なんとも悍ましいレイプ後のシーンから始まった話は、そのこと自体はたいした事ではなく思えるように展開していく。
後半から終盤は、(名前も含めて)ちょっと強引というか呆気ないというか… とも感じないこともないですが、一気に読めてしまいます。
どこかに本当にある(あった)ような気もするそんな話です。
面白かったです。
よろしかったら是非。
内容説明(公式サイトより)
『殺戮にいたる病』を凌ぐ驚愕作!
この家は悪魔に乗っ取られた。
恐怖、嫌悪、衝撃。
そこは地獄。初恋の女性を救い出せるのか。
女の毒が体内に入り、蝕まれていく――
簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。
作者紹介
我孫子武丸(あびこ・たけまる) 1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部哲学科中退。同大学推理小説研究会に所属。新本格推理の担い手の一人として、89年に『8の殺人』でデビュー。『殺戮にいたる病』等の重厚な作品から、『人形はこたつで推理する』などの軽妙な作品まで、多彩な作風で知られ、大ヒットゲーム「かまいたちの夜」シリーズの脚本も手がけている。近著に『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『監禁探偵』などがある。