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北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

北欧アパレル「H&M]銀座にオープン

2008-09-13 | デンマーク最新
本日9月13日、銀座に
スウェーデンのファッションブランド「H&M(エイチ・アンド・エム)」が
オープンします。

「H&M」は、カジュアル衣料を低価格で提供するアパレルメーカーで
いわば、北欧版GAP。

最近ではスペインのZARAなども日本に進出していますが、
デザイン・テイストは、GAPよりもアダルトで、
ZARAよりもカジュアル、といったところでしょうか。
私もファンの一人であります。

「なぜ、日本に進出しないの?」とずっと思っていただけに、
ちょっと楽しみです。

とにかく安い! おしゃれ!
先日、テレビで紹介していましたが、
ディテールにかなり凝ったブラウスでも2,490円という安さ。
きっと日本人の心を、すぐに捉えてしまうでしょう。

「H&M」やZARAなどは、ファースト・フードになぞらえて
「ファースト・ファッション」と呼ばれており、
少ロットでパッとだして、売り切り、
また次ぎに別のものを少ロットでパッとだして、売り切り、、、、
という「少ロット早撃ち」とも言える戦略を取っているようです。

在庫リスクを減らしつつ、買い手には来店頻度を高めて、
「かぶるリスク」の減少をアピールできる効果が生まれるでしょうか?

Wikipedia によれば、、、

「H&M(エイチ・アンド・エム)」は、
正式にはへネス・アンド・モーリッツ(Hennes & Mauritz)と言いますが、
1947年に婦人服専門の「へネス(Hennes:彼女のもの)」としてスタート。
1968年にストックホルムの狩猟洋品店「(Mauritz Widforss)」を買収した際に、
「Hennes & Mauritz」としたのだそうです。

その際、在庫の中に紳士服が含まれていたため、紳士服も扱うようになり、
「H&M」という略称を正式ブランド名としたそうです。

ヨーロッパでは、キプロス、ラトビアを除く全EU加盟国、あるいは、
スイス、ノルウェーなどの非ひEU国、北米、中東、アジア(香港)に
30店舗を展開しており、社員数は6万8千人にもなるのだそうです。

デンマークのストロイエ(歩行者天国)にも数店がありますが、
レディース、メンズに加えて、鮮やかな色づかいの子供服が安くて、
品揃えもよく、魅力的でありました。

日本進出は、日本の一等地でということで、銀座でスタートしたようですが、
新宿、渋谷と順次開店するようです。


写真は、ストロイエからデンマークのデパート「イルムス」のあたりを撮った
クリスマス風景です。

コペンを自転車安全な町にしよう

2008-08-29 | デンマーク最新
ご覧のように、コペンハーゲンは自転車天国な町である。
(ということは、6月17日、18日にも書いたので、見てね)

車道と歩道のあいだに、「輪道」が設けられている。

しかし、この自転車、
右折する車やトラックに巻き込まれて事故にあうことが多い
のだそう。
ちなみに、デンマークは車・自転車は右側通行。

そこで、コペンハーゲン市では、
サイクリストにとって、もっと安全な町にしようと、
車は信号の5m手前で止まるよう、路上のマークを
変更すること計画しているそうである。

なんでも、市内には、117の交差点があるそうで、
このようにすることで、車からは、右折する自転車が
よく見えるようになるだろう、とのことなのである。

コペンハーゲンを、サイクリストにとって世界で最高の
町にするためには、政治的決断を待たなければならないわけだが、
その目的は、不幸な事故をとにかく半減することなのである。

別の方法としては、自転車専用信号を設けて先に「青」として、
右折車より先に自転車がいけるようにする案もあるとか。

いづれにせよ、コペンハーゲンの自転車は、
この写真にあるように、すごいスピードで輪道を駆け抜ける。

今でこそ、バスが止まっていて降りる人がいたらストップするが
その昔は
「バスから降りて、歩道にいくまでに、
 自転車にひき殺されないように気をつけて!」
と言われたものである。

