続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

矛盾を乗り越えると成長する

2010年09月19日 | 積み重ね
前回書いた大三のポイントを参考にしている人が稽古に来ていて、少し見る機会があった。そのときに気になったところがあるのでここで補足をしたい。

それは、大三で引き尺を取りすぎてしまうということである。

大三での引き尺は、矢尺の半分以下がよいとされており、それ以上大三で引いてしまうのは引きすぎになる。

一方で、前回お伝えしたように、身体で引く準備のためにはしっかりと弓が身体に入るくらいまで引き寄せなければならない。

この矛盾をどう解消すればよいだろうか?

これを解消するためには、以下の2点が大事である。

① 引くのではなく、張り上げることを意識する
② 特に妻手を引かないように注意し、弓手に引かれるまま十分送り込む。(ただし二の腕は張っていること)

いずれも同じことを言っていて、要は、引かずに両腕とも張り上げようということだ。

張り上げるには、弓手は深く伸びていなければ張ったことにならないし、妻手は深く送り込み、わき腹から二の腕にかかる筋を伸ばさないといけない。

同じ張り上げるという行為でも、弓手と妻手ではだいぶ感覚が違うのである。

そして、このようにして両腕を張り上げることにより、大三でむやみに引くことはなくなるため、半分以下の矢尺で大三が取れるはずである。

逆に、矢尺の半分で大三を取ろう、そして、両腕も深く張り伸ばそうと試行錯誤をしているうちに、自然に身体で引く形ができるようになってくるのである。