Someday

2011-06-19 | Music
初日にやや間延びして閉口したオープニングはカットされ
客電が落とされると同時にThe Hobo King Bandの演奏がスタートした。
ややかみて、3列前の頭一つ飛び出た長身の男性をうまく避ければ、全体がよく見える好位置。
元春の登場シーンは最高にカッコいい。
そして2日目にも関わらず元気。
今日の座席には少しライトが当たるせいか、あるいは自分が跳ね過ぎ、踊り過ぎのせいか、とても暑い。
数曲目ですでに背中に伝う汗を感じていた。
アルバム「VISITORS」からの楽曲…受験勉強や合格発表のことを思い出していた。
当時何度も繰り返し聴いていたから
久しぶりでも「Come Shining」も「Complication Shakedown」も完璧に歌える自分に拍手(笑)
そしてもしダンスにスタイルがあるとすれば、完全に「VISITORS TOUR」ライブ映像に影響を受けている。
ローディーによるスチールのセッティングで、佐橋くんの登場はわかっていたが
それでも登場の瞬間にはつい興奮してしまう。
まさか関東でもやるとは思っていなかった「共鳴野郎のテーマ」
以降、長田くんとのツインギターはなんて贅沢なステージなのだろう。
いろいろな楽曲で、自分の成長過程の思い出がフラッシュバックしていたが
「君を連れてゆく」だけは違った。
再生の歌、誓いの歌。
これは今の自分の歌だと感じていた。
大阪城ホールで山口洋と歌ったこの曲を、元春自身のみのセットで聴くのはいつ以来だろう。
あまりにも新鮮だ。
そして山口洋が「この曲を書いてくれてありがとう」と言っていたのが今更ながら心にしみる。
大好きな「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」
腕をぐるぐる回転させてギターを弾く元春がカッコいい。
「レインガール」間奏はkyOnさんによる最も美しい旋律の一つ。
「R&R Night」一大組曲のようなこの曲を、最初は静かに聴くのが好きだ。
そして後半の元春のシャウトに自然に拍手をしていた。
心に響くシャウトだった。
「Young Forever」こんなにカッコいい曲だったろうか。
「新しい航海」最も思い入れの深い楽曲の一つ。希望の匂いがする。
「Someday」昨夜と違って元春は動き回らずに、センターマイクでコメントをしていた(笑)
いつしかみんなの歌になった、と言ったあとに「ちょっと待って。でもやっぱり僕の歌だ」(笑)
「Someday」…今から28年前、この曲をMotoharu Radio Showで聴いたのが
元春との最初の出逢いだった。
それからずっと、元春の音楽と一緒に成長してきた。
どのアルバムがいつ発売で、その時何が起こり、自分がどこで何をして、何を感じていたのか
すべてが元春の音楽と結びついている。
そのことを想い、共に歌いながらいつしか泣いている自分がいた。
このツアーのことも、ずっと忘れないだろう。
あまりにも大きな喪失のあとにこうして訪れた日々のことも。

東北地方のファンから届いたメールは
「今日は思い切り楽しみたい」という内容だったことを紹介した元春。
大震災がなければ、今日は元春を盛大にお祝いする日だった。
そんな思いはやがて消え、今日ここで逢えたことに、ただ感謝。
「紙に書いてきた」という幾度か聞いてきた元春の最後のコメントに、また涙が溢れてきた。
元春、ありがとう。



佐野元春 & The Hobo King Band
30th Anniversary Tour Final
"ALL FLOWERS IN TIME" TOKYO
2011.6.19(SUN)@東京国際フォーラムホールA
佐野元春(Vo,G)
Dr.kyOn(Key)古田たかし(D)井上富雄(B)長田進(G)
山本拓夫(Sax)佐々木史郎(Tp)大井スパム洋輔(Per)
佐橋佳幸(G)
(1階13列45番)