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「勤務態様」についての判断要素

2014-07-24 | 日記

平成20年9月9日基発第0909001号『多店舗展開する小売業,飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について』は,「勤務態様」についての判断要素に関し,どのように述べていますか。

 平成20年9月9日基発第0909001号『多店舗展開する小売業,飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について』は,「勤務態様」についての判断要素に関し,以下のように述べています。
 管理監督者は「現実の勤務態様も,労働時間の規制になじまないような立場にある者」であることから,「勤務態様」については,遅刻,早退等に関する取扱い,労働時間に関する裁量及び部下の勤務態様との相違により,次のように判断されるものであること。
(1) 遅刻,早退等に関する取扱い
 遅刻,早退等により減給の制裁,人事考課での負の評価など不利益な取扱いがされる場合には,管理監督者性を否定する重要な要素となる。
 ただし,管理監督者であっても過重労働による健康障害防止や深夜業に対する割増賃金の支払の観点から労働時間の把握や管理が行われることから,これらの観点から労働時間の把握や管理を受けている場合については管理監督者性を否定する要素とはならない。
(2) 労働時間に関する裁量
 営業時間中は店舗に常駐しなければならない,あるいはアルバイト・パート等の人員が不足する場合にそれらの者の業務に自ら従事しなければならないなどにより長時間労働を余儀なくされている場合のように,実際には労働時間に関する裁量がほとんどないと認められる場合には,管理監督者性を否定する補強要素となる。
(3) 部下の勤務態様との相違
 管理監督者としての職務も行うが,会社から配布されたマニュアルに従った業務に従事しているなど労働時間の規制を受ける部下と同様の勤務態様が労働時間の大半を占めている場合には,管理監督者性を否定する補強要素となる。



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