そして、交差点で自転車と自動車がぶつかりそうになろうものなら、
ボンネットをどついて逃げ去るのが自転車であった。

サイクリストも、お上品になってきたのねええ。

とにかく、安全は大事でありまする。



デンマーク最大の洋上風車プラン国会通過

2008-08-28 | デンマーク最新
3日間、お休みしてしまいました。
休みグセがついてはいけないので、ここらできちんと。

この間に、北京オリンピックを偲ぶ、ではなく、
その関連の番組がたくさん放映され、
なかでも、日本女子ソフトボールの上野投手の足跡を
描いたものに感銘を受けました。

チームの結束力、信頼が勝利の鍵を握っていたのですね。
わたしもフリーランスのような動きをしていますが、
多くの方々のご厚意やご支援、
ネットワークに支えてもらっています。
感謝する気持ちを大事にしていきたいと思いました。

本日も、デンマークの最新ニュース。

デンマーク最大の洋上風車が立てられる計画が、
この水曜日(8月27日)国会で認められたそうです。
そこで、本日は、手持ちのヴィジュアルの中から、
コペンハーゲン沖合いの洋上風車の写真をセレクトしました。


右上のほうに、5mmくらいの棒が洋上に並んでいるのが
見えますか?

コペンハーゲンのカストラップ空港に舞い降りる時には、
必ず目に入りますから、確認してください。
20本の風車が海の上にたっています。

土台をどうやって作っているのか、
不思議でたまりませんが、ゆるやかな弧を描くように
立っております。

そして!

なんと!

今回は、100-175本の風車が、
ユトランド半島の北のカテガット海峡に建設されるそうです。
洋上というのは、適度に風がよく吹いて、風車にはいいようです。
ユトランド半島は、コペンハーゲンがあるシェラン島の西方にある
ドイツから伸びた半島です。

なんでも400メガワットの出力があり、
40万戸の年間電力を賄えるそうです。
(ちなみに、原子力発電1基で500メガワットですので、
 その平和的威力のほどをご確認くださいませ。
 また、原発はひっきりなしに動いておりますが、
 風車は風のある時だけ働くので、稼働率は30%で計算する
 のだそうです。いかにも、ムリがありません)

ちょっと待て!車は急には止まらない。
おばちゃん、すぐには計算できない。

デンマークの人口は542万人で、住宅は240戸。
世帯数は不明ですが、仮に200万世帯として、
全世帯の20%をまかうことができるというわけで、
モノスゴイ平和的規模です。

京都議定書では、
EU諸国は2012年の対1990年比8%CO2削減を約束しました。
日本は6%。アメリカはご存知のように参加せず。

これに対して、デンマークは21%の目標を掲げております。

デンマークは北海油田を所有していますので、
エネルギー自給率は1997年から100%を突破し、
2005年には150%を超えています。

原子力発電は1985年に作らないことを決めました。

そして、風力発電機(3枚羽のカッコいいやつ)の
生産世界シェアは50%であります。

現在は、バイオマス(麦わら、木片、糞尿、廃棄物)など、
再生可能エネルギーへのシフトにも力を入れています。

気象大臣は、国会の是認を大いに喜び、
デンマークの風力産業協会会長は、
「2020年までに30%にするというECの目標を達成するために、
 今後海に、陸に風車を立てていかなければならない。
 そして、それは、我々が温室効果ガスの削減に非常に真面目に
 取り組んでいることを国際的なメッセージとして発信することに
 つながる」
とのメッセージを発信しました。
現在は、全電力の20%を風力から得ています。

デンマークには現在、5267機の風力発電機(風車)が立っており、
その70%がユトランド半島にあり(2006年)、
洋上風車はデンマークの全風力エネルギーの22%にあたるそうです。

日本も、海に囲まれた国。
洋上風車を、もっともっと増やせばいいのに、
と思いませんか?









若者住宅入居者世代の人口

2008-08-24 | デンマーク最新
昨日、「ホームレス学生が住宅不足を嘆く」ということについて
書きましたが、
麒麟・田村の「ホームレス中学生」とは何ら関係ないので、
ご注意くださいませ。
映画化されているようで、お父さんの役を尾形イッセイが
演じています。

ところで、昨日、ごちゃごちゃと若者世代の人口について
書きましたが、わかりやすくするために、
年齢別人口を整理して、お知らせいたします。

12歳 7.1万人
13歳 7.2万人
14歳 6.9万人
15歳 7.0万人
16歳 6.7万人
17歳 6.7万人
18歳 6.5万人
19歳 6.2万人
20歳 6.0万人
21歳 6.0万人
22歳 5.9万人
23歳 5.8万人
24歳 5.8万人
25歳 5.9万人
26歳 5.9万人
27歳 6.3万人

