う… うーん
頭がズキズキするぜ。ここは… どこだっけ?
俺は何を…
そう、俺の名はよっぱ。 ある時はカメラマン、ある時はゴルファー そしてほとんどの時はサラリーマンの酔払いヲヤヂのふりをしながら活動している… だが、ここの所あんまり秘密に動きすぎて全く皆から忘れ去られた存在になっちまっていた(笑)
まぁ世間でいう所の秘密諜報員ってやつだ。
おいよっぱ、まずは冷静になれ。状況を把握しろ。
俺は自分に言い聞かせた。
この稼業を続けていると、こういう事も珍しくはない。
ふと目が覚めると全身をベルトや鎖で固定されていたり、目の前にサディスティックな笑みを浮かべたおっさんが、針を見せびらかしながら俺の目覚めを待ちわびて涎を垂らしていたり… ふかふかのベットの中で目が覚めたと思ったら横には血みどろの美女が永遠の眠りについていたり等々、何が起こるか分らないのがこの稼業の楽しい所でもある。
ただ、悪い事ばかり起こるとも限らない。いつぞやは、目が覚めると大勢の美女に囲まれていて、トロピカルドリンクなんか持ってくるしで、もうウハウハのデレデレ状態♪
おっと、今はそんな思い出話に浸っている場合ではないんだった。状況を把握しなくては…
まずは身体の状態だ。
服は脱がされて、手足は何かで縛られているようだが、骨折などのひどい怪我はないようだ。頭がちょっとズキズキするのは、殴られたあとがうずくのか、眠らされ薬の影響なのか?
部屋は暗く窓もない。だが、だんだん目が慣れてきて周りの状況が見えてきた。どうやら鉄格子の向こうに続く廊下の遠くの方に電球らしいオレンジっぽい灯りが揺れているようで人影が揺らめいている。
影の数は二つ。
後ろ手に両手の親指同士を縛られているのは、どうやらインシュロックのようだ。良く電線を束ねたりするのに使うナイロン製の結束バンドで、これがなかなか強くて厄介だ。
だが俺も秘密諜報員。こういう時のために訓練を積んでいる。肩の関節を外して手を前に回すことぐらいは朝飯前だ。 ん?朝飯前? そういえばやけに腹が減ったぜ。ま、そんなことは後回しだ。先ずは自由に動き回れるようにしなければ… まずは両手をグルンと回し、身体の前に持ってくる。ここまできたらあとはダイヤモンドを仕込んだスーパー糸切り歯で噛み切るだけだ。足の方も同じように噛み切り、鉄格子の部屋で取りあえずの身体の自由を手に入れた。
俺を縛りつけておくにはこのくらいの装備じゃ全然無理だ。綺麗なおね~ちゃんにちやほやさせておく方が断然効率が良いのに全くバカな奴らだぜ(笑)
さて状況把握その2だ。今は何日なんだろう?
俺の腹時計ではこの腹の減り方から行くとローズガーデンのアジトへ突入してから4日と6時間くらいか… という事は、あれが9月1日の午後だったから今は5日の夜中ということだ。訓練を積んだ俺たちは普通の薬なら9時間以内に絶対に目が覚める。普通の人間なら致死量となるくらいの薬で眠らせやがったな。それとも律儀に6~7時間おき位に薬を打ちに来ていやがるのか…
もしそうだとしたらそろそろ巡回にやってくる頃、目覚めたことに気付かれないようにしなければ…
この鉄格子は簡単にぶっ壊すという訳にもいかないようだ。俺はしばらく待つことにした。勝負は奴らが巡回に来た時だ。
小一時間が過ぎたころ、コツコツと足音が聞こえて、遠くに見えていた灯りが近付いてきている…
敵の数は… おっ、一人のようだ。よし。
(生きていれば続く…かも)
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しかも、囚われたまま次回へ!
なんか、「さいたま新都心」を思い出します(笑)
まさかこんな中途半端なところで終わっちゃうつもりじゃないでしょう?
僕の好きなダンディ2華麗な冒険やらバットマンTV版とか、なんだかもう毎回敵のアジトからの脱出シーンが出てきました。脱出パターンへのこだわりみたいなのを感じるくらい。
そしてそういうのにワクワクしてしまうのが、スパイ映画好きってもんです。
続き、楽しみにしていま~す。
ダイヤモンド仕込みの糸切り歯までいかなくても
丈夫な歯が欲しくなりますね^^
さいたま新都心… 3年近く放ったらかしのあれ…
覚えてました?
ばたり…
脱出方法へのこだわり…等々
ばたり
やさしいねぇ♪
中途半端なもので申し訳ありません。