労働審判は,第1回期日まで(答弁書の記載内容等,第1回期日での説明)が勝負です。
裁判官からも同様の発言を聞いたことが,何度もあります。
第1回期日終了時までに形成された心証に基づいて調停が試みられ,労働審判が出されるのが通常です。
訴訟を提起された場合は,差し当たり,請求棄却を求め,請求の原因については「追って認否する。」とだけ記載した答弁書を提出し,第2回期日までに認否反論を準備すれば足りることも多いですが,労働審判ではそれは許されません。
また,第1回期日の変更は原則として認められません。
少なくとも,準備不足を理由とした第1回期日の変更は認めてもらえません。
労働審判手続では,当事者双方及び裁判所の都合のみならず,忙しい労働審判員2名のスケジュール調整が必要なため,期日の変更が通常の訴訟よりも難しくなっているようです。
第1回期日の変更が例外的に認められた事案の大部分は,申立書が裁判所から届いて1週間から10日程度までの時期,労働審判員の選任が完了していない時点に,裁判所に連絡して日程調整した事案のようです。
第1回期日は,原則として申立てから40日以内の日に指定されますから(労働審判規則13条),相手方(主に使用者側)としては,準備する時間が足りないから第1回期日を変更したい,あるいは,主張立証を第2回期日までさせて欲しいということになりがちですが,いずれについても実際は難しいということになります。
したがって,たとえ不十分であっても,第1回期日までに全力を尽くして準備していく必要があります。
なお,弁護士は随分先までスケジュールが入りますから,のんびりしていると第1回期日の日時に別の予定が入ってしまいます。
依頼したい弁護士がいるのであれば,申立書が会社に届いたら直ちにその弁護士に電話し,第1回期日の予定を空けておいてもらうなどの対応が必要となります。
私のところに労働審判の相談に来た時期が第1回期日まで1週間を切った時期(答弁書提出期限経過後)だったため,即日,急いで作成した答弁書を提出せざるを得ず,第1回期日が指定された日時は私のスケジュールが既に埋まっていたため,第1回期日に私が出頭できなかった事案もありました。
当事者は,裁判所(労働審判委員会)に対し,主張書面だけでなく,自己の主張を基礎づける証拠の写しも提出するのが通常ですが,東京地裁の運用では,労働審判委員には,申立書,答弁書等の主張書面のみが事前に送付され,証拠の写しについては送付されない扱いとなっています。
労働審判員は,他の担当事件のために裁判所に来た際などに,証拠を閲覧し,手控えを取ったりしているようですが,自宅で証拠と照らし合わせながら主張書面を検討することはできません。
また,労働審判官(裁判官)も大量の事件を処理していますので,答弁書を読んだだけで言いたいことが明確に伝わるようにしておかないと,真意が伝わらない恐れがあります。
労働審判委員会は,申立書,答弁書の記載内容から,事前にそれなりの心証を形成して第1回期日に臨んでいます。
第1回期日は,時間が限られており,その場で言いたいことを言う機会が十分に与えられるとは限りません。
したがって,労働審判手続において相手方とされた使用者側としては,重要な証拠内容は答弁書に引用するなどして,答弁書の記載のみからでも,主張内容が明確に伝わるようにしておくべきことになります。
陳述書を答弁書と別途提出するかどうかは当事者の自由ですが(答弁書の記述で足りるのであれば,陳述書を出す必要はありません。),重要ポイントについては,答弁書に盛り込んでおくことが必要となります。
第1回期日おける審理では,代理人弁護士の発言はほとんど認められず,代理人が発言すると制止されることが多いので,会社担当者が事実説明をしていくことになります。
したがって,期日には代理人弁護士が出頭するだけでは足りず,紛争の実情を把握している会社担当者が2名程度,出頭する必要があります。
しかし,会社担当者は裁判所の手続に不慣れなことが多いため,緊張して事実を正確に伝えることができなくなりがちです。
言いたいことが言えないまま終わってしまうことがないようにするためには,事前に提出する答弁書に言いたいことをしっかり盛り込んでおいて当日話さなければならないことをできるだけ減らしておくべきでしょう。
労働審判の第1回期日にかかる時間についてですが,2時間程度はかかるものと考えておく必要があります。
私がこれまでに経験した労働審判事件の第1回期日は,1時間20分~2時間30分程度かかっています。
事案の難易度にもよりますが,同程度の事件であれば,申立書,答弁書において,充実した主張反論がなされているケースの方が,所要時間が短くなる傾向にあります。
第2回以降の期日は,第1回期日で実質的な審理が終了し,労働審判委員会から調停案が示されていたような場合には,解決金の金額を中心とした調停内容についての調整がなされることになり,当事者双方が調停案を直ちに受け入れたような場合は,期日は30分足らずで終了することになります。
ただし,第2回以降の期日であっても,当事者双方が調停案を直ちに受け入れなかったものの,もう少しで調停が成立しそうな状況だったため,その日のうちに調停を成立させるために交渉が継続され,約2時間30分かかったことがありました。