ということで、1980年代なかばに生まれた
23歳-24歳あたりで底を打ち、あとは増え続けていることが
ご確認いただけると思います。

では、明日からの1週間がよい1週間でありますように。


5.9万人

5.9万人

デンのホームレス学生が住宅不足を嘆く

2008-08-23 | デンマーク最新
アイルランド、ライデンから再び話題はデンマークの
最新情報へ。
(写真に意味はないが、デンマークの話題であることを
お知らせするために、ロイヤルコペンハーゲン本社を
背にして撮ったホイブロ広場のものを掲げました)

ホームレス学生といっても、ホームレスではなく
「住宅のない学生」の意味でございます。

デンマークでは、
「家のない学生が住宅不足を嘆いている」とのこと。

デンマークにおいては、18歳になると同時に親元を離れて
家を出て、自分で生計をたてる。
この時、国から毎月8万円前後の補助金が出るのだが、
この時の生活の基盤となるのが「若者住宅」である。

若者住宅とは、若者向け公営住宅のことで、
日本の市営住宅、県営住宅の若者版ととらえてよいだろう。

しかし!

デンマークの公営住宅は、持ち家が持てない層への救貧対策として
位置づけられている日本の住宅政策(デュアリズム、二元主義)とは異なり、
全ての国民に質の高い住宅を供給する社会保障の一環として位置づけられて
いる点、注意が必要である。

日本のそれが、持ち家を持てる人とそうでない人を二つにわける
二元主義(デュアリズム)であるのに対して、
デンマークのそれは一元化(ユニタリズム)されていている。

日本では、「持ち家を持ちましょう」というのが基本であり、
持ち家を持てない人に対して、公共住宅(市営住宅、県営住宅)を用意する
二元主義の住宅政策をとっている。

よって、公営住宅入居には所得制限があり、
一定以上の収入がある人は公営住宅には住めない。
しかし、デンマークでは、公営住宅は誰にも門戸が開かれていて、
家賃が払えない人には、家賃補助という制度で、公平性を確保
している。

まさに、住宅は福祉の基盤であり、北欧諸国やオランダでは、
ユニタリズムに基づく公営住宅が、国民の20%整備されている。

そういうデンマークにおいて「若者住宅」は、若者向けに用意された
公営住宅で、誰でも申し込むことができる。

サイズとしては、1DKで50㎡くらいの広さがある。
家賃は、公営住宅と言えでも市場価格との連動しなければならないので、
毎月6-7万円くらい。

日本のワンルームマンションてなもんではおまへん。
キッチンだって、ごく普通の住宅と変わりはなく、
貧乏暮らしに変わりはないけど、きちんとした住宅に住んでいる。

金がなくても、住宅がきちんとしていれば、
「幸福感」は高いよね。

こうした、「若者住宅」が不足しており、
待機リストの数がどんどんと増えているとのこと。

そこで、デンばあは人口構成を調べてみた。

デンマークでは、1980年代なかばに少子化の底を打ち、
その後は1995年に戦後最大のベビーブームを迎えた。
現在も、年間6万5千人前後のベビーが生まれており、
今後の税金負担層が確実に増えている。

少子化が底を打って、まさに人口増加への道を歩み始めた年代
に生まれたベビーが、今まさに「若者住宅」に入らんとせん、状況なのである。

実際問題として、今24歳、25歳の若者は5万8千人なのに対して、
毎年多くなって18歳の若者は6万5千人もいる。
そして、戦後最大のベビーブームと言われる1995年生まれのベビーは
今13歳になって、7万2千人もいるのである。

こうした若者が、親から独立して「若者住宅」を求めているのである。

今年はとくに不足しているというが、人口構成を見ると、
今後ますます「若者住宅」の需要は増えるだろう。

若者たちの不平不満は「不足」にのみあるのではなく、
もし、空いた若者住宅に「入りたくない」と入居を拒めば、
待機リストの最後にまわって長い列をまたなければならないという
「システム」にもあるようである。

デンマークでは、「住宅政策は社会保障の基盤である」が実践されている。
若者たちにどのような対策が講じられるのか、
成り行きに注目したい。


デンマーク経済減速!か?

