれたお小夜は嫁ぎ 出産が近い

どういう理由か 紅屋へのいやがらせなのか やすが可愛がるとめ吉が味噌を買いに行って 知らぬ人間から体中に味噌をつけられた

犯人は誰なのか

またやすに料理を教えてくれている政さんの様子もどこかおかしい

 

日々の中で出会う人

また離れていく人

少しずつ少しずつ やすは成長していく

歴史上の実在人物も意外な形で登場したりします

 

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大倉崇裕著「冬華」 〈祥伝社文庫〉

2024-02-13 19:40:17 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

季節を冠したシリーズ三作目

便利屋として倉持と働き始めた深江が消えた

荷物は部屋にそのままにして

容易ならぬことが起きているのではと案じ 姿を捜し始めた倉持は 謎の男たちから脅されて・・・・・

 

かつては命も預けたことのある深江

その身に何が起きているのか

消えるまでの深江とのやりとりを思い出し わずかな手がかり求め動く倉持は儀藤と出会う

深江はある人間の遺骨を撒くために山に向かった

その深江の命を狙う一派がいるのだと

 

深江に恨み持つ熊本と名乗る男は猟師の植草を雇う

身動きとれなくなっているかもしれぬ深江の為に倉持も山へ

 

深江を狙う植草

雪の中 血の華を咲かせる羽目に陥るのはどちらか

 

 

 

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喜多みどり著「弁当屋さんのおもてなし 巡り逢う北の大地と爽やか子メロン」〈角川文庫〉

2024-02-13 19:30:37 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弁当屋さん「くま弁」の若夫婦 ユウと千草は旅に出た

旧知の将平を訪ねてのこと

伯父の民宿で働く将平は客の子供を気にしていた

料理をあまり食べていない

翌日 ユウと千草を案内すると張り切っていた将平の姿がない

捜すと彼は足を痛めていた

件の子供が宿を出ていて気にして追いかけたあげくのこと

子供が料理をあまり食べなかった理由

それからその土地ならではの料理

 

北海道を舞台に観光案内してもらっているような気分にもなれるシリーズです

著者も北海道出身とのこと

 

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土橋章宏著「身代わり忠臣蔵」 〈幻冬舎時代小説文庫〉

2024-02-12 19:35:11 | 本と雑誌

 

 

松の廊下で浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷に及び その咎で切腹

吉良にはおとがめなし

赤穂藩は城明け渡し お取り潰し

その後 様々な艱難辛苦を耐え乗り越えて 雪の日に無事に吉良邸へ討ち入り

上野介の首をとった・・・・・

その後 仇討ちに加わった赤穂義士たちは切腹

まあ これが伝わる「忠臣蔵」

やがて時代と共に絶対的悪役側であった吉良上野介は実は名君であった

浅野側の殿さんがちょっとおかしい人であったとか

色々な説が出てくる

この物語では・・・刃傷で受けた傷がもとで上野介は没し

その身代わりを弟さんが引き受けた さあそれから

山科での放蕩時代に大石内蔵助とこの身代わりさんが昵懇となり

なんて展開をする

ムロツヨシさん主演で映画化され2024年2月9日全国ロードショーと文庫本にも宣伝のカバーがかかっている

 

脚本にも著者の名があり 映画化にあたっての変更も著者が納得してのことだろうと思う

 

これからも色々な忠臣蔵を題材にして物語は描かれるのでしょう

もしもあの世があるのなら 赤穂浪士の方々は苦笑いしておられるかもしれません

 

 

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柴田よしき著「あんの明日 お勝手のあん」 〈ハルキ文庫〉

2024-02-10 21:06:17 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お勝手のあんシリーズ