念のため,長めにスケジュールを空けておいた方が無難かもしれません。
裁判官からも同様の発言を聞いたことが,何度もあります。
第1回期日終了時までに形成された心証に基づいて調停が試みられ,労働審判が出されるのが通常です。
訴訟を提起された場合は,差し当たり,請求棄却を求め,請求の原因については「追って認否する。」とだけ記載した答弁書を提出し,第2回期日までに認否反論を準備すれば足りることも多いですが,労働審判ではそれは許されません。
また,第1回期日の変更は原則として認められません。
少なくとも,準備不足を理由とした第1回期日の変更は認めてもらえません。
労働審判手続では,当事者双方及び裁判所の都合のみならず,忙しい労働審判員2名のスケジュール調整が必要なため,期日の変更が通常の訴訟よりも難しくなっているようです。
第1回期日の変更が例外的に認められた事案の大部分は,申立書が裁判所から届いて1週間から10日程度までの時期,労働審判員の選任が完了していない時点に,裁判所に連絡して日程調整した事案のようです。
第1回期日は,原則として申立てから40日以内の日に指定されますから(労働審判規則13条),相手方(主に使用者側)としては,準備する時間が足りないから第1回期日を変更したい,あるいは,主張立証を第2回期日までさせて欲しいということになりがちですが,いずれについても実際は難しいということになります。
したがって,たとえ不十分であっても,第1回期日までに全力を尽くして準備していく必要があります。
なお,弁護士は随分先までスケジュールが入りますから,のんびりしていると第1回期日の日時に別の予定が入ってしまいます。
依頼したい弁護士がいるのであれば,申立書が会社に届いたら直ちにその弁護士に電話し,第1回期日の予定を空けておいてもらうなどの対応が必要となります。
私のところに労働審判の相談に来た時期が第1回期日まで1週間を切った時期(答弁書提出期限経過後)だったため,即日,急いで作成した答弁書を提出せざるを得ず,第1回期日が指定された日時は私のスケジュールが既に埋まっていたため,第1回期日に私が出頭できなかった事案もありました。
当事者は,裁判所(労働審判委員会)に対し,主張書面だけでなく,自己の主張を基礎づける証拠の写しも提出するのが通常ですが,東京地裁の運用では,労働審判委員には,申立書,答弁書等の主張書面のみが事前に送付され,証拠の写しについては送付されない扱いとなっています。
労働審判員は,他の担当事件のために裁判所に来た際などに,証拠を閲覧し,手控えを取ったりしているようですが,自宅で証拠と照らし合わせながら主張書面を検討することはできません。
また,労働審判官(裁判官)も大量の事件を処理していますので,答弁書を読んだだけで言いたいことが明確に伝わるようにしておかないと,真意が伝わらない恐れがあります。
労働審判委員会は,申立書,答弁書の記載内容から,事前にそれなりの心証を形成して第1回期日に臨んでいます。
第1回期日は,時間が限られており,その場で言いたいことを言う機会が十分に与えられるとは限りません。
したがって,労働審判手続において相手方とされた使用者側としては,重要な証拠内容は答弁書に引用するなどして,答弁書の記載のみからでも,主張内容が明確に伝わるようにしておくべきことになります。
陳述書を答弁書と別途提出するかどうかは当事者の自由ですが(答弁書の記述で足りるのであれば,陳述書を出す必要はありません。),重要ポイントについては,答弁書に盛り込んでおくことが必要となります。
第1回期日おける審理では,代理人弁護士の発言はほとんど認められず,代理人が発言すると制止されることが多いので,会社担当者が事実説明をしていくことになります。
したがって,期日には代理人弁護士が出頭するだけでは足りず,紛争の実情を把握している会社担当者が2名程度,出頭する必要があります。
しかし,会社担当者は裁判所の手続に不慣れなことが多いため,緊張して事実を正確に伝えることができなくなりがちです。
言いたいことが言えないまま終わってしまうことがないようにするためには,事前に提出する答弁書に言いたいことをしっかり盛り込んでおいて当日話さなければならないことをできるだけ減らしておくべきでしょう。
労働審判の第1回期日にかかる時間についてですが,2時間程度はかかるものと考えておく必要があります。
私がこれまでに経験した労働審判事件の第1回期日は,1時間20分~2時間30分程度かかっています。
事案の難易度にもよりますが,同程度の事件であれば,申立書,答弁書において,充実した主張反論がなされているケースの方が,所要時間が短くなる傾向にあります。
第2回以降の期日は,第1回期日で実質的な審理が終了し,労働審判委員会から調停案が示されていたような場合には,解決金の金額を中心とした調停内容についての調整がなされることになり,当事者双方が調停案を直ちに受け入れたような場合は,期日は30分足らずで終了することになります。
ただし,第2回以降の期日であっても,当事者双方が調停案を直ちに受け入れなかったものの,もう少しで調停が成立しそうな状況だったため,その日のうちに調停を成立させるために交渉が継続され,約2時間30分かかったことがありました。
念のため,長めにスケジュールを空けておいた方が無難かもしれません。