2008-06-27 | デンマーク最新
デンマークの好景気に暗雲が漂い始める!
というニュースが、6月初旬から流れています。

つい先日、「デンマークの競争力は世界第3位」と書いたばかりなのに、
おりからのオイル高騰の影響などもあって、
GDPの伸びの鈍化とインフレの可能性があるとのことなのです。

デンマークのGDPの伸び率は2000年以降は1.0%と2.0%の間を行ったりきたり。
2005年には3.4%という高い数値を記録していますが、
平均的には、1.5%前後をうろうろといったところでした。

ところが、2008年の成長率は1.3%か、1.2%止まり。
2009年には、0.7%から0.8%に低下するであろうとの予測なのです。
といっても、正直なところ、ピンとこない。

コペンハーゲンなどでは、このところ、バブルとも言える不動産の高騰が伝えられていました。
市内から郊外に抜ける道路沿いには、築100年を超えるアパートが並んでいます。
建物には築年が書いてあるので、築150年になるものあったります。
「デンマークでは、建物は古いほど人気がある」ということを
お聞きになったことがあると思います。

それは本当に、
築100年のアパートでも内部をモダーンにリノベーションして住み、
おまけにコペンハーゲンの都市再開発によって、
共用部分の廊下をきれいにし、
多くのアパートにエレベーターも取り付けられました。
とても、快適に住めるのです。数件の家を訪問したことがありますが、
100㎡以上の広さが普通です。

市内にはレイク(人口湖)がありますので、ジョギングなども楽しめ、
白鳥にパンをあげることもできたり、自然にすぐ近いのです。
おまけに階下におりればすぐ目の前に、バス停。
環境のよさと生活の便利さが融合するコペンハーゲンのアパートは
1億に届くものも多くなっているとのことでした。

こうした好景気に陰りが見えてきたとのことなのです。
まあ、好景気は永遠には続きませんわな。
しかし、労働市場は堅調で、賃金アップも5パーセントはムリにしても、
3パーセントは大丈夫だろう、競争力もまだまだあるので、
輸出にも影響はないだろう、との予測を行った模様です。

ちょっとちょっと、先日、看護師たちは向こう3年間で13.3%の賃上げを
勝ち取りましたけどねえええ。

こうした経済減速の中で、公共部門の一部の賃金のみを上げることは
全体からみても、やや無理があるのではないでしょうか。

経済の減速は、税収の減少を意味します。
となれば、福祉にも大きな痛手が、あるデー。今日は、フライデー。
あしたは、サタデー。大阪から広島じゃけん。

ということで、福祉にも、経済にも、それぞれの先行きに注目していきたいと
思うデンばあでした。

ときどき覗いてくださいね。
デンマークだって、いいことばかりではなあいのでアリンス。


国際競争力世界第3位

2008-06-24 | デンマーク最新
昨年11月の発表ですが、
世界経済フォーラムの「2007年世界競争力報告」によって、
デンマークの国際競争力は、昨年に続いて世界3位であることが発表されました。

幸福度、生活の質などの国際比較では、
かならずといってほど、北欧諸国が名前をつらねるが、
この報告でも、スウェーデン、フィンランドが入っており、
次ような順位となっております。
日本は、昨年5位から8位へ。

1(1):米国
2(4):スイス
3(3):デンマーク
4(9):スウェーデン
5(9):ドイツ
6(6):フィンランド
7(8):シンガポール
8(5):日本
9(2):英国
10(11):オランダ
11(23):韓国
12(10):香港
14(13):台湾
34(35):中国
48(42):インド   (日本経済新聞20081102)

順位を決める指標は110項目もあり、
「マクロ経済の安定性(政府債務、財政収支、物価安定、預貸金利の格差)」、
「技術革新力」「先端技術製品の政府調達」「産学の研究連携」
「経営の健全性」「ビジネスの洗練度」など、幅広い。

日本は物価安定や技術革新では高い点をマークしますが、
政府の借金の多さが足を引っ張る。
(だって、だって、日本は歳入の45%近くが借金から賄われて、
 歳出の20%近くが借金返すのにつかわれてるんですからね)

