読売新聞が参議院選を前に「視点参院選2022」と
銘打ったコラムを発表して、4回目の6月15日の朝刊。
4のタイトルは「憲法は機能しているか」
論者は関西学院大教授で憲法学者の井上武史氏。45歳
そしてそれは
「憲法は作られた状況や時代の下で、必要とされたことを
定めている。施行75年、日本国憲法は一度も改正されていない。
そういう憲法は世界中にほかに例がない」から始まり、
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの
安全と生存を保持しようと決意した」の憲法前文を取り上げて
「これは日本の安全を国際社会に、とりわけ国連に委ねるという
前提に基づく。だが、安全保障理事会の常任理事国である
ロシアが国際法に反してウクライナに攻め込み、核の脅威を
振りかざしている状況で、そうした前提はなお成立していると
いえるだろうか」と疑問を投げかける。つまり「そうではない
だろう」と仰りたいのだ。だから続けて「前提が変わったのなら
それに基づく9条の平和主義が今でも本当に通用するのかと
いうことを議論すべきだろう。これまでの9条論は、侵略戦争の
反省から、日本が再び他国に侵略しないことを念頭に展開されて
きた。今や『9条が対外的な侵略への歯止めになっているか』では
なく、『9条が日本の安全保障にとって足かせになっていないか
どうか』が問われるべきだ」
仰るとおりだが、教授の論調は日本の政界の、とりわけ自民党の
「危うさ」という暗部を踏まえたものではないような気がする。
「9条平和主義」を唱える野党はじめ平和主義者たちは、自民党
の「危うさ」に不安を感じて「9条平和主義」を手放せない一面
もあるのではないだろうか。
周知のように自民党には、「戦後レジュームからの脱却」
(ウイキペディア・戦後レジューム:第二次世界大戦での日本の
降伏後、GHQによる占領下で出来上がった日本国憲法を始めと
する憲法や法令、テレビや新聞などのマスコミ、経済や金融で
は通貨発行権や通貨管理権の所在を意味する言葉として使われ
ている)を唱える安倍元首相の周りに「反東京裁判史観」を唱え
る者や「太平洋戦争は日本の自衛のための戦争だった」「太平洋
戦争はアメリカが仕向けた戦争で、日本は悪くなかった」等々戦
前回帰を唱える者がウヨウヨしている。こういう連中がいるか
ら、野党はなおさら9条の歯止めが必要と頑迷に、その主張に
しがみつくのではないのだろうか。
例えばよく比較されるドイツ。
ドイツは戦後、50回以上の憲法改正を行ってきたと言われてい
る。なぜ、それができるのか?
一つには、日本のように政権党の中に、戦前回帰を求める極右
勢力がいないのとナチスによる凄惨な戦禍を残した反省を子供
の歴史教育の中でも「強制収容所跡をはじめとするさまざまな
記念館、歴史博物館、展示会の見学が校外学習プログラムとし
て授業に組み入れられています(web記事)」と徹底していたから
憲法改正を行えたのではないだろうか。
日本で憲法を改正するには、教授の論説のように議論を深め
同時に政権党から戦前回帰を求める勢力を一掃するか、再教
育することが求められる。
ただ日米同盟が強固である限り、その同盟のくびきによって
日本が戦前回帰の方向へ逸脱していくことはないとは思うが。
銘打ったコラムを発表して、4回目の6月15日の朝刊。
4のタイトルは「憲法は機能しているか」
論者は関西学院大教授で憲法学者の井上武史氏。45歳
そしてそれは
「憲法は作られた状況や時代の下で、必要とされたことを
定めている。施行75年、日本国憲法は一度も改正されていない。
そういう憲法は世界中にほかに例がない」から始まり、
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの
安全と生存を保持しようと決意した」の憲法前文を取り上げて
「これは日本の安全を国際社会に、とりわけ国連に委ねるという
前提に基づく。だが、安全保障理事会の常任理事国である
ロシアが国際法に反してウクライナに攻め込み、核の脅威を
振りかざしている状況で、そうした前提はなお成立していると
いえるだろうか」と疑問を投げかける。つまり「そうではない
だろう」と仰りたいのだ。だから続けて「前提が変わったのなら
それに基づく9条の平和主義が今でも本当に通用するのかと
いうことを議論すべきだろう。これまでの9条論は、侵略戦争の
反省から、日本が再び他国に侵略しないことを念頭に展開されて
きた。今や『9条が対外的な侵略への歯止めになっているか』では
なく、『9条が日本の安全保障にとって足かせになっていないか
どうか』が問われるべきだ」
仰るとおりだが、教授の論調は日本の政界の、とりわけ自民党の
「危うさ」という暗部を踏まえたものではないような気がする。
「9条平和主義」を唱える野党はじめ平和主義者たちは、自民党
の「危うさ」に不安を感じて「9条平和主義」を手放せない一面
もあるのではないだろうか。
周知のように自民党には、「戦後レジュームからの脱却」
(ウイキペディア・戦後レジューム:第二次世界大戦での日本の
降伏後、GHQによる占領下で出来上がった日本国憲法を始めと
する憲法や法令、テレビや新聞などのマスコミ、経済や金融で
は通貨発行権や通貨管理権の所在を意味する言葉として使われ
ている)を唱える安倍元首相の周りに「反東京裁判史観」を唱え
る者や「太平洋戦争は日本の自衛のための戦争だった」「太平洋
戦争はアメリカが仕向けた戦争で、日本は悪くなかった」等々戦
前回帰を唱える者がウヨウヨしている。こういう連中がいるか
ら、野党はなおさら9条の歯止めが必要と頑迷に、その主張に
しがみつくのではないのだろうか。
例えばよく比較されるドイツ。
ドイツは戦後、50回以上の憲法改正を行ってきたと言われてい
る。なぜ、それができるのか?
一つには、日本のように政権党の中に、戦前回帰を求める極右
勢力がいないのとナチスによる凄惨な戦禍を残した反省を子供
の歴史教育の中でも「強制収容所跡をはじめとするさまざまな
記念館、歴史博物館、展示会の見学が校外学習プログラムとし
て授業に組み入れられています(web記事)」と徹底していたから
憲法改正を行えたのではないだろうか。
日本で憲法を改正するには、教授の論説のように議論を深め
同時に政権党から戦前回帰を求める勢力を一掃するか、再教
育することが求められる。
ただ日米同盟が強固である限り、その同盟のくびきによって
日本が戦前回帰の方向へ逸脱していくことはないとは思うが。