「今日は少しは飛ぶのだが、バラバラとあちこち飛ぶので、うまくとれない。
それでも朝から30匹ぐらい捕った」 〈つねぞーさん〉
-13:00-
暑い!。久しぶりにいい天気だ。
「今日は飛ぶだろうと、期待して滝に来たけど、10時になっても飛ばず、12時になっても、1時になっても飛ばん。朝から20匹ほど飛んだだけだ、どうなっとるだのん?」と大久保さん。。
-14:00-
雨の予報が外れて、昼から天気になった。蒸し暑くなったので、鮎は飛ぶ気はあるのだが、今日の水は捕れない。網を出すと鮎が網を嫌ってどこかにいってしまうのだ。2、3匹捕ってはしばらく休んで又2、3匹の繰り返しで、晩までに十数匹捕れただけである。
昔はこのぐらい長い網で、バランスをとって持っていたはずだと、道敏君が新しく作った長い、どなが~い網を今日初めて使った。確かに長さのわりに持っていても楽だが、この網を使いこなすには【佐々木小次郎】並みの技がいる。名づけて『ものほし網』。
今日は・・、というより今は飛んでいない。昨日は午前中、狂ったように30分ほど飛んだ後はピタリと飛ばなくなったそうだ。その30分で一日分以上の鮎を捕ったそうである。何時飛ぶかわかれば、その時に滝に居ればいいのだが、それがまったく鮎しだいなので、全然顔も見せないのに一日滝に居るわけにもいかぬ、と普通はあきらめて引き揚げてしまう。
それでも・・とじっと我慢をして待ち続けた者に、時々女神が微笑む。『滝番』とはよく言ったものだ。
-11:00-
「昨日は3時ごろから500匹ぐらい捕った!」
と、得意げに言った〈コーチャ〉の鼻の穴が普段の倍くらいに広がっていたそうである。
それでは今日も暑くなりそうだし、間違いなく大漁に違いないと〈みっちゃ〉が勇んで出かけたのだが、水が悪くてあまり飛ばなかったそうだ、それでも晩までに何とか三角で100尾くらい捕ったとのこと。
水が出た。いつもと同じように、真夜中にけたたましいサイレンの音とともに、長楽の頭首工が放流したのだ。殆んどの人は、寝入り端をたたき起こされて頭にくるのだが、
中にはニタリとして
「明日は、どこまで水が出ているかなぁ・・。」
鮎が飛ぶかもしれんと、期待でワクワクとして眠れず、朝早くうす暗闇の中を滝に下りて行く・・・。ぶれない人間には滅多にお目にかかれないが、ぶれ過ぎている者はどこの地区にも一人ぐらいはいるものだ。
-6:50-
本日滝番。雨の予報だったのであきらめていたのだが、何とか昼ごろまでは持ちそうだと滝に出かけて行った。
今日も飛び始めたのは10時ごろだった。たまにしか飛ばないので少し引いて笠網を持っていたら、ドスンと何物かが網にぶっつかった、思わず網を返すと、でかい奴が網の中で跳ねていた。笠網は実にうまく出来ている、網を返して持っていると、魚が跳ねても中へ中へと移動して決して逃げることができないのだ。そうは言っても逃がさないように急いで活かしに入れて見ると、サツキマスだ!。鮎と比べて見ると大きさがよくわかる。やっぱり大物を捕ると気分がいい。
鮎の方は3時までねばって、3人で40尾ずつだったので全部で120尾くらいは捕った。ただ、型は最初の頃に比べると少し小さくなったような気がする。
明日は我が家の滝番だが、飛びそうもないな・・。
ピンコ釣りはまずまず釣れているようなので、鮎の群れが宮淵止まりで、
鮎滝まで上っていないのかも知れない。
笠網漁を東日新聞で紹介していただきました。
http://www.tonichi.net/news.php?mode=view&id=32371&categoryid=1
滝番が一巡した。
3時過ぎ、滝を見に行くと滝番の美彦さんと範三さんがしきりと網をあげていた。
「この前は5匹だったけど、今日はまずまずだよ。やっぱり明日は雨だなあ」
と美彦さん。
『ほい、今日は何匹捕っただん?』
もうそろそろ帰ろうかと、鮎を仕分けしていた〈ちかさん〉と〈えっちゃん〉に尋ねると
「さあ、とにかく沢山飛んだけど・・」
と、おおらかな答えがかえってきた。100匹以上は数を数えないらしい。
尤も、魚の鮮度が落ちてしまうので、ゆっくり数を数えている暇もないかも知れない。
今日滝に来たのは二軒なので、二つに分けてじゃんけんで自分の分を決めていた。
一つ150-200匹ぐらいはありそうなので、300-400匹が今日の漁獲ということになる。
今日も飛び始めたのは11時頃からだそうだが、明日雨が降れば滝番は休みだ。
自然を相手にするには忍耐が必要である。