また、中国は成長が続いているにも関わらず、金融市場整備などの面で遅れを
とるため34位となる、そうな。

こうした総合的な評価においてで、3位であるということから、
高い福祉のレベルが、元気な経済、健全な財政によって支えられている
ということがよくわかります。
財政赤字も0で、税金は高くても借金の返済に回される事がないのです。

遮二無二働いているわけではないのに、
休暇だって6週間保障されているのに、
祝日をいれれば完全に2ヶ月はお休みとなるのに、
その上、今年、看護師は、主として賃上げを要求して、8週間のストライキを行ったのに、、、、

のに、のに、のに、のに、、、、

それに、それに、今の時期ともなると、みなさん4時には仕事を終えて、家路を目指すのに、
「夜の10時まで6時間、もう一回遊べるぞおお!!」って、言っているのに、

のに、のに、のに、のに、、、、

国際競争力 世界第3位。

のに、のに、のに、のに、、、、
というより、だから、だから、だから、、、なのかも。

つまり、幸せだからこそ、経済活動にもしっかりと集中できる。
まあ、卵とにわとりの関係でしょうね。

本当に大きな謎ですが、昨日もお話したように、
「金・権力・名誉」目的ではない人、「本当のしあわせづくりに尽力してくれる人」
を、選挙の投票できちんと選んでいる! これだけは、まず言えると思います。

のに、のに、のに、のに、、、
で、呂律がまわらなくなりましたが、
経済は減速傾向にあるようでもあり、
赤ちゃんは生まれているとはいえ、1985年の少子化が底を打った時期に生まれたベビーが
20歳後半の税金を払って社会を担う世代になっており、
暗い一面もあるのでございます。

しかし、本当に不思議な国。
この「謎」に導かれて、デンマークおばさんの「独りごち」は、続くのであります。

高齢者も宗教ばなれ?

2008-06-22 | デンマーク最新
エルドラ・セイエン(高齢者全国連盟)の調査結果より、
「ミドル・エイジや高齢者の間でも、宗教ばなれが確実に進んでいる」
という調査結果が発表されました。

21カ国で行われた40才以上を対象にして行われた調査において、
デンマークの調査についてはエルドラ・セイエンが担当したものですが、
「あなたにとって、もっとも大事なものは?」との質問に、
多くの国で「家族」が一番に挙げられ、二番目が「宗教」だったようです。

これに対して、デンマークでは「宗教」の順位が決定的に低く、
「宗教」を一番に挙げた人は、わずか1%しかなかった。

しかしながら、
「デンマーク人は年をとればとるほど、生活満足度が高くなる」
という結果が得られたようです。

デンマークにおける宗教ばなれは、もう当然のこととして理解していました。
つまり、日曜日に教会に行く、なんてことはしないし、
教会とのつながりは、教会税を納めること、
生まれた時の洗礼や14歳の堅信礼を行うこと、
結婚式(市庁舎でする人もいる)、亡くなった時にお世話になること、
くらいしか縁はなく、儀礼化していることを聞いていたからです。

というよりも、デンマークおばさんとしては、この調査結果について、
「年をとればとるほど、生活満足度が高くなる」という部分に注目したいです。

子供が独立すれば、一つの役割が終わり、
退職すれば、また一つの役割が終わる。

デンマークのお年よりたちは、
このことを喪失感として受け止めるのではなく
「いよいよ、自由になった!
 めいっぱい楽しむのはこれからよ」とばかりに、
エアロビに、水泳に、海外旅行にと
人生を楽しんでいると思います。

学ぶ時代(子供)、働く時代(壮年)を経て、
引退後は第三の人生として、楽しむ時代、自分ともう一度向き合う時代、
と考えているのです。

そうそう、それから、最近は「孫守(まごもり)」にも忙しいようです。
4月16日からの保育士のストライキ期間中も、おじいちゃん、おばあちゃんは
大忙しだったようですね。


民間健康保険の掛け金肩代わりで人気とり

2008-06-19 | デンマーク最新
王室の夏の宮殿があるフレーデンボー市が、市の職員に対して、
民間健康保険の掛け金の肩代わりを検討していることがわかりました。

6月23日の議会で検討されるようですが、これが可決されれば、
デンマークではじめての制度を取り入れた市(コムーネ)に
なるとのことです(copenhagen post)。

デンマークにおいては、医療・介護については税金で賄われており、
現在のところ原則無料となっております。
ならば、民間健康保険を掛ける必要などないではないか?
と、思われるかもしれません。