そう「赤毛のアン」を思い出させるタイトルが見受けられる

ただこの時代小説のヒロインの名前は「あん」ではなくて 「やす」

著者は「赤毛のアン」が愛読書であったのかもしれない

アンの綴りは最後にEがついてなくてはイヤなのーと言った少女

その見事な赤毛ぶりに「にんじん にんじん」なんてからかってきた相手の頭に石板たたきつけたという少女

私は子供の頃 この「赤毛のアン」を繰り返し読んだものだ

高校生くらいになった頃 「赤毛のアン」に続編の物語があると知り 買い揃えて読んだ

それほどアンは人をひきつける少女だった・・・・・

では こちらの物語は

舞台は日本 父親に売られてしまった少女 やすは色々あって 現在は女料理人への道を歩んでいる

この巻では 互いに思いあうゆえに別れを選択するやすと一郎

身分違い 互いに生きる場所 道の違い

料理への工夫 初めて挑む食材の調理方法

大きく変化しようとする時代の中で やすがどう生きていくのか

少女から女性へ

その変化を見守るシリーズでもあります

 

 

著者は「RIKO」シリーズのハードな描写ぶりで かつて度肝を抜いた作家さんでもありました

他にもドラマ化された作品も多く

様々なジャンルの作品を書いてくれております

 

 

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知念実希人著「甦る殺人者 天久鷹央の事件カルテ」 〈実業之日本社文庫〉

2024-02-10 13:43:33 | 本と雑誌

 

 

殺人者は・・・女性を絞め殺す

彼は自分のDNAが現場に残っても気にしない

むしろ捜査する側が混乱するだけだと知っているから

 

天久鷹央が死亡を確認した人間が再び殺人を犯したかもしれないと 刑事が病院を訪れる

男は本当に死んでいたのか

その死は間違いなく確実なものなのかと

 

死から蘇られるという新興宗教にはまっていた男の母親

 

その宗教の教祖は病死 教団は解散

教団再生を企む教祖の息子

殺される被害者女性たちの共通点・・・・・

ある言葉が天久を真相へと導く

歪んだ思い 

犯人の生い立ち 

怪物などではない ただの殺人者

 

事件の中にも 落語のおち的笑いも盛り込み

シリーズは続いていくのです

 

 

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知念実希人著「悲恋のシンドローム 天久鷹央の推理カルテ」 〈実業之日本社文庫〉

2024-02-10 13:16:01 | 本と雑誌

 

実に7か月連続16冊刊行!という おっそろしい試みの中で書かれているシリーズです

天医会〈てんいかい〉総合病院の十階にある統括診断部外来診察室が この物語の語り手である小鳥遊優〈たかなし ゆう〉医師の職場

小鳥遊より年下だが上司になるのが・・・天久鷹央〈あめく たかお〉

ウエーブのかかった長い黒髪 ネコを髣髴とさせる顔のわりに大きな二重の目

小柄な体

一見すると高校生ぐらいにも見える童顔の27歳

謎を解くのが好きな方

小鳥遊はこの上司にいつも振り回されているのだが

プロローグで 小鳥遊は天久から「お前がこの事件を解決するんだ」と言われている

 

「迷い込んだ呪い」

自殺した恋人 彼の恨みが自分を呪っている・・と思い込んでいる女性は 呪いを解いてくれる人間に救いを求めようとするも・・・・・

交際相手ができて結婚が決まりそうになると体調がおかしくなる・・・・・

そうそう呪いなんて転がっていはいないのだけれど

 

 

「ゴミに眠る宝」

家族がいなくなってから がらくたを集め 住む家はゴミ屋敷化していった男

その男の家から消えた大学生

天久と小鳥遊がゴミ屋敷を訪れると・・・・

消えたはずの大学生は生きていた

被害者と加害者の逆転

 

「瞬間移動した女」

小鳥遊が同じ病院の看護師から受けた相談

それは友人の死の謎

殺人現場から海の中へ謎の移動をしていた友人の亡骸

いったい何があったのか

現場を訪れた天久が気づく様々な事柄

 

 

メインの登場人物以外にも 職場のお騒がせ女性や医師

警察関係者たち

個性豊かな常連が醸し出す雰囲気

受難で苦労多き小鳥遊

彼らの人間関係はこの先何かの変化があるのか どうなのか

 

 

 

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堂場瞬一著「陰からの一撃」 〈ハルキ文庫〉

2024-02-08 15:55:23 | 本と雑誌

 

 

