(つづき)
吉岡さん
もう1つ。私の好きな言葉は、「日本国憲法を指針に」です
私は、次の世代に二度と戦争を体験させないと誓った第9条も好きですが、それ以外の条項にもすばらしい内容があるのです
憲法では、「第三章 国民の権利及び義務」の最初の部分で「基本的人権」を高らかにうたっています
「第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」
その具体的内容は何か?最初に出てくるのが第13条です
「第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
「公共の福祉に反しない限り」とは、他の人の権利をじゃましない限り、という意味です。無駄な大型公共事業をすすめるためではありません(笑い)。他の人の幸福追求も最大限尊重しながら、自身の幸福追求もまた、最大限尊重されなければならない、国はそのための政治をすすめなければならない…。すばらしい文章です
松本さん
「生命、自由及び幸福追求」…。「学力追求」なんて書いてありませんね(笑い)
吉岡さん
そのために国は何をしなければならないのか?第25条の生存権、第26条の教育条項が出てきます
「第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公共衛生の向上及び増進に努めなければならない」
「第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、 法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」
生存権の実現のために教育が必要だ、という位置づけなんですね。「能力に応じて」の「能力」も「学力」ではありません(笑い)。成長・発展・環境に応じ、全世代の国民が教育を受けることができる、ということです
松本さん
「教育は人間を豊かにする」ということですね。すると社会だって豊かになる
吉岡さん
だから、義務教育は無償だとわざわざ憲法の中で定めているのです。でも、実際は教育予算は貧困で、教材や副読本などお金がかかりますよね?給食費をめぐる議論もさかんですが、私は給食費負担を親にさせることもおかしいと思います。給食のおばさんや学校の栄養士さんいわく、「給食だって教育です」(渡辺さん:その通り!)。義務教育の段階で貧困世帯は苦しめられてしまっています
第27条には勤労の権利・義務が出てきます
「第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める……」
別の法律で定める、とされていますが、その法律が「労働基準法」です。なんと、この冒頭の部分にもう一度、第25条の「生存権」が出てくるのです
「第1条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない」
最低限度の生活を保障する賃金や労働条件が必要であって、そのために国も使用者も努力しなければならない(松本さん:これはすごい!)
日本国憲法の立場に立てば、今のひどい働かせ方も、教育のあり方も、その本来のあり方に違反してしまっていることが分かるし、もっと教育も労働環境も豊かで人間らしいものにできるはずなのです
「財源どうする?」と自民・公明の皆さんはいいます。憲法の立場に立てばちゃんと財源だって出てきます。例えば、自民・公明政権によって次々と大企業・財界むけに減税が行われ、10年前の制度のもとで税金を納めれば年間7兆円という規模になります。今、全国的にすすめられている米軍再編のためには私たちの税金3兆円をポーンと出す。自民・公明政権は国民主権というより、アメリカ主権・大企業主権ではないでしょうか?
日本共産党は、戦前からこうした日本国憲法の精神にたった主張をしてきました。国民主権、8時間労働制、労働三権の完全実施…。国民に権利があると主張すれば命を失いかねない時代、私たちの先輩が訴えた中身が憲法にも結実しています。私たちが、他の党と違って戦前から同じ名前で活動できているのにはこうした理由があるのです。私も、"日本共産党"という名に誇りを持っています
この党の候補者として、比例議席を増やすため、私自身も国政への挑戦を実らせるため、全力でがんばります
松本さん
「人々とともに」~ いい言葉ですね。僕は「今を生きる」という言葉が好きなのですが、吉岡さんなら、今を生きる多くの人々と成長しながらがんばれると思います。「美しい国」なんて安倍前首相は言っていたけど、僕はやさしくてあたたかい国こそつくってほしい。ぜひがんばって下さい
渡辺さん
子育てのことも真剣に考えていて、改めてすばらしい人だと思いました。ぜひ国会に送り出したい!期待しています
編集部
皆さん、今日はありがとうございました
(インタビュー終わり)