不思議に思い、デンマークの方に確認してみましたら、
カイロプラクティックを利用したり、
歯科治療(成人)には自己負担があるので、
民間の健康保険は必要だとのことでした。

足・腰・肩の痛みには、もちろん家庭医に相談しますが、
カイロプラクティックに通って改善することも
あるようです。
また、デンマークで手術をしようとすると待機リストが長くて、
なかなか手術を受ける事ができません。
それに輪をかけて、8週間にもおよぶ看護師のストがあります。
(急性期医療については、日本は本当にすぐれていると思います)
超お金持ちは、大枚をはたいて私立病院で治療してもらうようです。
(ごくごく一握りの話です)

そこで、医療費は原則無料のデンマークでも
民間の健康保険が必要になってくるわけです。

雇用主がこの民間健康保険を肩代わりすることは、
民間企業ではよく行われているようで、大きな魅力になっているようです。
フレーデンボー市としては、職員を引き止めておくためにも
このことは必要だと議論を始めたわけです。

つまり、施設介護や在宅介護の現場で働く職員は、
一部を除いて、そのほとんどが市の職員です。

一部を除いて、というのは、在宅介護においては
「自由選択」が始まっていますので、利用者は公共・民間の
どこからサービスを受けるか選ぶことができるのです。
デンマークでは、介護については長く公共の独占で行われてきたため、
「民間に依頼する」という意識が高齢者にもなかなか浸透せず、
民間企業からのサービス提供を選ぶ人の割合は伸びませんでした。

しかし、公共サービスの民営化はたしかに始まっており、
市が、派遣会社から看護師などの人材を派遣してもらっている
市も実際にあります。

もっとも公共色の強い介護の世界でも、民営化がすすんでいるのですから、
他の領域においては、想像にかたくありません。

ということで、この動きは、
公共(市)としても、民間と同様の就労条件を整備
しておかなければ、「よい人材が民間に流れしまう」という危機意識を
持ち始めた証拠といえます。

GDPの半分が税金に廻り、
GDPの約3分の1が社会保障につかわるデンマークは、
文字通りの「大きな政府の国」です。

でも、ひたひたどころか、確実に
民営化、市場競争の原理が押し寄せていることを感じます。

本日は、ちょっとまじめな話でした。


デンマーク、ガソリン250円

2008-06-16 | デンマーク最新
デンマークは、
オーストリア、ノルウェー、アイルランドに次いで、
ヨーロッパで4番目にガソリンの安い国だ
という報道がなされておりましたが、
日本からすれば、
相対的に、相当、かなりお高い値段でございます。

ガソリン価格がヨーロッパ全体に高いなかで、
デンマークは相対的に安いということなのでしょうが、
腰を抜かすほどに、高いのであります。

むかし昔、
日本ではレギュラー・ガソリンが145円でありました。
そんな折、デンマークでは8-9クローナ。
つまり、176円から200円していたのであります。

そこで、ここのところのオイル高によって、
11-12クローナになっております。
日本円に換算いたしますと(1クローナ=22円)、
242円~264円。
ざっと、250円です。

ガソリン・スタンドはセルフ・サービス。
日本のように、ガラス拭いて、オイル点検のお薦めがあって、
空気圧まで見てくれて、、、おまけに、帰る時には誘導まで
してくれる。
そんな、サービスはありません。
(過剰サービスと言うべきでありましょうか)

そして、ガソリンの値段は
高い塔のような看板に電光掲示されて、
時々刻々値段が変化します。

値段変化の傾向はなんとなくわかってくるようです。
日曜日の夜中に安くなる、、、というようなカンジです。
そこで、その頃に給油しに行く。
最近では、あまりの高さに
「10クローナ台だと、給油する」と、
私の友人などは、決めているようです。

ガソリンの高騰に困り果てるのは、日本もデンマークも同じ。

しかし!

デンマークは土地が平らだし、
電車にも自転車ごと乗れるし、
自転車道もよく整備されているから、
「明日から自転車で通勤するべえかあ」
と、思えばできないこともないでしょう。

それに引き換え、わが町は、坂だらけ。
せめて、日常の買物くらい自転車で、と思いますが、
また、我が自転車は「アシスト付き高級車」であるのですが、
思いだけでは、重い荷物が運べなああい。

ついつい、自動車に乗ってしまいます。
当分、オイル高に苦しめられそうです。



スト中にバケーション?!