警視庁追跡捜査係シリーズ第12作目

いまやベテラン刑事の沖田と西川

殺人犯として指名手配されたいた男が交通事故で死んだ

このことにまつわる怪文書が西川の自宅に入れられて 単身 西川は指定された

日時に向かうが・・・・

案じて離れた場所で見守っていた沖田の目前で 西川が襲われて倒れる

やがて襲撃犯はつかまるが 闇バイトを受けただけ

そこまで西川を恨んでいるのは誰なのか

かつて取り調べたことのある相手の名前を西川は言うが

その男との連絡をかつての事件の弁護士は直接にはさせず 会わせることを拒む

 

消えた高価なバイク

やがて浮かんだのは警察を去った男

いまや社長ではあるのだが 評判は良くない

 

直情径行 猪突猛進の気味のある沖田と 考える男である西川

ひょんなことから事件解明のてがかりをもたらしくれる大阪の刑事たち

 

作品の中で著者の他のシリーズの登場人物の名前や 彼らとの交流ぶりも描かれる

長く著者の作品を読んできた読者には そこも楽しく感じられるかもしれません

 

 

 

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誉田哲也著「もう、聞こえない」〈幻冬舎文庫〉

2023-11-29 17:19:52 | 本と雑誌

 

 

幼馴染の「みんみ」が殺されて・・・・社会人となった「ゆったん」は記者になり 未解決のこの事件の犯人を見つけようとしたが・・・・・

 

それから部屋に侵入した男をあやまって殺してしまった女性がいる

 

不本意ながら この女性を取り調べることになった刑事

正当防衛か殺人か・・・

女性ー雪実は「女の声が聞こえる」と言いだして

 

殺された「みんみ」

この事件を調べ始めた「ゆったん」寺田真由も殺されてしまった

真由のパソコンを引き継いで使うこととなった雪実

 

寺田真由の殺された体が埋められた場所も見つかった

その場所で雪実は真由の声が もう聞こえなくなったーと言ったけれど

 

電車に乗っている幽霊は福沢諭吉 なかなか紳士にして面白いお方のようです

あと事件が解決後の・・・雪実のたくましさ

幽霊に協力してもらって〈利用して〉 スクープものにしよう・・・などと企む

最後は明るく終わります

 

解説は編集者、ライターの瀬木広哉さん

 

事件を追って殺され幽霊になった寺田真由さんは こうも思います

ー人が隠そうとするものを、無理やり暴いて晒す。

私たち現代人はそのことを、無自覚のうちに「是」としているけれども、

まるで法律上も問題ないように考えているけれども、本当は、もっともっと重い罪として認識すべきなのではないか。

知ろうとすること、それ自体が罪。

そういう考え方もあるのではないかー

 

 

 

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真山仁〈まやま じん〉著「レインメーカー」〈幻冬舎文庫〉

2023-11-29 10:38:56 | 本と雑誌

 

 

妻が仕事で外国へ

その留守に幼い息子は急死

病院の医師は誠実に真摯に手当するも・・・病院へ来たのが遅すぎた

父親もその死に納得していたはずなのに

病院と医師が訴えられた

 

そこには様々な人間の思いが絡んでいて

 

政界にうってでようと言う野心溢れる目立ちたがりの女

孫の死も利用しようとする祖父

自分のいい加減な育児知識こそ孫を死にいたらしめたと自覚できていない祖母

留守にする妻からくれぐれもと言われたこと 書いてくれたものすら真剣に読んでいなかった夫

 

自分が書いた記事で取材協力者を自殺させてしまった過去ある記者

恩人である医師の不名誉をはらえなかった弁護士

 

解説は関口苑生さん

 

本作の冒頭近く 登場人物の一人である記者のこんな言葉があります

ーやがて記者は、正義の代弁者だと考えるようになった。

浮かれていたとも言える。

その驕りが吹き飛んだ。

表に出ていない不正を暴くことは、正義の証明だが、それによって新たな悲劇を生むこともあるー。

その覚悟を自分は持っていなかった。

中略

ーあれから、十年以上経つが、未だに正義の意味も、報道の意義も分からないまま、

今起きていることだけを、ひたすらに追い続けているー

 

 

 

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