ひばり

2007-02-13 | Play
体調がすっきりしない日々が続いている。
休日に自室に籠るのは楽なことだが、精神的にはさらに滅入ってしまうだろう。

シアターコクーンにて、蜷川幸雄演出、松たか子主演の舞台「ひばり」を観る。
正方形に作られたステージ。
法廷の場面に回想シーンが織り込まれ、さながら劇中劇のように
出演者全員が三方を取り囲んで終始舞台を見つめている。
そして客席の灯りは消されることがほとんどなかった。
まるで観客までも陪審員であるかのように。
15世紀初頭のフランス、「ジャンヌ・ダルク」の物語。
哲学と宗教のエッセンスは理解するに容易くはなかったが、決して飽きさせることはない。
主演の松たか子は「男の服」を身にまとい、「声」を回想し、立ちはだかる障害と闘っていく。
2階最後列からは細かい表情までは見てとれないが、
髪を短くした彼女の凛とした姿、全身全霊のセリフ回しはやはり素晴らしかった。
休憩15分をはさんで、約3時間半の長い舞台だった。
松たか子。
もちろん彼女にまさるものは何もない。
彼女に、そして姿を見ることは叶わなかった蜷川氏にも惜しみない拍手を。



「ひばり」
2007.2.13(TUE)@Bunkamuraシアターコクーン
作:ジャン・アヌイ 翻訳:岩切正一郎 演出:蜷川幸雄
出演:松たか子、益岡徹、壌晴彦、磯部勉、橋本さとし、山崎一、小島聖、品川徹、他
(2階E列12番)