2008-06-14 | デンマーク最新
看護師のストは、
介入を拒んでいた政府も乗り出して終結しそうな模様です。

4月16日の水曜日から、なんと!
8週間めをすでに、過ぎております。

昨日、デンマーク人は年間6週の休暇をとるといいましたが、
6+8=14週。なんと、3ヶ月半、仕事場から離れていることに
なります。

なんて言うと、いかにも日本人的発想だああああ!!!
ということになるのでしょうが、
正直なところ、これでよく国が回っているなあと、
思います。

実際に、3500件を越す手術がキャンセルされ、
白内障手術を待つ友人も、もう2ヶ月以上も手術を延期
されています。

さて、こうしたストの最中に!!!

ことも、あろうに!!!!

バケーションしていた看護師が5人おりました。

そ、そ、そ、そんな、、、、
バケーション、バケーゲション、バケーゲタ話と、
思うなかれ。

その5人の看護師の存在によって、
「スト中にバケーションしてはいけない」ということが
明らかになった、というややこしい報道が、
Berlingske Tidende紙でなされました。

スト中にバケーションしてはいけないことくらい、
自明の理ですよね。

スト解除されれば、次の日から、即仕事が始められるように、
スタンバイしておく。これくらい、常識でしょう。
だったら、休暇には行けないなず。

でも、5人の看護師はホリデーしてしまった。。。。。

デンマークの場合、スト中は組合からお給料が出ています。
だから、この5人の看護師は、そのお給料を組合に返すべきであって、
組合からも除外されるべき。

と、看護師組合の副代表が言ったそうです。
当然だと思います。
「ストには金がかかってまんねん」と、いうことです。

そうだ、そうだ。
国民の命を危険にさらしてまでするストライキは、
そこまでして、賃金アップを願う、看護師の壮絶な主張があるはず。
休暇にでてしまうとは、ちと情けないではありませんか。

しかし!

実際には、多くの看護師、保育士が、ストライキ中に休暇が取れる
法律がないものかと、雇用主に相談したそうであります。

ちょっと、情けない。かなり、情けない。

ストが長引けば、
なかにはこうした不埒な組合員もでてくるのですね。

残念、無念のデンマーク情報でした。


オイル高、休暇に影響

2008-06-13 | デンマーク最新
バケーションと言えば、、、

デンマーク人は、バケーションのために働いている。
と言っても過言ではないほどに、
バケーション大好き国民です。

年間6週間の休暇が認められていて、
7月ともなれば、1週間、2週間と休みをとって
休暇にでかけます。
夏は北へ、冬は暖かい南へ。

7月がバケーションのピークでしょうか。
よって6月は、7月に向けて気もそぞろ。

6月後半くらいから、メールでの連絡がとりくにになり、
「オートリプライ(自動返信)」で
「仕事場にいません。○月○に帰ります」というメールが
返ってくるようになります。
計算してみると、、、、その長さは、1週間、2週間、、、
こちらは、じっと待つしかありません。

連絡をとる時には、6月中に済ませる。
7月の訪問は控える。
とういうのが、デンマークとおつきあいする常識です。

しかし、このオイル高。
デンマークでも飛行機運賃が高騰し、
バケーション旅行にも影響が出ている模様です。

例えば、
昨年の冬と較べて、約500クローナ(約1万1千円)のアップ。
家族4人が移動するのに、2000クローナ(約4万円)のアップは
大きな痛手です。

とくに夏は気候がいいので、国内にいても、
近場であそぶことができるでしょう。

しかし、しかし、、、
あの暗い、冬、冬、冬。
オイル高は、北国の暮らしの質にくらああい影響を及ぼしそうです。

コペンのアンデルセン評価

2008-06-12 | デンマーク最新
本日、ケイ様より、コペンハーゲンにできた
アンデルセン(広島タカキベーカリー)のお店の
パンについてのコメントをいただきました。

