今日、母のところに昨年他界した、千葉からの転送で尾鷲へ父宛の手紙が届いていた。
父は明治大学の夜学に通っていたことは知っていましたが
哲学研究会に所属していたとは知らなかった。
私が生まれたころは、母は順天堂大学の看護学校の夜学生(母24歳)
日中は準看護婦で大学病院で勤務。
父(24歳)は日中は仕事、
赤子の私は、日中ベビーシッターさんに預け
夜は父が世話してくれました。
私が子どもが授かり、里帰りをしたときに、
父がつけていた育児日誌がでてきました。
育児のことよりも、ノートの隅に書かれた、
父が書いた落書きに哲学的なメッセージを感じ
私の心に響き、父のある一面をみました。
もっとも夫婦揃って、社会人になって学生になり、
結婚したのだから
当時としては、かなり変わった夫婦だったのだろう。
それでも、父宛の手紙には
「藤井さんは、いつも地に足がついた議論をしていました。」と
書かれていました。
▲大好きだったゴダールの映画のポスター
話が飛びますが
高校時代の頃、私はゴダールやブニュエルの映画が好きで
映画の台詞を理解するために、哲学のさわりを読み、
理解した気でいましたが
今は、まったく覚えていません。
私には肌にはフィットにしなかったのかも
▲23歳の頃出会った本「タオの自然学」
これが今の仕事に結びついたのかも・・・。
当時、私は彫刻をやっており、サンフランシスコの自然科学博物館で
「自然界の有機的連動性」の研究をしたいと夢をみて、
留学支援制度のテストを受けていました。
タオの自然学の著者
フリッチョフ・カプラは
高エネルギー物理学者として、パリ大学、カリフォルニア大学、スタンフォード大学、
ロンドン大学などで研究のかたわら教鞭をとり、
『タオ自然学』が世界的ベストセラーになり、生き方じたいも転換した方です。
あとは、良寛の俳句が好き。
裏を見せ表を見せて散る紅葉
▲この俳句は、私が大好きな俳句のひとつ。
今の仕事を創めてから、特に好きになりました。
自分のものさしで良い、悪いという判断だけで反応せず、
全てを状況を受け入れる器を表現しているように観え
おおらかなスケールを感じます。
父もよく同じような内容を私に話していました。
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▲養老さんの本の中で一番影響を受けた本
この本はここ10年の中で、一番影響を受けました。
人間が生きていくうえで一番基本となる部分が書かれています。
時代と逆行しているようですが
自然界と人間界を行き来するには
「忍耐」「手入れ」「多様性」が大事。
コントロールと手入れの違いなどが
科学的な見識で書かれています。
私は結婚して一時、自給自足のような生活をしていたことがあり
この時期は本当にこの言葉の深さを肌で感じました。
あの時期は、本当にお金がなかったから
余計、自然の移り変わりに敏感でいれたのかも
意外と、お姑さんや、輪内地区の年配の女性方が
よく話している内容とかぶる部分があります。
私は千葉から嫁いだせいか
お年寄りの話に興味をソソラレルことがあります。
寺山修二「本を捨て、街へでろ」だったかな?そんな本がありましたが
まさに、それで昔の人の話は、理にかなったことがあります。
今の仕事もまさに
商品を育てるまで「忍耐」「手入れ」「多様性」の繰り返しです。
でもそれが当たり前だと思ったら、意外とシンプルなんですよね
▲今度、読みたい本。養老×宮崎駿(トトロの監督)の対談です。