続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

力の入れどころ

2010年05月14日 | 積み重ね
人に教えていると、自分でも「今の発言は矛盾しているな」と思うことがあるのだが、実際に自分の感覚をそのまま伝えようとするとそうなってしまうのだから困りものである。

たとえば、力を抜くな、サボるな、といっておきながら、力を抜け、といってみたり。これでは教わる側は混乱せざるを得ないだろう(反省)。

伝えようとしていることは身体全体のこと全てを含んだ感覚なのだろうと思うのだが、それを一言で言い表すのは難しいので、どうしても言葉で説明すると部分に焦点が行ってしまい、一見矛盾するように見えてしまう。

力の入れ具合についても、身体の総体としてはどっしりと構え、脱力し、重力に身体を任せている状態でありながら、力を入れるべきところはこれ以上ないくらいしっかりと力が入っていて、弓に対して圧倒的な力でもってそれを制しているのである。

弓道を含む武道の難しいところは、まさにこの点である。つまり、総体として脱力していながらも、入れるべきところは相手を制しきるくらいの圧倒的な力を発揮しているという点だ。

この力を入れるべきところというのは、一貫して、伸びる筋肉、伸筋である。伸筋だけはどこまでも伸び続けんとするほどに、しっかりと利いていなければならない。

しかし、一般的な力むとは全く別物で、伸筋を利かせるためには総体としてリラックスしていなければならないのだ。

書いていても矛盾を感じざるを得ない感じだが、ここが武道の難しいところであり、深く、面白いところなのだろうと思う(ことにしよう)。