東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

ホットな街、店の現場から“時代”が見えるタウンウォッチング。経営に関連するヒントを独善的に“切る”短文のコメント。

東京タウンウォッチング 渋谷シンクスのライフスタイル売り場とコンセプトがGood !!

2012-08-23 15:42:19 | 原宿・渋谷・代官山・恵比寿・三軒茶屋
東京タウンウォッチング 渋谷シンクスのライフスタイル売り場とコンセプトがGood !!
~経営コンサルタント・安岡裕二の「東京タウンウォッチングガイド」~

    

 東急グループの開発した「渋谷ヒカリエ」。空中に飛び出して浮かんだような劇場がNYの本場ミュージカルでこけら落としをするなど、文化発信で話題となった。下層階には、東急百貨店が運営する「シンクス」が入った。以前の東急文化会館跡地だからワンフロアの面積が小さくどんな百貨店?を作るのか、お手並み拝見と言った野次馬的興味もあった。

 所がどうして、中々楽しい売り場になっていて、業績も予算を上回っていいという。特徴的な事は、食、食物販が5割、物販5割といわれる衣料不振の背景の中で、徹底して“雑貨”に個性を出していること。その象徴が5階のライフスタイル雑貨の売り場。
(*写真 上段は飲食フロアの死角コーナーを活用した卓球台??? 下段左コンランキッチン。 下段右 5階売り場)

 核となる大型のショップに知名度の高いイギリスのデザイナーコンランが監修する「コンランキッチン」。厨房施設があり実演もする本格派だ。コンランはサーと呼ばれるほど英国では格が高い存在。日本では、丸ビルに家具、インテリアショップを出し既に知られた存在。料理をしない私でも、厨房に立って腕をあるって見たい衝動が起きた(ホント~!?)。それくらいあこがれ感を抱かせる売り場だ。

 小さな区画に入るショップでは、オーガニックやナチュラルをテーマにした個性派は勿論、「お出かけエプロン」を提案する店やハンドメードキャンディなど、大と小が変化と楽しさを生み出している。

 『文化発信機能にこだわった。コンセプトは“スパークリング”(はじける)で、新業態、地方名店、世界初などを導入した』(店長)という。25才~35才をメインターゲットにしたというが、OL~キャリアまで、独り暮らしの多い“大人女性”の狙いはピタリはまったようだ。

 その他、メーカーの仕切りを外したオープンな「靴売り場」が、お客様の立場に立った選びやすい、見通しの良い売り場になっていたり、関連商品で靴と足の悩みを解決、サポートするパッケージされた小物商品がズラリと壁面を埋めていたのには驚いた。働く女性がいかに靴の悩みを抱えているかにビックリした次第です。日本人のアイデアは、正に“日本人的親切心”から生まれてくる、コリャ最早“文化”と呼べるレベルと感心した次第。

 東急百貨店社長の語る渋谷論も見識に満ちている。提携関係にある伊勢丹から2010年に移ってこられたとの事だが、その時渋谷を、“混沌の街”と見ていたという。高級住宅地があり、若者文化のセンター街(今は、バスケ通りという)があり、文化村、IT企業の集積、路地裏のカオスもある…正にもの凄いエネルギーのマグマがあると感じていたという。

 そうした中で、10年後の東急百貨店像を社内で議論し、「ハグ・エブリマン」というスローガンが生まれた。ハグは、抱擁。そこから「お客様にどれだけ尽くすか」というトコトン作戦、これでもか作戦など実行に移す。例えば、お彼岸の時期におはぎの種類をこれでもかというほど揃えたという。

 又、『品揃えを豊富にするのは大変な事、それ自体が教育。まず人づくり、次が店づくり、 そしてお客様づくりになる。この順番が大事。売上や利益を上げろとは言いません』…ナルホド、伊勢丹の強さの一端を見た思いでした。

 渋谷「シンクス」には、トレンドを知覚するヒントがいっぱいありました。
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