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大傑作『THA BLUE HERB』

2019-07-06 04:00:23 | 読書・音楽

TBHの5枚目フルアルバムが発売された。HMVで予約して生産限定版(通常版2CD+インスト2CD)を発売日前日に入手した。

音楽にはズブの素人が的外れを承知でつたない語彙で書いてみる。ONOのトラックは、全体を通じて「シンプル」「生楽器っぽい」「サンプリングっぽい」「音が太い」「ブレイクビーツ」という印象。あえて言えば1枚目に近いか。もちろん、5枚目はもっと洗練されており、ONOさん自らが弾いていると思われるフレーズがすばらしい。onomonoでのテクノも好きだが、BOSSのラップには強いビートが合う。

BOSSのラップもぐっと若返った印象。昔からのファンとしてはファーストを彷彿とさせるような攻撃的なセリフも気持ちいい。もっとも、東京への怒りに似た怨嗟が1枚目ならば、今回は確固たる地位を築いた立場からバトルブームへの苦言か。「友の死」や「Mummy-D(!)」を歌った曲もあり、泣いちゃいそうになる。声色や歌い方を変えている曲もいい。改めて思うがBOSSは押韻がものすごく固い。言葉の選びと配列が極自然なので(良い意味で)聞き流してしまうが、めちゃくちゃ韻を踏んでいる。意味とライムの両立が常軌を逸している。単なる言葉遊び(ダジャレ)からはもっとも遠い。

過去のアルバムと比べ、今回は1枚目と並んで「ヒップホップ感」が強い。ちなみに、「2枚目>>1枚目>4枚目>>3枚目(←ようやく良さがわかりつつある)」の順で好んできた。2枚目全体の「上座部的世界観」はぶっ飛んでいる。5枚目は、個々の曲の性格はバラエティに富むものの、各トラックに通底する統一感からかやはり一つの世界(どんな?)を形成している。

作品自体ではないが、当面は配信をしないという自分たちの望む売り方を選んだのもかっこいい。

年齢をあがるにつれて初見(初聴?)の音楽に感動を覚える機会は減っていくのだろうが、がつんと殴られたような衝撃を受けた。大傑作。ブルーハーブにはいつも救われ、鼓舞されてきた。こんなアルバムに出会えて幸福だ。ぼくもがんばろう。

 

[特に好きな曲]

・介錯(disc1-4)

・AGED BEEF(1-5)

・HIGHER ON THE STONE(1-12)

・TWILIGHT(1-13)★★★ ※イントロから涙が出そうになる。天才のトラックと天才のリリック。超名曲「Candle Chant」に匹敵するかも。

・THE BEST IS YET TO COME(1-15)★

・TRAINIG DAYS(disc2-2)★ ※なんと「北の地下深く技磨くライマー」!

・阿吽(2-3)

・COLD CHILLIN'(2-6)

・LIKE THE DEAD END KIDS(2-9)

・LOSER AND STILL CHAMPION(2-12)

・MAKE IT LAST FOR...(2-14)

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