ありがとうございました。

味のほうは、日本のアンデルセンのものを期待された
ようですが、
それとは異なるものだったようです。

デンばあが次ぎにデンマークに行くのは、
年末くらいになると思います。

それまで、わが舌で確かめる事ができません。
が、かならず行ってまいりますので、
お待ちくださいませ。

こんな職場で働いてる

2008-06-11 | デンマーク最新
先日、デンマークは「働きやすさでヨーロッパ1位」
ということをお知らせしました(6月9日)。

インタビューなどで、
デンマークの高齢者福祉に関係する職場にもよくお邪魔する
のですが、それに関した映像を撮っておりましたので、
その中から1点。

これは、政府関係の仕事場です。
改修したすぐ後だったので、まだパソコンなどを
持ち込んでいないのですが、
一人5-7㎡は確保されていることを確認いただけると思います。
(正確な情報ではありません)
そう! 高齢者住宅におけるトイレより一回り
狭いくらいでしょうか。

それに、社会省ではこんな大部屋はみかけません。
すべて個室で、一人あるいは二人で仕事していますので、
かなりな面積が確保されていると思いますし、
「労働環境法」でも、明示されていると思います。

デンマーク人って、ポヨポヨしてるように見えて、
集中力はすごいと思います。
それに、お昼だって、
りんご1個くらいですませて仕事にもどり
「早く帰ることを優先する」価値観で生きていることを
何度か経験しました。

デンばあの経験上、不特定多数の人間のなかで、
同じような現象を3度以上体験すると、
それは、それらの方々に共通する特徴で構成される集団(母集団)の
抜き差しならない傾向である、と仮定して間違いない、
と思っています。

話が横道に逸れましたが、、、、

よい労働環境を提供することは、
仕事の効率をアップするだけでなく、質を高めます。

そう!いいアイデアが浮かんでくる、、、
前向きに、次々、次々どんどんと、、、、

それに、疲れないから、働くその人の健康にもいい。
健康にもいいと、本人の気持ちがいい、
本人の気持ちがいいと家族もハッピー。
それに、医療費がかからないから、社会にとってもありがたい。

てな、ことで、
デンマークでは、お仕事環境を非常に大事にしていることを、
この映像からもご確認いただけると思います。

それに、このタイプの机は上下します。

だから!

座ることに疲れたら、立って仕事をする、
こともできるのです。
それに、ごちゃごちゃゴチャゴチャとモノが
置いてないのは、どの職場にも共通しています。
(この写真の職場にはまだ人が入っていませんが、
 実際に稼働し始めても、パッと見、
 これくらいのクリーンネスは維持されます)

日本のお役人の方の仕事場と較べていかがでしょうか。
ノー・コメント。

それより、資料やら何やらを広げっぱなしで、
次の仕事に移り、「もの探し」で時間の大半を費やしている
わが身について、深く反省したいと思います。

よし!片付け!始めよう!







働きやすさは欧州1位!

2008-06-09 | デンマーク最新
デンマーク人の仕事の質は、ヨーロッパで1番!
という結果を、ヨーロッパ経済政策労働者ネットワーク(ELNEP)が
最近のランキングで明らかにしたそうな。

その指標はというと、、、、
ワーキング・プアの数、パートータイム労働の強制、
仕事場での健康、組合率、である。
「働きやすさランキング」って、とこでしょうか。

2000年の調査では3位だったのが、今回は
スウェーデン、オランダを押さえての1位。

組合の強さは、最近の看護師さんの戦いぶりをみても
明確ですよね。
4月16日からのストライキ、今週の水曜日で
8週目になりまする。
政府が介入すると言っておりましたが、、、、、

それから、仕事場での健康については、
「労働環境法」というのがあって、介護の仕事をする方に
ついては、25kg以上をもちあげてはいけない、
と守られたりしています。

お年よりをベッドから車椅子やポータブルトイレに
移乗する時だって、リフトや座位保持器を
よく使う。

職場でのワーキング・スペースも、
十分にもらえている。何㎡かは知りませんが、
7㎡くらい保障されているのではないでしょうか。

環境を良くして、健康にも配慮して、お給料もそこそこで、、、
そうして良い仕事もできるってもんではないでしょうか。

デンマーク、おめでとう!

また、「給料が安い!」と思ってる人も
8.5%でヨーロッパでもっとも低い数値だったんですって。

デンマーク、おめでとう!

日本よ、大丈夫か?!

人間がしあわせになれる国にしないと
いけませんよね。