滝番小屋

新城市出沢と鮎滝の近況を紹介、その他雑感を少々。

遠州森の太田川ダム

2009年02月16日 | 設楽ダム

2月14日、太田川ダムを視てきた。

 自宅から車を走らせること約2時間、引佐、浜北を通り天竜川を渡って周智郡森町の太田川ダムに着いた。途中、大洞院の石松の墓へ寄ってきたから正味1時間半ぐらいの距離だろう。

 8日に設楽町で開催された「設楽ダムの建設中止を求める会」の集会で、太田川ダムの紹介があった。

http://diamond.jp/series/inside/08_11_01_002

 必要性がほとんどないダムであること、岩盤が弱く崩落を止めるために無数のアンカーを打って工事をしたため完成までに20年近くかかったこと、堤体にクラックが入って補修をした、ダムの直下で起きている群発地震はダムの影響で岩盤破壊が起きている可能性がある?こと等々、・・まるで設楽ダムと同じではないか?、設楽ダムの10年後の姿ではないのか?、これは一度自分の目で見ておかないと・・。と出かけてきたのだ。

 貯水量1180万トンは大島ダムとほぼ同じ、事業費385億円は設楽ダムの5分の1といったところだ。だが建設までの流れは殆ど同じに見える。ただ決定的に違うのは、太田川は「かわせみ」で設楽は「ねこぎぎ」だ。(太田川ダムでは一メートル位はあるだろう巨大な「かわせみ」があちこちで出迎えてくれた。ダム湖は「かわせみ湖」メインの橋は「かわせみ橋」の名がついていた。設楽も、まさか「ねこぎぎ湖」はないだろうが、おそらく橋の一つくらいには「ねこぎぎ」の名がつき欄干にレプリカとなって「ねこぎぎ」が生き残るのだろう。)

 ダムは昨年の10月から試験湛水中で、現在の水位は約半分、貯水量は4分の一ぐらいといったところだ。ダムの本体は工事中で立入禁止になっていて近づくことは出来なかった。入口が柵で止めてあって横に「大成・大林・日本国土共同企業体」の看板があった。どうしても、岩盤をアンカーで補強したところが見たかったので、下流から回り込んで行った。車一台が漸く通れるだけの幅しかない道を渓谷に沿って10分ほど登って行くとダムの下に出た。見上げるとなるほど左岸はアンカーだらけだ。
「この道はもうすぐ、工事がすんだら閉鎖されるよ。ダムの管理用道路だから」
5人程でダムの放水路に管理用の橋を賭けているという親方らしい人が云った。
「御苦労さま。すごいね~、ゼニがあれば何でも出来るね~。」
遙かに聳えるダムを見上げると、思わず感嘆の声が出てしまった。
親方がニヤリとしてうなずいた。

 帰りがけ道脇の「巨大カワセミ」に聴いてみた。
「おい。住処が無くなって怒れるか?」
「フフン・・、怒ると云うより笑っちゃうよ。人間は学ぶということができん。」


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